今回は、原作で言う2話の部分です。
カットされた部分も多いですが、ご了承下さいm(__)m
「今だ、全員後退!」
敵が三日月のバルバトスに気を取られている内に、アラズは全MWを後退させる。
「そんな、オーリス隊長が…! MSがあるなんて、聞いてませんよ…クランク二尉!?」
「アイン、貴様は援護だ!」
MSの1機が近づいて来るのを確認した三日月は、バルバトスを横に動かす。
動いたバルバトスの背後には、後退中のギャラルホルンのMW隊が有る。
「これなら撃って来れないだろ」
「クソ、何て卑怯な!!」
言いながら、アイン・ダルトンはMSを動かす。
バトルアックスを振り上げ、バルバトスに突撃する。
すると、バルバトスはメイスをグレイズに向けて投げる。
「何!?」
驚愕するアインの乗るグレイズに、メイスが直撃。
その勢いで、アインは後退を余儀無くさせる。
バルバトスはグレイズに急接近し、メイスを掴んで振り回す。
「ぐはあッ!」
メイスはグレイズの左腕を吹き飛ばす。
「アイン!」
クランク・ゼントは、バルバトスに接近してバトルアックスを振り下ろす。
バルバトスは高速で後退して、それをかわした…のだが。
「ん?」
スラスターの出力がダウンし、バルバトスは背中を地面に打ち付けた。
◇
一方その頃、バルバトスが有った基地中心部では。
「しまったああああ!!」
おやっさん…もとい雪之丞が頭を抱えていた。
「どうしたんですか?」
近くにいたヤマギ・ギルマトンが、雪之丞に尋ねる。
すると、雪之丞はこう供述した。
「スラスターのガス…補給すんの忘れたああああああああ!!!」
「えっ」
◇
「? 三日月の奴、どうしたんだ?」
オルガの疑問に対し、アラズはあまり考えたくない事を言う。
「…ガス欠じゃね?」
「えっ」
そう、ガス欠である。
初っ端から吹かしまくってたので、残量僅かだったガスが尽きたのである。
「おやっさんが補給し忘れたとか、どう?」
「おやっさん、しっかりしてくれえええええ!!」
しかし、嘆いても状況は変わらないのだ。
相変わらず、三日月は2機のMSを圧倒しているのだから。
「アイン、撤退だ」
「しかし!!」
「向こうはガス欠、こちらのMW隊も離脱した。今しか退くタイミングは無い」
「……了解です」
2機のMSは、速やかに撤退して行った。
「逃がすわk」
『戻れ、三日月。どの道ガス欠じゃ追い付けない。それに、お前も限界だろう』
「え…あ……」
そして、三日月は意識を失った。
「三日月の意識が戻ったら、バルバトスを帰還させる。今の内にMWを収容、被害確認。良いな?」
「あ、ああ…全員、帰還だ!」
こうして、バルバトスの初戦は終わった。
「三日月は、大丈夫何ですか?」
「ああ、多分な。いきなりMSに乗って戦闘までしたんだ。機体からの情報量に脳が耐えきれず、意識を失った…寝ている状態だ。起きた時には、情報の整理も出来てるだろうさ」
◇
「失敗だと!?」
ギャラルホルン火星支部第3地上基地からの報告に、火星支部支部長コーラル・コンラッドは頭を抱えていた。
「ノアキスの七月会議」を成功させた事で、一部界隈では「革命の乙女」と呼ばれるクーデリア・藍那・バーンスタイン。
その父であるノーマン・バーンスタインの密告によって、コーラルは彼女がCGSの助けで地球に行く事を掴んだ。
だからこそこのCGSを襲撃し、彼女を亡き者にしようとした。
それにより、火星の独立運動がより大きくなる。
そして、それを裏で援助しているノブリス・ゴルドンに援助をより強めて貰う…そう言う魂胆だった。
しかし、現実はどうだ。
指揮官のオーリス・ステンジャは死亡。
出した兵の3割が戦死し、MSを1機失った。
じき、地球から監査局が視察に来る。
それまでに何としてでもクーデリア・藍那・バーンスタインを捕らえ、相手ごと戦闘の痕跡をもみ消し隠蔽しなければならない。
そう伝えるが、向こうの現最高責任者であるクランク・ゼント二尉は渋い顔をしている。
『相手は、子供でした』
「子供だと!? 雁首揃えて子供にしてやられたと言うのか!?」
『子供を! 子供を相手に、戦う事など出来ません!!』
