ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

前回の感想の無さを見て、今の私の戦闘シーンでは皆様の心を踊らせたり、滾らせる事が出来なかった事を反省してます。

次の対決時には、皆様の期待に答えられる様にしたいです。

では、今回も良ければ見てってください。


迷子のSAINT

ヴァーリside

 

処罰が終わり、ゲームエリアを解除して旧校舎に戻った俺達は倒れた錬二をそのままにしてソファーに座った。

 

「グレモリー、今回はこの程度だが次からはどんどん痛みのリミッターが外れていく。早めにルールを覚えさせておけ。」

 

「申し訳ありません、早急に覚えさせておきます。」

 

「悪魔ってのも色々面倒そうだな?」

 

「ああ、この土地は悪魔が管理してるという事になってはいるが、本来の所有者は日本神話なんだ。」

 

日本神話の神々は放任主義らしいが、自分の土地を乱すものには容赦がない。そして人間界での活動拠点が欲しかった悪魔が日本神話との交渉の末に幾つかの土地の管理を任された。その代わり管理がキチンと行われない場合は管理者を抹殺後、残りの悪魔はその土地からは速やかに出ていく決まりになっている。活動拠点を減らしたくない悪魔は厳しい審査を抜けた者で選りすぐり、この罰則もしっかり管理をやってますというアピールの意味合いもある。

 

頭を下げるグレモリーを一瞥して、俺は次の話題に入る事にした。

 

「ところで、例の件はどうなった?魔王様に聞いたのだろう?」

 

「はい、相手は堕天使でしたのでお兄様から堕天使総督に確認をとってもらったところ、この地への命令は出していないそうです。独断らしいので処分はこちらで決めていいと話を頂きました。」

 

「やはりか…」

 

二人が襲われたという事はつまり、国木田かルビィのどちらか若しくは両方に、神器が宿っている可能性があるのか……

 

「ねぇヴァーリ君、たぶんだけど堕天使はルビィちゃんを狙ってると思う。」

 

「梨子?それは確信があるのか?」

 

「うん、前に二人で出掛けた時にはぐれを退治したでしょ?その前のルビィちゃんの反応はもしかしてって。」

 

「確かに…」

 

あの距離であそこまではっきり見えるのはおかしい。

 

「そういやたまに、よく見えたり聞こえたりするって言ってたな。」

 

その一誠の言葉で、俺の中での疑惑は確信に変わった。

 

「なら、今から会いに行くとしよう。」

 

この場合、急がないと再び堕天使に襲われる可能性が出てくる。

 

「我々は改めて管理の徹底と、彼の教育を急ぎます。」

 

「頼む。」

 

ソファーから立ち上がり、彼女の言葉に返事してすぐに旧校舎を出ようとしたが、イッセーが俺の前に立ち塞がった。

 

「俺も行かして貰うぜ?またあのアマと戦えるんなら、この前の借りを返さねぇとな。」

 

「……駄目だと言っても聞かないだろ?なら、来い。」

 

「サンキュー。」

 

「あ、兵藤君。ほんの少しだけいいかしら?」

 

「あ?」

 

イッセーも連れて行こうとするも、更にグレモリーに止められる。

 

「なんすか?」

 

「一応のダメ元なんだけど、貴方も私の「嫌だね。」……やっぱりね。」

 

「当たり前だ。そのクソ兄貴がいる時点で、あんたの仲間になる気はサラサラねぇよ。」

 

「そうね……ごめんなさい、呼び止めてしまって。」

 

「全くだ。」

 

「急ぐぞ。」

 

グレモリーを一瞥すらイッセーを連れて今度こそ旧校舎を出る。

 

「やっぱりそれが答えか、相変わらずお前は面白いな……一誠。」

 

それを見ていた男がいたことに気づかずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子side

 

あれから私達はルビィちゃんの家に向かっていたんだけど……

 

「ねぇねぇ梨子ちゃ~ん、ヴァーリ君とデートしてたって本当?」

 

「で、デートじゃないよ!?ただ、研究に行き詰まってたみたいだから、息抜きに誘っただけで…」

 

「二人っきりで?」

 

「うっ…………途中までは…」

 

「ふ~ん、そっか~…」

 

さっきから千歌ちゃんにこの前のヴァーリ君との気晴らしについて、質問攻め(威圧付き)を受けています……

 

なぜこうなっているのかと言うと、実は千歌ちゃんもヴァーリ君が好きなんだけど、本人がまだそれを恋と自覚していないんです。

 

