鉄華団のメンバーが1人増えました《完結》   作:アグニ会幹部

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おまけコーナーの説明に引き続き、本編です。
今回は、少しだけ原作と違います。


#04 決闘

その夜。

オルガ達参番組による、CGS乗っ取り作戦が実行されていた。

 

作戦は極めてシンプル。

夕食に睡眠薬を仕込み、一軍の全員が眠ったら縛り付ける。

そして、そのまま一軍の奴らを追放して成り上がろうと言う事だ。

 

結論から言って、作戦は成功した。

途中でハエダ・グンネルとササイ・ヤンカスが殉職なされたが、まあ些細な事だ。

ササイだけに。

 

会計担当のデクスター・キュラスターさん(有能)にはお残り頂き、他の一軍(無能)は全員退職。

これからのCGSはホワイト企業なので、退職金もちゃんと渡された。

残った大人は俺とおやっさん、デクスターさんに…トドである。

 

裏切りそう。

 

その翌日、デクスターさんが改めて資金面で会計した結果、今のままでは3ヶ月組織を維持するのが限度とか。

何とか仕事を見つけて、稼ぎを得なければ破綻は避けられないだろう。

 

すると、館内放送が。

 

『監視班より報告。ギャラルホルンのMSが1機、赤い布を付けてこっちに向かってる!』

「何だと!?」

 

と言う事で、会計報告を中断。

全員で、様子を見に向かうのだった。

 

 

 

 

タカキ・ウノが、望遠鏡でMSを確認する。

 

「赤い布って事は、決闘の合図だろう」

 

と、アラズは言う。

 

「決闘?」

「ああ。300年以上前、厄祭戦前の古いしきたりだがな。昔は1対1で決闘して、負けた方は勝った方に従うのがルールだったんだよ」

 

とにかく、相手はすぐ攻撃して来ないさ、とアラズは付け加えた。

クランク・ゼント二尉が乗るMS「グレイズ」は、基地の目の前で止まった。

 

そして、ハッチが開けてクランクが出て来る。

 

「私はギャラルホルン実働部隊所属、クランク・ゼント二尉だ。そちらの代表との、1対1の勝負を望む。私が勝利したなら、そちらで鹵獲されたグレイズとクーデリア・藍那・バーンスタインの身柄を引き渡してもらう」

 

すると、アラズはどこからか拡声器を持ち出して言う。

 

『その後は? そっちの戦力を総動員して、俺らを叩き潰すってか?』

「それは違う。勝負がついた後グレイズとクーデリアの引き渡しが無事済めば、そこから先は全て私が預かる。ギャラルホルンとCGSの因縁は、この場で断ち切ると約束しよう」

 

クランクはそう断言したが、アラズは半信半疑だ。

 

『成る程な、明らかにこちらが有利の条件だ。例えこちらが負けたとしても、CGSへの被害はゼロに近い。だが、1つ問おう。アンタに、()()()()()()()()()()?』

「……クーデリア・藍那・バーンスタインの身柄と奪還したグレイズが有れば、上と交渉出来る。絶対に…例え私の首と引き換えにしてでも、因縁を断ち切って見せる」

 

その答えを聞いて、アラズはため息を1つ付いた。

そして、オルガに向き直る。

 

「だ、そうだ。どうする、()()?」

「……受けるしかn」

「私が行きます!!」

 

そう言ったのは、他でもないクーデリアだった。

 

「でも、そうしたらクーデリアさんは…!」

「無意味な戦いは避けるべきです。私が行って全てが済むのなら、それで…」

「やめとけ」

 

クーデリアを制止したのは、先程までクランクと交渉していたアラズだ。

 

「何の保証も無い、当の相手も信用出来ない。アンタに、そんな口約束に乗って命を落とすような事が有ってもらっちゃ困る」

「しかし…!!」

「甘えるのもいい加減にしろ!」

「!!?」

 

渋るクーデリアに、アラズは一喝した。

それは、一番長い付き合いである雪之丞すら見た事の無い、彼の純粋な憤りだった。

 

「世界を変えたい、でも人が死ぬのは嫌だ? そんな甘っちょろい考えで革命なんて出来る訳ねェだろうが!! 確かに、先の戦いでは多くの人が死んだ。それは哀しむべき事だ、嘆くべき事だ!! だがな、奴らが何の為に死んだと思う!? 決まってる、()()()()()()()()()()()()()()!! クーデリア・藍那・バーンスタインと言う『希望』を守る為だ!! そうして生き長らえたアンタが、こんな事で自らを犠牲にして、何も成し得ず何も変えないまま死んだらどうなる!? アンタを守って死んだ奴らは、()()()()()()()()()()!! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!! 生きて世界を変えてみろ!!!」

