IS-オーズの力を使いし者-   作:コウさん

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三十六話

俺と束さんの出会いは修練の門をクリアしこちらに戻ってくるときまで遡る。修行が終わりこちらに戻してくれるとのことで門をくぐると

 

「いてッ」

 

それほど高くない位置で落とされた。

 

「貴様何者だ!」

 

「ん? なにこれ?」

 

落とされた場所はわからないがどこかの山間だろう。しかし今はどうでもいいことで自分の置かれている状況のほうが大事であった。量産型ISの部隊がこちらに銃火器を向けて、離れたところに専用機の隊長であろう人物がこちらを睨み付けていた。

 

そして俺と同じ状況下にいる人物がもう一人、彼女こそ束さんだがこのときはまだ知らなかった。

 

「ええっと~、とりあえずそこの人これはどういう状況?」

 

「ん~? 知らな~い」

 

口調こそのほほんとしているものの、これ以上は絡んでくるなと拒絶している感じがあった

 

「どうしたもんかな~」

 

事情が呑み込めずうんうんと悩んでいると

 

「ドクター篠ノ之再度伺います。私たちのところへ来ていただけないでしょうか?」

 

隊長格の人がそんなことを尋ねてきて

 

「ん~、この天才束さんが君たちみたいなところへ行くとでも思ってるの? あははは~……ふざけるの大概にしたほうがいいよ」

 

今まで閉じていた瞳が開き、笑顔でいるのにどこか恐怖を覚えてしまう表情。

 

「ん? 束、篠ノ之……ああ! ISの開発者か」

 

「正解~♪ 天才束さんだよ~」

 

まさかのISが開発者目の前にいることに驚いていると

 

「そうですか。では多少手荒な真似をしてしまいますが」

 

隊長格の女性は片手をあげると周囲にいた隊員がにじり寄ってくる。

 

「一つ聞きたいんだけど、この場合俺はどうなるの?」

 

「この状況を見られたのですから、ここで始末させてもらいます」

 

「……はぁ~~、そういうことになっちゃのね」

 

そういってガントレットからオーズドライバーにし

 

「まぁ、このまま黙って始末されるくらいならついでだ、開発者さんも助けるとしますか」

 

腰に当てていると自動で装着され、そのまま三枚のメダル装填し

 

「変身!」

 

『クワガタ!トラ!バッタ!』

 

「「「!!!!!??」」」

 

まさかの予想外の出来事にその場にいた全員が驚く

 

「さてと、しっかり捕まってくださいよ」

 

「ふぇ!?」

 

いきなり束さんをお姫抱っこした。さすがに天才でもこんなことされるとは予測していなかったのか抱き上げられた時に随分と可愛い声を出した。

 

そのまま抱き上げた束さんごとバッタレッグでこの場から離脱する。随分と離れたところの岩陰に束さんをそっと下ろし

 

「ここにいてくださいよ」

 

そう言い残し、こちらに向かってきている量産型ISの部隊と退治する。周囲を囲まれるが

 

「ふんっ!!」

 

クワガタヘッドで飛行しているISに雷撃を放ち

 

『クワガタ! トラ! チーター!』

 

ガタトラーターにチェンジしトラクローに電撃を帯電させ、高速で移動しながら地上のISにそれをぶつけ隊長格以外をすべて倒した

 

「へぇ~♪」

 

隠れていた束さんは今までの様子をなぜか興味ありげにこちらを見ていたがまだやっかいなのが残っていたのでスルーしておくことにした

 

「さてあとはあんただけだが?」

 

「…………いいでしょう」

 

そういって両肩のウイング状シールドをパージし、トンファーの打撃部分に実体剣を取り付けたブレード・トンファーを両手に装備する

 

「「はあああああぁっぁ!!」」

 

両者接近し、怒涛のラッシュの攻防を繰り広げる。片方はクローで片方はトンファーで

 

しかし

 

「もらった!!」

 

「ぐっ!?」

 

相手の攻撃の手数についていけず一撃をもらってしまい、そのまま連続の攻撃を浴びせられ吹き飛ばされた

 

「きっついな」

 

「どうです? 諦めては?」

 

「冗談」

 

『タカ! トラ! コンドル!』

 

タカトラドルになり再度接近する

 

「姿が変わったくらいで」

 

「それはどうかな」

 

先程と同じような攻防が続くと思いきや

 

「セイッ!!」

 

「なっ!?」

 

回し蹴りとそれに合わせて発生した真空刃で追撃していった

 

トラクローからコンドルレッグ、コンドルレッグからトラクローと止まらない攻撃にトンファーのほうが耐えられなくなり鈍い音をだしながら折れた

 

「どうする? まだやるというなら一気に決めに行くよ」

 

スキャナーに手を置くが

 

「……退きますよ」

 

隊員達にそう言ってから数人を引き連れ去って行った

 

「ふぅ~、終わった終わった」

 

いなくなったのを確認してから変身を解く。

 

「君ずいぶんとおもしろいね♪」

 

「うわっ!?」

 

いつの間にか目の前にまでいた束さんに驚き、倒れこんでしまった。

 

「まずそのIS。この天才束さんさえも驚かすほどのものだよ。ねぇねぇそれどこで作ったの?」

 

「ええっと……△△社です」

 

「ふぅ~ん、後でチェックし~とこ」

 

「は、はぁ」

 

「それにいっくん以外でISを起動できるなんて、束さんもびっくりだ。そして何より」

 

「何より?」

 

「ちーちゃんとどこか似た強さの瞳。うん、いいね君。束さんのお気に入りの一人に認定しま~す♪」

 

 

「それはうれしいことなのですか?」

 

「もっちろん! 他の人がこれを聞いたら泣いて喜ぶレベルだよ? まっ、そんなことしないけどね」

 

「じゃあ、やったー?」

 

「うんうん。嬉しんでくれて束さんも喜ばしいよ。ところで君の名前は?」

 

「あっ、神谷映司です。どうも」

 

とりあえず会釈する

 

「う~ん……はっ!! よし、君のことはえーくんと呼ぶことにする」

 

「……嫌ですよ」

 

「えぇ゛~、なんでなんで? いいじゃん"えーくん"」

 

腕をぶんぶん揺さぶってくるのでそれを止めるため

 

「わかりましたよ。それでいいですよ」

 

「やったー♪」

 

子供のように全力で喜んでいるところを見ると可愛い人なんだなと思える

 

「それでここはどこなんですか?」

 

「さあ?」

 

「え!?」

 

「でも任せなさい! 天才束さんに不可能はないのです」

 

えっへんとどや顔をしながら胸をつきだす。意外と大きいことが確認出来き、思わず凝視してしまったがまずいと思いすっと視線を外すが遅かったようで

 

「えぇぇ~、なになにえーくん恥ずかしくなっちゃったの? かわいい~♪」

 

がばっ抱きついてき、頬をすりすりとよせてくる

 

「えーいはなせー、離してくれー」

 

 

 

 

「むふふふふ~♪ 懐かしいね~えーくん。まさかあの時あんな情熱的な告白してきくるなんてねー」

 

「してねーよ!!」

 

もうめんどくさいので一人でトリップしている束さんを放置することにした

 

ポンッ

 

両肩に篠ノ之(妹)と織斑先生の手が置かれ

 

「「お前も苦労していたんだな」」

 

この一言にどこか救われた気がした

 

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