今は兄妹みたいな状態だけど、もし千歌ちゃんが自分の心を理解しちゃったら、私にとって最大のライバルになっちゃいます。

 

「私に内緒でそんな事してたんだ~……ちょっとO☆HA☆NA☆SIしない?」

 

「え、遠慮しますッ‼‼」

 

ハイライトが消えかかった瞳で見つめられながら、呟かれた言葉を私は全力で首を横に振りながら拒否した。

 

「ま~ま~、遠慮なんかしないでさぁ?」

 

「ひぃッ‼」

 

それでもなお迫ってくる千歌ちゃんから逃げるため、助けを求めようと鞠莉さんやよっちゃんに視線を向けたら……

 

……ササッ‼

 

ものすごい早さで逸らされました。

 

(この薄情者ぉ~‼)

 

心の中で愚痴り、最後の頼みとしてヴァーリ君の方を見たら……

 

「おいルシファー、サバイバルゲーマーの方の動き、もっと良くならねぇのか?」

 

「ああ、それに関しては二段階のリミッターが…」

 

一誠君と話していて、こっちに全く気づいていませんでした……

 

(どうしよどうしよどうしよどうしよッ!?)

 

この絶体絶命のピンチに、思考をフル回転させていたら……

 

「おーい、飲み物買うけど何がいい?」

 

「あ!私、オレンジジュース‼」

 

ヴァーリ君の質問に、ハイライトを再び輝かせて彼の所へとスキップしていった。

 

「た……助かった…」

 

千歌ちゃんの瞳が戻った事に、安堵の息を吐いたら……

 

「梨子ちゃ~ん‼後でちゃ~んと、O☆HA☆NA☆SIしようね~‼」

 

「ア、ハイ…」

 

ヴァーリ君には見えない角度で、完全にハイライトの消えた瞳で私を見て、死刑宣告を受けました。

 

「梨子……good luck。」

 

「骨は拾ってあげるわ。」

 

「他人事だと思ってぇ~…」

 

いつの間にか隣に来ていた鞠莉さんとよっちゃんに優しく肩を叩かれ、私はこの先の未来に泣く事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜side

 

皆さん、ヨーソロー‼渡辺曜です‼

 

今日は果南ちゃんのお友達のダイヤ先輩にいきなり呼ばれ、お宅にお邪魔してます。

 

「え~と……何で私、呼ばれたんですか?花丸ちゃんと一緒に…」

 

そしてある一室に通され、花丸ちゃんと一緒に座って前にいるダイヤ先輩とルビィちゃんを見る。

 

「実はお二人に果南さんと一誠さんの仲直りに協力してもらいたいのです。」

 

「仲直り……ですか……」

 

「ええ、最近の果南さんはどこか寂しそうな表情をする回数が増えていまして……私は友達として、何とかしたいと思ってるんです。ですけど、今回は複雑な事情ですのでどうしたらいいかと……」

 

ダイヤ先輩の思いは私も分かる。私自身がそうしたいと思っているからだ。でも……

 

「私は…………今は難しいと思っています…」

 

「渡辺先輩?」

 

「どうしてそう思うズラ?」

 

「理由を聞いても?」

 

「たぶんですけど、イッセー君は果南ちゃんの今後を気にしてるんだと思うんです。受験時期なのに自分のような不良に関わっていたら、将来に何か悪影響があるんじゃないかって…」

 

最近は悪い生徒が不祥事を起こす事なんてざらにあり、そういうのを敬遠している学校は多い。もし、そういう繋がりがあると知れれば、巻き込まれるのを嫌がって合格を取り消される可能性だってある。

 

「だから、今二人を仲直りさせるのはかなり難しいと思います。」

 

「確かに、その可能性は否定出来ませんわ…」

 

「あ…あの……どうして…………先輩は…喧嘩をするように…なったんですか?」

 

「それはイッセー君の過去に関係してるの。」

 

「過去?」

 

首を傾げる花丸ちゃんに、私は頷く。

 

「イッセー君のお兄さんの兵藤錬二はご存知ですか?」

 

私が3人に聞くと、全員が頷いた。

 

「彼は確かに頭は良いし運動も出来て性格も良い ……でも、それは猫を被っていて本当の性格は自分中心で、周りの人全てを見下しているし、女の子には露骨にイヤらしい視線を向けてくる奴なんです。」

 

「それは分かりますわ。私も1度現場を見ましたから。」

 

「マルも‼」「わ、私も……です。」

 

それを聞けて、私は少し安心した。彼女達は信用出来ると。

 

