ISとHALOが混ざってしまった件について…   作:コレクトマン

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第1章の第6話、始まります。

久しぶりの投稿でグダグダ感があります。
そのところは大目に見てください。

転生者よ、戦いに勝利せよ。


ISとSPARTANが対決した結果…

 

 

アルゴスターから生存者と共に脱出して無事に帰還を果たしたウルフチームのリーダーの星矢は、降下艇で地球に降下してIS学園に帰還した後、IS学園生活を再開した。

 

 

そして時が過ぎ行き…クラス代表候補戦の日。

 

 

既に第2アリーナの観客席には各クラス生徒や上級生達が集まっていた。アリーナの対戦ボートには“セシリアvs星矢”と書かれていた。そして第2アリーナBピットで一夏と星矢がIS版ミョルニル・アーマーの最終調整を行なっていた。そして箒は一夏を見送る為にBピットにいた。

 

 

「一夏…そっちの方はどうだ?僕がいない間箒から何か教わった?」

 

「あぁ……剣術の方の見直しを手伝ってくれた。箒のおかげで何とか思い出してきた」

 

「わ……私はただ、一夏が剣道をサボってないかを心配しただけだ!」

 

 

当の本人からはそう言っているが、本当は一夏と一緒にいられたことを喜んでいるのだが中々素直になれないせいか少しツンとした態度しか取れなかった。

 

 

「箒……僕が言うのも何だけど、少しは素直になるのもいいと思うよ?」

 

「そ……それは分かっているのだが……」

 

「大丈夫だよ箒、少しずつでも改善して行けばいいから…」

 

 

一夏が箒にフォローを入れると織斑先生がピットに入ってきて星矢そろそろ時間だと伝えにきた。

 

 

「泉谷に織斑、そろそろ時間だ。一回戦は泉谷とオルコットが対戦し、二回は織斑とオルコットで対戦してもらう。そして明日の三回戦は、泉谷と織斑の対戦を行う。分かったらすぐに準備しろ、オルコットがアリーナで待機している」

 

「了解です。じゃあ一夏、箒…行ってくる」

 

「あぁ…気を付けろよ?」

 

「…泉谷!………勝て……この戦いに!」

 

 

星矢は一夏達に見送られながら左手の親指を立ててIS版ミョルニル・アーマーを展開し、ピットのリニアカタパルトに乗って出撃準備を完了する。

 

 

『リニアボルテージ上昇。射出タイミングを泉谷星矢に譲渡します』

 

「了解。SPARTAN-Ⅱ S105、出撃する」

 

 

ピットオペレーターの指示でリニアカタパルトから射出されると同時にSPARTANの星矢がPICを起動させ、空高く飛行する様にアリーナに出撃した。アリーナ内で待っていたのはセシリアが纏う第三世代型IS“ブルー・ティアーズ”であり、イギリス代表機でもあった。

 

 

「お待ちして降りましたわ、星矢さん。随分と時間がかかりましたね?」

 

「あぁ…自分のISの調整に手間取ってね。……待たせたね」

 

「えぇ。……星矢さん、私と初めて会った日のことを覚えてますか?」

 

「セシリアと会った日?……それは確かSPARTANとISの合同演習のこと?」

 

 

セシリアは星矢にSPARTANとISの合同演習の時のことを話した。何故セシリアがその話題を引き出したのか星矢には分からなかった。

 

 

「あの時の私は、女尊男卑で男の人の存在を否定していました。……ですが、貴方と会って戦ってみて男の人の存在を改めて思ったのです。男の人に貴方の様な人がいるのだと」

 

「まぁ…僕の場合は例外だけど、人間は男女問わず十人十色だからね?」

 

 

そう星矢が言うと星矢のIS版ミョルニル・アーマーのハイパーセンサーからロックオン警報が鳴った。恐らく試合開始の合図が鳴ったと同時にセシリアの持つライフル“スターライトmkⅢ”が星矢に向けられて放たれると星矢は思った。

 

 

「それもそうでしたわね。それと星矢さん?私がクラス代表候補戦の勝ったらの話なんですが…」

 

「ん?セシリアが勝ったら何かあるの?」

 

 

そう星矢が言うと、セシリアは勝ちに行く様な笑みを浮かべると試合開始のブザーが鳴る。

 

 

「それは……私に勝てたらお教えいたしますわ!」

 

 

そうセシリアが言うとブルー・ティアーズのサイド・バインダーに取り付けられている自立起動兵器“BT(ブルー・ティアーズ)”が分離し、自立稼働すると両腰部のミサイルビットから弾頭型ミサイルが発射され、星矢に向かっていった。セシリアの行動の読みを完全に外れた星矢は一瞬だけ戸惑ったがすぐに頭の混乱から切り替えて冷静に対処するのであった。

 

 

(ライフルじゃなく、ミサイル?!…チィッ!)

