真・恋姫で地味ヒロインの妹してます   作:千仭

2 / 28
短いので一気に書き上げたしまった。

でも星のキャラがあってるかわからない……Orz

自分ではあってると思うんですが

何か違和感があったらアドバイスしてくれると助かります。

それではどうぞお楽しみください<(_ _)>


蜀の皆さんとの邂逅~星編(1)~

―――――幽州啄群・公孫賛居城 執務室 白蓮side

 

 私が執務室で様々な政務を行い、一つの竹簡を終わらせると部下の文官にそれを渡し、新たな竹簡を竹簡マウンテンから取り出して目の前に広げる。

 

 私が幽州の太守になってからというもの、このような文官の仕事が極端に増えていく一方で有能な人材が足らず本当に手が回らない。

今では鍛錬する時間をも削ってまで政務をこなさなくてはならないため、巷で噂の黄巾賊に対しては妹の黒連に委任してはいるが人手が極端に足らない。

 

「はぁ~、武官でも文官でもいいから人手がほしい………」

 

そう大きなため息をついていると執務室の扉が叩かれ、部下の門番が入ってきた。

 

「政務中に申し訳ありません。伯珪様にお会いしたいという武官がいらっしゃったのですが」

 

「何だって!?それは本当か?」

 

来た!

 

待望の人材が!

 

ついに!

 

私の!

 

所に!

 

やってきた!

 

「はい、直槍を持った女性なのですが」

 

「そいつの名は!?」

 

「姓は趙、名は雲、字は子龍と申しておりました」

 

 

 私はそのことを聞いて思わず絶句してしまった。なぜならあの趙 子龍が私に合いたいだって?どうやってもこちらに引きずりこむ。

 

「すぐに会う、こちらに通せ!」

 

「ハッ!」

 

 そう言うと門番は執務室から出ていき、私は机の上にある竹簡を近くの戸棚にしまって出迎える準備を進め始める。

侍女にお茶と部屋を用意するように手配し、私は大急ぎで服装と身だしなみを整えていく。

そうして少し経つと再び執務室の扉が叩かれ、部下が薄水色の髪をした一人の女性を連れてきた。

私は部下を労い、下がらせるとその薄水色の髪をした女性が私の前に近づいてきて、自己紹介を始めた。

 

「私は幽州啄群の太守、姓は公孫、名は賛、字は伯珪と言う。貴方は?」

 

「うむ、私は姓が趙、名は雲、字は子龍と申します」

 

「それで?子龍殿は今回どのようなようで私に?」

 

「はい、実はここで近々賊の討伐のためみ義勇軍の募集を行うと聞いてこちらに来たのです」

 

「確かに最近黄巾賊の規模が大きくなってきたからな。そろそろ人手が足りなくなってきたんだ。貴方のような武官は特に大歓迎だ」

 

 そう言って私は子龍殿に微笑んで大いに歓迎した。

 実際には心の中であまりの嬉しさに発狂しそうだったがそれを理性の力で抑え込み、それを決して表に出さないようにする。

それに対して子龍殿も気さくに笑っていて、どうやら見抜かれた心配はないらしい………と思う。

 

「それで本格的に私のところに仕官しに来たということでいいのか?」

 

「いえ、私の扱いは客将としていただきたいのです」

 

 私はそのことを聞いた瞬間、さっきまで狂喜していた心が一瞬の内に絶対零度の氷で固まった様に感じた。そして思わずかたことで「ナンデ?ドウシテ?」と聞きそうなったがそれを理性という名の鎖で抑え込む。

 

「……それはなぜなんだ?」

 

「私は現在、仕えるべき主を探している途中でして」

 

そう言った子龍殿の瞳が一瞬だけ挑戦的な瞳と笑みを浮かべた。

 

「それは私では物足りないと、そう言うことなのか」

 

「いえ、まだ伯珪殿のことは見極め中なので」

 

そして今度は猛禽類のような鋭い眼光で私を見たような気がした。

 

「そう言うことか、なら仕方ないな。子龍殿は客将扱いにする」

 

「ありがとうございます」

 

ま、まあ、客将としてしばらくいるんだからとりあえずいいかな、うん。

 

 そう礼を言いながら頭を下げた子龍殿に対して今頃になって微かな違和感を覚えた。さっきの挑戦的な瞳と笑みをうかべた子龍殿と今の子龍殿は何か何時と違う、そう武人としての勘が私にそう告げた。

 

うん、武人の勘じゃなくてただの勘違いかもしれないけど。

 

「うん、それから私に敬語はいらないから好きなように話していいよ」

 

「そうなのですか?なら遠慮いらずに素で話すことにしますぞ」

 

 そう言ってさっきよりも砕けたように話始めた子龍殿に私はさっきの勘が当たったことが分かった。

こちらの子龍殿の方がよっぽど子龍殿らしい。

 

「それで、子龍殿は何ができるんだ?はっきり言って文官の仕事ができるなら手伝ってほしいんだけど」

 

「私は武官だからそっち系はあまりできませんぞ」

 

「それは残念だな、なら子龍殿には新兵の調練をしてほしいんだけど頼めるか?」

 

「それなら何にも問題ありません。引き受けましょう」

 

 その後、私はさっきしまった戸棚から大量の竹簡の山を取り出すと、それを見た子龍殿が驚いたように私を見て、なぜかホッとした顔になった。そして子龍殿はこの場から逃げるように立ち上がり、扉に向かって歩き出した。

しかしそれを見逃すほど私は甘くはない。この竹簡地獄から少しでも解放されるなら喜んで他人を巻き込もうと思う。

 

「………子龍殿、少し待ってくれないか?」

 

「…………………」

 

 私が子龍殿にこの部屋を出る前に声をかけた瞬間、ビクッと肩を震わせて子龍殿は扉の前で立ち止まった。

 

「………まだ何かあるのですか?」

 

 そう私に聞いてくる子龍殿の声はとても低くい声で私から見たその後ろ姿はなぜか冷や汗をかいているような気がした。

 

「実は子龍殿、文官の仕事できるだろ?」

 

「いえ、私はそういうことには疎いので」

 

「でもやれるんだろ?」

 

「いえいえいえ」

 

「いやいやいやいや」

 

「…………………(ジー)」

 

「…………………(汗)」

 

私の無言の視線が子龍殿の全身を貫く。それに対して子龍殿は無言でその視線に耐える。

そしてついにその視線に耐えられなくなった子龍殿がわざとらしく咳払いをして「あっ、私は新兵の調練があるからもう行くぞ」と言って私が静止する間もなく部屋から逃げ出した。

 

「はぁ~これを一人で片付けるのか。死んじゃうかもしんない」

 

そう言って私は机の上にある竹簡を取り出して開き、仕事を再開しようとした所に再び子龍殿が戻ってきた。

 

「それと、言い忘れていましたが私の真名は星と言います。次からそう呼んでください」

 

「わかったよ星。私の真名は白蓮と言う。私も次からそう呼んでくれて構わない」

 

「わかりました」

 

そして再び星は執務室から出て行った。私も再び仕事に取り掛かろうした瞬間に三度星が執務室を訪れた。

今度は中に入ってこずに扉の戸を少しだけ開き、顔だけを覗き込ませている。

 

「少し聞きたいことがあるのですが」

 

「……なんだ?」

 

「この町にうまいメンマを売ってる場所はご存じないか?」

 

「はぁ!?」

 

その質問を聞いた私が気力を根こそぎ引っこ抜かれたことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

―――――――――一方の黒連はというと

 

食堂でラーメンに乗ってるメンマを食していた。

 

「うん、このメンマなかなかうまいな」

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。