黄巾の乱編のプロットをたてながらいろいろと書いていたら、
時間がこんなにも経っていました。
反省です
拙い文章ですが、楽しんでいただければと思います。
黒蓮side
簡単に作られた陣地に多くの兵たちが所狭しに走り回っている。それはこの陣地がさっきまで黄巾賊のであったからだ。そしてその陣地の至るところに黄巾賊の死体が無造作に打ち捨ててあり、所々にある天幕などは布を破って兵たちが突入していく後ろ姿が見える。今は陣地全ての敗残兵や逃げ遅れがいないかを確認しているところである。
「派手にやってるな」
「それはそうだろう、一万以上が駐屯していた陣地だ。生き残りがいると危険だからな」
「とりあえずとっとと陣地を制圧するわよ。近くにはまだ敗残兵がいるかもしれないし、別働隊が来たら面倒になるから」
青怜が号令を一つかけると彼女の目の前の集団がそこから離れていく。それはまるで群れを成した蟻のように隊列を組みながら無駄のない動きで陣地の制圧や鹵獲した物資の確認などを始めた。
「とりあえず、おまけの物資が確保できたのはいいわね。まさかこんなところに敵の陣地があるなんて思ってもみなかったわ。ねぇ、黒ちゃん。あなた知ってたの?」
「いや、知ってはいなかったさ。でも、軍略上怪しいとは思っていたけどな」
「そうなのか?」
「ああ、この辺は交通の要所だからな。こんな重要場所を開けておく方が馬鹿だ」
「でもなんでそんなことを知ってるの?この辺の地図はなかったはずだけど?」
「そんなもの、前から作ってあったに決まっている」
黄巾の乱が始まってからすぐに鴉の一部と奏の伝手で翼州の正確な地図を作り始めていたのだ。どうせ後になって袁紹とことを構える時には必要になるし、何より啄郡のすぐ南に位置する地域だ、調べておいて損はないはずだろう。
そう姉さんと青怜、私は用意された天幕へ入り、すぐさま地図を簡易机の上に開く。そして現在私たちが押さえている幾つもの道が重なる交通の要所、孫子曰く衢地(くち)と呼ばれる場所を指さした
「さてと、ここにいた敵の約一万はすでに壊滅した。問題はこの後をどうするのかだな」
「この拠点は重要だからな、押さえておきたい場所だ。だからと言って主戦場に行かないわけにもいくまい」
「軍を二つに分けるのもこの場合愚策でしょうね。相手は何と言っても黄巾賊、数だけは多いでしょうから兵力を分散するようなことは避けたいわ」
私は青怜の言葉に頷いた。戦力を二つに分けるというにはあまり好ましくはない状況であるからだ。この要所は北の地域と敵の本居地に繋がる場所である。今は敵主力が官軍の相手をしているため、本拠地には必要最低限の守備兵しかいない。だが兵糧などがあるため、その数は数万に上っている。しかも敵大将である張角、張宝が全州から仲間を収集しているため、この場所を援軍や輸送部隊が通る可能性も高い。
しかし、いつまでもここにいては本拠地の攻略戦に遅れを取ってしまうし、それを二つに分けた正規軍の精鋭部隊と言っても相手にするのは無理である。こちらの戦力差が黄巾賊を確実に下回るし、要所としても敵本拠地から結構離れている。敵勢力の中間に位置するが、輸送部隊の最短ルートなだけでそこまで死守するような場所でもない。相手も少し迂回すれば本拠地への輸送もできるし、だからこそ敵は一万の雑魚しか置いていなかったのである。なら兵を無駄に犠牲にするのならすぐに放棄して本拠地攻略のために他勢力と合流するべきである。
「残るか、進むか……」
姉さんが地図を見ながらうーんと唸っている。
「残るならこの地の奪回にどれだけの戦力が来るかわからんぞ?」
「それに守勢となった場合、援軍のあてもないし、ジリ貧になるわね」
