IS-オーズの力を使いし者-   作:コウさん

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十二話

ガキィンッ!!

 

一夏の-雪片弐型-と鈴の2本の青龍刀-双天牙月-がぶつかり合う

 

「ふぅん。初撃を防ぐなんてやるじゃない。けど―――」

 

2本の青龍刀を連結させた-双天牙月-をまるでバトン扱うかのように回すと自在に角度を変えながら斬り込んでくる

 

たまらず距離をとろうとした一夏に

 

「甘いっ」

 

「ぐあっ!?」

 

突如として一夏に何かが命中して一気に降下してしまう

 

 

「ふふふ。今のはジャブだからね」

 

また一夏が何かが襲い掛かり、今度は地表に打ち付けられた。そのせいでシールドエネルギーも大幅に削られる

 

 

 

 

 

 

「なんだ今の攻撃は!?」

 

予想だにしない出来事にたまらず聞いてくる篠ノ之

 

「『衝撃砲』ですね。空間自体に圧力をかけて砲弾を打ち出す武器です」

 

「わたくしのブルー・ティアーズと同じ第三世代型兵器ですわね」

 

篠ノ之の問いに山田先生とセシリアが答える。そして皆視線を一夏に戻す

 

そこにはボロボロになりながらも鈴の攻撃を必死にかわしている一夏の姿があった

 

 

 

 

 

 

「よくかわすじゃない。この『龍咆』は砲身も砲台も目に見えないのが特徴なのに」

 

死角の無い攻撃に絶体絶命かと思ったが一夏の目はまだ諦めてはいなかった。むしろ何かを覚悟したような目をしていた

 

「鈴」

 

「なによ?」

 

「本気で行くからな」

 

「なによ! そんなこと当たり前じゃない! とにかく格の違いってのを見せてあげるわ!」

 

鈴は双天牙月を構え直す

 

 

 

 

 

「織斑くん何かするつもりですね」

 

察した山田先生が織斑先生に質問する

 

「『瞬時(イグニッション)加速(ブースト)』だろう。私が教えた」

 

「『瞬時(イグニッション)加速(ブースト)』?」

 

聞きなれない単語なので聞き返すセシリア

 

「一瞬でトップスピードを出し、敵に接近する奇襲攻撃だ。出しどころさえ間違わなければあいつでも代表候補生と渡り合える」

 

「しかし通用するのは一回きりだ」

 

 

 

 

 

 

 

鈴の攻撃をかわしながら瞬時(イグニッション)加速(ブースト)の使えるタイミングを見計らい

 

「(今だ!) うおおおおおっ!」」

 

仕掛けにでたところに

 

 

 

 

 

 

ズドオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

突然大きな衝撃がアリーナ全体に走る。鈴の衝撃砲でもこんな威力はない

 

よく見るとステージ中央から煙が上がり、観客席にいる生徒達はパニック状態となる

 

どうやら-何か-がアリーナの遮断シールドを貫通して入ってきた衝撃波のようだ

 

何度かのビーム攻撃の後、徐々に煙がなくなり見えてきたものは全身が灰色のカラーリングで手が異常に長く、つま先よりも下まで伸びている

 

そして映司と同じ全身(フル)装甲(スキン)のISがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもし!? 織斑くん? 織斑くん聞いてます!? 凰さんも! 聞いてますか!?」

 

声をあらげながら応答を待つ山田先生。どうやら突入隊がくるまでが来るまでの間あのISを一夏と鈴が食い止めるようだ

 

 

「本人たちがやると言っているのだからやらせてみてもいいだろう」

 

「お、お、織斑先生! 何をのんきなことを言ってるんですか!?」

 

「落ち着け。コーヒーでも飲め。糖分が足りないからイライラする」

 

「…………あの、先生。それ塩ですけど」

 

「…………えっ!?」

 

「先生!わたくしにISの使用許可を!すぐに出撃できます!」

 

「そうしたいところだが、―――これを見ろ」

 

そこに表示されたのは遮断シールドがレベル4に設定され、扉がすべてロックされていた

 

考えられる原因としてあのISが真っ先にあがった

 

「そのようだ。これでは避難することも救援することも出来ない」

 

「でしたら! 緊急事態を政府に連絡を――― 」

 

「やっている。現在も三年がシステムクラックを実行中だ」

 

「遮断シールドを解除できればすぐに部隊を突入させる」

 

「はぁ。結局待っていることしか出来ませんのね」

 

「なに、どちらにせよお前は突入隊に入れないから安心しろ」

 

「な、なんですって!?」

 

