ロクでなし魔術講師と無限の剣製   作:雪希絵

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どうも皆様

魔法少女リリカルなのはの映画を見たあと、なのはvividの漫画を一気買いした雪希絵です

元々少しずつ集めてはいましたが、思わず一気に買ってしまいました

時間が出来たら、リリカルなのはの作品も作ってみたいです

さて、やってきました更新日

どうにか短編も出来上がりそうなので、後ほど投稿したいと思います

それでは、ごゆっくりどうぞ!


路地裏の再会

しばらく走り続け、ルイスとルミアは噴水広場の近く、そこへと通じる路地裏にやって来た。

 

「ぜえ、ぜえ、はぁ……!」

「ルイス君……!」

 

荒い息をつき、ルイスはルミアを下ろす。

 

崩れるようにその場に座り込み、肩で息を繰り返す。

 

学院のあるフェジテ北地区から、一般住宅街のある西地区まで、ノンストップで走り続けたのだ。

 

いくら【フィジカル・ブースト】があっても、体力を消耗するのは当然だった。

 

「ルイス君、ルイス君!大丈夫……?」

「大丈夫、問題ないよ。安心しろって、ルミア」

「でも────」

「お前ら!無事か!?」

 

ルミアの言葉を途中で切り、グレンが走り寄って来た。

 

「遅かったな、グレン」

「うるせーよ。これでも【グラビティ・コントロール】でかっ飛ばして来たんだ」

「そうかよ。まあ、ともかく、ありがとう。巻き込んで悪かった」

「今更何言ってんだ、水くせぇ。そもそも、学院に闘技場周辺についてた親衛隊の監視を吹っ切るために、一発ぶん殴って来たんだ。もう行くとこまで行くしかねぇよ。ま、面倒なことにはなったな……」

「それこそ、考えても仕方ない。今どうするかが問題だ」

 

頷き合い、ルイスとグレンは腕を組んで考え込む。

 

「ルイス君……先生……どうして……?」

 

そんな二人に、ルミアが苦渋の表情で問いかける。

 

「わかってるんですか?このままじゃ、ルイス君も先生も……」

「いや、だって、お前見捨てたら白猫に叱られちゃうだろ?あいつの説教は耳にキンキンうるさいから嫌なんだよ」

「それはお前が説教されすぎなだけだ。地の声は、ずっと聞いていたいくらい綺麗なものだぜ?」

「ふざけてる場合じゃありません!……二人とも、一つだけ答えてください」

 

茶化すような二人の態度に、さすがのルミアも声を荒らげる。

 

「なぜ、私を助けたんですか?今、先生も、ルイス君も、本当に危うい立場なんですよ?いつ殺されてもおかしくないんです。どうして二人とも、私のために、こんな無茶を……!」

 

グレンもルイスも、沈黙する。

 

やがて、二人同時に呟く。

 

「「……約束、だからな」」

 

二人とも、約束をした相手も、その細かい内容も違う。

 

しかし、結局ルイスとグレンは、ルミアを守ることがその約束になるのだった。

 

「約束?」

 

意味不明な二人の発言に、ルミアが聞き返す。

 

「……絶対そばにいるって、言っただろ」

 

誰にも聞こえない声量でそう言うルイスの声は、

 

「いや、なんでもねーや」

 

グレンの一言にかき消された。

 

「まあ、心配すんなって。まったくなんのアテもなく、こんな無謀な真似したわけでも、させたわけでもないさ。……アテがなくても、俺たちならやっただろうが」

「間違いないな」

「二人とも……」

「大丈夫だ。女王陛下……お前のお袋さんは、お前を裁判もなしに処分するなんて、絶対できやしない。この突然の抹殺命令には……必ず裏がある。俺たちを信じろ」

「そもそも、あそこで証拠を開示しなかった段階で怪しい。なんらかの言えない理由があるんだろう。証拠についても、ルミアを処刑するわけについても」

 

二人がそこまで断言出来る理由がわからないルミアは、困惑するばかりだ。

 

「勝利条件は結構単純だ。親衛隊の目をすり抜け、女王陛下に会うことが出来れば、俺たちの勝ちだ。陛下に会いさえすれば、誤解も解けるはずだ」

「問題はどうやって女王陛下に会うか……だよな。俺もグレンもそんな権限ないしな……」

 

二人は考える。

 

しかし、女王陛下の周りには、常に王国親衛隊が護衛しているはずだ。

 

逃げ回るだけならまだしも、その監視の目を回避し、女王陛下に謁見するなど不可能に近い。

 

「……あれ、詰んでね?」

「言うな」

 

考えれば考える程、どうにもならない気がしてくる。

 