 

 

星矢は右手に“M7サブマシンガン”を展開してミサイルを迎撃しようとした途端、ミサイルが星矢の1〜2mの所で爆破したのだ。恐らくセシリアは、ミサイルの起爆時間を設定したのだろう。そして起爆したそのミサイルからは対IS用の電子妨害(チャフ)が入り組んだ煙幕が星矢の周りに充満した。

 

 

「チャフ入りのスモーク…!センサーが一時的に駄目になったか……どこから攻撃が来る?」

 

 

視界を煙によってさい疑られた星矢は左手に“M319グレネードランチャー”を展開させる。そして周りを警戒するように全ての神経を研ぎ澄ませる。そしてセシリアは、先ほど展開させたBTに指示を出し、星矢がいる煙幕の中に突っ込ませた。そしてセシリアは手持ちのスターライトmkⅢを構え、スコープをサーマルビジョンモードに切り替えた後照準を星矢ではなく、自身のBT兵器に照準を向ける。

 

 

「さぁ…この状況をどう打開いたしますか?星矢さん!」

 

 

それを合図にセシリアは引き金を引きスターライトmkⅢの六七口径からレーザーが放たれる。そしてレーザーはBTに直撃する所でレーザーが屈折し、レーザーは星矢の方角に曲がっていった。これはブルー・ティアーズの特徴の一つであるBT偏向制御射撃(フレキシブル)である。

 

 

「……ッ!」

 

 

星矢はレーザーが来るのを直感で判ったのか突如急降下を行い、レーザーを躱して低空飛行しつつ地面に足を滑らせる様に着き、そのまま足を蹴りだして走りだした。

 

 

「さすがですね。ですが…それは想定内でことでしてよ!」

 

 

セシリアは星矢の行動を読み取っていたのか再装填したミサイルビットを星矢に向け、再びミサイルを放つ。するとミサイルが星矢を追尾中に弾頭部分が剥がれ落ち、その中からマイクロ・ミサイルが星矢に向かっていった。

 

 

「マイクロ・ミサイル……僕たちの会社が開発したIS用の武装がセシリアのブルー・ティアーズに使用されるとはね……!」

 

 

そう小言を呟きながらも左大回りで走りながらもマイクロ・ミサイルを避けながら走り続け、追尾して来るミサイルがないことを確認すると、星矢はミョルニル・アーマーのパワー・アシストを最大限に引き出して大きくジャンプし、右手のM7サブマシンガンでセシリアに向けて弾幕を放った。しかし、セシリアもそう易々と当たらせないためか、独自で身についたクイック・ステップで星矢の攻撃を躱す。

 

 

「あら、そう易々と当てられると思いまして?」

 

「……その油断が、命取りだ」

 

 

星矢がM7サブマシンガンを撃ちやめ、セシリアが移動する場所と時間を計算して左手に持つM319グレネードランチャーをセシリアの進路到達地点に向けて40mm擲弾を放つ。そしてその40mm擲弾は進路到達点に着いたセシリアに直撃する。

 

 

「きゃあっ!」

 

「…もらった!」

 

「くっ!……ティアーズ!」

 

 

星矢は40mm擲弾を諸に食らったセシリアの怯みを逃さず、M7サブマシンガンの5×23mmケースレスFMJ弾をセシリアに向けて放つが、セシリアが自立機動兵器のBT二機を呼び出してセシリアを守る様に盾になって代わりに二機の自立機動兵器が5×23mmケースレスFMJ弾を多数に受けて爆散する。そしてセシリアは、自身のISのSEの残量を確認した。

 

 

(今のグレネードランチャーを受けて4割位減りましたわね。これでは偏向制御射撃(フレキシブル)ができませんわ……!)