「でも、外面の性であまり露見はしてません。そしてイッセー君は普通の男の子だった。だからこそ小さい頃は周りから比較ばかりされて、【自分】というものを周りから見てもらえず、兄の付属品か出来損ないと陰でずっと言われてたんです。」

 

あの頃のイッセー君は本当に酷かった……周りを誰も信用せず、私達以外と喋っている事なんてほとんどなかった。

 

「そしてある日、その兄に群がっていた男の子達と喧嘩になって、がむしゃらに戦っていたらいつの間にか勝ってて…その後の相手の言葉が今のイッセー君を作ったんです…」

 

「言葉?」

 

そう、それは他人からしたら何でもない言葉だけど、イッセー君には特別な意味を持っていた。それは……

 

「【覚えてろよ、兵藤一誠】です。」

 

「へ?」

 

「それって悪役とかがよく言うセリフですよね?」

 

花丸ちゃんの疑問に私は頷いた。

 

「普通にみればただの捨てセリフにしか聞こえない………………だけど、イッセー君からしてみれば、始めて誰かに自分を【認められた】んです…」

 

そう、この言葉には相手に自分という存在を認めさせたという意味があった。ただし仲の良い【友達】ではなく憎き【敵】として…

 

「なるほど、戦って相手を倒し自分という【個】を認めさせる……それが彼が喧嘩を始めた理由なんですのね。そして貴女が彼を止めない理由も判りました。」

 

「…………今のでそこまで分かっちゃったんですね…」

 

あの時の事を思い出すと、今でも悲しい気持ちになる。

 

でも、私達に止める事なんて出来るはずが…………

 

------ピンポーン。

 

「ッ‼」

 

そんな事を考えていたら、先輩の家のチャイムが鳴り、私は思考の海から戻された。

 

「はーい。」

 

ルビィちゃんが玄関まで行くと、今度は駆け足で戻ってきた。

 

「お、お姉ちゃん‼お姉ちゃん‼」

 

「何ですの、はしたない。いいから落ち着きなさい。」

 

「ひ……兵藤先輩達が来たの‼」

 

「「「ええッ!?」」」

 

ルビィちゃんから教えられた事に私達は驚いた。

 

な、何でイッセー君がここに!?

 

「皆さん、さっきのは内密にお願いします。バレては警戒されてしまいますから。」

 

ダイヤ先輩の言葉に頷いてから数秒後にイッセー君達が入ってきた。

 

「失礼します。」

 

「ん?曜もいたのか。」

 

「う、うん‼ちょっとお呼ばれして…ね、花丸ちゃん?」

 

「は、はいズラ‼」

 

「それで、どの様なご用件で?」

 

姿勢を直したダイヤ先輩がルシファー君に聞くと…

 

「先日のルビィちゃんと国木田さんが襲われた理由が判明しましたので、その確認をしたいと思いまして…」

 

「ッ‼本当なのですか!?」

 

「はい、なので…」

 

そこでルシファー君や千歌ちゃん達は目を瞑って、瞑想?みたいな事をすると何か空気が変わった様な気がした。

 

「これでよし……ルビィちゃんに国木田さん「あ、花丸でいいです。」なら、花丸ちゃん達はこうなりたいとか思う自分を強く想像してみてくれないか?」

 

「「?」」

 

二人は訳が解らないといった感じだったけど、とりあえず想像するために目を瞑っていたら、花丸ちゃんの右目に片眼鏡が付いた。

 

「へ?な、なんズラぁぁぁぁぁッ!?」

 

「ヴァーリ君、これは?」

 

「確か……【完全解析の片眼鏡(コンプリート・アナライザー)】だな。モノクルの中に映っている人や物の、あらゆる情報を見ることが出来る物だ。」

 

「スゴいスゴい、未来ズラ‼……およ?ルビィちゃんは27回でダイヤさんが53回なんだ~。」

 

「花丸さん?それはなんの回数ですの?」

 

「そこの障子を子供の頃の二人が破った回数。」

 

「「ピギャアアアアアアアアッ!?!?」」

 

花丸ちゃんの言葉にルビィちゃんとダイヤ先輩は、顔を赤くしながら急いで口を塞いだ。

 

「ん~ッ‼ん~ッ‼」

 

「何恥ずかしい過去を暴露してますの、貴方は!?」

 

「先輩の前でそれは止めてぇ~‼」

 

その光景に私は苦笑いしか出来なかった。というか、ダイヤ先輩って小さい頃はお転婆だったんだ……

 

