真・恋姫で地味ヒロインの妹してます   作:千仭

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なんか三国志を読んで
恋姫やって
PS3で無双してたら
急に書きたくなったから
書いてしまった。


プロローグ
私のステータス


突然だが俺には前世の記憶が残っている。

 

俺の前世の世界は21世紀の日本であり、様々な科学技術が発展している。

 

成人になるまで義務教育として数学や世界各国の歴史を学んだ。

 

そんな世界の俺の前世の職業は競馬の騎手。

 

日本ダービーでは過去1度だけ優勝したことがあった。

 

それと同時に三国志が好きで三国志という名が出てくる様々なゲーム、本、小説を買いつくした。

 

そして前世で運悪く交通事故にあった俺はその時にこう思った。

 

「なんでもいいから三国志の世界に行きたい。あっ、でもできればむさくるしくない恋姫がいいなぁ」と。

 

俺がそう思った瞬間、俺の耳には確かな声が聞こえた。

 

「その願い、承った」と、確かに俺は耳にした。

 

そしてそこで俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その結果…………なんで俺が幽州太守である地味系ヒロイン、公孫賛の「妹」との公孫越になってんだよ!?

 

いや確かに三国志演義では実弟だったけどさ、恋姫では妹な訳?理屈はわかるけどさ、何か納得いかない。

 

そんなことで俺の今の名は姓が公孫、名が越、字が仲珪、真名は白連の色違いの黒連(フィーレン)

 

唯一救いなのは俺自身がいつ死ぬかがわかってることだ。死亡フラグがバリバリ経ってるぜ。

 

袁紹許すまじ、ぜってー逆襲してやんよ。

 

 

 

 

今の俺の姿は18歳ぐらいの少女の姿をしている。姉の公孫賛の白蓮と同じ色の濃い桃色の髪をストレートで背中ぐらいまで伸ばしているがそれを後ろで編んで短くしている。

 服装は革でできた黒のノースリーブスとショートパンツ、腰には足元まである腰巻を装備している。あッ、間違えた、着ている。

 そして三国志の白蓮とは違い、匈奴から輸入した良質の黒鹿毛の重装槍騎兵部隊「黒馬義従」を率いている。今では姉の弓騎兵、「白馬長史」に対をなす「尖鋭突」の異名を持つようになった。

 

え?これまでの過程はって?そんなの姉さんに適当について行ってたら、知らぬ間に初陣、騎兵突撃してたよ。

いや~あの時はほんとに死ぬかと思った。

 

 なぜ重装槍騎部隊かというと姉の白蓮は弓を得意とする「白馬義従」を率いているため、それとは違うものにしたかっただけだったからだ。

また重装槍騎兵部隊は欧州でいうと騎士みたいな役割を果たすため、その重突撃は今の中華一だといえる。

 そのため攻撃力を追加し、防御力も上げたことによって騎兵の行軍速度は普通より少し遅くなり、持久力も少し減った。

 

まあ、所詮この世界は外史だし、多少未来の技術を組み込んでも大丈夫だろ。それにランスチャージしたかったし。

 

 そんでもって戦闘時には何時も使っている戦斧のバルディッシュもどきを装備し、肩当て付きの胸当てと小手をつけることにしている。

 

「以上が現在の私のステータスだ」

 

「どうしたのですか?隊長」

 

「いや、なんでもないから気にするな。所詮独り言だ」

 

「そうですか?」

 

 そう言って私の部隊の副官は頭を傾げながら進んでいく。

そしてそこから少し先に黄色い頭巾をかぶった一団が目の前に現れた。

見たところ三千人ぐらいしかおらず、装備も統一していない。

 

はいはい来ました噂の黄巾賊。もうそんな時期なのね、死にたくないわ~。

 

「出ましたね?隊長」

 

「ああ、どうしようか?」

 

「相手は見たところ多勢に無勢ですから包囲殲滅でいいでしょう」

 