「って、俺たちが直接言う必要ないな。グレン、魔導器だせ」

「天才」

「やかましい」

 

茶番を繰り広げ、グレンはポケットから、ルイスは首のネックレスについた赤い宝石を取り出す。

 

「それは……さっきの」

「そ。遠隔通信の魔導器だ。割った宝石を加工して、魔術的処置をしたものでな。これを使えば、離れた位置にいるセリカとルイスと音声でやり取りできる」

「同時に使えば、三人で会話も出来るってわけだ」

 

もちろん、セリカ作である。

 

グレンの腕前ではこんなものは作れないし、ルイスでは投影すら不可能だ。

 

ちなみに、グレンは宝石そのままで持ち運んでいるが、ルイスはわざわざ別の宝石と組み合わせて、ただのペンダントに偽装しながら持ち運んでいる。

 

「セリカ姉は今、女王陛下と一緒に闘技場の貴賓席にいるはずだ。セリカを通じて女王陛下に話をつけて、王室親衛隊の暴走を止めてもらえるように進言すればいい」

 

金属の共鳴音のような音が、耳に当てられた宝石から鳴り響く。

 

『……グレンとルイスか』

 

少しして、宝石ごしにセリカが応じた。

 

「お、セリカ!よーしよし、今回は一発で応じてくれたな!こないだみたいに通信に応じなかったらどうしようかと思ったぜ」

「本当だよ……。聞いてくれ、セリカ姉。今、ちょっと大変なことになってて……」

『私は何もできない』

 

しかし、返ってきたのは感情の読めない突き放すような一言だった。

 

「おい、待て。まだ俺たちは何も───」

『すまない。私は何も言えない。二人とも』

「はぁ?ふざけ─────」

「……何かあるんだな?セリカ姉」

 

明らかにおかしい様子のセリカに、グレンを(物理的に)遮って問う。

 

『もう一度言うぞ。いいか?私は何もできないし、何も言えないんだ』

「───ッ!?」

 

ここでようやく、グレンはセリカの様子がおかしいことに気がついた。

 

どうもこの事態は、二人の想定を大きく超えていたらしい。

 

「……なぁ、セリカ。答えられることだけ答えてくれ。お前は俺達が置かれている状況を知っているのか?」

『……大体知っている』

「知ってて何もできない、と?」

『ああ』

「今、セリカ姉は女王陛下と一緒なんだよな?」

『……ああ』

「何が起きたんだ?どうして親衛隊の騎士達が暴走してるんだ?」

『…………』

 

無言だった。

 

「なぜ、女王陛下は表向きルミアを討つ勅命を下したことになっている?」

『…………』

 

これも無言。

 

どうやら、それらは『言えない』らしい。

 

(ってことは、なんらかの方法で制約がかけられてるわけか……。けど、セリカ姉は名高き第七階梯(セプテンデ)だ。そんじゃそこらの呪いも制約も通用しない。ってことは、セリカ姉以外に何か魔術がかけられてる……?それか、人質か……?)

 

『一つだけ、言っておく。グレン、お前だけだ』

「なんだと?」

 

ルイスは思考を中断し、二人の会話を聞く。

 

『ルイスでも、私でもない。お前だけが、この状況を打破できる……そう、お前だけがな』

「それは一体どういう……」

『グレン、この言葉の意味、よく考えろ。そして、なんとかして女王陛下の前に来い。そうしたら、取り巻きの親衛隊くらいはどうにかしてやる……これ以上は危険だな。切るぞ』

「あ、おい!」

「ちょ───セリカ姉!」

 

一方的に、通信は切れた。

 

「くそっ……何がどうなってやがる……!」

「嘆いても仕方ない。とりあえず、これからどう動くかを……」

 

その時、二人は同時に顔を上げる。

 

「「───殺気!?」」

 

グレンはかつて慣れ親しんだ、ルイスは最近直に浴びせられた感覚に、脊髄反射でその方向を見る。

 

その身に纏う特徴的に衣服と、背格好には見覚えがあった。

 

「リィエル!?」

「それに、アルベルトさんまで!?」

 

グレンとルイスが二人の魔導師を認識した瞬間、青髪で小柄な美少女『リィエル=レイフォード』が弾かれたように飛び出す。

 

途中、何かを詠唱し始めた。

 

魔力が紫電の如く爆ぜ、大地に拳が叩きつけられる。

 

数秒後、地面がぽっかりと大剣型に抉れ、リィエルの手には巨大な剣が握られていた。

 

そして、その切っ先をグレンとルイスに向け、まるで猛獣の如く突進して来た。




お読みいただきありがとうございました!

短編の方はもうしばらくかかると思うので、少々お待ちください

それでは、また来週お会いしましょう!
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