公孫軍のみの編成である現在ではこの地を保持するのは難しい。だからと言って敵援軍と幾度も戦うのもただの消耗戦になるだけだ。
「じゃあ、ここを放棄するしかないか」
「いいんじゃないか、地にこだわり続けても愚かなだけだからな」
「それじゃあ官軍と合流すればいいのかしら?」
「ああ、それでいい」
「官軍の位置は大体わかるから大丈夫だ。それよりも休息や補充、戦力の立て直しに少し時間がかかる。今は正確な報告がないからどれくらいになるのかはわからないが、おそらく2日ほどかかると思う」
「わかった。兵たちには随分と無理させたからな、ゆっくりとさせてやってくれ」
とりあえず今後の方針は決まった。要所であるが消耗戦になるかもしれないのでここを放棄して南下し、官軍及び他勢力と合流する。そして黄巾賊の本拠地での決戦の後、残党を掃討しながら帰還する。
後問題なのはここをいつ出るか、だ。今の公孫軍は啄郡から最低限の休息で強行軍をし、さらにそのまま戦闘に突入したため疲弊しているので、彼らには少し休息が必要なのだ。
公孫軍の行軍速度にはいくつかの段階がある。それは戦況に応じた速度であり、今回私たち公孫軍は最高速度での行軍を行ったのだ。そのためすぐに劉備率いる義勇軍は置き去りにして翼州に入った。また余裕のある騎兵にはいく先々での斥候や少数部隊の討伐も行っており、人や軍馬問わず疲弊している。さらに先ほどの戦闘での死傷者の補充や戦力の立て直し、武器や防具の手入れなども合わせて私の見立てでは最低でも2日ほどはかかるだろう。
「よし、とっとと陣を移動して後のことは夜にでも話そう。仕事に戻ってくれ」
「了解した」
「わかったわ」
そう言い残して私と青怜は天幕をでた。
一刀side
白蓮たち公孫軍が地平の遠く走り去った数日後、俺たちは兵糧や義勇軍の都合上、小部隊の黄巾賊を相手にしながら南下をしていた。だが、この道を白蓮たちが通ったのか、いたるところに黄巾賊と思われる死体が無造作に討ち捨てられていた。
「ひどいな」
心底そう思う。だけどこれは仕方のないことなのだろう。白蓮たちは漢の諸侯という立場であり、相手は農民たちが大半とはいえ、漢に反旗を翻した反乱軍。それを放っておくわけにはいかない。それも何大将軍からの勅令ならなおさらだ。
「こんな世じゃなかったら、こうも死ぬこともなかっただろうに……」
沈んだ声でそう言ったのは義勇軍の一隊を率いている愛紗であった。その顔は悲痛と悔しさで歪んでいる。
「本当にひどいのだ」
その後ろから来た鈴々や朱里、雛里も悲しそうにしている。
「ああ、そうだな……」
鈴々の言葉に相槌をうったところで、視界の端に呆然とした桃香の姿があった。よくその後ろ姿を見ると体が小刻みに震えている。
「どうしたんだ?桃香」
「ご主人様……」
その震えている肩に手を置き、俺は桃香に話かけた。彼女の目の前には青年と思われる死体とその父親らしき壮年の男性の死体が互いに手を伸ばした状態で横たわっていた。
「この人たち、元は農民で……親子だったのかな?」
俺はその質問に首を縦に振ることで答えた。
なぜなら目の前にある死体たちは兵とは思えないボロボロの服装で、それにただ頭に黄色の布を巻いたものだったからだ。農民で間違いはないだろう。
そしてこの二人が父と子なのは、互いに手を伸ばして無造作に地面に横たわっているのがそのことを何よりも物語っていた。
死ぬ前にお互い必死に手を伸ばしたはずだろう。
しかし、非情にもその伸ばした手が相手に届くことなく息絶えたのだ。
どんな気持ちだったのだろうか。
死ぬ間際に自分の息子に手を伸ばすことは。
苦痛と朦朧とする意識の中で、悶えながら必死に手を伸ばすことは。
悔しかったのだろうか?
悲しかったのだろうか?
