皆様もお気をつけ下さいませ。
友人「ヴァーハハハ!! ヴァーハハハ!!」
私「…デタ!?」
友人「ヴァーハハハ!!」
私「エッ、デタ!?」
友人「――ダメダアアアアア!!」
私「アーッ!!」
以上、友人のガチャ結果でした。
有償福袋ガチャ(闇鍋)は悪い文明、粉砕する。
しかし、あれは愉えt…いえ、何でも有りません。
陸では、未だに2機のMAが猛威を振るっていた。
「砲撃用意! 目標、前方のMA!」
ゲーティアは、主砲をMAに向ける。
それ以外にもミサイル発射管、大型ビーム砲を展開して2機のMAをロックオンした。
「発射準備完了、行けます!」
「全砲、一斉射!」
全ての武装が火を吹き、スイエルとバラキエルに襲い掛かる。
『『 !?』』
スイエルとバラキエルが気付いた瞬間、それぞれにミサイルや砲弾、ビームが直撃した。
スイエルは何本もの足を破壊され、バラキエルは装甲を吹き飛ばされ両者ともが体勢を崩す。
「オセアニア軍、攻撃開始! 小型MAの数を少しでも減らせ!!」
オセアニア軍のMSが出撃し、プルーマへの攻撃を開始した。
プルーマは僅かながら陣形を崩され、スイエルとバラキエルにそれぞれ隙が出来る。
そして、その隙を見のがすアグニカとスヴァハではない。
バエルは剣を構えてスイエルに向かい突撃し、アガレスは銃を構えてバラキエルを攻撃する。
バエルがスイエルを背中の腕ごと剣が貫き、バラキエルはアガレスに頭部をやられて悶える。
アガレスはバラキエルに肉薄し、ナイフを抜いてコンピューター部を刺し貫く。
バラキエルは沈黙し、崩れ落ちる。
『アグニカ!』
「う、らァ!」
バエルは刺した剣を横に振り、スイエルの胴体を分断。
コンピューター部を剥き出しにされたスイエルに、アガレスが射撃する。
無事コンピューター部を射撃されたスイエルは、そのまま倒れた。
「何とか、なったが…」
バエルは剣を納めつつ、トリントンを俯瞰する。
トリントンの約4分の1は、焦土と化してしまっていた。
『守り、切れなかった…』
「ッ…クソ!!」
アグニカが操縦桿を叩きつけるが、それでトリントンが元に戻る訳でもなければ喪われた命が戻って来る訳でもない。
『――戻ろう、アグニカ。その後…って、どうしたの?』
「いや…人がいたような…」
スヴァハは、訝しげに周囲を調べる。
アグニカもスヴァハも、今は激戦地…MAに程近い部分に着陸している。
住民は避難したか、あるいは全員――
「――ッ」
スヴァハは唇を噛み、とりあえずアガレスをバエルの近くへ移動させる。
すると、アグニカがコクピットから出てトリントンへ降りた。
スヴァハも続いて、トリントンへ降りる。
「だから、どうしたの…って――」
アグニカの前には、1人の少年が立っていた。
目尻に涙を浮かべ、目を赤く腫れさせた少年だ。
「――なんで」
少年は口を開きながら、アグニカへ突っかかった。
「なんで、助けてくれなかったんだ!! MAの…アイツらのせいで、僕の姉さんは――僕の姉さんは殺されたんだ!! アンタら、強いんだろ!? さっきもMAを倒した、強い奴らなんだろ!? だったらなんで、僕の姉さんを助けてくれなかったんだ!!!」
アグニカは抵抗せず、少年の慟哭を受け止める。
「――ごめんな。お前の姉さんを、助けられなかったみたいだ」
