少し璃乃音が大人っぽくなってきてます
―――――数年後
「ふあぁ いってきます」
閉じてしまいそうな目に力をいれて 眠気と戦う
「「「いってらしゃいませ」」」
そう言って歩きだした
はあ だるいなあ 何で一回ならったものをもう一回…
まあ しょうがないけどさ
でも… はあ だるいなあ
「いってきまーす!!」
後ろのほうで声がした タッタッタッ走っている「璃乃音 さき行かないでよー」
そういってこっちに走ってきたのは
リク兄様 私はそんな声も無視して歩き続ける
「璃乃音 なんか怒ってる!?…僕なんかしたかな? もしかして八つ当たり?それともまだ朝のこと怒ってるの?」
最後の呆れたような発言に イラッときてリク兄様の方を勢いよく振り向いた
「まだ怒ってるって?
…別に怒ってないわ
ただ 何か見てるだけでも イライラするから 一緒にいたくないなって思っただけの話よ」
そう答えた 私は正しい
私は今 別に 怒ってないけど
何か イライラするのよ
…リク兄様に
「…はあ そんなに怒ってるなら自分 で起きたらいいんじゃないの?
僕がたった30分起こすの忘れたぐ らいでそんなに怒んなくたって…」
…はあ!?
“たった”30分?…え?
“たった”30分なの?
30分“も”でしょ!?
どーせ忘れてた30分の間
島くんに頼まれてた宿題 間違いないかなあ とか
巻さんに頼まれた日直の仕事 完璧に終わらせないと! とか
いいことをする!これこそ妖怪と間逆
人間らしいことって素晴らしい!
とか 思ってたんじゃないの
それに 朝 私を5時30分には起こすって約束だったじゃない!
代わりにリク兄様が引き受けた仕事とか色々手伝うからって!
小5のときからの約束よ
今までも何回かあったけど 30分は初めてだったわ
最長記録おめでとう!
そんなことをずっと考えていた私は
いつの間にか学校に着いていたのにも気づかず
「おはよう璃乃音ちゃん」
「ひゃっ!」
いきなり話しかけてきた幼馴染に驚くという失態をおかしてしまった
私に挨拶をしてきたカナちゃんは いつもしてることなのに
こんなに驚かれていることに 驚いているのか
目を見開いていた
「おはよう カナちゃん」
私たちのこの空気に驚いているのか いないのか
平然と挨拶をしているリク兄様は ニコニコ笑ってる
「…え あ おはよう リクオくん」
多分驚きすぎてリク兄様の声が聞こえなかったのかな
反応が遅れていた
では 私も改めて
「おはよう カナちゃん」
にこっとリク兄様に負けない笑顔でカナちゃん に挨拶をした
さっきのことは無視してくれたのか そのあと平然に挨拶を返してくれたカナちゃん
カナちゃんってほんと優しいよね 顔も可愛いし
やっぱり毎日告白されてる子は違うんだね
羨ましいよ
そんな感じで教室まで一緒に歩きながら
どうでもいいような話をした
私とカナちゃんはクラスが違う
それはもちろんリク兄様とも違う
私たちのは兄弟だからだろうけど カナちゃんとはたまたまなんだろうな
まあでも
「おはよう璃乃音」
「おはよう 美亜」
美亜と一緒だから別に気にしない
私はカナちゃんとリク兄様と別れ 美亜と机に向かう
美亜は小学生のころと変わって 私のことを呼び捨てににしている
何年も一緒にいる幼馴染なのに片方だけちゃん付けは嫌だ
と 私が言ったら美亜も呼び捨てにするようになった
そして私たちはクラスも全部同じだ
小一の時は違ってお互いのことも知らなかったけど
二年の時にクラスが同じで 席が隣同士だったからか仲良くなった
それからは六年まで全部一緒
もしかしたらと思っていたけど やっぱり中学でも一緒だった
そしてなんと
「はよ 璃乃音 美亜」
「…おはよう 蓮」
綾瀬蓮もなぜか一緒だ
こいつともなんでだかわかんないけど
こいつが転校してきてからはクラスは全て一緒だった
その中で席が隣の回数は五回
私たちの小学校は学期が終わるたびに席替えをする
その 三回の中で絶対に一回は隣になった
そのためこいつとも 腐れ縁 というやつになってしまった
まあでも こいつに女子力のことを言われなかったら
私はきっとあのままだっただろう