こんな世の中にした漢という国を恨んだのか。
それともただ自らの力のなさを恨んだのか。
俺には全くわからなかった。
俺の知識では黄巾の乱はだいたい飢饉に困った農民の反乱で、三国志の始まりだということしかわからない。
この人たちもそうなのだろうか、食うのに困って黄巾賊になるしかなかったのか。
自分の服装や手を見てみる。
この時代には綺麗な服装で、何も苦労したことのないような……綺麗な手をしている。
体も食うに困ったことのないように健康体だ。
目の前の親子二人を見てみる。
顔は砂まみれで、服装はぼろぼろ。
教科書などにあるがりがりの痩せ細った体。
俺は思い返す。
苦労せずに毎日出てくる暖かい飯、整った服装、少しお金を出せば買える様々な物、あまつさえ遊ぶために金と労力を使っていた現代の日々。
俺には餓死のような状態になったことがないのでそこまで追い詰められた者の辛さはわからない。
でも自分がどれだけ贅沢な生活をしていたのかがはっきりと今わかった。
これが現実か。
仲珪さんに言われたことを思い出す。
現実が見えていなかった……か。
本来この人たちを助けるには武力はいらなかったのだろう。
必要なのは治めるだけの地位と権力である。
俺たちにはその二つのどちらもない。
白蓮たちは?
言わずもがな啄郡太守である彼女には啄郡を救えるだけの地位も権力もある。
でも啄郡の外は救えない。
だからこそ啄郡だけでも救おうとしたのだろうか。
まるで身を貫くようなこの痛みを彼女は乗り越えたのだろうか。
救えぬ命だから、仕方がない犠牲だと割り切ったのだろうか。
それは彼女の身ではない俺には分からない。
平和な時代、安全な場所、豊かな生活……。
自分がどれだけ恵まれてきたのか、今ははっきりと理解している。
でもそれを経験しているからこそ、俺はどうしてもそう割り切ることはできなかった。
傲慢だろうとも、自惚れだろうとも思うけど。
そんな時代を過ごしてきた俺だからこそ、あの時代に近づけるようなことができるのではないかと思う。
この古い時代で、弱肉強食の時代で。
現代の、未来の知識を使った何かが。
そしてそれは今も唇を噛んで隣にいる桃香もそうなのだろう。
彼女は己の理想を実現するための道を模索し続けている。
何かできないかを考えた結果、この場にいるのだ。
「皆が笑って幸せになれる世を作る」
実際に言葉にすれば馬鹿げたものだと思う。
でも、この理不尽な世の中で真っ直ぐにそう正しいことを言える桃香だからこそ、こんなにも馬鹿な事を信じる仲間が集まったのだろう。
俺もその理想を信じた馬鹿の一人だ。
ならこんなところで立ち止まっていつまでもくよくよなんてしておけない。
それに俺は桃香の痛みの半分を背負うと決めたんだ。
そんな俺が桃香よりも沈んでいてはいけない。
支えるんだ、彼女のことを。
だからこそ、俺は自分自身に気合を入れる。
「よし、いつまでもこうしているわけにはいかないな」
俺は沈んだ思考を切り替えるためにそうつぶやくと、はっとしたように周りの桃香たちも頷いて顔を上げた。
「そうだよね、こんなことをなくすために私たちは来たんだから」
「ええ、その通りです桃香様」
「次はどこに行くんだ?」
そう言って俺は朱里たちにこの先どう進めばいいのかを聞いた。
「この先は敵の本拠地に繋がる幾つもの道が重なる交通の要所、衢地があります。そこは敵の輸送路であるので敵が待ち構えている可能性があります。そこそこ重要拠点なので押さえておきたい場所ですね」
そう地図を広げながら朱里は俺たちに説明する。俺は彼女が広げた地図を上から覗き込むと、そこには道などしか載ってない簡易な地図だったので不思議に思った。そのことを正直に問う。
「なぁ、朱里」
「はい、何かありますか?」
「いや、それって地図なのか?」
