あの日、私が始解を会得してから三年の月日が経ち、私は晴れて護廷十三隊、十番隊に入隊する事が出来た。あの日、始解を会得してからも、私の身の回りの環境は改善しなかった。しかし、そんな事よりも、悔しい事があった。
「なんで自分の斬魄刀も上手く使いこなせないんだ?俺、なんか悪い事しましたかね…神様…って…私、死神だった。」
そう、私は、自分の斬魄刀…墨月暈を使いこなす事が出来なかった。自分の身体の低さや、霊圧の低さが原因らしい。全く、自分の短所を補う為に欲した力が、その短所が原因で使いこなせないとか…
「笑えてくる…ククク」
私は笑いながらそう呟く。
「何が笑えてくるの?」
私が一人休憩時間を謳歌していると、後ろから、私に対しての言葉が聞こえてくる。
「誰かと思ったら、九条四席でしたか」
私が、声の主を確認しようと後ろを向くと、其処には、十番隊第四席、九条実里が立っていた。
「うん、私も丁度休憩だっからさ…それで?」
「それでとは?」
「いや、何がそんなに笑えてくるのって、さっき聞いたじゃない」
あぁ、その質問か…
「いや…ただただ、自分の力不足を嘆いていたんですよ」
私は下を向きながら、九条四席にそう呟く。
「力不足?」
「えぇ、私のような落ちこぼれが、この十番隊にいて良いのかと…」
私がそう言うと、九条四席は私の隣に腰をかける。
「全然力不足じゃないよ」
九条四席の言葉を聞いて、私は驚きの表情を浮かべる。
「私が…力不足ではない?」
「うん」
私の質問に、九条四席は躊躇いなく頷く。
「確かに、貴方は腕っ節の強さは足りないかもしれない。でも貴方、書類仕事得意じゃない…あのね、死神は確かに、腕っ節の強さは大切だよ。でもね、それ以外の技能だって大切だよ。さっき上げた書類仕事、あれって結構大変なんだよ!私も良く失敗して上司に怒られたしさ、それにもし死神達が全員そんな戦いが好きな、十一番隊の人達みたいな奴らなら、護廷十三隊は崩壊してるよ」
「だから、貴方が卑屈になる事なんてないよ…もしさ…他の誰かが貴方の努力を否定するなら、私がその人達よりも貴方の事を肯定する。由嶌欧許は凄いんだぞ!!!ってね」
彼女はそう満面の笑みで答えた。
初めてだった。
私の事を馬鹿にしない人が…
初めてだった。
私の努力を笑わない人が…
初めてだった。
"あいつ"以外の誰かが、私を認めてくれるのは…
ハハッ…いつ以来だろう…私が…俺が…嬉しいと感じたのは
「ハハハッ」
私は、彼女の言葉を聞き、笑みをこぼす。
「おっ!笑った笑った。うんうん、やっぱり君は、笑ってる時の顔が一番だ」
私の笑っている顔を見ると、九条四席は嬉しそうに笑う。
「ありがとうございます…九条四席」
私は、笑顔の彼女を見ながらお礼を言う。
「いやいや、お安い御用よ!さっ!休憩はこの辺にして、お仕事をさっさと終わらせよ!」
「はい!」
嬉しかった…初めて報われた気がした。これからは、彼女の為に頑張ろう。 そう思ってしまう程嬉しかった。いや、もうあの時には誓っていたんだ…やっと手に入れた、心を開く事のできる人だった。
でも…
彼女はもういない…何故なら、
彼女は、不甲斐ない私の犠牲になってひまったのだから
今回はオリジナルキャラクターを出してみました。自分の事を認めてくれない奴らの中、一人、自分を認めてくれる存在…彼は一体どんな道を辿るのか…アニメと同じかそれとも………