ロクでなし魔術講師と無限の剣製   作:雪希絵

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どうも皆様

単位を落として補習に引っかかった雪希絵です

今から何が行われるのかビクビクしています

さて、やって来ました更新日

先週に続いて短編も投稿しようと思っていますが、例によってもう少し時間がかかってしまいそうです……申し訳ありません

それでは、ごゆっくりどうぞ!


猪突猛進

「ちぃ!?錬金術───【形質変化法】と【元素配列変換】を応用した、お得意の高速武器錬成かよ!?しかも早ぇ!」

 

相変わらずのその早業に、グレンが舌打ちする。

 

もはや疑う余地などない。

 

帝国宮廷魔導師団、執行者ナンバー17『星』の『アルベルト=フレイザー』。

 

帝国宮廷魔導師団、執行者ナンバー7『戦車』の『リィエル=レイフォード』。

 

この二人は、かつてのグレンの戦友は────今や敵だ。

 

王室親衛隊と同様に、自分達を狩りに来たのだ。

 

投影開始(トレースオン)!」

 

だからこそ、ルイスは迷うことをやめた。

 

ルイスにとって、今守るベきはルミアとグレンだと、即座に判断したのだ。

 

投影した双剣を握り、リィエルを迎え撃つ。

 

「グレン、ルミア、下がってろ!」

 

大上段に振り下ろされたリィエルの大剣を、ルイスは双剣をクロスさせて防ぐ。

 

「ルイス!邪魔、しないで!」

「そういうわけにはいかないんだよ!」

 

言いながら、必死で腕に力を込める。

 

リィエルは普通の魔術師とは戦法が大きく違う。

 

白魔【フィジカル・ブースト】で身体能力を上げ、錬金術で作った大剣を振り回す。

 

ただそれだけ。

 

馬鹿げた戦法だが、実際にこれで敵の外道魔術師をなぎ倒して来たのが恐ろしい。

 

そんなリィエルの腕力は、小さな背丈には有り得ないレベルだ。

 

日頃鍛えているルイスでも、力負けする程に。

 

「ぐっ─────!」

 

耐えきれなくなり、綱渡りのような力加減で大剣をいなす。

 

地面に大剣が当たった瞬間、爆発したかのように地面が弾ける。

 

舌打ちしながら、片手の剣をリィエルに向かって振る。

 

それをリィエルはなんと、

 

「邪魔!」

 

片手で殴って逸らす。

 

「嘘だろ!?」

 

思わぬ事態に、ルイスは体勢を大きく乱す。

 

「いやあぁぁぁぁぁぁ!」

 

その間に、リィエルは大きく大剣を振りかぶる。

 

当たれば間違いなく、身体を真っ二つにされる。

 

(こいつ……殺す気かよ!?)

 

迫る刃を睨みながら、ルイスはブリッジをするかのように身体を逸らしでギリギリで回避する。

 

大急ぎで身体を起こして飛び下がり、ルイスは双剣を消す。

 

「投影開始!」

 

再び詠唱し、ルイスは右手を突き出す。

 

長く、長く伸びるそれは、ルイスの背丈程になってから形を成す。

 

現れたのは、全面赤塗りの槍。

 

刃が持ち手と同じくらい細く、一見すると赤い棒のようにも見える。

 

「────ルイス、生半可な槍で、私には勝てない」

「お前の馬鹿力に対抗するには、こっちの方が都合がいいんだよ」

 

脂汗を流しながら、ルイスは不敵に笑う。

 

「そう…………。いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

小さく呟き、目を見開いてから、リィエルはジャンプしてルイスに斬り掛かる。

 

しかし、その瞬間、ルイスは目にした。

 

リィエルの背後に控えるアルベルトの左手が、光り輝いていることを。

 

(やばい────!)

 

アルベルトはリィエルと真逆に、誰よりも魔術師らしい。

 

帝国最強の狙撃手とも呼ばれる技量を持ち、どんな乱戦でも味方に最適な援護をする。

 

裏を返せばそれは、どんな状況でも敵を撃ち抜くということだ。

 

アルベルトなら当てる。

 

例え、この距離でも。

 

グレンが気が付き、疾風の如き速度で駆けつけようとするが、それも間に合わない。

 

左手の輝きが強くなり、黒魔【ライトニング・ピアス】が発動する。

 

それは真っ直ぐとルイスの方に向かい……、

 

「きゃん!?」

 

リィエルの後頭部に直撃した。

 

途端にリィエルはどさりと倒れ伏し、地面でぴくぴくと痙攣し始める。

 

「……え?」

「……おお?」

 

先程までの爆音などなかったかのように、辺りを静寂が包む。

 

どうやら大丈夫そうなので、ルイスは槍を消去した。

 

「久しぶりだな、ルイス。それと……グレン」

「あ、あぁ……」

 

どこか咎めるように冷たい声色で挨拶してくる元同僚に、グレンは戸惑う。

 

「腕を上げたな、ルイス。魔術の方はどうだ」

「あ、ありがとう、アルベルトさん。一応、アルベルトさんに教わった軍用魔術は、普通に使えるようになったよ」

「そうか。引き続き励むといい」

「は、はい」

 

一転、ルイスの方を見たアルベルトは、表情は無表情のままでも、どこか声色が優しい。

 

「っていうか、リィエル大丈夫なの?」

「威力は抑えた。このくらいじゃ死なん」

 

さらっととんでもないことを言うアルベルト。

 

自分が気絶させたリィエルを引きずりながら、アルベルトはグレンとルイスの方を振り返る。

 

「場所を変える。俺についてこい」

 

そういって、アルベルトはつかつかと歩いて行く。

 

「───どうするグレン」

「行くしかないだろ」

「まあ、だよな……。アルベルトさんに逆らうとか怖いし」

 

昔、ルイスはアルベルトに軍用魔術を習ったことがある。

 

まだ学院に入学する前のことだったため、習ったのは【ブレイズ・バースト】と【ライトニング・ピアス】と【アイス・ブリザード】の三つだけだが。

 

これの訓練の際、ルイスはアルベルトに相当しごかれた。

 

以来、アルベルトのことを尊敬はしているが、どうも恐怖感情が抜けないのだった。

 

「しゃーねぇ。行くか」

 

ため息をつき、グレンはアルベルトについていく。

 

「ルミア、行こう」

「う、うん」

 

そんなグレンに、ルイスとルミアも急いでついていった。




お読みいただきありがとうございました!

ヒロインのはずのルミアが全然喋ってない……

まあ、戦闘シーンなので仕方ないのですけど……

それでは、また来週お会いしましょう!
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