 

 

星矢はセシリアに考える時間を与えることなくM7サブマシンガンをセシリアに向けて射撃する。セシリアは回避に専念する様に横に飛行しながら星矢の攻撃を躱す。そして星矢は再びセシリアの進路到達地点を計算しながらM7サブマシンガンで牽制し、そして計算が終わると同時にいつ再装填したのかM319グレネードランチャーをセシリアの進路到達地点に向けて40mm擲弾を放つ。

 

 

「そう二度同じ手には掛かりませんわ!」

 

 

だがセシリアは進路到達地点には行かず上空に進路変更し、40mm擲弾を躱す。そして上空からスターライトmkⅢでレーザーを放つが、そのレーザーが光弾としてではなく照射型レーザーとして放たれ、セシリアはレーザーを照射しながら星矢を薙ぎ払う様にスターライトmkⅢを振るう。

 

 

「照射型ッ!?……くっ!」

 

 

星矢はレーザーを回避する為に右に飛び込む様に前転してレーザーを回避する。しかし完全にとは行かず、レーザーを躱す時足に少し掠れてしまい星矢のISのSEが2割も減ったのだ。星矢は自分のISのSE残量を確認した後にあることを思い出す。

 

 

「……そういえば、イギリスからISの武装や新システムの製作の依頼を受けたのを思い出したけど、まさかブルー・ティアーズに搭載されるとはかなり予想外だった」

 

「その件はONIでお世話になりましたわ。…ですが自分でも初めて使用するので少し慣れてはいませんが…」

 

 

そう…約一年前のSPARTANとISの合同演習の後にイギリスからISの新武装とシステムとOSの改良を依頼されたのだ。先程の偏向制御射撃もONIのスタッフがビット自体レーザーを屈折する使用にすれば良いのではないのかと案を出してBT兵器にONIが作った新機能である擬似偏向制御射撃システムを組み込んだのである。そしてマイクロ・ミサイルとスモークチャフ入りミサイルはONIの製作された物をISサイズまでダウングレードして製作された試作兵器である。そして最後にブルー・ティアーズの主兵装であるスターライトmkⅢの射撃モードとスコープに新機能を搭載させ、スターライトmkⅢの六七口径から単発のレーザーの光弾とビームの様に照射する照射モードの切り替え出来るように改造され、スコープの方はサーマルビジョンやナイトビジョンに切り替えることが出来る様に改良を施されていた。星矢が思う様にONIは本当にチートすぎる会社だと改めて認識した。そしてアリーナの観客席の方は女子達は星矢達の戦いに見とれたり、歓声を上げたりと驚いたりしていた。そしてピット内でも星矢達の戦いをモニターで確認していた織斑教頭等と箒は驚きを隠せないでいた。

 

 

「これがSPARTANの……星矢の戦い……」

 

「す…凄いです!ISを動かしてまだ間もない星矢君がここまでISを動かせるなんて!」

 

「それもそうだが、それに対応できているセシリアも中々奮闘しているな」

 

 

三者それぞれの感想を言う中、一夏だけは嫌な予感を感じ取り、一言呟いた。

 

 

「星矢が勝つのは目に見えたけど、セシリアのあの目……まさか?」

 

 

そしてアリーナでは、星矢に追い打ちを仕掛けるべくセシリアは残りのBTを星矢への攻撃指示を出す。

 

 

「お行きなさい、ブルー・ティアーズ!」

 

「…チィッ!」

 

 

星矢はBTのレーザー攻撃を回避する為にミョルニル・アーマー内の各スラスターを噴射させて、必要最小限の動きでレーザーの弾幕を回避する。そして回避中に僅かに肩にレーザーが直撃して、一旦動きを止めてしまう。これを好機と見たセシリアはその隙を逃さずBTに攻撃指示を出す。

 

 

「星矢さん……この勝負、頂きましたわ!」

 

「……当たるか!」

 

 

星矢は身体を横転する様に見せかけて地面についた両手をバネの様に己の身体をBTの後方に飛ぶ様に跳ねるが、BTから放たれたレーザーが星矢の右手に持つM7サブマシンガンを直撃し、星矢の武装が一つ破壊された。

 

 

「チッ!……まだっ!」

 

 

武装を破壊されながらも右手にM9手榴弾を呼び出し、信管を起動させた同時にBTの方に投げる。M9手榴弾がBTと交差した瞬間にM9手榴弾がBTを巻き込んで爆発し、BTを破壊する。BTの破壊を確認した星矢は新たな武装を展開させる。

 

 

「……使ってみるか、“ゼーレ”ッ!」

 

 

そう星矢がコールすると、右手に志野が星矢専用に作った対IS兼エイリアン戦闘用半自動拳銃“ゼーレ”が星矢の手に表す。すると星矢のヘルメットのバイザーからあるウィンドウが表示される。

 

 

[特殊技能「集束射撃(チャージ・ショット)」使用可]

 

「集束射撃……?ゼーレにそんな機能があったか?」

 

 

星矢はこのウィンドウの意味を理解できなかったが、考えるよりも目の前の状況をどう打開するかを優先し、セシリアと面を向かい合う。

 

