魔法先生バカなッ!?   作:もちマスク

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ヨハネのペン

「ネギ!どこにいるの、ネギ!」

 

ネカネたんの悲痛な叫びが燃え盛る村に響くことはなく、ただ喧騒に吸い込まれるように消えて行く。

あたりはまるで地獄だ、そこいらに化物めいた悪魔や、物言わぬ石像と化した村人が散らばっている。

爆風と悪魔。それらがいつ自分達に襲いかかるのかわかったものじゃない。熱気と恐怖で頭がどうにかなりそうだ。

 

己も恐怖で立ちすくみそうになっているだろうに、ネカネは不安を押し殺して声を上げている。義弟を探して、煤汚れた服で炎の中を駆け回っている。

感動的だな。だが現実は非情( むいみ)だ。ほら、化物が僕たちを見てる。当然だ、あんな大声だしたら普通見つかるよ。

己の失態を悟って、青ざめるネカネ。

 

 

一歩一歩、なぶるように巨体を揺らし歩み来る化物。

……さて、腹は決まった。

鉛のような足に気合を叩き込み、無理やり前へでる。

 

 

「下がって、ネカネ」

 

「シオン、ダメよ、あなたじゃ――」

 

不安そうに杖を取り出すネカネを横目で確認しながら、僕は今度こそ覚悟を決める。

ここで使わずしてなんのためチートだ、流石にここでヘタれるわけにはいかない。

ネカネは僕がまも―――

 

「いくぞ、化けもヘブッ!」

 

化物の丸太のような腕が僕をなぎ払う。ですよねー!知ってました!

何かがひしゃげるような嫌な音とともに激痛が襲いかかり、意識が悲鳴を上げる。

目の前がチカチカと赤く点滅する。

そして、ゆっくりと、まぶたが重く――――

 

「シオンッ!いや、なんで、そんな!!」

 

ネカネの悲鳴のような嘆きも遠く感じる。

しかし、これでいい。

計画通りだ。

どうせ邪魔されるのは予測済みだ、対策は完成している。

僕が意識を失うことで完成する。

あとは頼んだぞ――――

 

自動書記( ヨハネのペン)』起動。

 

 

 

 

 

 

シオンは私の目の前で、まるで小枝か何かのようになぎ払われた。

遠くでべしゃりと、何かが強く叩きつけられた音が聞こえ、絶望が私を包む。

2年前からずっとそばにいてくれた大切な家族。

私と同じように孤児で。それでもずっと笑顔で。

 

 

『うわぁ、シオン凄い、これはなぁに?』

 

『--女の子を笑顔にする魔法さ。ウゲェッ!?貴様空気を読mうばしゃあッ!?』

 

 

 

すこしへタレだったけど、ずっと隣にいて笑わせてくれたシオンが。

 

 

その場で膝を付く。化物がゆっくりとこちらに向かってくる。さっさとやってしまえばいいのに。どうせ私に抵抗なんて出来ないのに、緩慢な動作で私をいたぶるかのように歩み寄って――――

 

 

「第666拘束機関解放。次元干渉虚数方陣展開--」

 

 

声が聞こえた。

聞き慣れた、けれど今一番聞きたかった、あの人の声が。

 

 

「我が魂の帰する場所にて根源に生まれ出でし剣よ 全てを無に帰する刃を我が前に示せ----『薙ぎ払え』 」

 

 

天を裂くように出現した、神々しく巨大な剣が、化物へ降り注ぎ、跡形もなく消し飛ばす。

そしてそこに、燃え盛る炎を背に立つ影。

 

 

「・・・・・・シオン、なの?」

 

 

視線の先では、全く感情が見られない機械的な表情のシオンが、まっすぐと私を見ていた。

 

 

 

 

ヨハネのペン。十二使徒の一人、ヨハネを元として、とある魔術の禁書目録にて登場した魔術。被術者の生命の危機など特定の条件を満たすと発動し、干渉した者を自動的に排除する。

悲しいことに、シオンは何故か魔法を使わせてもらえない。なら自分以外に魔法を使わせよう、と言う結論に至ったが、理の違う魔法はこの世界では自分以外では扱えない。それに、他人に使わせても意味がないのだ。

ならばと考えたのが、自動書記( ヨハネのペン)だった。

これは賭けだ。

自分に自動書記をかけるのを邪魔されては意味がないし、なにより、自動書記なら魔法を使えるなんて保証はどこにもないのだから。

幸い、この世界に現存する魔導具を改造するくらいは許されてたみたいで、結果からいうと大成功のようだ。

 

問題があるとすれば。

 

どうやって制御するんだこれ。

 

 




テストの合間にストレス解消に書きなぐりました。
正直文章も展開もあやしいです。
いつか書き直します;;

666拘束機関~:ブレイブルーに登場するν13にアストラル
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