みんなはいくつわかるかな?
チート(cheat)とは、直訳すれば「ズル」あるいは「騙す」という意味の英単語で、日本のコンピュータゲーム用語としては、主としてメモリエリアに細工するなどの手法で、制作者の意図しない動作をさせる行為を指す。日本では一般には改造ツールなどを使用して、データを改変する行為がチートとして知られる。(Wikipediaより抜粋)
とのことだが、僕が経験したのは所謂『転生チート』と呼ばれるものだった。
世界そのものをゲームに例えているのかどうかは定かではないが、僕が生前蓄えていた『無駄だと思われる知識フォルダ(知識の大半を占める)』の言うところによれば、転生モノの『お約束』らしい。白々しい。
転生に至るまでの経緯こそ語るに値しないほどのテンプレートながら、今の僕の置かれている状況は、一部の方々なら喉から手が出るほど羨ましいのではなかろうか。
事実、転生とその特典を授かれると知った時の僕は狂喜乱舞し、喉に手を突っ込んだものだが、その辺は割愛する。
僕がこの場で語っておきたいのは、転生するにあたって得た特典能力と、それを奮うことになる第二の故郷のことだ。
『魔法先生ネギま!』。
僕のよく知るこの漫画こそ、我が第二の故郷となるらしかった。なんでも転生先となる世界というのは、転生者の知識から選んだほうが、転生させる側にとって楽なのだとか。その辺の超理論(似非)はこの際どうでもいいのでこれまた割愛しよう。
なんにせよ、勝手もわからぬ世界に飛ばされるよりよっぽどよかった。
さて、そして僕が得た『チート』なのだが、こいつが曲者だったのだ。
いままでツラツラうんたらと書き連ねていたのも、コイツについての愚痴を語るための前置きに過ぎない。
僕が求めたのは『某鬼巫女』のような圧倒的スペックでも、『某マスクドライダー』のような変身能力でもなく、ましてや『某騎士王』のような聖剣でもない。
『魔法行使能力』。
漫画であろうとアニメであろうと現実であろうと。某アルファ聖痕のように解析し、行使する能力を、僕は欲した。
カッコいい詠唱…そう、僕は大学生でありながら、胸の内をチリチリと焦がす、『燃えカスのような厨二心』を捨て去ることが、ついぞ出来なかったのだ。
そして、この能力を得たことこそ、僕の過ちだった。
『古より出し浄化の炎ーーー堕ちよ、エンシェントバカなッ!?』
『天光満つるところ我はあり、黄泉の門開くところにもこの僕がッ!?』
『その力、穢れなく澄みわたり流るるンバッ!?』
『身体は剣で出来ていゲブッ!?』
『セクタムセンまらんば!?』
『今のはメラゾーマではちょっ、まっ!?』
『全力全開!スターライトぉ!無礼なっ!?』
『マダンテって今はダメだからいま邪魔されると魔力が僕の体内でうわらばっ!?』
『生之死縛・玻璃爛宮逆サ磔! うん。僕至って健康体だしメンタルも小市民だし何も起きないわ』
『以って性命双修ーーー能わざる者墜ちるべし…うん。これ僕も堕ちるわ(確信)』
『黄昏より昏き者以下省略………省略したら発動しないのか(困惑)』
『絶唱したら身体が崩れ始めたんで見てないで助けてくれませんかね???』
『黒魔紋置いたのに走らせるのやめてくれませんかね? あっ、AF切れた…』
『ジョルラすら撃てないんでproc以前の問題なんですがそれは()』
『The goal of all life is death…ひょっとしなくてもバンシーまで使ったら僕も死ぬのでは???』
『ゴース…あるいはゴスムよ…僕の祈りが聴こえぬか…おや、なんか毛の生えたデカいアーモンドのようなのが見えるぞ???(発狂)』
転生してから10年間。1度も魔法を放つことが出来なかった。詠唱の短い、むしろ無い魔法や魔術ですら邪魔される。
必ず何かしらにつけ邪魔が入る。時にはサッカーボールが飛んで来たり、時には前後不注意の人間にぶつかられたり、時にはSANチェックに成功して正気に還ったり。何故か完全に魔法を読みきった相手に殴られたり。なんか車椅子のお爺さんと可愛い人形ちゃんの夢を見たり。
ガンドを撃とうとして人差し指を折られたのはもはやトラウマである。(フィンガーサブミッション)
これは、チートを全く活かすことのできないアホ毛(性別不詳)『秋月シオン』の、壮大な戦いの序曲である!
みんなはいくつわかったかな?