「おかしいな……予想だとルビィちゃんが神器を持っていると思ったんだが…」

 

「相手が勘違いしてたとか?」

 

「ねぇ、そもそも神器って何なの?」

 

私は聞き覚えのない言葉に、ルシファー君達に訪ねると……

 

「あ、そういえば前に説明するって言ってそのままだったっけ?」

 

「どういう事だ、梨子?」

 

「ダイヤ先輩がルビィちゃんから裏の事情を聞いちゃって、ここの皆にもそれを聞かれちゃったの。だから説明しようとしてたんだけどそのままになってて…」

 

「なるほど、なら俺が説明しよう。」

 

そこからはルシファー君の説明会となり、話された内容はどれも驚きのものばかりだった。

 

「改めて聞くとこの世はまさにファンタジー……ですわね…」

 

「しかもマルの神器は神様の贈り物だったズラか!?」

 

「まあ、そんなところですね。」

 

「じゃ……じゃあ、ルビィから神器が出てこないのは…」

 

「たぶん、感情の高まりが弱いからだろうな。」

 

「あッ‼マルに良い方法があるズラ‼」

 

そこに何かを閃いた花丸ちゃんが、ルビィちゃんに耳打ちすると顔が一気に赤くなり……

 

「ぴぎゃあああああああああああああッ‼‼」

 

叫び声を上げたら、ルビィちゃんの耳にイヤリングが出てきた。

 

「やった、大成功ズラ‼」

 

「花丸ちゃん、何て言ったの?」

 

「教会で純白のウエディングドレスを着たルビィちゃんが、番長先輩と誓いのキスをするところを想像してみてって。」

 

あ~……それは効果抜群だね。ちょっと羨ましいかも……

 

「やっぱり、ルビィちゃんも持ってたんだ。」

 

「ルシファーさん、ルビィのこれは?」

 

「【索敵捕捉の耳飾り(サーチング・センシティブ)】ですね。これは視覚や聴覚を強化したりする神器です。」

 

「ほっ……とりあえず危険な物ではなさそうですわね。」

 

神器の能力を聞いたダイヤ先輩は、安堵したのか息を吐く。

 

「しかし、この能力は敵も欲しいと思うものです。今後、狙われる可能性も否めません。」

 

「で、ではどうすればッ!?」

 

「良い護衛がそこにいますよ?」

 

ルシファー君はそう言うと、イッセー君を見た。

 

「おいルシファー、なんのつもりだ?」

 

「なに、お前にも損はない話だ。奴等は彼女達を狙ったが、お前に阻止された。だが、向こうが何かを企んでいるなら再び襲いに来ると思うが?」

 

「なるほど……良いぜ、その話乗った。」

 

「ち、ちょっと待って‼」

 

二人の会話に私は思わず割り込む。

 

「それってまた堕天使と戦うって事だよね!?危険だよ‼それに朝約束したよね、無茶しないって‼」

 

「悪いけど、今だけは見逃してくれ。俺も向こうに狙われてるみたいだからな…安心しろ、対抗策ならあるからよ。」

 

そう言うと、懐から鞠莉先輩達が使っていたのと同じガシャットを取り出した。

 

「それって…」

 

「あのクソ兄貴がかなり危ねぇ神器を持ってるみたいでな。その対抗策としてルシファーがくれたんだよ。」

 

「俺はお前を気に入っているから、死なせるのは惜しいんだよ。」

 

「でも一人じゃ…‼」

 

「安心してくれ渡辺、護衛役は俺や千歌達も加わる。さすがに一人だけでやらせはしないさ。」

 

「むぅ…」

 

ルシファー君にそう言われ、一応引き下がる。

 

千歌ちゃんや梨子ちゃんは分からないけど、鞠莉先輩や善子ちゃんの強さはこの前見たから確かに安心ではあるし、同じ力を持ってるならイッセー君の相手が化け物でも負けるとは思えないし…

 

「……わかった、その代わり帰ってきたら果南ちゃんと仲直りして。」

 

「うぐ…‼……わかった、約束する…」

 

「なら、良し。」

 

私が足した条件に一瞬嫌がったが、結局イッセー君の方が折れた。

 

これで仲直りの方も解決の糸口が出来た‼

 

「話が纏まったなら時間も遅いし、帰るとしよう。」

 

ルシファー君の言葉に時計を見たら19時を越えていた。

 

「あちゃ~、もうこんな時間だったんだ…」

 