「一応聞くが偵察兵の報告は?」

 

「さらに西に行ったところに黄巾党の大部隊が存在しているらしいですが、距離が離れているので大丈夫です」

 

「そっちは姉さんに任せるか……」

 

 あんな地味な姉さんだが、やることはしっかりとやっている。

幽州太守と「白馬長史」の名は伊達ではない。

政治も統治も外交も軍事も一定のことは全部できる。

………器用貧乏とも言えるが。

 

「良し!総員直ちに戦闘準備に入れ!」

 

「「「ハッ!」」」

 

 そう私が声を張り上げて自らの部隊、「黒馬義従」千二百人に指示を出すと行軍していた者達は重装をつけたまま、長槍を手にする。

 

相手は弱兵とは言えど私たちの三倍、まあ余裕だよね。

 

「隊を三つに分け!正面と両敵側面から一気に貫き、殲滅する!」

「「「オオオオオ!!」」」

 

 そして、隊が三つに分かれ、両隣の四百人、計八百人が横陣で黄巾賊を包囲するように動き出す。そして相手が正面の私たちに陣形も組まずに突撃してきた。

 

「敵はただの賊だ!遠慮なく食い破れ!」

 

そこにで私は両翼の部隊に指示を出すと全部隊が私を筆頭に黄巾賊に向かって突撃を始める。

 

「フッ!」

 

 私は自分の体を内氣功で強化し、一番先にバルディッシュで敵兵2~3人まとめて横に薙ぐ。

そうすると対して装備してない黄巾賊は簡単に切り裂くことができ、鮮血が宙を舞う。

そしてそれに続いて全身を鎧で覆った「黒馬義従」が容赦なく敵を蹂躙し始める。

 

 私はそのまま敵を薙ぎ払いながら突撃を続けていく。

そしてたった一回の突撃で敵は混乱に陥り、包囲している私の部隊に抵抗する間もなく殲滅されていく。

その中には抵抗する者もいたが固い鎧に守られた騎兵には傷を負わすことはできずに逃げ出し始める。

 

いや私たちが迫ってきた時点でいくらかはもう逃げ出し始めていたが。

 

そのままいくらか時間がたったが包囲した黄巾賊は一人も私たちの目の前に立ってはいなかった。

 

私たち「黒馬義従」は一人残らず黄巾賊を刈り取ったからだ。

 

「昔の私では考えられんか…………随分とこの世界に馴染んでしまったな」

 

 そう一人で呟いているがその声が周りの騎兵たちの勝鬨でかき消されているため聞こえることはない。

そして周りを確認して副官を見つけるとすぐさま私は被害報告を聞くために彼に近寄っていく。

 

「全体の被害は?」

 

「負傷者が数人でただけです」

 

「とんだ茶番だな、黄巾賊は」

 

「そうですね。無駄に物資と労力を消費しているだけですから」

 

 そうやってしばらく副官から報告を聞いていると兵たちの間から一人の伝令がやってきた。

おそらくは姉さんからの伝令だろう。

それを示すようにその伝令は私に近づいてきて頭を下げ、「仲珪様の全軍に召集命令が出ています」と告げた。

 

「全部隊召集だとさ、さて何が起こったのやら」

 

私の率いている重装槍騎兵は全部で千五百人だ。

というかそれが今の私が維持できる最大の人数であり、それ以上はそろえることはできない。

 

私の最高戦力を全て集めるなんて黄巾の本体討伐かな?

 

「さぁ?自分にはわかりかねます」

 

「そうだよな、私にだってわかんないし………まっ、行けばわかるか」

 

「そうですね。では自分は全軍召集の準備を」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

「わかりました」

 

 そういって私の副官は少数の護衛と共にこの場から駆け出して行った。

私はその遠くなっていく背中を見つめながら、本当の戦争が始まるような予感がした。

 

 

「ここからが『三国志』の始まりか」

 

 

そして私は部隊をまとめて帰路へとついた。

 


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