またやらかしました、本当にごめんなさい雪希絵です
いくら構成に時間がかかったとはいえ……このままでは心優しい読者の皆様でも、愛想が尽き果ててしまうかもしれないと心の底から焦っておりました
ようやく仕上がりましたので、よろしければごゆっくりどうぞ
※こういった事態が連続していることが、授業日程に関係性があると考えたので、更新日を毎週木曜日に変更させていただきます。ご理解のほどよろしくお願い致します
システィーナの婚約者
「……はぁ」
ある日。
傷もすっかり完治したルイスは、盛大にため息をついていた。
というのも、ルイスは最近あることに悩まされているのだ。
「ルイス君」
「ああ、ルミア……」
力なく微笑むルイスに、ルミアが首を傾げる。
「どうしたの?元気ないみたいだけど……」
「例のあれだよ。今はそれ待ちでもあるしな」
「あぁ……そっか。今日からなんだっけ?」
思い出したようにそう言うルミアに、力なく頷いて答える。
場所は理事長室の前。
ルイスは窓に持たれかかっている状態だ。
「……ったく、あの時の選択は間違えていないが、まさかこうなるとはな」
「あはは……。でも、ちゃんと面倒見てるんだもん。偉いよ、ルイス君は」
「そうですよ、ルイスさん」
不意に、横から声がかかる。
「おう、ジャンヌか。おはよう」
「おはよう。ジャンヌ」
「おはようございます、お二人とも」
脇に本を抱えたジャンヌが、軽く礼をして挨拶をする。
「別に偉くなんかないよ。助けたらそのまま放置……って訳にもいかないだけさ」
「そんなこと言って。眠ってる間心配そうにオロオロしてたの、知ってるんですよ?」
「そうなの?」
「ばっ……!ジャンヌ!それは言わないでくれ……!」
痛い事実を突かれ、ルイスが静止する。
「そっかー。相変わらずルイス君は優しいね。ジャンヌ、良かったら今度詳しく教えてね?」
「ええ、もちろんです。仰っていたことを一言一句、行動の一つまで」
「おまえらなぁ……!」
頭を抱えるルイスに、二人が微笑む。
もちろん冗談なのだが、どうやら分かっていないようだ。
それからしばらくして、理事長室の扉が開く。
小柄な人影が一礼しながら出てきたかと思うと、くるりと勢い良く振り返った。
そして、ルイスを見るや否や────
「お、に、い、ちゃーーーーーーーーーーん!!!」
「どわぁぁぁぁぁ!?」
そう叫びながら飛びついた。
「えへへー!お兄ちゃーん!」
「分かった分かった!分かったから離れろ!」
引き剥がそうとするが、その細腕のどこにそんな力があるのか、なかなか剥がれない。
「あはは、相変わらず仲良しだね……」
「割と一方的な気もしますけどね……」
そんな二人を、苦笑いで見つめるルミアとジャンヌ。
「もう、お兄ちゃんってばつれないなぁ」
ようやく離れながらそう言い、少女はその整った唇を尖らせる。
細く滑らかな白髪が、風に揺れてサラサラと流れていく。
身につけた黒色のカチューシャは、ルイスが買ってあげたものだ。
パチリと丸い大きな銀の瞳が、ルイスをじーっと眺めている。
ルイスが見つめ返すと、少女はニッコリと微笑んだ。
「……あのなぁ、ソフィア。いくらなんでも所構わず抱きつくのはやめてくれ」
『ソフィア』と呼ばれた少女は、僅かに首を傾げる。
少女の名前は、『ソフィア・アンフィエラ』。
ルイスが研究所で助け出した、異能力者の少女である。
「それはあれだね、お兄ちゃん。場所を選ぶなら抱きついてもいいんだよねっ!」
「違う。せめてそうしてくれと言ってるんだ。どうせ抱きつくことに関してはやめる気ないんだろうが」
「おおっ、流石はお兄ちゃん!私のことよく分かってるね。愛の力だね!」
「何が愛だ、何が!」
そして言うまでもなく、ルイスの最近の悩みとは、ソフィアの過剰なスキンシップのことである。
「なんででしょう。会ってまだそんなに経ってないですし、似てるわけでもないんですが……なんだか本当に兄妹のようです」
