念能力が合ってるか不安ですが何とか読者の方に伝わればと思います。
よろしくお願いします。
ビスケの泊まる宿屋に着く頃には空が暗くなり始めていた。
当然、シロはお金持っている訳などなくビスケに宿代を出して貰って2人部屋へと変更していた。
「さて、ようやくゆっくりと話しが出来るわね」
「うん、ごめん。お金払わせちゃって」
「いいわよ、状況が状況だしね。それに例えあんたがお金を持ってても子どもに払わせる訳にはいかないわさ」
「子ども……」
シロは子どもと言われて違和感を感じる。
死の記憶に残る自分は子どもではなかったはず。
「そ、子どもよ。そしてあたしは仕事の最中にあそこに倒れているあんたを見つけたわけだわさ」
「うん、でも」
「分かってる。何であそこに居たか分からないってさっき聞いた。その後……」
他の記憶を聞かれた後のシロの様子を思い出したのか言葉を濁す。
「大丈夫。ビスケがあたたかかったから。僕は今、生きてるから」
そういってシロは微笑んだ。
ビスケはきょとんとした後、思わず抱きしめてしまったことを思い出し、純粋なシロの笑みを見て顔を少し赤らめる。
「そ、そう。じゃあ教えて貰えるかしらね。あの時のあんたの様子は普通じゃなかった」
(なんなのさ、あの笑顔反則だわさ!!あの時は思わず抱きしめてしまったけど。はっ!こ、これが母性!!だめ、だめよビスケ。まだ彼氏もいないのに、こ、子どもなんて早すぎるわさ)
なぜかキャーキャーと腕をを振っているビスケにシロは首を傾げながらも話し始めた。
シロの唯一の記憶、死の記憶を。
「これが僕の唯一の記憶。それに、記憶の中の僕は少なくとも子どもじゃなかった」
「そう」
(思ったよりヘビーね。それにしても、子どもじゃない自分の死んだ時の記憶って……未来予知?でもあの時のシロはまるで実際に体験したことを思い出してるみたいだった。じゃあ誰かの記憶を植え付けられた?だとしたら誰が何のために。他にも考えられるのはいくつかあるけど。でも少なくシロの念能力ではないはず、あの時、初めて纏をしたのは確か。あー、もう全然分からないわさ)
シロの話しを聞いた後、ビスケは顎に手を当てて少し黙った後に今度はあーでもない、こーでもないといった風に頭を揺らしていた。
シロは死の記憶を話たからか顔を青くしながらもそんなビスケの様子を見ていた。
「ビスケ、なにか分かるの?」
ビスケは考えるのをひとまずやめてこちらを見る。そして首を振る。
「んー、さっぱりだわさ」
「そっか」
「でも憶測よければいくつか……ね」
「それでもいい」
「いい、あくまで憶測だわさね」
1つ目はシロが未来の光景を見た可能性
2つ目は誰かに自分じゃない記憶を植え付けられた可能性
最後はシロが一度死んで蘇った可能性
「ぱっと思い付くのはこのへんかしらね」
「そんなこと、可能なの?」
突拍子のない話にシロは思わず聞く。
「いったわさ、あくまで憶測だって。それに可能、不可能でいったら可能よ」
「覚えてる?あたしと合った時の生命エネルギーのこと」
「うん、覚えてる。あの湯気みたいなのとビスケが纏っていってた。それに今も僕、纏?をしてるしね」
「そう、それは念と呼ばれる生命エネルギーを操る能力」
「四大行という念の基礎の1つ。生命エネルギーはオーラとも呼ばれているわさ」
纏
オーラを自分の周りにとどめる技術。体が頑丈になる。
絶
オーラを消して気配を絶ったり疲労回復にも使われる。
練
オーラを練りこみ通常より多くのオーラを出す技術。
発
自分のオーラを自在に操る念能力の集大成。
「これが四大行。念能力の発は所謂必殺技。発次第では、全ての憶測が実現可能になるわさね」
シロは話を聞き、改めて自分のオーラを見る。
そんなシロを見ながらビスケは続ける。
「だ、か、ら、あたしがシロ、あんたに念を教える師匠になったげるわさ」
「師匠?」
「そ、師匠。いったわさね。全ての憶測が実現可能って。つまり、もしも1つ目の未来の記憶が真実ならあたしがそんなことならないように鍛えてあげる」
腰に手を当て胸を張りそう言った。
「いいの、嘘かも知れないよ」
不安げに瞳を揺らしてビスケに問う。
「いいわさね。これでもあたしは仕事柄見る目には自信がある」
「それにね、あたしがあんたを気に入ったんだわさ」
ビスケの本心と思われるそれにシロはまたあたたかさを感じた。
「ビスケ」
「ありがと」
「よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる。
「ええ。ふふふふふ、鍛えるわよォ〜〜〜〜〜!!」
笑いながらオーッと腕を振り上げるビスケを見てシロもまた笑う。
「さて、今日はもう暗いし修行は明日からにしてもう寝ましょう」
うんと頷きベットへ行こうとするシロをビスケが呼び止めた。
「シロ、待つだわさ。寝る前に一緒にお風呂に入りましょう」
にやにやしながらビスケが近づいてくる。
「やだ」
間髪を入れず断るも近づいてきたビスケに捕まり、ずるずるとお風呂場へ連れて行かれた。
「ほほほ、遠慮しなくてもいいわさね。隅々まで洗ってあげる」
思ったより強いビスケの力にシロはあきらめるしかなかった。
そして
「おとこーー!?」
「だから……やだっていったのに。ビスケの変態」