「みたいだ、って何だよ…! MAを倒したんなら、僕の姉さんくらい生き返らせろよ!!」
「…残念だが、俺達にはそんな事出来ない」
そのアグニカの言葉を聞いて、少年は拳を振りかぶる。
「殴りたければ、殴ってくれて良い」
「――ッ…!!」
少年はアグニカの顔を殴った後、膝から崩れ落ちた。
アグニカは血を拭って、少年の近くでしゃがむ。
「…今のお前に、こんな事を聞くのはズルいと理解している。恨んでくれて構わない」
そして、アグニカはこう言った。
「アイツらを倒す力――欲しくないか?」
その一言は――少年の心に、深く刻まれ何度も響く事になる。
「ちょっと、アグニカ!?」
「――さっきも言った通り恨んでくれて良い、嫌ってくれて良い。だが、俺は今こう問わなきゃならない。今、ヘイムダルは深刻なパイロット不足だ。如何に汚い手を使って人の想いをダシにしてでも、俺達はMAを狩り尽くすと誓った」
それがクズのやる事であり、「煽動屋」よりあくどい赦されざる行為である事をアグニカは理解している。
しかし、それでも実行しなければ人類の未来は閉ざされる。
「俺達と共に、クソッタレな天使を狩らないか?」
眼前の少年が持つ姉への想いから来る純粋で美しい怒りを利用してでも、ヘイムダルは目標を果たさねばならないのだ。
だからこそ、アグニカは少年へ力を与え協力させようとする。
厄祭戦を終結させた伝説の英雄だ、と全人類に崇め讃えられようが、アグニカは自分がそうだと思った事は無い。
自分の目的を果たすべく他人の想いを利用し他人の命を踏み台にしながら、満足に使命を果たせず自分だけは無様に生き残った。
そんなクズ野郎が、英雄なんて器であるハズが無いのだから――
「…欲しい」
そして、今まさにアグニカは1人の少年の人生を狂わせた。
「
「…分かった。俺の名は、アグニカ・カイエル。お前は?」
「――
大駕は差し出されたアグニカの手を取り、立ち上がった。
大駕・コリンズ。
後にガンダム・グラシャラボラスのパイロットとなる、天使への復讐者であり――天使の殺戮者の名前である。
◇
ゲーティアに戻った俺とスヴァハは、少年こと大駕にガンダムを見せていた。
ゲーティアのブリッジには多くのガンダム・フレームが並んでいるが、ガンダム・バエルとガンダム・アガレス以外はほぼ未使用だ。
ガンダム・ヴァッサゴのみはその特殊兵装からマッドサイエンティストにコードを繋げられて起動させられた事も有るが、それ以外は新品のまま。
その未使用ガンダムの中から、大駕は1機のガンダムを指名した。
「あれにする」
「――ちょっと待って、あれ…!?」
「ああ。俺はあれが良い…えっと、スヴァハさん」
スヴァハが本当に良いのかと問い掛けているが、それも致し方無いだろう。
ガンダム・グラシャラボラス。
並み居るガンダムの中でも特に宿る悪魔が凶暴で、阿頼耶織からのフィードバックとリミッター解除の際の対価が非常に大きい最凶の機体だ。
その凄まじさは、マッドサイエンティストをして「あれは使わない方が良い」と言わせた程なのだ。
「…本当に良いのか? 下手をすれば、起動しただけで死ぬかも知れんぞ」
「構わない。俺は、あれでMAを殺す」
そう言う大駕の目に、光は無い。