 

「さて…お互いにSEが削れた処でそろそろフィナーレを翳らせてもらいますわ!」

 

「……すまないが、勝ちを譲るつもりはない!」

 

 

セシリアと星矢は互いに瞬時加速を行い、正面から突っ込んで行った。そして互いが打つかる手前4mで両者は右側に瞬時加速を行った。この技術は危険な行為であり、加速中に無理な軌道変更を行うと機体と身体に負荷がかかり、操縦者に骨折などが起こる可能性があるのだが、星矢の場合はSPARTAN-Ⅱである為に多少の負荷は無視出来る為に難なく行えた。対してセシリアの場合は多少の負荷が掛かったが、己が気力で意識を保たせて無事にやってのけたのだ。

 

 

「くぅう!……もらいましたわっ!」

 

 

そしてセシリアはスターライトmkⅢを構えた後照射モードで星矢に向けて放つが、星矢が途中で地面に両足を着いたと同時にパワー・アシストを脚部に集中させて地面を蹴り上げてセシリアのレーザーを回避する。そして星矢はゼーレをセシリアに向けて50マグナムラウンド高速徹甲弾を放つが、セシリアはすぐに移動した為に星矢の攻撃は外れてしまうが、それこそ星矢の狙いでもあった。

 

 

「逃さんっ!」

 

 

星矢は左手のM319グレネードランチャーを量子化させて収納させ、代わりに四つに連結されたM9手榴弾(信管起動済み)をセシリアに投げ込むと同時にゼーレでM9手榴弾の連結部分を狙い撃ち、M9手榴弾を拡散し、セシリアの四方向で爆発する。

 

 

「きゃあああっ!……はっ!星矢さんは!?」

 

 

セシリアはM9手榴弾の爆風を両腕で守る時にスターライトmkⅢが大破してしまい、使用不可になってしまう。爆風が収まった次第にセシリアは上空を見上げるが、星矢の姿がなかった。するとセシリアのハイパーセンサーから3時方向にロックオン警報が鳴る。

 

 

「ッ!…インターセプター!」

 

 

セシリアは接近戦用のショートブレードを右手にコールし、その方角に向けてインターセプターを振るうが、セシリアの振るう右腕に何かが引っかかる様に動きを止めてしまう。その止まった原因は、星矢がセシリアが振るう右腕を左手で掴み止めたからだ。そして星矢は、戦いの中で得た特殊技能「集束射撃」をゼーレで行う為にセシリアに照準を向ける。するとゼーレの銃口からあるエネルギーが集束される。

 

 

「……Checkmate!」

 

 

エネルギー集束が終わると同時に星矢は、ゼーレの引き金を引いて最大威力の50マグナムラウンド高速徹甲弾をセシリアに叩き込んだ。しかし此処で予想外なことが起きる。

 

 

「きゃあああああっ!!」

 

「…ッ!?マズい!」

 

 

ゼーレによる集束射撃の威力が強すぎた為かセシリアのブルー・ティアーズがSEがエンプティになり、ブルー・ティアーズが待機状態になってセシリアは生身のまま吹っ飛んだのだ。それを見た星矢は直ぐに瞬時加速を行い、セシリアが地面に激突する前にセシリアを抱き抱えたまま地面に着地した。そして星矢はセシリアの安否を確認する為に問いかける。

 

 

「セシリア!無事か?」

 

「え……えぇ。私は大丈夫ですわ……!?」

 

 

セシリアの安否を確認してホッとした途端セシリアが顔を真っ赤になっていたことを星矢は気付く。

 

 

「……セシリア?大丈夫か?どこか身体を痛めたか?」

 

「い……いえ!わ……私は大丈夫ですわよ?」

 

 

何故セシリアが疑問形で回答したのか星矢は理解できなかったと同時にアリーナのピットから織斑先生の通信が入ってきた。

 

 

「泉谷……いつまでオルコットを抱えているのだ、馬鹿者」

 

「え?………あっ……」

 

 

星矢は織斑先生が言う様に己がどういう状況かを確認すると、セシリアを()()()()()()で抱えている事に気づいたのであった。これを見た観客席の女子達は黄色い歓声を上げるのであった。

 

 

「あっ…その……ピットまで送るよ」

 

「は……はい。お願いいたしますわ」

 

「あぁ……分かった。(これをシャルが知ったら自分がどうなるか分からないな……これは秘密にしておこう)」

 

 

