「ここは・・・何処だ?」
自分の名前すら思い出せない。一体どうなっているんだ。
「あら、新しいフレンズかしら?」
「だ、誰だ?」
そこには、見惚れてしまう程、綺麗な黒髪と整った顔立ちの美少女がいる。
「死んだ魚の様な目・・・貴方、ぼっちのフレンズなのね」
「いきなり失礼すぎませんかね?」
「ここは千葉市立総武高等学校パークの奉仕部地方よ。私は雪ノ下雪乃。よろしくね」
「えらく場所が限定的なパークだな」
「ところで貴方・・・けものはいても、のけものは居ない筈なのに、のけものになってしまたのね」
「なんでいちいちキツイ言葉で突いてくるんですかね!?」
「貴方、何か得意な事はあるの?」
「突然聞かれても・・・」
「泳ぎが上手いとか」
「いいえ・・・」
「空は飛べるとか」
「いいえ・・・」
「じゃあ、足が速いとか」
「いいえ・・・」
「貴方、何もできないのね」
「なんで俺はこんな圧迫面接みたいな事されてるんですかね?」
「貴方の様な醜いフレンズは見たことが無いわ。これは図書館に行かないと解らないわね」
「あの、雪ノ下さん?俺の話聞いてました?絶対聞いてないよね?」
***
「あっ!ゆきのんじゃーん!やっはろー!」
今風ギャルの様な、可愛らしい女の子が現れた。
「あれはバッファローのフレンズ、由比ヶ浜由比よ」
「ばっふぁろー!って、ちがうよ!」
「良いノリツッコミだわ由比ヶ浜さん。紹介するわ、私の隣にいるけだものの様な目をしているのは、ぼっちのフレンズよ」
「うわー、なんか、きもーい!」
「もうのけものでも良いから、早く俺を解放してくれませんかね?」
なんなんだこの扱いは、俺が何をしたっていうんだ。
***
「うっ、ぐわあああ!!!我の、我の右腕ぇぇぇ!!!」
長いコートを羽織ったメガネの男子が何か叫んでいる。
「あれは中二病のフレンズ、材木座義輝よ。気を付けて、油断すると貴方も中二病にされてしまうわ」
「お、おう・・・」
「彼はライトノベル作家になるのが夢だけど、その出来があまり良くないフレンズなのよ」
「はぁ・・・」
***
「待って、気を付けて!」
そう注意する雪ノ下の目線の先には、派手な金髪の女子がいる。
「あれはギャルのフレンズ、三浦優美子よ。縄張りに入ると、いくら猛毒を持っている貴方でも危険だわ」
「俺、猛毒とか持ってるの?初耳なんだけど」
「私なら彼女を撃退できるのだけど、無暗に戦う事は無いわ。迂回しましょう」
どうやら、千葉市立総武高等学校パークには危険がいっぱいあるらしい。
***
「はぁ、はぁ、ぜぇ、ぜぇ」
息を荒げる雪ノ下雪乃。
「おい、大丈夫か?」
「少し歩き過ぎただけだから、大丈夫よ。フレンズによって得意なことは違うから。ぜぇ、ぜぇ」
まだ30分も歩いていないのだが、雪ノ下雪乃は体力が無いフレンズらしい。
ようやく、俺もこのパークの事が解ってきた。
「貴方は、まだ疲れていない様ね。もしかしてヒトなの?まさか貴方みたいなのがヒトなの?そんな事って・・・」
「いや、多分、ヒトだと思うんですけど」
というか、雪ノ下さんも人だと思いますけど。