ただただ復讐に燃える、怨念の詰まった冷たい目で大駕はグラシャラボラスを指名したのだ。
「――分かった。だが、暴走はしてくれるなよ」
「ああ。殺戮の悪魔だか何だか知らんが、俺は必ずアイツらを殲滅する…!」
不安げに「止めさせて」と訴えるスヴァハの視線を受けながら、俺は大駕のグラシャラボラス搭乗を認可した。
◇
「何でなの、アグニカ!」
アグニカの部屋の前で、私はアグニカに問い詰める。
「何で止めなかったの? あのグラシャラボラスが全ガンダムの中でも最も危険だって事は、キミにも分かってるでしょ!? このままじゃ、あの子…」
間違い無く、あの子は死ぬ。
それがグラシャラボラスによるモノか、はたまたMAによるモノかは分からないが――少なくとも、私にはそんな確信が有った。
アグニカなら、止められたハズだ。
無難なガンダムに乗せる事も出来ただろうし、ガンダムで戦わせない事も…それこそ、あの場で断る事も出来たハズだ。
「――だろうな。だが、俺達…いや、人類に手段を選んでいる余裕は無い。安定してMAを狩る為には、何よりも戦力の増強が急務だ。特に、ガンダムパイロットの確保はな」
「それは…」
思わず、私は口ごもる。
アグニカが言っている事は真実だし、私にも分かっている。
でも、私は納得出来ない。
「…アグニカは。アグニカは、どう思ってるの? アグニカの気持ちを聞かせて」
「………仕方無いだろ。そうしなきゃ、人類は滅亡だ」
「ウソだ、納得してるハズ無い! 私がた、戦うって言った時も反対したのに!」
あの時、アグニカは自分が戦わされる事では無く…私の為に怒ってくれたんだと思う。
自分の為じゃなくて他人の為に怒れる…そんなアグニカが、納得するとは思えない。
「―――」
「ま、待って!」
アグニカは何も答えず、部屋の中へ消えて行った。
私は追い掛けようとしたが、自動ドアは無慈悲に私とアグニカを遮って鍵が掛かる。
「何、で…」
ドアにもたれかかると、自分でも信じられない程に弱い声が漏れ出た。
しばらく、そこから動けそうも無かった。
そうして、1分くらい経った時だっただろうか。
「――じゃあ、俺はどうすれば良かったんだよ!!」
物音と共に、そんなアグニカの声が聞こえて来た。
思わず顔を上げると、中からは何かを殴りつけるような音と叫び声が続けて聞こえて来る。
「あの時、何もせず立ち去れば良かったのか!? あの時、誘わなきゃ良かったのか!? あの時、断っておけば良かったのか!? あの時、止めておけば良かったのか!? なあ、俺はどうすれば良いんだよ!! まだたったの5機、仲間はたった2人! それで、最後まで戦えって言うのか!!? 出来る訳無いだろ!!!」
――それは。
私の知らない、アグニカの慟哭だった。
「ッ、クソ!! クソクソクソ、クソが!!! フザケんじゃねェぞクソ野郎、テメェはいつまで自分を騙して正当化して目を背け続けるつもりだ!!? ガブリエルを倒すまでか!!? それはいつだ、いつ倒せる!!? それとも、最後の人類にでもなったらか!!?」
自虐や自己嫌悪と言うには、あまりにも重すぎる。
アグニカ…いや、私達は全人類の命運を背負って戦っている。
私は今まで、それを考えた事があっただろうか?
先の見えない戦い、一手でもミスれば人類が詰むと言う事を意識した事は…?
