あと、前話のあとがきに挿絵追加しますた
スペルカードというものがある。
とあるシューティングゲームで用いられているもので、あらかじめ技の名前とその技名を体現した技をいくつか考えておき、技名を契約書形式に記した紙を任意の枚数所持しておく。この契約書を「スペルカード」と呼ぶ。
さて、このスペルカードだが、このカード自体には何の力もない。
必殺技や切り札のアイテムであるかのように思われることもあるが、実際はただの紙である。(大部分ピクシブ大百科より)
何が言いたいかと言うと、魔導具などを開発、使用できることは確認できていた僕は、このスペルカードという概念に眼をつけたという事である。
ただの契約書ではなく、『魔法のスクロール』のように、あらかじめ考えておいた術式を組み込んでおくのだ。
携帯にも便利だし、ならば作らない理由はあるまい。
と、いうわけで。
現在の手持ちを駆使して、エヴァちんから身を守ろう作戦を、現時刻をもって決行したいと思います!わーどんどんぱふぱふ!
では、ここで重要となる問題点をあげていこう。
まず、戦いに関してはズブの素人かつ、ボロボロな発泡スチロールの次に強靭なもやしボディの僕ではできることは限られてくる事。
真っ向から挑んでも軽くあしらわれるのが落ちだ。
『ルーラの杖』でもあればいいが、残念ながら自室で『ボチヤミサンタイの魔符』と共に謹慎中である。
つまり『奇襲をかける必要がある』。
次に、『火力』も問題だ。生半可なジツではエヴァンジェリン=サンのシンソ・ショーヘキに阻まれてしまう。
現在障壁を抜けそうなのは『メギドストーン』か、切り札である『スペルカード』だけである。
つまり、僕に求められているのは、完全なる『奇襲』からの『高火力』による一撃。
これ以外にない。
…やっぱり難易度おかしくね?
リーオーでアムロ(CCA)の駆るヴァーチェ落とせって言われてるようなもんじゃね?
ビルゴにすら勝てないのに。
しかし、それでもやらなければならないのが主人公(笑)の辛いところだ。
よかろう、僕の真のワザマエを魅せてやる。
「ほう、一丁前にやる気か。気配でわかるぞ。随分と見上げた勇気じゃないか」
ばれてーら。
ちらりと様子を伺ってみると。
ニタリと、悪い笑みを浮かべるエヴァちん。かっこ可愛い。
取り敢えず、振り向き様に奇襲という選択肢はナシと。
だが幸い、エヴァちんはまだ油断している。
僕の足掻きを観察しようとしている。
ならば。
あえて僕は彼女の騙りにも反応せず、懐から『あるもの』を取りだし…
「イヤーッ!」
気合と共に投げつける。
「うん……?なんだ、この弱そうなスライムもどき共は。使い魔か?」
一切の動揺を見せることもなく、ばら蒔かれた『ソレ』を、エヴァンジェリンは退屈げに魔法の射手にて穿つ。正確な狙いだ。
だがまさに計画通りである。何故ならそれは。
「『ファイアー!』『アイスストーム!』『ダイアキュート!』」
『ぷよぷよ』なのだから!
手持ちにあるものではビッグバンやクェーサー、ブレインダムドのようなグロい魔法は放てないが、目的としては充分である。
エヴァンジェリンによって破壊された『ソレ』は連鎖するように弾け、魔法をばら蒔いていく。さらば、五色の戦士たちよ…
「っ!…なるほどなぁ、感心したよ。魔力が無いときの私と同じ手法というわけか。だが、まるで威力が足らん」
余すことなくエヴァンジェリンを襲った『ファイアー』も『アイスストーム』も、やはり障壁に阻まれてダメージには至らない。
だがしかし。
僕は計画通りと言ったはずだ!
無数のぷよと、それから放たれた魔法は陽動、目眩まし!
既にエヴァンジェリンの視界に僕はいない。
そして『ダイアキュート』は次に放つ魔法の威力を底上げする!
このタイミングで!
「スペルカード……日符!『ロイヤルフレア』ァァアッ!!」
凄まじい熱量の塊を放つ!