あの時の私は 自分のことを 私 とちゃんと呼べたり
料理が出来ることは女子力が高いと思っていた
それでも 今思えば
私は 女子力はめっちゃ低かったなと思う
スカートは行事があるとき以外は履かないし
正座とかお姉さん座りなんて足が痛いから
あぐらをかいて座っていた
それに 私は みあとカナちゃん以外の女子とはあまり話さないし
むしろ男子と口を大きく開いて笑うことのほうが多かった
…まあでも 清継は苦手 てか 嫌いだけどね
うざいしリク兄様のことをバカにしたし
なんかナルシスト入ってるし
昔妖怪のことをバカにしていたくせに
今じゃ 妖怪グッズを集めまくって
リク兄様の覚醒後の姿をした妖怪を探してる
私はリク兄様をバカにするたびに
その人が探している人ですよ〜
って教えて土下座をさせてやりたい
さらにいうなら その上から踏みつけて
高らかに笑ってやりたい
…おっと 話がめっちゃずれてる
まあ蓮に女子力のことを言われなかったら 私はあのままだった
かもしれないし 結構感謝してる
確かに自分の本当を見せれたら楽だけど
今じゃ女の子らしい私も結構気に入ってるんだ
それに蓮とか美亜とかカナちゃんとかには
自分の本当を見せてるからね
それに あの子にも
「…おい 何考えてんだよ」
蓮はなんか言ってるけど 知らない 知らない
「はあ…」
「蓮くん 璃乃音はいつもこうでしょ
今さらだよ 今さらっ」
蓮と美亜がなんか言ってるみたいだけど 知らない 知らない
ああ こんな時あの子がいてくれたら
きっと蓮をこらしめることができるのに
そんなのことをぐだぐだ考えていると
「あのー 奴良さん 今いいかな」
私はその声を聞いた後すぐに笑顔を作り
くるりと振り向いた
目の前には 少し緊張しているような 困っているような
そんな複雑な顔をしている女の子がいた
「ふふ 何かしら」
そうにこっと笑っていうと
顔をほんのり赤く染めた女の子は 恥ずかしそうに
もじもじしながら話し出した
「あ あのね その…
昨日の数学の問題 先生が教えてくれたんだけどね
あんまり意味がわからなくって 奴良さん
先生に褒められてたでしょ
だから 教えてほしい なって…
それに 学年トップだし…」
…この問題か
うーん まあ私も昔 とゆうか前世?
で 少し悩んだもん
「…この問題は公式に当てはめれば簡単だよ
例えば これを…」
なんて説明をしている最中も笑顔を
忘れず気配りに気をつけている私がすごいと思う
賞状もえらえるよ これ
そんなことを考えながらもちゃんと教えている私
その後ろでは 蓮と美亜が話していた
璃乃音には 聞こえないように
「なあ あいつってどうしてこうも
猫かぶりがうまいだ?
というか 演技か」
「うーん まあ璃乃音も気に入ってるみたいだし
いいと思うよ 私は」
「…確かにな でもあいつ
自分でも気づかないうちに無理してんじゃねえか
…鈍感っていうか 素直じゃないというか」
「確かにそうだね でも
素直じゃないってのは璃乃音だけに言えたことじゃ
ないと思うな」
「…何が言いたい」
「…もっと攻めていかないと璃乃音は気づかないよ」
「…」
「私も出来るだけ応援する でも 蓮くんが何かしない限り何も変わらない」
「……わかってる」
「クス なら大丈夫だね」
「…あいつを相手にできるやつは俺以外いない
てか いらねえ」
「クスクスッ結婚式かなんかあったら
ちゃんと読んでね?」
「なっ …まだ付き合ってもねえのに気が早すぎるわ」
「だって クスクス」
「…お前なあ 笑い過ぎじゃあ…」
「ん? なんでそんなに美亜笑っているの?
… まさか蓮 あなた 美亜に何かしたのかしら
なら 私があなたのそのあなたに似合わなすぎる顔を
あなたに似合う顔にしてあげましょうか?」
「はあ?俺はなんもしてねえよ
…それより勉強のほうは終わったのか」
「ふふ 話を逸らそうとしても無駄よ」
「そんなことをしようとしてねえよ」
そんな会話を耳に クスリと微笑んだ美亜は
「クスクス やっぱり私の思う通り
二人はお似合いだね 早く くっつかないかなあ」
なんて考えていた
誤字なんかあったら教えてください