「お前のブルー・ティアーズの装備は一対複数向きだ。お前が複数の側に入るとむしろじゃまになる」

 

「そんなことありえませんわ!!」

 

「では連携訓練はしたか? その時のお前の役割は? 味方の構成は? 敵はどのレベルを想定している? 連続稼働時間は?」

 

「わ、わかりました!! もう結構です」

 

あまりの質問攻めについにセシリアが折れた

 

「わかればいい」

 

 

 

 

 

 

「残り60か」

 

乱入者と戦闘している一夏と鈴。一夏が何度も斬りかかるがかわされ、残り一回くらいしかバリア無効化攻撃が出来ないほどのシールドエネルギーになってしまった

 

「なぁ、鈴。あいつの動きって機械じみてないか?」

 

一通りのビーム攻撃を避けきった後、一夏は感じたことを素直に言ってみた

 

「何言ってんの? ISは機械じゃない」

 

「そういうのじゃなくてだな、あれって本当に人が乗っているのか?」

 

「は? 人が乗らなきゃISは動かな―――」

 

とそこまで言って鈴の言葉が止まる

 

「そういえばあれ、さっきからあたしたちが会話してるときってあんまり攻撃してこないわね。まるで興味があるみたいに聞いてるような…………」

 

「だろ?」

 

「でも無人機なんかありえない。ISに人が乗らないと絶対に動かない、そういうのもだもの」

 

「仮に、仮にだ。無人機だったらどうだ?」

 

「なに? 無人機なら勝てるっていうの?」

 

「ああ。人が乗ってないなら容赦なく全力で攻撃しても大丈夫だしな」

 

「全力でって―――」

 

「『零落白夜』雪片弐型の全力攻撃だ。雪片弐型の威力はおそらく高すぎるんだ。訓練や学際訓練で全力を使うわけにはいかない。でも相手が無人機なら全力で攻撃できる」

 

「そんなこと言ってもその攻撃自体が当たらないじゃない」

 

「次は当てる」

 

「はぁ、言い切ったわね。じゃあ、そんなこと絶対にあり得ないけど、あれが無人機だと仮定して攻めましょうか」

 

「よし。じゃあ俺が合図を出したらあいつに向かって衝撃砲を撃ってくれ、最大威力で」

 

「いいけど、あたんないわよ?」

 

「いいんだよ当たらなくても。それじゃあ行く―――」

 

「一夏!」

 

どこからか呼ぶ声があったのであたりを見回すと観客席に箒がいた

 

「男なら、男ならそのくらいの敵に勝てなくてなんとする!!」

 

箒の存在に気づいた侵入者が箒に銃口を向ける

 

「鈴、やれ!」

 

「わかった!! ってちょっとどきなさいよ、危ないじゃない馬鹿!」

 

衝撃砲を撃とうとした瞬間いきなり一夏が鈴の前に移動した

 

「いいから撃て! 」

 

「ああもう。どうなっても知らないわよ!」

 

そして放たれた衝撃砲は一夏の背中に浴びされ、それをエネルギーとして利用し-零落白夜-を発動させる

 

雪片弐型の刀身部分のエネルギー状の刃がさらに伸び

 

「―――オオオッ!」

 

(俺は千冬姉を、箒を、鈴を、関わる人すべてを―――守る!)

 

一夏の決死の一撃が侵入者にあともう少しという距離に差し掛かった時

 

 

 

 

 

ズキューーーン!!

 

 

 

 

どこからともなく銃撃音がすると思えば次の瞬間にはビームが一夏の目の前を通過する

 

「な、なんで。って、ぐあっ!?」

 

おかげで動きが止まってしまい侵入者への攻撃を妨げられ、さらに追い討ちで侵入者に殴り飛ばされてしまった

 

なんとかシールドエネルギーは辛うじて数十くらいのこったが、そのせいで零落白夜は解除されてしまった

 

「「一夏!!」」

 

鈴と箒の声が一致する

 

とりあえず鈴は一夏に駆け寄る

 

「だ、大丈夫?」

 

「ああ、なんとかは。だけどシールドエネルギーが、ってそんなことより一体誰が!?」

 

ビームの飛んできた方向を見ると

 

「こらっ、駄目だぞ。せっかく奪ってきた機体なんだから壊そうとしないでよね~♪」

 

そこには黒いISを身に纏い、手には二丁のビームピストルを握っている女性がいた

 

「お前は一体何者なんだ?」

 

一夏の質問に

 

「あれ~? 忘れちゃったの? あっ!? でも結構前になっちゃうからしょうがないか~」

 

