―――数年後
「あ おはよう 璃乃音ちゃん」
「おはよう カナちゃん」
そう言って 横からバスに入ろうとした
が カナちゃんのストップが入り 後ろを振り向いた
少し怒った顔の 少し焦った顔の カナちゃんが 目に入った
カナちゃんは私を見ておらず 遠くから走ってきている
リク兄様を見ていた
私はリク兄様の怒られるザマ見てやろうと
カナちゃんの後ろで 静観してようと思う
「ちょっとリクオ君遅いよ
このバス逃したら 次はないって言ってるじゃん」
そう言ったカナちゃんは さっきと同じ顔・・・
じゃなくて 完璧な怒り顔をしている
まあ もう リク兄様は来たから 焦る必要もないしね
「だってみんなが・・・「言い訳はいいから 早く乗ろう」」
私はリク兄様の言葉を遮って 話した
みんなは私の家を 大きい家に住んでいる一般家庭か
お化け屋敷に住んでいる 不思議な家族だと思ってる
まあ しょうがないような気がする
見た目もあんなんだし
でも それでいいと思う
だって そのことを 否定して
私の家はお化けなんか住んでない
妖怪が住んでるの!
なんて言ったら 頭のおかしい子としか思われない
私たちの身近に妖怪がいることを 知っているのは
その必要がある人か 絶対の信頼を持てる人だけでいいと思う
でもリク兄様は そんなこと何一つ考えていなくて
自分の家族や友達のことを話すだけ みたいな感じだから
私たちは進級して 私とリク兄様は三年生になった
まあ 兄弟だからかクラスは違うけど
私たちは今日 それぞれが 衝撃的事実を知ることになる
リクオSide
今日は 春休みも終わって しばらくたった日だった
作文発表で緊張しながらも聞いていた友達の作文
みんなスラスラすごいなあとか 突っかかった人がいたら
自分も少しぐらい大丈夫だとか 思ったり
でも 一人 間違った 作文を読んでいる人がいた
・・・清十字君だ
妖怪は悪事しかしないだとか
挙句の果てには 妖怪はいないだって…?
僕は反論した 大きい声で
みんなに分かって欲しくて
妖怪の馬鹿なところも 優しいところも
でも みんなは 何言ってるんだって
顔をしていた
え? もしかしてみんな
妖怪はいるわけないって思ってるの?
僕はこの時生まれて初めて とても大きな衝撃を受けた
璃乃音Side
「今日は転校生が来ています ・・・入って」
朝 教室に入ると みんながソワソワしては
くすくすとしたり
女子だと思う人ー
とか言って 多数決?みたいなことをしている子もいた
いつも賑やかな私のクラスは いつも以上に賑やかで
「ねえ みんな どうしたの?
いつも以上に賑やかだけど」
そう 隣の席の市川美亜に聞いた
私のほうに顔を向け
おはようと言った後 確かに賑やかだよねと続けた
「今日は転校生が来るみたいだよ
さっき女の子たちが 話してるの聞いた」
転校生?
ふーん 確かに気になるけど
そのあと 美亜としばらく話して チャイムがなって席に座った
「今日は転校生が来ています ・・・入って」
そう言って入ってきたのは 男女二人だった
え なんで二人?
自己紹介で分かったことだけど 二人はとしごの兄弟らしいらしい
「ねえ 美亜 普通兄弟って 別れるもんじゃないの?」
そう思ったことをそのまま聞いたけど 美亜も分からないらしい
それならどっちかに聞こうかな
そう思ってまあまあ近い席にいる 兄の綾瀬 蓮
に近寄った
「ねえ 綾瀬 なんで あんたたち二人とも同じクラスなの
普通別れるもんじゃないの」
そう素直に聞いただけだったのに…
「ブスが俺に話しかけんじゃねよ しかも女子力の
欠片もねえような奴なら余計にだ」
そう ちょー睨んで言ってきた
頭が?でいっぱいになった
無言で席に戻った
私を待っていた美亜は 結果が気になるらしく
どうだった?と聞いている
だが 私はそんな言葉も耳入らないほど
頭が?で埋まっていた
様子のおかしい私に気付いたのか
どうしたの?と聞いてきた
「・・・・・・私って女子力ないのかな
・・・・てか 私ってブス?普通顔だと思っていたんだけど」
それに私女子力ちゃんとあるし 欠片ぐらいあるし
自分のこと私って読んでるし
朝は得意な方だし
料理も得意だ
学習面は関係ないかもしれないけど
習ってない問題も分かるぐらい 頭はいい
・・・なにがおかしいの
うーん うーん
と 悩んでる私を見かねたのか
それなら と案を出してくれた美亜の言葉に食いついた
リクオSide
僕は 作文の件があった以降
時々 からかわれた
まあ そこまで ひどくもなかったし
ホントに時々だったから
「ただいまー」
家に帰るといつもより なんだか騒がしい
・・・ああ そうか
今日は寄り合いがあるんだ
「あ リクオ様
お帰りなさいませ」
たまたま 通りかかった首なしが
話しかけてきた
「ただいま」
そう 答えた
普通に答えたはずだったのに
首なしには 何か感じたのか
「元気がありませんね
これから 寄り合いがあります
元気を出してください」
そう言った首なしは
付け足すように
「総大将がリクオ様のことを 読んでいましたよ」
そう言った後 失礼します といって
離れて行った
爺ちゃんが 僕を呼ぶって
璃乃音も呼ばれたのかな
そうして向かった 寄り合いは 最悪だった
まず一つ目 本当に妖怪は悪者だった
寄り合いに来ていた妖怪の一人のガゴゼは
子供を地獄に送ったりとか
子供を苦しい目に合わせる最低な事をしていた
二つ目 ガゴゼのことでも 最悪だったのに
爺ちゃんがそれを褒めて
しかも そんな 最悪な妖怪の一番上に立つのが僕!?
そんなの絶対嫌だ
第一みんなに嫌われちゃうよ
そう言って部屋を飛び出した
途中璃乃音とぶつかったけど
誤りもせずに
また 走り出した