「そうだね。一緒に住んでるからなのかな?お互い遠慮してない感じがして、いい関係だね」
ぎゃあぎゃあと言い合うルイスとソフィアを、微笑ましそうに見つめる二人。
ソフィアは現在、ルイスの家で暮らしている。
彼女両親は、既に他界している。
バークスに捕えられたその時、彼女を庇って死んだらしい。
身寄りのない彼女を、『分け合って別居していたルイスの妹』ということで周りに説明し、アルベルトの計らいで書類上でも『ソフィア・ハルズベルト』と名乗っている。
異能力が魔術によく似ているというのもあって、魔術学院にも編入。
つい先程、その最終手続きを終わらせたところだ。
ちなみに、お兄ちゃん呼びは完全に本人の趣味である。
「えーっと、ルイス君?そろそろ、システィ達のところに……」
「あー、そうか。ソフィア、とりあえず話は終わりだ。行くぞ」
「はーいっ!」
「のわっ!?おい、だからやめろって……」
元気よく返事をしながら、ソフィアがルイスの腕に飛びつく。
「あ、あはは……」
「……むぅ」
そんな様子に苦笑いを浮かべるルミアと、若干不服そうな表情をするジャンヌ。
歩きながら、僅かだが頬を膨らませている。
すると、不意に二人の前を歩いてたソフィアが立ち止まる。
腕を組んでいたルイスが、突然止まったせいでつんのめる。
「……大丈夫だよ、二人とも」
ソフィアはくるりと顔だけ振り返り、満面の笑みで、
「私はお兄ちゃんの妹でいたいだけだから、二人のどっちがお義姉ちゃんになっても、私は全然大丈夫!むしろ応援するよ!」
特大の爆弾を投下した。
「なっ……ばっ、ソフィアお前!急に何を……!」
「え?だって、お兄ちゃんのお嫁さんなら私のお義姉ちゃんってこ」
「だぁぁぁぁ黙れ黙れ!ちょっと黙ってろ!」
大慌てでソフィアの口を抑えるルイス。
ルミアとジャンヌはといえば、揃って頬を僅かに赤く染めている。
気まずい雰囲気が流れる。
そんな空気にした張本人は、ニコニコと微笑んでいるのみだ。
(勘弁してくれ……)
助けたことを後悔などするわけがないが、せめてもう少し大人しくして欲しいと思うルイスであった。
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「……どうしても、お前の力が必要なんだ」
アルザーノ帝国魔術学院前庭の隅の方に、グレンの苦渋に満ちた声が響き渡った。
「許されないことだとはわかっている……お前を巻き込んでしまうということもわかっている。だが、人の命がかかっているんだ……ッ!」
前庭の中央を行き交う生徒達の喧噪は、遠い。
そのせいか、グレンの淡々とした声は、妙に力が込もっているように聞こえた。
「頼む、リィエル。俺に力を……お前の力を貸してくれ!」
殊勝にグレンが頭を下げる先には、リィエルがいた。
いつも通りの眠たげな無表情のまま、じっとグレンを見つめて……やがて、リイエルはこくりと頷いた。
「大丈夫。わたしはグレンの剣。グレンのために、この力を使う」
そう言い、リィエルは手に握った小石に意識を集中する。
小さな手の中のそれは、だんだんと黄金色の光を放ち始める。
だが、
「『何やってるのよ・この・お馬鹿ぁぁぁぁ』!」
それを見守っていたグレンが、横から吹き込んできた突風に紙くずのように飛ばされた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
女性のような悲鳴をあげ、水しぶきをあげながら噴水に落下していった。
「がぼっ……やるな、白猫。最近のお前の呪文改変能力はすげぇよ……」
「えっ?そ、そう……?せ、先生の教え方がいいから……じゃなくて!」
一瞬逸らされそうになったが、システィは即座に話を戻す。
「リィエルに金を錬成させてどうするつもりだったんですか!」
「売るんだよ!」
悪びれる様子もなくグレンが答える。
「リィエルが暴走するせいで俺の給料はカットされまくり!背に腹はかえられないじゃあぁぁぁぁ────!」
