ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回で一章最後になります。一誠リベンジ始まりです。

ではどうぞ。


激怒のREVENGE

一誠side

 

俺はパラドとの勝負を終えてドラゴネスのまま、住宅街の屋根を飛び移りながらルシファーが送ってくれた場所へと向かい、教会の真上に着いた俺は……

 

「オオオォォォォォオオオラアアアアアアアアァァァッ‼‼」

 

気合いと共に屋根をぶち抜き着地しようとしたが、更に床を突き破って地下まで落ちてしまった。

 

でもラッキーだったぜ。ここに黒澤以外にあのアマまでいるとはな…‼

 

「よう……待たせたな、黒澤?」

 

「兵藤先輩ィ…‼」

 

黒澤に視線を向けると、涙を流しながら嬉しそうな表情で俺を見ていた。

 

俺が来るのをここまで喜んでくれるのなんて、カナ姉と曜だけだと思ってたのにな……

 

その事を少し嬉しく思いつつ、今度はアマへと視線を向けた。

 

「よお……俺の妹分が、随分と世話になったじゃねぇか………………覚悟……できてんだろうな…‼」

 

今出せる最大級の殺意を飛ばしながら睨むと、アマは顔を引き吊らせながら一歩下がった。

 

「ッ!?この私が……人間相手に引いただと…‼こんなの、許せる訳がないでしょおおおぉぉぉぉぉぉッ‼‼」

 

自分の行動にプライドが傷ついたのか、光の棒を手に俺へと突っ込んでくる。

 

「……それは俺のセリフだ。」

 

だけど俺はその突き出してきた棒を掴んで、力任せに握り砕いた。

 

「なッ!?」

 

「黒澤を危険な目に合わせたテメェだけは、絶対に俺がブッ飛ばさなきゃ気がすまねぇ…」

 

「そ、そんな…‼」

 

「何故なら…」

 

俺は棒を砕かれたショックで動揺しているアマを前に、拳を強く握りしめ……

 

「テメェは完全に……………俺の怒りに火を点けたからだァッ‼‼」

 

「ブゴォッ!?」

 

それをアマの顔面にめり込ませた。

 

その威力にかなりの速さで吹き飛んでいくが、俺が全力で駆け出すとアマをあっさりと追い抜いたので、背中に肘打ちを叩き込む。

 

「ゴアッ!?」

 

体が逆くの字になり、背骨が砕け散る音が響くが俺はそれで終わらせず、すぐさま前に回り込んで顎にアッパーを決める。

 

「うぶぅッ!?」

 

それで上に飛んでいくが、俺はジャンプでそれを追い越して顔面に踵落としを喰らわせて今度は地面にまっすぐ落ちて激突し、砂埃を巻き上げる。

 

俺は天井に手を着くと体を一気に押し出して、アマが落ちた場所へと突っ込み、その腹を思いきり踏みつけた。それにより、地面にクレーターが出来る。内蔵が潰れたのかアマが血を吐いた。

 

「ゴバァッ!?」

 

「おい…………これで終わりだと思うな……よッ‼‼」

 

足を退けて頭を鷲掴み、強引に起こすとそのまま頭突きをお見舞いする。

 

「ブギュッ!?」

 

「アイツが受けた怖さは…………こんなもんじゃねぇぞ‼‼」

 

そして片手でアマを振り回し、頭から地面に思いきり叩きつけ徐々に掴む力を強めていく。

 

「あ……アガ…‼ガアアアア……‼‼」

 

「どうだ?圧倒的な暴力になす術も無く、命を磨り減らしていく気分は?」

 

ああそうだ、これは喧嘩でもなんでもねぇ……単なる暴力だ。だが、圧倒的な力をただ純粋に振り回す事こそが一番恐怖を植え付けられる。

 

「わ……わたじは……まげない…‼」

 

「い~や、テメェの運命は既に行き着いてる。」

 

光の棒を出そうとしていた右手を踏みつけ、骨を粉々に砕く。

 

「アアアァァァァァァァッ‼‼」

 

「うっせぇよ…」

 

その悲鳴が耳障りだったから、俺はアマを適当に投げた。

 

「ガフッ!?……ひ、ひぃぃぃぃぃッ!?」

 

アマは起き上がって俺を見ると、恐怖に震えながら腕の力で下がろうとしていたので、俺もゆっくりと歩いて追いかける。

 

「おい……何を必死に逃げようとしてんだ?連れねぇじゃねぇか、もっとゆっくり楽しもうぜ?」

 

「いや…‼来ないで……来ないでぇぇぇぇぇッ‼‼」

 

「だからうっせぇんだよ…‼」

 

俺は一気に近づいて回し蹴りで顔を蹴り飛ばして、壁にぶつかるもなお下がろうとしている姿は、滑稽に見えた。

 

