僕らのLOVE 君とのLIFE〜ラブライブ!×カゲロウプロジェクト〜 作:生きる核兵器
「えっと、はじめまして!」
穂乃果が代表して挨拶をする。
「スクールアイドルμ'sの…」
「高坂穂乃果だよ!」
穂乃果らしい元気な笑みを浮かべる。
「南ことりです」
ふわりと笑う。笑顔の裏には警戒も伺える。
「園田海未です」
きりりと警戒は解いていない。
「凛だにゃ!…こっちはかよちん!」
にゃんにゃんにゃーん、とポーズを取り、嗚咽を漏らす花陽の紹介も済ませる。
「…西木野真姫。よろしくね」
いつもの通り気だるそうに指先で髪を巻く。
「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこ!にっこにーって覚えてらぶにこっ♡」
ポーズをとるにこ。
メカクシ団から失笑が漏れる。
「ちょっと、なによー」
ムッとした顔をするにこ。
「まぁまぁ…うちは東條希!スピリチュアルやね!」
「希、にこ…!…私は絢瀬絵里。」
絵里が少し牽制をしつつも自己紹介を終わらせた。
「へ〜ぇ…個性的な子が多いみたいだね?」
カノがにやにやと話しかける。
その目からは真意は伺えない。
「…カノ。」
キドは少し怒り気味。
雰囲気で小動物なら殺せそうだ。
「俺達はメカクシ団。」
「俺はNo.1、キド…木戸つぼみだ。」
よろしく頼む、と微笑する。
ほえー、綺麗な人…と凛が呟くと恥ずかしそうに苦笑した。
「No.2、セトっす!」
「…こいつは瀬戸幸助。セトと呼んでやってくれ。」
キドが付け加える。
「僕はNO.3、カノ…鹿野修哉だよ〜」
にまにまと笑うカノの表情は読めない。
穂乃果が心なしか目が赤い…?と思った時、キドが目にも留まらぬ速さで脇腹に拳を入れた。
「ぐはっ!?」
赤い目が消え、そこには不安な顔で涙を浮かべる少年が居た。
「…どうした、カノ。」
「…っ、僕…」
何かを言いたげに含みを持たせるカノ。
「奥で聞こう、自己紹介を続けていてくれ。」
カノとキドが奥へ消える。
μ'sには今起こったことが把握出来なかった。
「頑張るっす、マリー!」
「うんっ!わ、わたしはNo.4のマリー…小桜茉莉だよ!」
顔を真っ赤にして自己紹介をする少女。ふわふわと白い髪が可愛い…と凛は思った。
「マリー…」
真姫が思わせぶりに呟いた。
「なんすか?真姫さん!」
「あ、いやその…エリーにちょっとだけ似てるな…と。それだけよ?」
悪い印象を与えたかしら、ごめんなさい、とバツが悪そうな顔をした。
「…私に?」
絵里が驚いた表情を見せる。
「ええ、エリー、マリー…似て…ないかしら?」
「…似てる!」
マリーが少し大きな声を出す。
満面の笑みで嬉しそうだ。
「…もういいかな」
「いいんじゃねぇか?」
「ごーごーっ!」
モモとシンタローとエネだった。
「わ、わたしは如月モモ…なんて、わざわざ言わなくてもいいかな?」
えへへ、と笑うモモ。
「き、如月さん、お久しぶりですっ」
花陽が立ち上がりぺこりとお辞儀をする。
にこも慌てて同様に。
「あ、いいよ!大丈夫だよ気を使わなくて!」
あわあわ、と手を振る。
「如月さんのラストアルバム、買いましたっ!」
花陽はさっきまでの人見知りはどこへやら、ここが良かったあそこが良かった、あの曲が入っていたのが良かったその曲が…といやに饒舌。
「か、かよちん?そろそろ…」
凛に止められるまで15分は話していた。
「あ、ありがとうね…」
さすがのモモも引き気味だ。
「…俺はシンタロー…如月伸太郎。モモの兄貴、だ」
対人スキル皆無な自己紹介をかますシンタロー。
「童貞引きこもりニート略してシンタロー、ですよ!みなさん!」
「エネこのやろ!」
シンタローが怒ってスマホの電源を切るとエネがひょこっ、と色々な電子機器に出てきてはトドメをさしてゆく。
「やめろ!電源つけるから!な!」
シンタローがぷち、と電源を付けるとしゅん、とエネがもどってきた。
ぴろりろりん♪
てーててってーてってってってー♪
ぴこん♪
ぴろろろろ♪
…至る所から着メロが流れる。
「…?何かしら。…見ても?」
「どうぞっす」
真姫がポチポチ、と見ると…
「何かしらこのファイル…」
「…」
「歌詞ファイル…?」
いつの間にか自らにも送られてきていたファイルを開いていた凛が読み上げた。
その瞬間、シンタローの顔が真っ赤になる。
「アッ…!?エネおま…消してください!忘れてください!」
シンタローはわたわたと慌てる。
「…消したわよ。」
「消したにゃ!」
「私も…」
「…にこも…」
μ'sらは素直に消してゆく。
いつの間にか戻ってきていたカノがつまらなそうな顔をした。
「っはぁ〜」
シンタローはすとんと座りこみ、顔を覆った。
「…もうやだ…帰りたい…」
捻り出すような声に、エネはぷぷぷ、と笑う。
「…もう喋ってもいい?」
声を上げたのは10歳程度だろうか、小さな少年だった。
「…ヒビヤ。雨宮響也。…はぁ。」
うんざり、と言った様子で溜息をついた。
「ぼ、ぼくはコノハ…」
コノハと名乗る青年はエネに似た雰囲気で、どこか電脳的だった。
「…これで自己紹介は終わり、ね。」
「長かったにこー」
真姫が締めるとにこがはー、とため息をついた。
「あはは、全部で19人のはずなんだけど、なーんか長引いちゃったね?」
カノはそう笑い、シンタローに視線を送る。
「…俺のせいだと言いたいにしても、アレはエネのせいだろうが。」
「だーれもそんなことは言ってないよー?」
もしかして自分のせいだと思ってるとか、と続けようとしたカノはキドに鉄拳制裁を加えられる。
「ゴフッ…」
「さわがしくてすまないな。」
「い、いえ…」
「もー、キドー?穂乃果チャンが引いて…グハァッ!?」
「誰のせいだ、馬鹿…」
あはは…とことりは苦笑する。
絵里は殺伐とした部屋ながらも和やかなこの空気が愛しく、永遠に続けばいいと願った。