その言葉の後に微笑む。その微笑を見た瞬間一夏はとあることを思い出した

 

第2回モンド・グロッソ決勝戦当日

 

その時一夏は正体不明の謎の組織に誘拐された

 

千冬はISによって一夏を無傷で救出したが、おかげで決勝戦は千冬の不戦敗となりモンド・グロッソの連覇を逃した

 

そのことを当の本人は気にしていないようだが、一夏は今でも罪悪感を感じている

 

そして一夏は誘拐される際かすかだがとある女性の微笑んでいる顔を見た。だがいかんせん意識を失う直前のことだったのでおぼろげにしか覚えていなかった

 

しかし今この瞬間すべてを思い出した。あの微笑だけだったがそれで十分だった

 

-誘拐した犯人のうちの一人が目の前にいる-

 

そのことを理解した瞬間

 

「き…………貴様ああああぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもの一夏とは思えないほどの怒りに満ちた形相に一夏を知る面々は驚きを隠せない

 

「…………すまないがセシリア、状況が変わった。すぐさま救援に向かってくれ」

 

「わ、わかりました」

 

そんな中でも千冬は冷静に指示をだし、セシリアを救援に向かわせる

 

「神谷、もしもの場合は―――」

 

「わかってますよ。もし最悪な展開になった場合俺もすぐさま助けに向かいますよ」

 

「頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はああぁっ!!」

 

一夏のただただ怒りに満ちた一撃は単調で簡単にかわされてしまう

 

「甘い甘い。それじゃあ一生当たらないよ~♪」

 

「逃げるなぁ!」

 

「もうしつこい男は嫌われるよ?」

 

「黙れ!!」

 

「はぁ~、もういいかめんどうだし。はい、これでおしまい」

 

雪片弐型の鍔の部分を片方のビームピストルでガードし、もう片方を一夏の腹部に押し当て数発射撃する

 

「ぐあぁぁぁぁっ!」

 

絶対防御が発動したおかげでなんとか命に別状はないが、シールドエネルギーは0となり白式の展開も解かれてしまった

 

「一夏!?」

 

空中でISが解除され、さらにもろにくらってしまった攻撃の影響で意識を失った一夏は地面に落ちるところだったが鈴が途中でキャッチしたおかげでなんとかなった

 

「一夏!? ねぇ、一夏ってば!! 返事してよ!!」

 

しかし何も返事は返って来ない

 

「よくも一夏さんを!!」

 

駆けつけたセシリアが謎の女性に向かってビットを飛ばすが

 

「わたしの相手をするのは別にいいんだけど、何か忘れてない?」

 

「何をおっしゃって―――」

 

「セシリア逃げろ!!」

 

「うっ…………」

 

箒の忠告も間に合わずセシリアは無人機のビーム攻撃をくらい、追撃で殴り飛ばされ観客席に叩きつけられセシリアはぐったりと倒れた

 

「セシリア!!」

 

箒はセシリアのところへ向かおうとしたが箒の足元に威嚇として一発ビームを撃ちこまれた

 

「うーん、あんまり部外者にチョロチョロと動き回れるのもめんどくさいんだよね~」

 

(私にも専用機さえあればこんな不甲斐無い思いをせずに済むのに)

 

その台詞に箒は自分の力が無い事を悔やんだ

 

「さてとめんどくさいことになる前にちゃっちゃと済ませちゃいますか。ゴーレムお願いよ~」

 

無人機ことゴーレムは鈴達に銃口を向ける。一夏を抱いている状態なので戦闘はおろか逃げることさえまともに出来ない状態なので鈴はただただ黙って目を瞑る

 

(こんな時まであいつの顔が出てくるんだなんて)

 

(やっぱりあいつのこと)

 

(…………でももう全部遅いかこんな状況だし。でも)

 

自然に涙がこぼれてくる鈴。そして

 

「助けてよ、"映司"ーー!!」

 

大好きな彼の名前を叫ぶ

 

次の瞬間

 

『タカ! ゴリラ! バッタ!』

 

不思議な電子音がしたと思えば次に聞こえてきたのはものすごい衝撃音。まるで壁に何かが物凄い勢いで叩きつけられたような感じの

 

鈴はゆっくりと目を開き、見えてきたのは無残に壁に叩きつけられて動く気配の無い無人機ISと自分の目の前に無人機と同じ全身装甲型のISがいた

 

しかしそれが誰なのか鈴にはすぐさま理解できた

 

「え、映司…………」

 

「まったく、次から次へと面倒事がやってきやがって」

 

「まぁいいや、おい鈴!」

 

「助けに来たぞ」

 

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