ロクでなし魔術講師と無限の剣製   作:雪希絵

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どうも皆様

突然ですが、皆様にお知らせがございます

わたくし雪希絵、この度Twitterアカウントを制作致しました

@yukie_yaesaka

↑上記がアカウント名になりますので、よろしければフォローお願い致します

それでは、今回もごゆっくりどうぞ


お前は人間だ

「だぁぁぁらぁぁぁぁぁぁぁ!」

「おぉっ!」

 

グレンとルイスは共同でリィエル・レプリカの猛攻を捌き続ける。

 

互いの死角をカバーしながら、二人はひたすら耐えしのいでいた。

 

「どうして……私なんか守るの?」

「どうしてだぁ────!?どやっかましいわ!今、お前に構ってる暇はないんじゃ、見りゃ分かるだろボケェェェェ────!」

 

前方左右の三方向から突進してくるリィエル・レプリカ。

 

グレンは咄嗟の判断で右側へと踏み込み、ルイスは正面に走る。

 

突き蹴りで引き離したあと、グレンは回転して左側から迫るリィエル・レプリカを後ろ回し蹴りで突き放す。

 

ルイスは正面のリィエル・レプリカの切り払いを、左右の双剣を絶妙な加減で操って受け流す。

 

間髪入れずにその腹部に蹴りを入れて引き離す。

 

「お前、んなコトより、刺し違えてでもこいつら一匹ずつやるから、今すぐルミア連れて逃げろ!アルベルトのとこいけ!いいか、返事は『はい』以外受け付けねぇぞ────!?」

 

グレンがそうして叫んでいる間にも、二人は動きを止めない。

 

左から旋風の如き薙ぎ、右から首を狙った一閃。

 

グレンは飛び上がって空中で身を捻り、その剣戟の間をすり抜けていく。

 

ルイスはもう一人のリィエル・レプリカと激しく剣を叩きつけ合う。

 

歯を食いしばり、迫り来る大剣を受けて、受けて、流す。

 

痛み体にムチを打っているためか、荒い呼吸と気合いしか口から出てこなかった。

 

「わたしには……何もないのに……。記憶も、思い出も、何も……」

「うっせぇ、バーカ!だったら思い出せ!お前の本当の記憶をな────!」

 

そうして、グレンはルイスに目配せする。

 

ルイスの右手が光り輝き、投影されたのは爆晶石。

 

カツンッ、と音が鳴って落下した赤い宝石は、閃光を放ちながら爆発する。

 

どうせリィエル・レプリカには当たらないだろうが、少々の目くらましと足止めにはなる。

 

轟音の中、グレンの声がリィエルの耳に、心に届いた。

 

「『シオン』だ」

「えっ……?」

 

爆風を薙ぎ払いながら、リィエル・レプリカが突っ込んでくる。

 

「させるか────!」

 

赤塗りの槍を呼び出し、薙ぎ払うように振り回す。

 

左右から迫るリィエル・レプリカはどうにか弾いたが、中央のリィエル・レプリカはしゃがんで回避されてしまった。

 

横っ腹を盛大に殴られるが、どうにか踏みとどまる。

 

ルイスがそうして押さえ込んでいる間に、グレンが続ける。

 

「『シオン』だ。お前の兄貴の名前は、『シオン』だ────!二年前、天の知恵研究会に囲われている妹を逃がそうと帝国宮廷魔導師団に亡命を打診して、結局、組織に裏切り者として粛清された──稀代の天才錬金術師だ」

「………『シオン』……?」

 

リィエルはハッとした顔になると、頭を抑えながらうずくまった。

 

蘇ったリィエルの記憶の中で、彼女は『イルシア』と呼ばれていた。

 

実の兄、シオンは『ライネル』と呼ばれている共同研究者に亡命の話をし、そして────イルシアの目の前で殺された。

 

そして、イルシアもまた、ライネルの手によって切り捨てられたのだった。

 