「な……なんで…‼前ばごんばびづよぐながッだのに…‼」

 

「それはテメェのお陰さ。」

 

再び近づいてアマの髪を掴み、視線を強引に俺へと向けた。

 

「俺のもう1つのゲーム【サバイバル・ドラゴン】は乱戦型対戦ゲーム…………その能力は身体強化に加えてもう一つある。それは【一人倒す毎に俺の力が倍加され、次の相手の力を半減させていく】事だ。俺はお前が置いていった神父を26人倒した。つまり今の俺の力は26回分倍加され、お前は26回分半減されてるんだよ。」

 

しかもこの能力はセイヴァーゲーマーと違い、変身を解除するまで効果が持続する。

 

つまり今のコイツはRPG風に例えると、最初の町に住んでるミジンコがラスボスより強い裏ボスに挑んでる様なもんだ。

 

「ぞんな…」

 

「そろそろ終いにするか…」

 

『ガッチョーン、キメワザ‼』

 

「オラァッ‼」

 

「ぶッ!?」

 

バックルのレバーを閉じ、右足でアマを壁に押し付けながら、右足にエネルギーを集束させていく。

 

「ま、まッで…‼ごろざないでッ‼お願いじまず…‼何でもじまずがらぁ…‼‼」

 

「…………黒澤を殺そうとしていたテメェを、俺が許す訳ねぇだろ…‼」

 

『ガッチャーン‼ SURVIVAL!! CRITICAL CRASH!!』

 

そしてレバーを開き溜まったエネルギーを解放して、アマの体に叩き込んだ。

 

「ア…ア…‼アアアアァァァァァァァァッ‼‼」

 

最後に断末魔を残しながら、アマは爆発した。

 

「地獄で一生反省してやがれ。」

 

爆発の中から落ちてきた黒い羽を踏みにじりながら、俺は静かに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァーリside

 

一誠が戦っている間、俺はルビィ達の視界をマントで塞ぎ、魔法で音を遮っておいた。

 

さすがに……この戦いは見せられないからな。

 

完全にキレた一誠の攻撃はまさに暴力的だった。その上、サバイバルゲーマーの能力で強化されてる以上、あの程度の堕天使に遅れを取ることはまずあり得ない。

 

そして必殺技が決まり、爆発が終わった所で魔法を解きマントを下ろした。

 

「あの……兵藤先輩は…?」

 

「大丈夫、勝ったよ。アイツも攻撃を受けてないから、怪我の心配もないさ。」

 

「良かった…」

 

それを聞いたルビィはホッとしたのか、大きく息を吐いた。

 

「無事か、黒澤?」

 

「先輩…‼はいッ‼」

 

「そうか、良かった…」

 

無事を確認した一誠はルビィを十字架から助け出して、俺はもう一人のアーシア・アルジェントを助け出した。

 

「君も無事か?」

 

「はい、大丈夫ですぅ…」

 

彼女も疲弊していたが、これといった傷はなかった。

 

「これから色々と話さなければならない事があるから、君も来て貰っていいかな?」

 

「え?あ、はい…?」

 

「おーい、ヴァーリく~んッ‼‼」

 

そこにタイミング良く千歌達もやって来た。

 

「丁度全員揃ったな。なら、黒澤の家に転移するぞ。」

 

俺が展開した転移魔法陣に全員が乗ったら起動させ、黒澤邸に着きグレモリー眷属とはこの場で別れた。

 

そして玄関のブザーを鳴らしたら、中からドタドタと誰かが走ってきて扉を開けるとダイヤ先輩が出てきて、その後を松浦先輩に渡辺、花丸ちゃんと善子が出てくる。

 

「ルビィぃ~~~~~ッ‼‼‼」

 

「お、お姉……わぷッ!?」

 

「もう、ほんと~~に心配したんですのよッ‼無事で……無事で良がっだでずわぁ~~~~ッ‼‼」

 

「ん~~~~ッ‼ん~~~~~~~ッ‼‼‼」

 

ダイヤ先輩はルビィを見た瞬間、思いきり抱きしめて泣き始めたけど、抱かれているルビィは苦しそうにダイヤ先輩の腕を必死にタップしていた。

 

「ダイヤ、ルビィちゃん苦しがってるよ?」

 

「はッ!?ルビィ!?」

 

「ぷはッ‼く、苦しかった~…」

 

「ルビィちゃんッ‼無事で良かったズラぁ~ッ‼」

 

「わわわッ!?」

 

すると今度は花丸ちゃんが抱き着いた。こちらは微笑ましい構図だけど。

 

「「お帰りなさい、イッセー(君)。」」

 

「おう、無事に戻ったぜ。」

 

一誠の方も松浦先輩と渡辺に、無事を告げていた。そして先輩はスマホに何か話しかけると、それをアルジェントに渡した。

 