「犯罪ですよ!っていうかそれは先生の日頃の魔術講師にあるまじき態度が……!」
(まーたやってるよ……)
相変わらず口喧嘩ばかりの二人に、遅れてきたルイス達が苦笑いする。
「あ、ルイスとルミアにジャンヌも」
「おはよう、リィエル。相変わらずだね、二人とも……」
なぜ喧嘩しているのか分からないリィエルは、首を傾げながらルミアを見る。
「やっほー、リィエル。元気してた?」
「ソフィア。うん、元気」
リィエルとソフィアの仲は、それなりに良好だ。
というか、既に顔を合わせたクラスメイト達全員から好印象を受けている。
愛らしい容姿に明るい性格、加えて『お兄ちゃん』呼びが微笑ましくてたまらないとはカッシュ談である。
「はぁーはっはっはっ!当たらなければどうということはない!」
「この……!待ちなさい!」
システィーナの放った魔術を避け、逃走するグレン。
(しゃーない、捕まえとくか……)
仕方ないので、地面を蹴ってルイスも追いかけ始める。
背後から迫るシスティーナの魔術を避けるグレン。
そちらに集中しすぎていたのか、目の前の馬車に顔面から衝突しそうになっていたところを、ギリギリのところで止まった。
「どぉわぁあぁぁぁぁ!?馬ぁぁぁぁ!?」
「何やってるのよ先生!おかげで人様に迷惑をかけるところだったじゃない!」
「前方不注意は危ないぜ、グレン。気をつけろよ」
駆けつけたシスティーナとルイスが、揃って御者に向かって頭を下げる。
「すみません!この人には後できつく言っておきますので……」
「申し訳ありませんでした」
「………」
しかし、御者は全くの無言。
「え、ええと……その……」
流石に気まずくなったシスティーナが更なる謝罪の言葉をかけようとした時。
「ははは……この学院について早々、真っ先に君達に会えるなんてね……。これには流石に、私も運命というものを信じてしまうかもしれない」
客室から、一人の青年が出てきた。
柔らかな金髪、スラリとした長身。
気品に溢れたその整った顔立ちは、年頃の娘ならば面と向かいあっただけで胸の高鳴りを抑えることは出来ないだろう。
事実、周りの女子生徒達は浮き足立っている。
「久しぶりですね、システィーナ。それに、ルイスも。君たちは相変わらず元気がいい。システィーナ、貴女にとっては……それが貴女という女性の魅力の一つなのですがね」
「あ、貴方は────」
そうして、システィーナと青年は見つめ合う。
まるで、空いた時間を埋めるように。
ルイスは、懐かしそうな顔で……されど、少し複雑そうな表情で、青年を眺めていた。
そんなルイスの右手に、柔らかい感触。
言うまでもなく、ソフィアが腕を組んでいるのだ。
「お兄ちゃん、知り合い?」
「……一応」
怒りもせず、口をへの字にしてルイスは肯定した。
目の前のピンク色の空気に対して、ルイスの雰囲気は少々黒い。
「……えっ。何この雰囲気」
完全に場違いなグレンが、三人を順番に見ながらそう言う。
「っていうか、そもそもあんた誰」
「私ですか?私は……」
青年は微笑み、恭しく礼をする。
「私は『レオス=クライトス』。そこにいる……システィーナの
突然の婚約者宣言に、一同沈黙の後……実に多種多様な驚きの声をあげた。
というわけで、あの助けた女の子は、これから『ソフィア』としてルイスの妹になって貰いました
もちろん、見た目なども完全にただの妄想です
アニメで出てきたら公式設定になったんですが……グロすぎたのかカットされてましたから……
というか個人的にアルベルトさんのナイフオンリーでバークスを倒したシーンがカットされてたのもショックです
アルベルトさんの重要なシーン二つともカットするって制作会社はアルベルトさんに何か恨みでもあるんですかね
……話が逸れてしまい申し訳ありません
ソフィアの異能力なども考えてありますし、これからの活躍に期待して頂ければ幸いです
それでは、また来週お会いしましょう