ロクでなし魔術講師と無限の剣製   作:雪希絵

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どうも皆様

たった今起きました雪希絵です

遅くまで予定があったとはいえ……申し訳ございません

しばらく休みですので、しっかり休んでおきたいと思います

それでは、ごゆっくりどうぞ


ルイス&アルベルト

「あらあら、急いてはいけませんわ。女性はもっと優しく、絹に触れるように扱わなくては」

 

ふふふ、と微笑みながら、エレノアは内心ほくそ笑む。

 

相手は英霊の力を得ているとはいえ、ただの学生だ。

 

帝国宮廷魔導師団じゃあるまいし、苦戦するなどありえない。

 

だが、ルイスにそんな常識は通用しない。

 

そんじょそこらの学生と一緒にしてもらっては困るのだ。

 

「うふふ、うふふふふっ」

 

妖艶に、不気味に笑いながら、エレノアは次々と死体を呼び出す。

 

それは呻き声を上げながら、ルイスを囲んで四方八方から襲いかかる。

 

諸手を伸ばし、こちら側に引きずり込もうとするかのように爪を立てる。

 

「触んじゃねぇよ!」

 

それに対し、ルイスは左右の剣を縦横無尽に振るう。

 

目にも留まらぬ剣閃が次々と死体達を捉える。

 

「……なんてこと」

 

それだけでは止まらない。

 

少々離れた位置にばら撒かれたのは、大量の爆晶石。

 

爆音と閃光。

 

遅れて衝撃波が辺りに轟く。

 

手脚が吹き飛び、頭をさらわれる死体達。

 

「『投影開始(トレースオン)』!」

 

さらに、頭上に大量に現れる剣。

 

ルイスの父、レオンの手によって作られた剣だ。

 

それが、まさしく雨の如く降り注ぐ。

 

今度は刃無しなどという生易しいものでは決してない。

 

刺し、抉り、切り裂き、蹂躙する。

 

エレノア愛しの死体達は、たかが学生でしかないはずのルイスの手によって、ただの肉塊へと変わっていく。

 

「……ここは、私も動くしかなさそうですわね」

 

しかし、その顔は未だ愉悦に染まっている。

 

死体達をけしかけるだけで終わりではなく、自分も動くことが出来るのだ。

 

エレノアはまだまだ、戦いを楽しむつもりでいた。

 

そうして、エレノアは呪文をくくる。

 

彼女の周りを暴風が吹き荒れ、冷たい風が吹きすさぶ。

 

黒魔【アイス・ブリザード】。

 

触れるだけで対象を凍りつかせるような風が、ルイスに向かって放たれる。

 

「《吠えよ炎獅子》!」

 

ルイスはそれに対し、練習した結果一節で詠唱可能になった【ブレイズ・バースト】を発動。

 

吹雪を無効化するだけでなく、付近の死体達にまで炎が伝播していく。

 

「軍用魔術まで……大したものですわ」

 

それは、なにゆえなのか。

 

喜びと興奮が混ざったような、場に不釣り合いな表情。

 

「……あんまり、俺を舐めるなよ」

「舐めてなどいませんわ……。むしろ、賞賛しておりますのよ?」

 

ふふふ、とまた笑う。

 

ルイスはそれがカンに触って仕方ない。

 

「……黙れよ」

 

ルイスの剣速が増す。

 

右手の剣で死体の胸を裂き、左手をつき込んでトドメ。

 

両側から迫る死体にそれぞれ剣を突き刺す。

 

鼻から後頭部へと剣が抜ける。

 

引き抜く時間も惜しいので、ルイスはその剣を放置して、

 

「『投影開始(トレースオン)』」

 

一言呟く。

 

現れたのは身の丈程の朱色の槍。

 

刃は細く、鋭い。

 

「しっ────!」

 

一回転しながら、槍を大振りにぶん回す。

 

弧を描く軌道に合わせて、死体達に傷が穿たれる。

 

「……その槍は……ランサーの……」

 

ボソリと呟いたエレノアの声は、ルイスには届かない。

 

突く、突く、突く突く突く。

 

点と点を重ね続け、面にしていくかのように、ルイスの槍が死体を穿つ。

 

しかし、それが間違っていた。

 

死体に対しては問題ない。

 

だが、エレノアに対しての警戒が、ほんの少し薄れてしまった。

 

(隙、ですわ────!)