「はい、これが一般的な地図ですよ?」
そう真顔で言った彼女の言葉に、俺は驚きを隠せなかった。なぜなら白蓮たちのところで見た地図は正確な物であったからだ。大体どれくらいの距離があるのか、何日かかるのか、どこに有利な地形があるのか、記載されてない地形などはほとんどなかった。
「……どうかしたのですか?」
「いや、白蓮たちのところで見た地図にはいろんなことが書いていあったから。そっちの方が本当の地図だと思っただけ」
そういうと朱里と雛里はやはりですか、と互いに頷いた。
「どういう意味なんだ?」
「軍略上の地図は官軍が持っているだけで、本来の一般的な商人などが使う地図には記載されないのです」
「……商人などは普段道を通るだけで、軍略上の情報は必要ないから、です」
「それに地形は軍略上重要な情報です。それを無暗に漏洩させないようにほとんどの場所ではかなり厳重な保管されているはずです」
「でも白蓮たちは賊討伐の際に見せてくれたぞ?」
仲珪との軍議を思い出す。正確な地図の上でここが賊のアジトだ、とかこの道が一番早いとか説明してくれた。
「それはご主人様たちに賊討伐を一任されていたからだと思いますよ。いくら治安のよい啄郡であっても賊はすぐにわくものですから。何回も出陣されたのではないのですか?」
「ああ、近場だったら数日おきに愛紗たちが出て行ったぞ」
なぁ?と俺が目で愛紗に同意を求めると、その通りですと黙って彼女は頷いた。そして俺に続けて口を開いた。
「それにあの時は白蓮様たち大変お忙しかったですから、私たちがほとんど討伐に出ていました。今考えれば面倒事を任されていただけのように思いますね」
「確かに」
愛紗たちが討伐に出ている間に、白蓮たちは様々な軍団の連携演習などを行っていた。本来討伐に出ているはずの部隊もそこに加わり、さらには新兵の初陣としてその討伐の場をも利用されていた気がする。
「それにそれほどの地図になるとおそらくですが、仲珪様が独自に調べ、作りだしたものだと思いますよ」
「……だから私たちに渡されたものは、このような一般的なものなの、です」
朱里と雛里が地図を指さしてそう答えた。
「まあ、そのことはいいとしてとりあえずこの先に斥候をお願いします。それと私たちは進軍準備をしましょう」
「わかったわ、朱里ちゃん」
そうして俺たちはこの先にある交通の要所である衢地へと向かって進軍する。
そこにここ以上の地獄があるとも知らずに。
桃香side
あの親子の死体があった場所からさらに道を進んだ先、朱里ちゃんが衢地と呼んだ交通の要所につくと、そこには更なる地獄が待っていた。要所なので軍の陣地があったことはわかるがそれらの燃やし尽くされ、灰のみが残っていた。
「これはいったい……」
隣でそうつぶやいたのは愛紗ちゃんだ。どうやら周りを見渡して呆然としている。それはそうだろう。私もこの光景を見た時に思わずただただ呆然となってしまった。
それは灰の陣地の近くの平野に数千、いや1万以上の黄巾賊の死体が広がり、積み重なっていたのだ。それも明らかに大きな戦で殺されていた。
そう呆然としてその戦の跡を見ていると近くの林の隅で微かに音がなったことに気が付いた。それに気が付いた私と愛紗ちゃんがそちらに向かうと、林の隅の小さな岩場のすぐ傍で一人の男性が同じようにただただ呆然として戦の跡を眺めていた。
「あの……」
「お持ち下さい!桃香様!!」
私がすぐさまその男性に近づこうとしたところで愛紗ちゃんに腕を掴まれて無理矢理止められる。
「どうして止めるの?」
そう言って愛紗ちゃんを睨むと、手の持った偃月刀を構えながら油断なく彼女は答えた。
「落ち着いてください、桃香様。こいつは黄巾賊です」
