やはり俺の受けた祝福はまちがっている   作: サキラ

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第二章1話目です。
感想や誤字報告等ありがとうございました!
特に誤字報告は読みやすく訂正までしてもらってほんと感謝の気持ちでいっぱいです!


第二章
この旅路の果てに新たな出会いを!


「ゆんゆん……やれ……」

「そんなっ……!私には出来ません!」

「いいからやるんだ……ここでやらないと全てが無駄になる……!」

「けどそしたらハチマンさんが!ハチマンさんが!」

「どの道俺はもう長くない……だったら、一思いにやってくれ!」

「うぅっ……!ブ『ブレイドオブウィンドウ』ー!」

 

 

▼▼▼▼

 

「いやぁお見事!大漁ですな!」

 

キャベツ狩りを終え、村に半玉にされたキャベツを運び終えると、村長が上機嫌で出迎えてくれた。

旅の途中、俺とゆんゆんは立ち寄った村で駄賃稼ぎにキャベツ収穫の手伝いをしていた。

俺がモンスター寄せの魔法でキャベツを引き付けたところに、ゆんゆんが風魔法を撃って、その魔法を『リフレクト』で乱反射させて仕留めていく。

この作戦は見事にハマり、この村で育てていたキャベツの大半を俺達は収穫する事ができた。

キャベツの引渡しを終え、報酬金を貰いゆんゆんの元に戻る。

 

「だいぶ貰えたぞ。キャベツって本当に儲かるんだな」

「この時期のキャベツは高級食材ですからね。キャベツを作ってる村があって助かりました」

 

ほくほく顔でゆんゆんが言う。

それにしても、まさかキャベツが空を飛んで襲いかかってくるとはな……。

囮役はもちろん俺が行く。って勢いでモンスター寄せの魔法を使ってみたけど、四方八方から飛んでくるキャベツの群れがいつの間にか、小学生の頃の体育のドッジボールを思い出させて結構辛かったぞ……。

あの時、避けまくって最後まで残ってしまった俺に対して、敵チームはおろか味方だったやつまで囲んでボールぶつけて来たからな。

 

「あっ!見てくださいハチマンさん!ポイント!ほらっ!」

 

過去のトラウマが思わぬ形で刺激されて涙ぐみそうになっていると、突然ゆんゆんが嬉しそうに冒険者カードを差し出してきた。

覗き込んでみると、確かにかなりのポイントが貯まっているようだ。

 

「これだけあれば足りるのか?上位魔法のポイントって」

「はいっ!キャベツ狩りでレベルが一気に上がったみたいです!」

 

なるほど。そりゃあんだけ倒したらレベルも一気に上がるよな。

俺達が収穫したキャベツは200個以上。しかも仕留めたのは全てゆんゆんの魔法だから、レベルが一気に上がっていてもおかしくない。

 

「これで私もやっと……やっと一人前の紅魔族に……!」

「まぁなんだ……おめっとさん」

「えっ?こめっこちゃん?」

「いや誰だよこめっこちゃん。おめでとうって言ったんだよ」

 

妙な名前を言ってきたゆんゆんをよそに、いい機会だし久しぶりに冒険者カードを開いて自分のステータスを確認してみる。

旅に出た当初よりはレベルも多少上がっていて、それなりに見られるステータスにはなっていた。

『器用度』が一番高く、次いで『知力』。冒険者に必須な『筋力』『生命力』『魔力』『敏捷性』は普通で、『幸運』が一番低い。

……というか『幸運』に至ってはレベル1から全く伸びてない気がするのだが、気のせいだよな?

 

「それで、この先どうする?旅の目的は上級魔法を覚える事だったよな。一旦、アクセルに帰るか?」

「そうですね。私もあの子と決着つけないといけないし……はっ!あの子、私と決着つける前に飢え死にとかしてないですよね!?」

「いやしてないだろ。普通」

 

いやどんな奴だよ。たとえ金がなくてもあそこじゃエリス教徒が炊出しやってるんだし、一日一食は困らないはずだぞ。

 

「まぁそんなに心配なら、明日にでもアクセルへ向けて出るか。ここからなら数日だろ」

「べ、別に心配ってわけじゃ……でも決着をつけなきゃいけないですし、戻る事には賛成です」

 

はいはい。そういう事にしといてやろう。

 

相変わらず変な所でめんどくさいゆんゆんだが、そんな事を言いつつ嬉しそうにしてるのを見ると、やはり久々に友達に会えるのが楽しみなんだろう。

その思いに水を指すのも悪いので、再び自分の冒険者カードに目を落とす。

アークプリーストの魔法は全て取得済なので、手付かずのまま放置していたスキルポイントが結構溜まっていた。

 

