1話は原作キャラが登場します。
どうか楽しんで読んでいただければうれしいです。
よろしくお願いします。
「…………さい!」
「………なさい!」
「おきるだわさっ!!!」
えっ。と目を覚ますとまず大きな青空が見えた。雲一つなく太陽が爛々と輝く。
起き上がるとすぐ傍に女の子がいる。金色の髪をツインテールにして赤と白の所謂ゴシックロリータと呼ばれる服装をしていた。
「えっと、だわさ?」
「いいから質問は後、とりあえず話を聞きなさい」
女の子は真剣な表情で話し始めた。
「まず、自分の体を見てみなさい。湯気のようなものが出ているのは確認出来る?」
自分の手を前に持ってくると確かに体から湯気のようなものが出続けていた。
「それは生命エネルギーと呼ばれるもの。今、あんたの精孔が開いてその生命エネルギーが放出され続けている状況なんだわさ」
「そして放出され続ければ、命に関わる」
「だから、今はあたしの言う通りにしなさい」
女の子の真剣な表情に戸惑いながらもコクリと頷く。
「まずは楽な姿勢をとって」
自分は起き上がった状態から再度、寝転がる。
「目を閉じて、自分の生命エネルギーを感じなさい。そしてその生命エネルギーが自分の血液のように全身を廻るのを想像して」
「頭から右腕、右足、右足から左足へゆっくりと廻る想像しながら生命エネルギーを自身に留めるように意識したて」
目を閉じて女の子の声を聞き、自分の生命エネルギーを感じる。
(あったかい。あっ、でも冷たいのもある。2つ?でもわかるこれは間違いなく自分のだ。だから大丈夫)
2つに感じた生命エネルギーを1つにまとめて自分の体に留めることに成功する。
「できた……?」
そう言いながら起き上がり女の子を見る。
「ええ、綺麗に纏出来てるわさ」
「纏?」
「そ、まあ説明はあとね。とりあえずなんでこんな所に入るのか教えて欲しいわさね」
「こんな所?」
周りを見渡すとそこは岩や石ころばかりで人気の無い荒野だった。
「ここ……どこ?」
「どこって、あんた。覚えて無いの」
「うん」
「はぁー。あんた、名前は?」
「名前……?僕の名前、何だっけ?」
首傾げながら聞く。
「あたしが聞いてるのに分かるわけ無いわさ!!」
(天然?いえ、違うわね。本当に分かってないみたい)
そこで始めてその子の容姿を観察する。
長い髪は白く腰までありそうだ、年齢は7、8歳位だろうか。顔は平均的だが幼い為、可愛く見える。
(女の子かしらね)
その子は名前を思い出そうとしているのか首を傾げ続けている。
「まあいいわ。何か覚えていることある?」
「覚えていること……」
思い出すそれは、死の恐怖だった。
悦に入った男の顔と何度も刺される自分と死ぬ間際に思った生への渇望。
死にたくない
死にたくない
死にたくない
もっと生きたかった
「大丈夫だわさ」
抱きしめられていた。
「悪かったわね」
いつの間にか大量の汗をかき、涙を流し自分の体を自分の腕で抱えていた。
死の記憶だけが今の自分が唯一覚えていることだった。
でも抱きしめてくれる女の子はとてもあたたかくて、自分が生きているって、生きているんだって実感出来た。
「あの……、」
「落ち着いたかしらね」
「うん。ありがと……」
落ち着いて、恥ずかしくなったのか言葉少なくお礼を言いそっぽを向いた。
(か、かわいい!)
ぷいっとそっぽを向いたその子をさらにぎゅーっと抱きしめる。
「あの、もう……大丈夫」
「えっ」
「もう、落ち着いたから」
「コホンッ。そうね」
女の子は名残惜しいのかゆっくりと抱きしめていた手を離した。
「さて、自己紹介がまだだったわね。あたしはビスケット=クルーガー。ビスケちゃんって呼んでね。よろしく」
「うん。ビスケ」
「ビスケちゃんって呼んでね」
「ビスケ」
「ビスケちゃんって」
「ビスケ」
「ビス」
「ビスケ」
「もう、いいわさ、それで。とりあえずあんたはなんて呼ぼうかね」
「シロ」
自分の長くて白い髪を手に取りそういった。
「犬、猫じゃあるまいし、シロって」
「シロでいい。わかりやすい」
「はぁ-、わかった。これからはシロって呼ぶわさ」
「うん、僕はシロ。よろしく、ビスケ」
ビスケは、よしっと立ち上がりシロに手を差し出した。
「こんな所じゃ、ゆっくりと話し出来ないしあたしが泊まってる宿屋へいくわさね」
シロは差し出された手を取り立ち上がる。
「ねえ、ビスケ。そういえば、だわさって何?」
「うるさいっ!!」
ビスケはシロ手を握りながらもずんずんと目的の宿屋がある町を目指して歩いていく。
シロは怒らせたかな?と思いながらビスケの手のあたたかさを感じてついて行くのであった。