と頭に巻いている黄色の布を指さした。つまりこの呆然としている男性はここにいた黄巾賊の敗残兵であり、目の前の地獄を生き残った者であった。それをすぐに気が付いた彼女が私の身を案じてくれているのだ。そのため、私はおとなしくこの場を彼女に譲る。
「用心のため、私が話を聞きます」
「お願い、愛紗ちゃん」
そして彼女は私から離れて油断なく男性に偃月刀の刃を向けながら問い始める。
「お前は黄巾賊か?」
「……ああ」
愛紗ちゃんが質問すると、男性は無気力にそう答えた。
「私たちは義勇軍の者だ。投降しろ、そうすれば身の安全は約束しよう」
「……好きにしろ。もう俺には帰る場所も家族もないんだ」
男性は疲れたようにそう言ったまま、この場を動こうとはしなかった。
「そうか……」
それを聞いた愛紗ちゃんが悲痛な顔で偃月刀の刃を納める。
「ここで一体何があった?」
「……いきなり攻撃があって、気が付いたら俺たちが負けていた」
「どこの軍にやられたのかわかるか?旗とかは見てないか?」
「……字が読めないから旗の文字まではわかねぇが、……相手は確か公孫って名乗ってたぜ」
「これを行ったのは白蓮様たちが……か。わかった、ありがとう」
連れていけ!と愛紗ちゃんが部下に告げると、彼は引きずられるように覚束ない足取りで兵に連れて行かれた。
「そういうことです、桃香様。ここの戦は、その、公孫軍……白蓮様がおこなったようです」
それは彼の話を聞いていた私も理解している。だけど私がこのことが、まぎれもない現実だということを受け入れられなかっただけ。
これが現実だと言うの?
あの時、仲珪様が私に言ったことなの?
そのことを私は実感した。いや、山のような犠牲者の前で実感させられたのである。
現実を私は知らなかったの?
こんなにも無情に、世の中で簡単に犠牲者が出るなんて。
だからこそ、白蓮ちゃんは力と地位を欲したのだろうか。
少しでも多くの命を救うために。
あの優しいお人好しの親友が命に優劣をつけて、自らの手を真っ赤に血で染め上げてまでも、苦渋の決断をして割り切ったのだろうか。
今なら親友がその選択をした気持ちがわかったような気がした。
私は気が付かぬうちに自分の胸を両手で押さえていた。
その胸の奥は痛い。
とても痛い。
その痛みはまるで本物の刃が胸に刺さっているように鋭く、そしてこの身がばらばらに張り裂けそうなほどに強烈だ。
でも私は白蓮ちゃんのように割り切ることはできない。
そんな悲しく、哀れで、非情な、人間らしくないことはできないし、したくもない。
乱世の犠牲者として仕方なく打ち捨てられていく人々を私は助けたいと思う。
それを他の人たちに愚かと呼ばれたとしても。
馬鹿げていると嘲笑されたとしても。
そのことを自覚した私は俯いていた顔を上げ、空を見上げる。まるで私の落ち込んだ心を慰めるように雲一つない真っ青な青空が広がっている。
そして次に地に目を向け、私の周りを見渡す。
私を心配して気遣うような顔をする愛紗ちゃんが目の前にいる。
少し遠くでは周りを警戒して頑張っている鈴々ちゃんがいる。
そのすぐ隣で一生懸命兵たちに指示を出している朱里ちゃんと雛里ちゃんもいる。
自ら林の中へ生存者がいないかを積極的に探しに行く星ちゃんもいる。
私たちの目的のために進んで義勇軍となってくれた数千人もの兵隊さんたちもいる。
そして何よりも私のこの痛みを、同じように分かち合ってくれるご主人様がいる。
私のこの馬鹿げた理想に付き合ってくれる人が見渡せばこんなにいるのだ。
だからこそ私はこの理想をあきらめられないし、そこを目指していきたいと思う。
それにこれだけの仲間が私にはいる。
私は少しだけ傲慢だと感じるけど。
決して叶えられないことはないと思う。
だからこそここで立ち止まっているわけにはいかない。
―――――そう私たちの戦いはまだ始まったばかりだからだ。
誤字脱字等ありましたら教えてくださると助かります。