IS-オーズの力を使いし者-   作:コウさん

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三十八話

俺ら待機組はさきほどの作戦会議室で一夏達を見守る

 

「織斑、篠ノ之聞こえるか?」

 

『はい』

 

「今回の作戦の要は一撃必殺だ。短時間での決着を心がけろ。討つべきはシルバリオ・ゴスペル、以降福音と呼称する。」

 

『了解』

 

『織斑先生。私は状況に応じて一夏のサポートをすればよいですか?』

 

「……そうだな、だが無理はするな。お前は紅椿での実戦経験は皆無だ。突然何かしらの問題が出るとも限らない」

 

『わかりました。ですが、出来る限り支援します』

 

「あの子なんか声はずんでない?」

 

鈴がそのようなことを言ってきたがまさにその通り

 

「わからなくもないけど」

 

「まぁ念願の専用機、それも最新鋭のものを手に入れたんだ。浮かれるのも無理はないが」

 

それがあだになければいいのだがと心の中で付け足した。

 

そして織斑先生も危ういと感じたのか

 

「織斑にプライベートチャンネルを」

 

「はい!」

 

山田先生にお願いしつなげてもらい

 

「一夏」

 

『は、はい!』

 

先生は溜息を一つついてから

 

「これはプライベートチャンネルだ」

 

『ふぅ~』

 

「篠ノ之には聞かれない」

 

一呼吸入れてから

 

「どうも篠ノ之は浮かれているな。あんな状態では仕損じるかもしれん。いざというときはサポートしてやれ」

 

『わかりました。意識しておきます』

 

「頼むぞ」

 

山田先生に視線を送り

 

「オープンチャンネルに切り替えます。スタンバイどうぞ」

 

「では、はじめ!!」

 

織斑先生の合図と同時に一夏を連れた篠ノ之は急加速で飛んでいく

 

「イグニッションブーストの比じゃないよ!」

 

「驚異的な速さだ」

 

皆が驚いている中一夏達のほうは福音とのファーストアタックを試みる

 

しかし

 

「「「「躱された」」」」

 

一夏の攻撃は空を切り、今度はお返しとばかりに福音は大量のビームを放つが一夏と篠ノ之はその攻撃を避ける。避け終わった後は左右同時に攻撃を試みる

 

篠ノ之が展開装甲を飛ばし福音の動きが鈍ったところを一気に刀で切りにかかり、完全に福音の動きを止める

 

今度こそ攻撃が通るかと思えば、何を考えたのか一夏は福音を素通りして違う場所へ行ってしまった

 

一夏からの映像には船、本来なら封鎖されているこの海上になぜか一隻通っていた。一夏はその船に向かうビームをすべて叩き落としたがその代償としてシールドエネルギーが一気に減っていってしまった

 

「先生あの船は」

 

「大方密漁船だろう。チッ! このタイミングで」

 

先生は苛立ちを表にだし、海上にいる篠ノ之も忌々しそうな目つきで船を一瞥してから

 

『馬鹿者! 犯罪者などを庇って、そんなやつらほっておい―――』

 

『箒!!』

 

一夏から一括が入り、なぜか篠ノ之はそこから刀を捨て、顔を手で多い戦闘中にもかかわらず泣き始め戦意喪失してしまった

 

「馬鹿野郎!? 何してんだお前ら!!」

 

未だ福音を落とせたわけでないのに戦場でそのようなことをしている篠ノ之とそれをただ見ているだけの一夏達につい声を張り上げてしまった

 

そしてそれを好機と感じた福音が大量のビームを放ち、動けない篠ノ之の代わりに一夏がすぐさま駆け寄り攻撃を全部受け止め、巨大な爆発の後二人とも海へ墜ちた

 

 

 

 

 

 

結果から言えば作戦は失敗に終わった。一夏はすぐさま担架で運ばれて今は治療中。会議室で眺めていた俺らは待機命令をくらい、会議室への入室さへも禁止とされてしまった

 