「フザケた事を抜かすな!! 相手が子供だろうと何だろうと、1人も残さず殲滅しろ!! これは命令だ、失敗は許さんぞ!!!」
そして、通信は終了した。
◇
戦闘終了から約2時間。
役立たず囮役の一軍が帰って来た。
「アラズ!!」
「はい?」
一軍の司令官がやって来て、俺の胸倉を掴む。
「そう言えば、社長はどこに?」
「んな事はどうでも良い! テメェ、やってくれやがったな!! よくも俺達をコケに…!」
「コケ? いやはや何の事だか。アンタらが挟撃作戦に向かう途中、不慮の事態に見舞われた事は知ってるが…それと、俺に何の関係が有るんだ?」
「黙れ!!」
司令官は右手を振りかぶり、俺に拳を放つ。
なので、それを左手で受け止めてから司令官を睨みつける。
「…ッ! よ、よくも白々と…! あの信号弾、設置したのはテメェだろ!?」
「だから、知らないと言ってるだろうが。いい加減離してくれ、俺もヒマじゃないんだ」
司令官の左手を払って、横を通り過ぎる。
一方、司令官は怒りが収まらないらしい。
「クソが…トド! ガキ共を呼んで来い!!」
「へいへい」
声を掛けられたトド・ミルコネンが、オルガ達を呼ぶ為に整備場に向かう。
「オイ待て、聞いてない事が有った。トド、社長はどうした?」
「とっくにずらかっちまったみたいですぜ」
ですよね。
「あのクソ社長…まあ良いや。アンタはどうするんだ? 良い感じでずらかりそうだが」
「そうさせて貰いやすぜ。旦那も、引き際を見誤らねえように」
「それで、行くとこが有れば苦労は無いさ」
軽口を叩きながらトドと別れ、一軍の被害確認に行く。
参番組の死者は57人、一軍の死者は34人。
後分かっていないのは、MWの被害のみ。
ため息を1つつき、最後の確認に向かうのだった。
◇
夕方。
一軍の司令官から体罰を受けたらしいオルガと、参番組の何人かが何かの会議をしていた。
「どうした、こんなに集まって。クーデターか?」
「!? いや、あはは…」
笑って誤魔化す参番組メンバー。
「安心しろ、密告なんてしないさ。むしろ、全面的に応援したいくらいだ。社長がずらかりやがった以上、一軍には無能なクズしかいないからな。お前らが上になった方が、よっぽど良い」
「いや、上はアンタがやれば良いだろ…」
「オイオイ、冗談は前髪だけにしろよオルガ。俺はそんなの嫌だ。何故って、面倒だからだ」
組織のリーダーと言うのは、総じて面倒臭い。
加えて忙しい。
そんなモノ、俺はもう御免である。
「んじゃあ、作戦会議だな」
「三日月は、呼ばなくて良いのか?」
「ああ、そうだな…悪いが、ミカが反対したら中止だ。まあ、それはねえだろうがな」
◇
「部隊を動かさない!?」
クランク二尉の決定を聞き、アインは衝撃を受ける。
「ならせめて、俺だけでも連れて行ってk」
「そんな体で付いて来られても、足手まといになるだけだ」
アインは先の戦いで負傷した。
MSに乗れない事は無いが、戦闘は不可能だろう。
「頼む、行かせてくれ。子供殺しの汚名を被るのは、俺だけで充分だ」
◇
「遠路遙々、ご苦労様でした。ファリド特務三佐、ボードウィン特務三佐」
火星支部支部長コーラル・コンラッドは、監査局の使いを迎え入れていた。
マクギリス・ファリド特務三佐と、ガエリオ・ボードウィン特務三佐。
どちらの家も、ギャラルホルンのトップである「セブンスターズ」7家門に属する。
「私が力になれる事は、何でも言ってくれ。必要なデータもこちらd」
「待って下さい」
マクギリスが、コーラルを制止する。
「監査は、我々の裁量のみで行わせて頂きたく。そのお心のみ、頂戴致します」
「ッ…承知致しました。それでは、私は失礼致します」
そして、コーラルとマクギリス達は別れた。
「慌ただしい事だ、『後ろめたい事隠してます』と顔に書いてある」
「ああ、そうだな」
コーラルと別れた2人は、完全に見抜いていた。
当のコーラルも、このままではボロが出ると気付いている。
(クソ、若造共が…! 時間が無い…クランク、しっかり仕事を果たせよ…!)
主人公、オルガ側に付く。
まあ、一軍に付いても得は無いですし。
そして、トクムサンサー共が登場。
コーラルさん戦死へのカウントダウンが始まっております。
次回は、クランク・ニーがやって来ます。