「……今……のは……?」

 

蘇った記憶を受け入れられず、ガタガタと震え出す。

 

「さあな?お前がどんな記憶を思い出したか、俺には分からん」

「そんな……あの青い髪の子……なんで、私の記憶の中に……私が……?」

 

驚愕するリィエルに対し、グレンはぽつぽつと語り出す。

 

二年前、ある研究所を強襲した時に、ガラスの円筒に収まった少女を秘密裏に確保したこと。

 

その少女は『Project:Revive Life』の開発者シオンの妹、イルシアの『ジーン・コード』と『アストラル・コード』を受け継いでいた。

 

名前は、『Project:Revive Life』の略称から……『リィエル』。

 

「分かるか?お前は『Project:Revive Life』の世界唯一の成功例。シオンの妹、イルシアの姿と中身を継いだ魔造人間だ。お前に本当の意味での兄貴なんて、いないんだよ」

「……あ……あ……。ぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁ!」

 

グレンの物言いに、リィエルが泣き叫ぶ。

 

「……うるせぇ!!!」

 

そんなリィエルを、ルイスが一喝する。

 

見れば、たった一人でリィエル・レプリカを相手にした為か、ボロボロだ。

 

それでも、その瞳だけは強い光が宿っていた。

 

ルイスは驚いて肩を震わせるリィエルの胸倉を、思いっきり掴んだ。

 

「話全部聞いてたがな!さっきからなんだ、『あ』だの何だの叫んでばっかりか!」

「だって……でも……わたし……」

「いいか、よく聞け!」

 

何か言おうとしたリィエルを遮り、ルイスはまくし立てる。

 

「お前は!バカで!猪突猛進で!何も考えない脳なしで!毎回突っ込んでは騒ぎ立てる大馬鹿者だろうがっ!」

 

突然の罵倒に、リィエルは目を見開く。

 

「なのに、なのに……!」

 

話の途中で迫ってきたリィエル・レプリカの攻撃を受ける。

 

傷口が開いたのか、胸や腕から出血していく。

 

「こんな時に、ごちゃごちゃ考えてどうする!お前は、そんなごちゃごちゃ考える人間(・・)じゃねぇだろうが!!!」

 

血反吐を吐き、リィエルをはね飛ばしてそう叫ぶ。

 

「お前のやりたいことは何だ!お前の望みはなんだ!お前は人形じゃない、作られた命とか関係ない!自分の望みを言え、それが人間だろうがっ!!!」

 

両側から迫るリィエル・レプリカの剣を受け、回転することで受け流す。

 

剣の軌道に沿って、またパタパタと血が滴った。

 

「そういうこった!いいか、よく聞け!?自分が大切だと思う何かの為に生きろ、リィエル!お前は人形なんかじゃねぇ!人形何かのために、俺が、俺たちが、ここまでするか、いい加減わかれよ、この馬鹿ヤロォォォォォォォォォ!!!」

 

グレンは叫びながらリィエル・レプリカと相対する。

 

刻まれ続けたその身体の傷は、もはや全身に及んでいた。

 

されど、グレンとルイスの叫びは届く。

 

たかが空気の振動であって、ただの音であるはずなのに、それはどうしようないほどにリィエルの魂を揺さぶった。

 

熱が、凍てついたリィエルの心を溶かす。

 

「うっ……ぁ……あぁぁ……」

「ぐっ!?」

 

ルイスの脚を、大剣が撫でる。

 

傷が刻まれ、赤い血潮が床に流れる。

 

グレンも、もはや限界だ。

 

右脚と右腕は、妙な方向に歪んでいた。

 

間違いなく骨が折れている。

 

限界をとっくに超越した二人は、自分達に斬りかかってくる三つの影を、ただ見ていることしか出来なかった。




お読み頂きありがとうございました

早くに取り掛かったはずなのですが……なかなかどうして時間を超過してしまいました

それでは、また来週お会いしましょう
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