篠ノ之は一夏のそばで看病を、俺はこれといってやることがないので部屋で横になっている。戻ってきた篠ノ之に一括する気にもなれなかった

 

いきなり枕元にずいぶんと懐かしい人物が現れた

 

「これはまた久しぶりですかね――――――神様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり夕暮れの砂浜を一人走っている箒。どれだけ走ったのか息切れしたのか立ち止まって呼吸を整えながら過去のことを、一夏との記憶が蘇る

 

「箒」

 

突如呼ばれたが振り向かずとも声で鈴だとわかった

 

「あ~あ~、わっかりやすいわね。あのさ! 一夏がこうなったのってアンタのせいなんでしょ!」

 

返す言葉もなくただ悔しがることしか出来ない

 

「で? 落ち込んでますってポーズ―――ざけんじゃなわよ!!」

 

いきなり鈴の口調がはげしいものとなり、箒の胸元を掴みこちらに引き寄せる

 

「やるべきことがあるでしょうが! 今戦わなくてどうするのよ!!」

 

「もうISは……使わない」

 

やっと発した言葉に鈴はついに我慢の限界を迎えパシンっと箒の頬へ一発ビンタをかます。

箒は砂浜に倒れこみ、小刻みに震えている

 

「甘ったれてるんじゃないわよ。専用機持ちつうのはねそんなわがまま許されるものじゃないの。それともアンタは戦うべきときに戦えない臆病者なわけ!!」

 

箒は小刻みに震えながら拳をギュッと握り

 

「どうしろと言うのだ……もう敵の居場所もわからない……戦えるなら私も戦う!!」

 

「ふっ。やっとやる気になったわね」

 

先程とは違い優しい表情になる鈴

 

「あっ!?」

 

そして箒は気づいた。離れたところにセシリア、シャルル、ラウラがいることを

 

「あ~あ、めんどくさかった」

 

「な、なに?」

 

「みんな気持ちは一つってこと」

 

「負けたまま終わっていいはずがないでしょ?」

 

箒の表情に笑みが戻った

 

「ラウラ福音は?」

 

「確認済みだ」

 

展示される三つの画面

 

「ここから三十離れて沖合上空に目標を確認した。ステルスモードになっていたがどうも光学迷彩は持ってないようだ。衛星による目視で発見した」

 

「さっすがドイツ軍特殊部隊、やるわね」

 

「お前たちのほうはどうなんだ? 準備はできているのか?」

 

「当然! 甲龍の攻撃特化パッケージはインストール済み」

 

「こちらも完了していますわ」

 

「僕も準備OKだよ。いつでも行ける」

 

「待ってくれ、行くというのか。命令違反ではないのか?」

 

「だから? あんた今戦うと言ったでしょ?」

 

「お前はどうする?」

 

「私は、私は戦う! 戦って勝つ。今度こそ負けはしない」

 

「決まりね、今度こそ確実に落とすわ」

 

「まっ、教官から罰をあたられたとしてもその時は嫁に慰めてもらうさ」

 

「それはいいアイディアね。でもラウラ一人占めは駄目だからね」

 

「そうそう、箒。後で映司に謝っておいたほうがいいよ。珍しくあいつが怒っていたし」

 

「うむ、戻ってきた際は、ってそういえば神谷の姿が見当たらないが?」

 

箒の質問に四人は一度を顔を見合わせてから

 

まず鈴が

 

「あ~、ほらあいつっていつも私たちのことを助けてくれるじゃん?」

 

セシリアが

 

「いつもは面倒がり屋ですけどね」

 

シャルルが

 

「そのくせ毎回私たちを助けては倒れてさ」

 

ラウラが

 

「そのようなところも嫁のいいところだがな」

 

そして四人全員で

 

「「「「だから今度は私たちが映司のためにも頑張る時でしょ?」」」」

 

その言葉に箒も

 

「そうだな。毎回あいつに助けてもらっていたからな。今度ばかしは私があいつのためにも努力しなければな」

 

より一層強い決意をし、彼女たちは福音へと向かっていった

 

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