響け!オーボエカップル   作:てこの原理こそ最強

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第20話

 

 関西大会が終わり、吹奏楽部が全国を決めた北宇治高校は今文化祭を迎えていた。天気予報では台風が接近中ということだったが、文化祭が中止にならずにすんでよかったよかった

 

 オレ達吹奏楽部は今体育館でミニコンサートをしている最中である。副部長が指揮を務め、今回はコンクールに出ていなかったメンバーも揃っての演奏となっている

 

 ♪〜♪〜♪〜

 

 全国行きを決めたというのが評判になってたのかなかなかの人数のお客さんが来ている

 

 \パチパチパチパチ/

 

「えー、私達がこうして活動できているのも先生や家族の方々、そして皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」

 

 曲を終えて副部長が皆さんへ挨拶をする

 

「全日本吹奏楽コンクールは10月の末から名古屋で行われます…そこでも皆さんにいい報告ができるよう頑張って練習していきたいと思います。それでは最後の曲です!学園天国!」

 

 副部長の挨拶が終わり最後の曲に移った

 

 ♪〜♪〜♪〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オレのクラスの出し物は“メイド喫茶”だった。そのため男子は接客はやらなくていい一方、裏方(料理など)をやっている。メイド喫茶…ということは必然的にみぞれもメイドの格好をするというわけだ!オレはもう既に見たのだが…可愛すぎて直視できなかった!!でもその反面、みぞれに接客ができるのかと心配でもある…

 

 オレが注文されたものを作っていると…

 

「ハル、注文」

 

「はいよー」

 

 みぞれが注文を伝えにやってきた

 

「黄前さんと高坂さんだった」

 

「へー、ちゃんと接客できてるか?」

 

「…まだちょっと慣れない」

 

「そっか」

 

 まだみぞれには接客は早かったようだな

 

「何よこれー!」

 

「ん?今の声ってリボンか?」

 

「うん。優子来てるよ」

 

「じゃあ夏樹が持ってったあれって…」

 

「優子にだって」

 

 もう何段積んだかわかんないぐらいのタワーケーキ持って行ってたな。今にも倒れそうなやつ。あれってどう見ても嫌がらせだよな…

 

「ほれ、ケーキ2つ」

 

「うん。ハルは会わなくてもいいの?」

 

「そうだな、行っとくかな」

 

「じゃあ行こ」

 

「おう」

 

 今はそこまで忙しくないからオレも来た2人に顔を合わせるべく厨房から出る

 

「あの2人仲いいよね〜」

 

「のぞみ先輩」

 

「いらっしゃい」

 

「のぞみもあれ食べたい?」

 

「えっ!?いや、気持ちだけで十分だよ…」

 

「好きな方食べる?」

 

「こら、それは客のだろ」

 

「あ、春希先輩」

 

「こんにちわ」

 

「よっ」

 

 黄前さんと麗奈が座っているテーブルには既にのぞみがいて、みぞれがお客に出すケーキをのぞみにやろうとしたから頭にコツンと手で叩いて注意した

 

「お前ら仲いいな」

 

「そうですか?」

 

「いつも2人でいるじゃん」

 

「春希先輩に言われたくないですよ」

 

「それもそうか」

 

「否定しないんですね…」

 

「事実だしな。でもこの頃みぞれをのぞみに取られそうでな…」

 

 のぞみと仲直りできたのはいいんだが、休み時間とかのぞみと一緒にいる時間が長くなってオレは寂しい…

 

「ちょっと〜、言い方悪くない?」

 

「そうか?」

 

「先輩方は仲直りされたんですね」

 

「まぁな。いつまでもギクシャクしたまんまで部活続けるわけにもいかねぇし」

 

「…そうだね」

 

「…2人が仲直りして私は嬉しい」

 

「みぞれ!」

 

 みぞれの言葉にオレは泣きそうになるのを必死にこらえ、のぞみはみぞれに抱きつく

 

「っと、そろそろ持ち場に戻るわ。そんじゃあな、ゆっくりしてってくれ」

 