さて、なんに使うかな……。

 

 

▼▼▼

 

 

「そうだ!この先に綺麗な湖があるみたいなんですけど、お昼ご飯はそこで頂きませんか?」

 

村を出て数日、アクセルまであと僅かと言った所でゆんゆんが提案してきた。

 

「確かにいい天気だしな。もうちょいでアクセルに着くんだし、ピクニック気分で寄ってみるか」

 

どうせ食べるんならいい景色見ながらの方が美味いだろうしな。

いや、普通に食べてもゆんゆんの弁当は美味いんだけど。

 

「わぁっ……すごいですね!」

「確かに絵になるなぁ……」

 

麗らかな春の日和を満喫しつつ丘を越えると、目の前に大きな湖が広がっていた。

数日前に雨でも降ったのか水は少し濁っているが、澄んだ空と森の新緑によって、そんな事が気にならないくらい美しい風景を作り出していた。

 

ここからなら湖が一望出来る。

昼飯を食べるなら絶好のスポットだな。

 

「あのハチマンさん……アレなんでしょう?」

 

ふと、ゆんゆんが訝しげに声をかけてくる。

彼女の指差した先を見てみると、少し離れた岸で何やらバチャバチャと水面が暴れていた。

 

「なんか……ワニっぽいモンスターが何かを群れで襲ってるな。暴れ回ってるせいで、何を襲ってるかまでは見えないけど」

 

双眼鏡を取り出しゆんゆんに報告する。

なんにせよ今から飯食おうって時に、モンスターの生々しい捕食シーンなんか見ていたくない。

 

「とりあえず追っ払うか……。俺のモンスター寄せの魔法じゃこっちが襲われかねないし、ゆんゆんの魔法で追い払えそうか?」

「この距離からだと上位魔法しか届きそうにないですけど、離れてるぶんコントロールが……」

「別に倒す必要はないんだし、近くの水面に向けて撃ったら驚いて逃げてくんじゃないか?」

「あっそうですね。それじゃあとりあえずやってみます。『ライト・オブ・セイバー』!」

 

ゆんゆんの手から光の剣が現れ、凄まじい勢いでワニの群れに向かっていく。

魔法が水面に触れた瞬間、まるで魚雷でも使ったかのように水面が爆発した。

 

「……すっげぇな」

 

というかもはや俺の方が逃げ出したいんだけど。

どんだけだよ紅魔族……。

 

まぁそのおかげで暴れ回ってたワニ達は逃げ出している……どころか、プカプカと水面に浮かんでいた。

え?まさか爆発の余波で倒しちゃった?

 

「……ごめんなさい。ちょっと近すぎたみたいです」

「……いや結果オーライだろ。……ん?」

 

暴れ回っていたワニ達が大人しく(物理)なったからか、ワニ達が襲っていたものがはっきりと分かるようになった。

 

「「なにあれ?」」

 

俺とゆんゆんの声が重なる。

ワニ達が襲っていたのは大きな鉄製の檻だった。

よく見ると、その檻は湖に浸されるように置かれていて、流されないようにか近くの大岩に鎖で繋がれている。

これ絶対に誰かが設置したやつだよな?

ということは……

 

「……どうする?逃げる?」

「えっ!?い、いやダメですよそんなこと!」

「いやよく考えてみろよ。檻があるってことは中に何かが入ってたって事だろ?ワニ達はその何かを襲っていたはずだ。そしてさっきの魔法で周りのワニ達は全滅。檻の中にいるやつは……?」

「……逃げちゃいましょうか」

 

檻の中に何が入ってかまでは定かでないが、ワニ達が襲ってたのを見るに生物であるのは間違いないんだろう。

モンスターならまだしも人間だったりする可能性まで出てくる。

 

「まぁ……何かが起こってたら最悪、蘇生魔法試してみるわ」

「お、お願いしますね……!」

 

中のヤツが無事なのを願いながら、恐る恐る檻に近づいていく。

そして『見せられないよ!』になってないこと祈りつつ檻を覗いてみると……

 

「……何やってんのお前?」

 

見覚えのある青い髪をした女が檻の中で震えているのを見て、思わず俺はそう問いかけた。

 

 




カズマさんパーティー出せる。出すとは言ってない。
前々から行き詰まった時に書いてた部分なので早く投稿できました。
書き溜めを作るより書き上がったそばから投稿してった方がモチベーション続くのかもしれないですね。
次はまた書き上がった時に。
誤字報告等よろしくお願いします。
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