僕アカの世界に転生した。 作:円堂 雷
僕のヒーローアカデミアの世界に転生してから既に10年と少し。
その頃の照美は個性の把握に勤めていた。
その結果分かったことは幾つか。
・ヘブンズタイムを使用中は攻撃不可。
包丁とか持っても、鶏肉などを切ることが出来ないのである。
ただし、飛び道具を使い、相手に当たる瞬間にヘブンズタイムを解除するなどをしたら攻撃は通じる。
・ヘブンズタイムに限り、使いすぎると眠くなる。
・翼は自由に出せるし、自由に飛ぶことができる。
・サッカーボールにふれていれば、身体能力が(何故か)増す。
・サッカーボールを蹴ると何故か白い光を纏って超絶威力になるという個性が発見。な
ただし、野球ボールやテニスボールを蹴っても効果はない。
・ゴットブレイクはサッカーボールを通じなければただの凄いかかと落とし
・本人の身体能力も凄い。
こんな所である。
ちなみに現在、照美は亜風炉家の中にあるトレーニングルームで汗を流している。
(何処かの少年探偵みたいに、サッカーボールを蹴って事件を解決するヒーローには成れると思う。ただ、サッカーボールが何時でも出せるとは限らない。その為にはもっと体力をつけないと…)
ちなみに、現在照美の夢はヒーローになることである。
転生当初こそ、会社継げばいいじゃん。人生イージーモード。と思っていた照美だが、ある時、事件に巻き込まれ、その影響からヒーローを目指している。また、この夢は両親共に応援してくれており、親バカさも相まってやたら豪華なトレーニングルームも作ってもらっていたのである。彼がヒーローを目指すきっかけとなった事件についてはまた今度話そう。
「坊ちゃま。百様がお見えになりました。どういたしましょう?」
「いつも通り、こっちに通して。」
「かしこまりました。」
使用人の口から出て来た百という人間。
この人は原作にも出て来た八百万 百である。
もともと、同じ学校に通っているという共通点はあったものの、ほとんど接点もなかった二人であるが、照美と偶然同じ事件に巻き込まれ、そこからスタートした関係は、共にヒーローを目指す良きライバル兼親友になっている。
さて、そんなこんなで、百はトレーニングルームに着いたようだ。
ちなみに、百は亜風炉家の人間の案内が必要ないくらい、この家に来ている。
「照美さん。お待たせいたしましたわ。」
「おお、百。よく来たね。それじゃいつも通り始めようか。」
百が個性でサッカーボールを作り、それを照美は蹴り続ける。
お互いに個性を使い続ける持久力や、集中力を鍛える為だ。
「ん?今回のサッカーボールは割と丈夫…結構全力で蹴ってるのに破壊しない。」
「ふふふ…気づきましたか?つい最近ですが、私は防弾チョッキ等の勉強をしまして、その素材を使ってサッカーボールを作ったのですの。」
簡単に言ってるが、百の個性では、何でも作れるという利点があるものの、物質の分子構造から理解する必要がある。僅か10歳の少女が防弾チョッキ等の構造を学ぶなど、並大抵の事ではない。
「おお、それはすげー。んじゃ、ラストにどでかいのやってみますか。」
翼を生やし、サッカーボールと共に飛び上がる。そして、一回転して、かかと落とし。
(ゴッドブレイク!)
このセリフは聞かれたら恥ずかしいので心の中で目一杯叫ぶ。
ジュドーン!!
「流石照美さんですわ…自信を持って作ったサッカーボールが破れるなんて…」
「いや?そうでもないぞ。あそこ見てみろ。破壊された後がある。
あれはサッカーボールがあそこにぶつかったという証拠だ。
だから確実に百のサッカーボールも強くなっているぞ。」
「でも…まだまだですわ!私がサッカーボールを作って、照美さんが蹴る。そしたら最強のタッグになりますわ!そしてゆくゆくは…ゴニョゴニョ」
「ん?最後の方なんか言ったか?」
「い、いいえ何でもありませんわ!」
「そっか、まぁ二人で一緒にトップヒーローになろうな!」
「はいですわ!」
(本当はタッグだけでなくて、夫婦になりたいだなんて…まだ恥ずかしくて言えない…)
照美はいつの間にフラグを建てていたのであろうか。
「ん?どうした?顔赤いぞ?」
「…!!いいえ!大丈夫ですわ!さぁ早く別の…ランニングでもしましょう!」
照美は鈍感系である。
そして、二人で互いに切磋琢磨し合ってまた数年。
照美は言わずもがな。百も原作よりも既に強くなってしまっている。
そんな二人も中学生。
照美は原作(イナズマイレブン)のアフロディの線を若干太くし、髪を短く切った感じである。
百も、既にそこらの大人なら余裕で黙らせることができるプロポーションを持っており、何故か原作(僕アカの方)よりも目つきが優しいイメージを受ける。
そんな二人は現在、国立雄英高校の推薦受験を受けていた。