「――こんな、クソみたいな世界で…何を期待してるんだよ、お前は……!!」
アグニカの声は弱々しくなり、消えた。
「――!」
私は意を決して、アグニカの部屋の鍵を開けて飛び込んだ。
「…な、」
驚くアグニカに駆け寄り、問答無用で抱き締める。
――しかし、掛ける言葉が見つからない。
これからアグニカは、何度こうして自分の心を殺し続けるつもりなのだろうか。
自分の優しい心と納得出来ない心を殺して、何度選択して何度戦うのだろうか。
いつまで、戦わねばならないのか――
アグニカは言葉を発する事無く、私の言葉を待っているようだが。
「…ごめん」
私は、そんな事しか言えなかった。
◇
トリントンの港へ戻ったゲーティアのブリッジで、大統領はトリントンを今一度俯瞰する。
「――この程度なら、マシな被害だ。よくやってくれた」
「とんでもありません…街の壊滅を許してしまうとは…」
「それはもう、仕方が無い事だよ。MA2機を相手に4分の1で済んだだけでも、僥倖と言って差し支えないからな」
今までならば、1機に都市全土を焼け野原にされてもおかしくは無かった。
それが2機相手に都市の約4分の1が壊滅するだけで済んだのだから、大統領に取っては感謝が強い。
「これならば、本当にMAの殲滅も夢ではなかろうが――彼らがいつまで保つ事か。急ぎたまえよ、艦長どの」
「…はあ」
「ふはは、考えよ。全てが、手遅れになる前にな」
そう言って、大統領は去って行った。
◇
潜水艦は浮上し、ゲーティアの隣に止まった。
アマディスはトリントンの惨状を見た後、ゲーティアを見る。
「…酷い、な。壊滅よりはマシだが――」
アマディスは、溜め息を付き。
――それでも京都の現状よりマシだ良かった、と思った自分の頬を叩いた。
◇
美人で可愛い女神こと、スヴァハに抱き締められてから約2時間。
眠ってしまったらしく、目を覚ますとスヴァハが視界に入った。
「…アグニカ。何か有ったら、すぐ相談して。私に出来るのは、一緒に考える事くらいだけど…」
申し訳無さそうに俯いて、スヴァハはそう言う。
――そうだな。
少し、背負いこみ過ぎていたかも知れない。
元々こんな戦い、俺1人で何とか出来るモノじゃないし。
「…邪魔してごめんね。それじゃ――」
椅子から立ち上がったスヴァハの服の袖を掴み、スヴァハを引き留める。
「――何?」
「あ、いや…」
言葉を探り出し、俺はこれだけを言った。
「…ありがとう、スヴァハ」
スヴァハは顔を赤くしながら、こう返して来た。
「…ど、どういたしまして!」
それから、素早く部屋を後にした。
「――さて、と。グラシャラボラスの調整、やらないとな」
そして、俺も部屋から出てMSデッキへ向かう。
2時間経ってるから、そろそろヤブ医者による「阿頼耶織」手術も終わった頃だろうし。
ゲーティアと潜水艦は、その翌日に日本へ向かって出発した。
あ、言い忘れてましたけれど。
この時期にはまだアグニカポイントシステムどころかアグニ会すら誕生してないので、アグニカポイントの計算は行っておりません。
オリジナル設定解説のコーナー。
大駕・コリンズ。
オリジナルキャラクターです。
不穏ですが、これから活躍しますとも。
ガンダム・グラシャラボラス。
オリジナルのガンダム・フレームになります。
VOLTEXさんより頂いた案を元に、設定しました。
機体データは以下の通りです。
不穏ですが、これから活躍しますとも。
ASW-G-25 ガンダム・グラシャラボラス
全高:18.9m
本体重量:29.7t
動力源:エイハブ・リアクター×2
使用フレーム:ガンダム・フレーム
武装:有線式テイルブレード×1
マウスファング×1
クロー×4
概要
大駕・コリンズの専用機。
かつて「ヘイムダル」で運用された、最凶のガンダム・フレーム。
機体は漆黒と真紅に塗られている。
手に持つような武器は無く、両手両足の巨大な「クロー」と特殊な口で咬み千切る「マウスファング」に「有線式テイルブレード」を装備する。
中距離の敵はテイルブレードで凪払い、近距離の敵は引き裂き咬み千切る事を前提とした獣の如きコンセプトで建造された。
対価や負担は、他のガンダムとは比較にならない。
背中には巨大なウイングが取り付けられており、機動力はバエルにすら迫り一瞬ならば上回れる程。
また、ステルスシステムを装備していて、一時的ならば他の機体を透明化する事も可能。
名前の由来は、ソロモン王直属の使い魔「ソロモン七十二柱」に於ける序列第二十五位の悪魔「グラシャラボラス(グラシャ=ラボラス、カークリノラース、カーシモラルとも)」から。
グラシャラボラスは、36の軍団を率いる地獄の大総裁だとされる。
次回、いよいよ日本へ。
あの方々が、遂に登場…?