「…!! で、ですが…」

「アンタは革命を起こしたいんだろう? 火星を独立させて、貧困に喘ぐ人々を助けたいんだろう? 火星に住む人々の、『希望』になりたいんだろう? だったら、その歩みが止まるなど決して有ってはならない。()()()()()()()()()()()! 目の前で人が何人死のうが、どれだけ惨めになろうが、貪欲に生にしがみついて、何が何でも生き延びろ!! そして、その先で世界を変えろ!! 『希望』になるとは、革命とはそう言う事だ!! アンタにはその力が有る、その可能性が有る!! 自分からそれを捨てる事は、この世で何事も比肩せぬ愚行と知れ!!!」

 

クーデリアを完全に退かせて、アラズは三日月に言う。

 

「三日月。悪いが、バルバトスを貸してくれ。ここまで偉そうにご高説を並べた以上、俺が姿で示さないと話にならん。『俺らは絶対にアンタを守ってやるから、アンタは俺らに変わった世界を見せろ』と言う事がどう言う事か、あの箱入りお嬢様に見せ付けてやらねばならん」

「うん、いいよ」

「軽っ。だがまあ、ありがとう」

 

三日月から了承を得ると、アラズはオルガに拡声器をブン投げる。

 

「返事は任せた」

「ああ。待たせたな! この勝負、謹んで受けさせてもらう。こっちの準備が終わるまで、後ちょっと待ってくれ』

「感謝する」

 

そう返して、クランクはコクピットに戻る。

対するアラズは、バルバトスに走るのだった。

 

 

 

 

バルバトスが、グレイズの前に立つ。

 

『ギャラルホルン火星支部実働部隊、クランク・ゼント!』

『CGS参番組教官、アラズ・アフトル』

 

両者とも名乗ると、クランクのグレイズはバトルアックスを構える。

対するアラズのバルバトスは、武器を持たず素手で構える。

 

『参る!!』

『出るぞ!!』

 

掛け声と共に、グレイズは接近してバトルアックスを振り上げる。

バルバトスは地面を滑るかのように水平移動し、グレイズの右側に回り込む。

 

『!?』

『よっ!』

 

バルバトスは左手の手刀でグレイズの手首を叩き、バトルアックスを零れさせる。

その零れたバトルアックスを右手で掴み、グレイズの肩を左手で捕まえてバトルアックスをコクピットに向けて振る。

 

そして、コクピット装甲から1mの所でバトルアックスを停止させた。

 

『まだ、やるかい?』

『……参った』

 

クランクは、あっさりと降参した。

 

何故か。

無論、相手がいつでも自分を殺せた事も有る。

 

 

だが何より、バルバトスの動きが()()()()()()()()からだ。

 

 

「…凄い」

 

三日月が、そう呟いた。

だが、オルガは別の事を考えていたようだ。

 

「『(てっ)()(だん)』」

「? オルガ、何それ?」

 

三日月の質問に、オルガは笑いながら答える。

 

「俺達の新しい名前だよ。CGSなんてカビ臭え名前を名乗るのは、癪に触るからな」

「『てっか』……『鉄の火』ですか?」

 

クーデリアの推測に、オルガは首を横に振る。

 

 

「いいや、鉄の華さ。決して散らない、鉄の華」

 

 

そんなオルガ達をよそに、アラズは話を進める。

 

『とりあえず、銃を捨ててMSから降りろ。直接話をしよう』

『…負けたのはこちらだ、大人しく従おう』

 

クランクはコクピットハッチを開き、投降のポーズを取る。

対するアラズは、バルバトスのコクピットハッチを開けて座席を上昇させた上で、オルガに通信する。

 

「オルガ、何人かこっちにくれ。このおっさん捕まえて、本部の食堂に連行する。そこで話を付けようじゃないか」




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アラズ・アフトル 90AP 
クランク・ゼント 10AP


と言う事で、パンパンパン無しからの交渉へ。
アラズさん、クーデリアさんを説き伏せたりクランクさんを瞬殺(殺してない)と大活躍。
かなりの万能人間です。
一体何者なんだ…?
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