そんな形でSPARTANとISの対決はSPARTANの勝利で飾るのであった。その後一夏とセシリアの対決なのだが、星矢との対戦でセシリアのブルー・ティアーズのダメージレベルがCに至った為に修理とオーバーホールを行う為セシリアは此処で辞退せざる終えなかった。その結果、第2試合は予定変更して星矢と一夏の対決が行われることになった。

 

 

星矢Side out

 

 

 

束Side

 

 

一方の束は、携帯から掛かった“ハルちゃん”と表示されている通信相手に通話する為電話に出るのであった。

 

 

「は〜い♡みんなのアイドル束さんだよ〜?」

 

「……貴女は相変わらずね、束」

 

「やっほ〜、久しぶりだねハルちゃん!ハルちゃんが電話を掛けてきたと言うことは、バレちゃったかな?」

 

 

束が言うバレたというのは、ONIアメリカ支社のネットワークにハッキングして古代フォアランナーの遺跡の場所を特定した事である。それを聞いたハルちゃんこと“キャサリン・ハルゼイ”博士は呆れつつも束の問いに答えつつもあることを聞き出した。

 

 

「貴女のことだから必ず何処かの支社のネットワークにハッキングして古代フォアランナーの遺跡に向かおうとしていたことはコルタナが予想していたわ。束、貴女はあの遺跡で何かを掘り出したの?」

 

「あっちゃ〜、“コルちゃん”のことをすっかり忘れてた。そのことなんだけど、あの遺跡からモニちゃんとセンちゃんが見つかったよ。それも今の人類には早すぎるくらいのテクノロジーを持ってね」

 

 

束が言うようにモニターのサウザンドには“フォージ”と呼ばれるテクノロジーデータを所有しており、現代の人類には早すぎる位のオーバーテクノロジーである為に束はサウザンドの存在を表に出さないように注意していた。

 

 

「そう……私たちの方でも古代フォアランナーの遺跡を確認したけど、そこには古代フォアランナー達が記録したデータが保存されてたり、“フラッド”に対する対寄生防止の薬物のデータが保存されていたわ。そこには寄生防止の薬物のを作るためにフラッドの幼体のサンプルや胞子まで保管されていたわ。無論、拡散しない為に幼体のサンプルや胞子などは焼却滅菌されたわ」

 

「……それって確か、モニちゃんが言ってたフォアランナーが絶滅の危機まで追いやった知的寄生生命体だっけ?結局HALOというフォアランナーの最終兵器でフラッドやフォアランナー共々全滅したんだっけ?」

 

「…正確にはフラッドとフラッドの餌になり得る知的生命体を消滅させたのけれどね。束、貴女が訪れた古代フォアランナーの遺跡には幸いフラッドの幼体や胞子が保管されていない遺跡だったから良かったかも知れないけれど、下手をすればフラッドに感染し、寄生されていたのよ?私も言えた義理では無いけれど、あまり無茶なことをしないで。貴女の家族が悲しむわよ」

 

「あー……ごめんハルちゃん。心配かけちゃって……」

 

「謝る相手が違うでしょ?千冬や篠ノ之夫妻、貴女の妹さんにでしょ?」

 

「……それもそうだったね」

 

 

束は、ハルゼイに己の軽率な行動に謝罪するのであった。束の場合は、幼い時の頃から天才の名が付くくらいにIQのレベルに到達しており、自分以外の人間は馬鹿ばかりと見下す時期があった為に人混みに群れることを拒み、孤立し、孤独になっていた。そんな彼女が14の時に学会で己が立案したISのデータを発表したが、世間の回答は子供染みた幻想と束の作ったISと束の才能を否定するのであった。だが…当時のハルゼイが束のISを拒むことなく、束の才能を認めたのだ。

束にとってハルゼイは千冬に続くゆういつの理解者でもあった。

 

 

「……万が一のことがあるから一旦私の所に来なさい。貴女の端末に隠密ルート情報を送ったわ。遺跡でフラッドの胞子に感染していないかを確かめる必要があるわ」

 

「分かった、じゃあクーちゃん達も連れて一旦そっちに行くね!」

 

 

そう束が了承すると携帯の通話を切り、クロエ達にハルゼイ博士がいるONI本社である宇宙ステーションに行くことを伝えて出かける支度を行うのであった。

 

 

続く。

 

 




セシリアのISがONIによって性能が極限アップ。
星矢はSPARTANとしてISの戦いで引けを取らずに勝利。
束、ハルちゃんことハルゼイ博士とは友人である。
フラッドはいたが、すぐにONIが焼却滅菌しました。

次回は、SPARTAN同士の戦いです。

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