光と熱が眼を焼くが、苦ではない。
できた。
魔法が使えた。
始めて魔法が使えたのだ。
媒介を使ったとはいえ。触媒を使ったとはいえ。
とうとう僕は魔法を使えた!
30歳まで待たずとも魔法が使えたのだ!
嬉しくないわけがない。
舞い上がる気持ちを押さえることができず、僕は『言ってはいけない一言』を叫んでしまった。
「 や っ た か ! 」
アカン。さっきより死兆星がはっきり見える。
「ふっ…フフフ…やってくれたな…。ぼーやの護衛に選ばれるわけだよ。見たこともない魔法だが…相手が悪い」
天を穿った火柱が消え果てた後。
当たり前のように元の場所に浮かんでいるエヴァンジェリンがいた。少し煤けてはいたが、ただそれだけ。あり得ねぇよ、この世界の言うところの『燃える天空』を軽く凌駕する威力だというのに。
何が起こったのか分からず唖然とするのもつかの間。
即座に僕は『ソレ』を理解した。
「
「……なんだ、知っているのか。いや、『今、知った』のか…どちらでもいい。時間もないしな、前座は終わりだよ、人形」
ビ、ビーターや!
最序盤にチート技法使うなんてマジで空気読んでよ。
「ま、貴様ならこの程度では死にはしまい。事が終わるまで、眠っていてもらおう」
そういって魔法を放たんとするエヴァちん。
あれ、『闇の吹雪』じゃね?
いやいやいや、死ぬから。普通に死ぬから。
誤解してるかもしれないけど、肉体的には完全にもやしだからね僕は!?
もやしって栄養分豊富だから大丈夫とかそんなレベルじゃねーからこれ!
符も使いきった今、魔法が使えない僕に防ぐ手段もないし!
使うしかないのか、『アレ』を…!
深夜のテンションで造り上げた、『あれ、これ流石にヤバいんじゃなかろうか』と言わざるを得ないアレを!
そんな僕の葛藤を他所に、エヴァちんはヤバげな魔法を今まさに放とうとしている。
えぇい、ままよ!
なるようになれ!
起動しろ、アークエネミー……!
「蛇双『ウ ロ ボ ロ ス 』!」
空間を裂いて出現した鎖に誘われ、月の浮かぶ夜空へと身を踊らせる。
先程まで『俺様』がいた空間を、形容しがたい闇の嵐が凪ぎ払うのが見え、つい口笛の音が溢れた。
やはり深夜のテンションは恐ろしいものだ。
俺様が造り上げたこの『ウロボロス』のコンセプトは『完全再現』。
何度もいうが、元々の俺様は戦いの素人だ。
そんな奴が魔導具を持ったところで出来ることなど限られている。
そこでだ。
この『ウロボロス』に搭載された機能は、本来の持ち主の技術、経験、戦法をインストールするというもの。
これを使えば、本来の頭ゆるゆるな自分には使えないような、それこそ“墜落の逆さ磔”とて再現可能になる。
『ルビーちゃん』という杖を参考に造られた技法だが、これには問題点もあった。
意識のズレ、というものを埋めるために。
『自動書記』のように意識を失ったりはしないものの。
「よぉ……遊んでくれよ、クソ吸血鬼ィ!」
人格も一時的に上書きされてしまうのであるーーー
びっくりするくらい話が進まない。
なんでだろう(すっとぼけ)
そして、またブレイブルーネタであるよ。
ぶっちゃけテルミごっこ吸血鬼編がやりたかった。
追記:ぷよに関しての説明が本編中で抜けていることがわかりました。
FAmk-nさん、ありがとう。
この場を使い、我が妄想を説明させていただきます。
シオンが使うぷよは刺激を受けると『オワニモ』と、発生するエネルギーを使用した『連鎖数に応じた魔法』が自動的に発動するようになっています。
なぜこんなめんどくさい仕様なのかというと、シオンが生粋のぷよらー(弱)だから。
ギャンみたく、機雷として扱ってもいいので、地味に使い勝手は良好の模様。
時の女神? しらん、そんなものは俺の管轄外だ()