「俺達が花丸ちゃんを送っていくから、お前は渡辺さんを送ってけよ。」

 

「言われなくても。」

 

「皆さん、気を付けて帰ってくださいね。」

 

黒澤姉妹に見送られながら、私はイッセー君と一緒に家路に着く。

 

「ねぇ……本当に大丈夫なの?」

 

「ん?」

 

「貰った力がどんなのかは一応知ってるけど、本当に危険じゃないよね?」

 

喧嘩を始めた頃やこの前みたいに傷だらけになった姿を想像してしまい、私は少し怖い気持ちに襲われる。

 

「心配すんな…………つったら、この前の二の舞か。なら、必ず無事に帰ってくるって約束する。これならどうだ?」

 

心配そうな私を見たからなのか、そう言ってイッセー君は私に右手の小指を出してきた。

 

「……わかった、約束だからね?」

 

私も右手の小指を出して指を絡ませる。

 

「んじゃ、これ以上遅くならねぇ内に帰るぞ。」

 

「うんッ‼」

 

指をほどいた私はイッセー君の隣に並び、彼の左腕に自分の腕を絡めた。

 

「いきなりどうした?」

 

「ん~?たまには子供の頃みたいにしようかな~って。」

 

「まあ、構わねぇけど。」

 

イッセー君は平気そうだったけど、私は内心高まる気持ちを抑えるのに必死だった。

 

(勘違いするな……私はこの気持ちを伝える資格なんてないんだから…)

 

そう、自分の心に何度も告げながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南side

 

「ハァ~……気晴らしに出掛けてみたけど…」

 

あの喧嘩から数日……イッセーと会う機会がなく、勉強の方にも身が入らない日々が続いたので、今日は休憩日にして一人で出掛けていたんだけど……

 

「一人だとあんまり楽しくないな…」

 

移動式店舗で売ってたドーナツを食べながら町を歩いていても、あまり楽しめずにいた。

 

「やっぱり曜ちゃんだけでも誘えば良かったかも…」

 

そんな軽い後悔をしてたら、視界に金髪の女の子が紙を片手にあたふたしていた。

 

「?……どうしたんだろう…」

 

気になった私はその子に声をかける事にした。

 

「どうしたんですか?」

 

「ッ‼」

 

私の声にその子は驚きながらこっちに顔を向けた。

 

(うわっ…結構可愛い子…)

 

その子の顔は整ったお人形さんみたいで、翠の瞳がとても綺麗だった。

 

「えっと…………何か困ってる?」

 

「~~~~~~~~~~~~~~~ッ‼」

 

声をかけたのは良いが、私はそこで1つの誤算に気づいた。

 

(えっと、どこの国の言葉だろう?英語じゃないみたいだけど…そうだ、あのアプリを使ってみよう‼)

 

あまり聞いた事のない言語だったので、少し戸惑ってしまった時、あるアプリがあったのを思い出してそれを起動させる。

 

すると画面にマイクが表示されたので、私はそれに話しかける。

 

「貴方の名前は?」

 

そしてそれを女の子に渡し、耳に当てるジェスチャーをすると彼女も解ったのかスマホを耳に当てた瞬間、彼女の表情が変わり、私がさっきやったみたいにしてスマホを渡してきたので、受け取って耳に当てると……

 

『私はアーシア・アルジェントです。』

 

そう電子音声で聞こえてきた。

 

「おお…このアプリ凄いや。」

 

私が使ったアプリは『コトバワカール』。これは幻夢コーポレーションが開発した翻訳アプリで、どんな国の言葉もたちまち自分にあった言語に翻訳してくる優れものだ。

 

ただ、ネーミングセンスが微妙なのと相手や自分の国の設定を入力しなくても翻訳してくれる不思議な所もあるけど…

 

「私は松浦果南っていうの。それでアーシアちゃん、どうしたの?」

 

『道を訪ねたいんです。』

 

「それは何処なの?」

 

『教会です。』

 

そうやって会話を続けていたら、気になる言葉が出てきた。

 

(あれ?この町の教会って、ずいぶん前に潰れた筈じゃ…)

 

そんな所に何の用があるんだろう……

 

「なら、案内してあげるよ。」

 

『ありがとうございます‼』

 

何か理由があるのかもしれないと思った私は、とりあえず彼女をそこまで案内することにした。

 




いかがでしたか?

会話文とか説明文が多いと、中々筆が進みません…

次回、イカレ神父登場‼

では、次回でお会いしましょう。

後、活動報告でアンケートをやるので、良かったら意見をお願いします。
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