 

「《出でよ赤き獣の王》────ッ!」

 

巨大な火球が、ルイスに迫る。

 

(しまっ────!?)

 

気づいた時には既に遅い。

 

ルイスのことを飲み込み、焼き尽くさんとばかりに迫る。

 

「《光の障壁よ》」

 

そこへ、涼やかな声が響く。

 

極めて冷静に、淡々とした詠唱。

 

ルイスの前に三角形の障壁が現れ、炎を遮る。

 

もちろん、ルイスによるものでは無い。

 

「無事か。ルイス」

 

長い黒髪、鷹のような鋭い瞳。

 

漆黒の軍服に身を包んだその人物は、

 

「あ、アルベルトさん!」

 

帝国宮廷魔導師団、執行者ナンバー17『星』のアルベルト=フレイザーだった。

 

「一人で天の知恵研究会の者と戦うとはな。それは勇気とは言わん。ただの無謀だ」

「す、すみません……」

 

咎めるような口調のアルベルトに、ルイスは思わず謝る。

 

「だが、その心意気は買おう。援護はしてやる。好きにやれ」

「……はい!」

 

師の言葉に、ルイスは力強く頷く。

 

「二人がかりですか?嫌いではありませんが……手厳しい殿方ですわね」

 

余裕そうな顔をしているが、内心は穏やかではない。

 

ルイスだけなら、強いのは間違いないが自分一人では倒せなくはないだろう。

 

だが、アルベルトも加わるとなれば話は百八十度変わる。

 

もはや、自分に不利なのは間違いない。

 

「行くぞエレノア!」

 

双剣を構え直し、ルイスはエレノアに突撃する。

 

「《吠えよ炎獅子》」

 

淡々とした詠唱と、それに似合わない激しい炎。

 

しかも、ルイスに全く掠りもしない。

 

抜群の魔力コントロールによって、ルイスに当たらないようにしているのだ。

 

「『投影開始(トレースオン)』」

 

さらにルイスは双剣を増設。

 

左右合計で六本。

 

鶴翼、欠落ヲ不ラズ(しんぎ、むけつにしてばんじゃく)

 

心技、泰山ニ至リ(ちから、やまをぬき)

 

心技、黄河ヲ渡ル(つるぎ、みずをわかつ)

 

唯名、別天ニ納メ(せいめい、りきゅうにとどき)

 

両雄、共ニ命ヲ別ツ(われら、ともにてんをいだかず)

 

ルーン語とよく似た、されど違う詠唱。

 

「《鶴翼三連》!!!」

 

合計六本の双剣が、猛る炎の獅子が、ルイスの握る双剣が、エレノアに襲いかかる。

 

「くっ────!?」

 

エレノアの顔に初めて焦りが浮かぶ。

 

しかし、双剣は見事全て撃ち落とされ、【ブレイズ・バースト】は反抗呪文(カウンター・スペル)で相殺。

 

近づくルイスの一撃を、掠めながらもギリギリ回避した。

 

だが、そこをアルベルトが逃すはずはない。

 

アルベルトの右手が、光り輝く。

 

指先から雷光が走り、エレノアに直撃。

 

腹部中心に炭化していく。

 

だが、それは黒い霧に包まれて次々と修復されていく。

 

「ふふふっ、当てられてしまいましたか……」

 

かすり傷も含めて、全ての傷が塞がっていく。

 

「面妖な……」

「本当に人間か……?」

 

顔をしかめる二人に、エレノアは告げる。

 

「さぁ……おもてなしを続けましょう」




お読みいただきありがとうございました!

どうも最近忙しくて更新日守れてませんね……

気をつけます

それでは、また来週お会いしましょう!
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