「「はい」」

 

 オレは2人にそう言って厨房に戻った

 余談だがリボンはタワーケーキを完食したらしい。考えるだけで甘ったるいな…

 

 

 

 

 

 やっと休憩かー。と言っても特に行きたいとこないし屋上にでも行こうかな…

 オレはそう思って階段を上って行き、この文化祭中に屋上に来る物好きはいなく屋上には誰もいなかった。オレは柵にもたれかかるように座り、持って来た本を読み始める

 

 

 

 

 屋上に来てからどれくらい経った頃だろうか、オレは誰かに体を揺さぶられた

 

「ん?みぞれか」

 

「ハル、声かけても全然反応なかった」

 

「おぉ悪い。夢中になってた」

 

 オレは読書に没頭していたためみぞれが声かけてきてくれたことに全く気づかなかった

 

「どうした?」

 

「一緒に回ろうと思って…」

 

「オレとでいいのか?のぞみと一緒の方が…」

 

「…なんで?」

 

「いや、せっかく仲直りできたんだし…」

 

「…私はハルと回りたい」

 

 ……。なんだろ…この頃ホントに涙腺が……

 

「じゃあ行くか!」

 

「うん!」

 

 オレはみぞれの手を取り階段を降りて行く

 

 

 

 

「どこ行く?」

 

「ハルの行きたいところがいい」

 

「いつもオレの行きたいところだから、たまにはみぞれの行きたいところに行きたいぞ」

 

「…私はハルと回れればそれでいい」

 

「…じゃあいろいろ見て回るか」

 

「うん」

 

 最終的に目的地は決めずになんとなくで回ることにした。オレとみぞれは手を繋ぎ指を絡ませる。いわゆる恋人つなぎなるものだ

 

 

 

 

 

「みんないろんなのやってるな」

 

「そうだね」

 

「みぞれはお化け屋敷とか大丈夫か?」

 

「…多分」

 

「麗奈のクラスがお化け屋敷みたいなんだ。さっき来てもらったし行かないか?」

 

「うん」

 

 オレ達はとりあえずさっきの例も兼ねて麗奈のクラスがある階を目指した。その途中で…

 

「よっ!」

 

「こんにちわ」

 

「あ、どうも」

 

「(ペコッ)」

 

 橋本先生と新山先生が上から降りて来た

 

「部活もあったのに準備大変じゃなかった?」

 

「まぁ…でもほとんどクラスのやつらがやってくれたんで」

 

「ふふっ、部活の方は私達も力を貸すから、頑張りましょうね」

 

「よろしお願いします」

 

「…よろしくお願いします」

 

 そこで話が終わると思いきや…

 

「ところで〜、2人はデートかい?」

 

 橋本先生がニヤニヤしながら聞いてきた

 

「そうですけど」

 

「いや〜!青春してるね〜!」

 

「そりゃあ高校生なんで」

 

「違いない!」

 

「ほら、邪魔しちゃ行けないからもう行くわよ。ごめんなさいね」

 

「いえ」

 

 橋本先生はこういう話が好きなんだろうか?いい歳して…

 

 

 

 

 

 麗奈のお化け屋敷は意外と凝っていてなかなかだった。麗奈はというとお化け役をやっていたが、こっちは迫真の演技で少し驚いてしまった。今は外でさっき買ったクレープを食べている

 

「どうだ?」

 

「美味しい」

 

「そっか」

 

「でもハルの作ったやつの方が美味しい」

 

「おぉ、嬉しいこと言ってくれるねぇ!こいつー!」

 

 みぞれから嬉しい言葉をもらい、みぞれの頭を少し強く撫で回す

 

「来年も一緒に回れたらいいな」

 

「…回らないの?」

 

 みぞれはオレが言ったことにキョトンとしながら聞き返してくる

 

「いや、絶対一緒に回ろうな!」

 

「うん!」

 

 その後も文化祭を2人で回り、楽しい時間を存分に過ごした

 




そして、次の曲が始まる
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