『アーシアちゃんも無事で良かったよ。お帰りなさい。』

 

俺は悪魔の聴力でそれが聞き取れた。

 

「あ…………ハイ‼」

 

アルジェントはそれに笑顔を浮かべて返した。

 

「善子、こっちは大丈夫だったか?」

 

「ええ、他の堕天使はグレモリー先輩の所に行ってたみたいだし反応も消えたから、もう消滅してんじゃない?」

 

そうか、アイツの所に行ってたのか……なら大丈夫だな。

 

「黒澤先輩……すんませんでしたッ‼」

 

すると一誠がいきなりダイヤ先輩に頭を下げた。

 

「俺がしっかり見てなかったからこんな事になっちまった……どんな処罰も受けるつもりっす‼」

 

「ちょっとイッセーッ!?ダイヤ、それには私も罪があるから、イッセーだけを怒るのは…‼」

 

そこに一誠を庇うように松浦先輩も入ってきた。だが、この二人に責はない、あるのは……

 

「待ってくれ、それなら俺が受けるべきだ。二人の状況を良く考えずに提案した俺にこそ責がある。」

 

あの時、二人は喧嘩していたんだ。それを良く理解せず俺はあんな提案をしてしまった。だったら責められるのは、俺であるべきだ。

 

「お三方、取り合えず落ち着いてください。私は誰も責めるつもりもありませんし、感謝したいくらいですわ。」

 

「「「え?」」」

 

「そもそも、貴方達がいなかったら……この前の時にルビィは花丸さんと一緒に死んでいたのかも知れません。それを命懸けで救ってもらったのです。ありがとうございます。」

 

そう言ってダイヤ先輩が頭を下げた。

 

「それと、皆様には負担を掛けるかも知れませんがルビィの事を、よろしくお願いいたします。」

 

「それに関しては任せてください。」

 

此度の罪滅ぼしになるのなら、俺はそれくらい引き受ける。

 

「分かりました。」

 

一誠も頷くとダイヤ先輩が少し笑みを浮かべた。

 

「兵藤さんにつきましては、末永く……と、言った方がいいかしら?」

 

「は?」

 

「お、お姉ちゃんッ!?」

 

そんな会話に皆で笑ったら、俺はもう一つの本題に入ることにした。

 

「さて、アーシア・アルジェントさん。今から君の今後について話すんだけど…」

 

「はい、どうなるんでしょうか?」

 

「君は俺の祖父がやっている会社に保護して貰おうと思っている。」

 

『『『『『会社?』』』』』

 

「ああ、【幻夢コーポレーション】というのだが……知ってるか?」

 

『『『『『え……えええぇぇぇぇぇぇッ!?』』』』』

 

「やっぱり、そうだったか…」

 

会社名を言ったら、眷属と一誠、アルジェント以外がなぜか引かれた。

 

そんなに驚く事か?

 

「まあそこなら安全だし、仕事を手伝って貰う代わりにある程度日本語が話せる様になれば、学校に通う事も出来ると思うよ。」

 

「ほ、ホントですかッ!?」

 

「幻夢コーポレーションはホワイト企業だからな。そこは約束しよう。」

 

ポッピーの教え方は独特だけど、記憶に残りやすいし楽しくできるから、アルジェントなら一ヶ月程で会話はマスターできるだろう。

 

「だったら、お願いします‼」

 

「了解だ。」

 

これでアルジェントの方も解決だな。

 

『果南さん、日本語を覚えてまた来ます‼』

 

『うん、待ってるからね‼』

 

「では、俺達もここで失礼します。」

 

「はい、よければ今度は皆さんで遊びに来てくださいな。」

 

「その時は是非。」

 

俺達は幻夢コーポレーションへと転移し、これで最初の物語は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌side

 

「ねぇ、本当に言わなくて良かったの?」

 

『ちょっと思う事があるのよ。お願いだから今回は見逃して。』

 

「う~ん……分かった…」

 

『ありがとう。』

 

私は今、もう一人の自分と鏡越しで話していた。内容は戦っていたイカレ神父の事だ。

 

(でも、何で逃がしたんだろう…?)

 

そう、あの戦いの時…もう一人の私はあの神父を逃がしたのだ。その事を聞いても未だに話せてはいない。

 

「ホントに何なんだろ……あ、白くなってきてる…」

 

何となく鏡を見ていたら、頭頂部が白くなり始めていた。

 

「また染めないとなぁ~……お小遣い足りるかな?」

 

こんな時に限って欲しいものが出たりするんだよねぇ~…

 

『(まさか……ね…)』

 

もう一人の私の呟きは、お小遣いに悩んでいる私の耳には届かなかった。




いかがでしたか?

次回からはフェニックス編に入ります。

ここで目立つヒロインは曜と千歌になっていきます。

では、次回でお会いしましょう。

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