ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。


ヴェアーハッハッハッハッハッ‼‼やった‼やったぞ‼‼遂にスランプを克服したぞォォォォォォッ‼‼フォーウッ‼‼


失礼、テンションが社長りました(笑)

今回でエクスカリバー編は最後です。


最悪のLose

新たに現れた白神は空から校庭を見渡し、そこでクロノスを発見したら口許をニヤリと歪めた。

 

(あれが俺の敵か……変な物を纏っているけど、白龍皇である俺の前には赤子同然さ‼)

 

そう思っているが、相手の能力を知らずに勝ちを確信するのは愚か者のやる事である。現に赤龍帝である兵藤錬二もそれでルシファー眷属にボコボコにされている。

 

「これはこれはバニシングドラゴン、私に何か用かな?」

 

「決まってるだろ、お前を倒すのさ‼」

 

そう言って右手人差し指をクロノスに突きつける。

 

(フッ……決まった‼)

 

そんな事を思うも、誰も気にしてないので意味は無いが。

 

「さあ、俺の全力で吹き飛ぶがいいッ‼‼」

 

突きつけた人差し指に魔力を集め、それをクロノスへと向けて放つが、リアス達から見ればそれは何て事無いレベルの攻撃だった。

 

「フン…」

 

勿論クロノスは歯牙にも欠けず、片手で易々とはたき落とす。

 

「え…!?」

 

それを見た白神は驚愕に震えた。

 

(バカな…!?俺の全力をあんなにアッサリと…‼)

 

そう思うが、今の一撃は集束がかなり甘く最初の1メートル付近で9割が散ってしまっているので全く威力は無い。

 

「これが君の全力かね?」

 

「そ、そんな訳無いだろッ‼今のは半分の力さ‼」

 

(((((あ、絶対嘘だ。)))))

 

クロノスの言葉に動揺しつつも強がりを言うが、強張った表情や流れる汗で嘘などバレバレだ。

 

「なるほど、それはとても…」

 

そこでクロノスは言葉を区切り、空にいる白神の前に現れる。勿論ポーズは使っていない……いや、先の一撃で使()()()()()()() ()と判断されてしまったので、素のジャンプ速度だ。

 

「……は?」

 

「残念だ…」

 

「ゴガァッ!?」

 

突然の出来事に動きを止めてしまった白神の脳天にクロノスは踵落としを喰らわせ、高速で落下し地面に激突、上半身がすっぽりと地面に埋まった○神家みたくなった。

 

「嘘はもっと上手く吐きたまえ……どうやら君自身には、そこまで価値は無い様だな。」

 

「だったら俺はどうだぁッ‼‼」

 

興が冷めた様な視線で白神を見つめるクロノスの背後から錬二が躍り出て、振り返るクロノスの顔に拳を叩き込んだ。

 

「へッ‼参った…「何かしたかね?」んなッ!?」

 

だがクロノスは微動だにせず、逆に錬二を殴り飛ばして校舎にぶつかり、壁版○神家になった。

 

「この程度か……少々…いや、かなり期待外れだったな。」

 

その強さの程に呆れて溜め息を吐いている所に、背後から滅びの魔力と雷が飛んでくるが体を左右に少し倒して楽々とかわした。

 

「やれやれ、君達には全く興味が無いのだが?」

 

「黙りなさいッ‼‼これ以上の被害は出させないッ‼‼」

 

リアスと朱乃が魔力と雷を放ち、その隙間を木場と小猫が潜り抜けながら駆け寄ってくる。

 

「……無意味な事を…」

 

クロノスは飛んでくる攻撃を、その場で微動だにしないで全て受け、更に木場の聖魔剣の突きと小猫の正拳突きを喰らった。

 

「やった…‼「これで満足かね?」なッ!?」

 

しかし全くダメージの無いクロノスは二人の腕を掴み、リアス達の前へと投げ飛ばした。

 

「ウアッ!?」「クウッ!?」

 

「二人ともッ‼」

 

「大丈夫ですかッ!?」

 

「君達にもお仕置きが必要な様だな…」『ガッチョーン、ガッチャーン…‼』

 

クロノスはバグヴァイザーⅡを右手にガンモードで持つと、銃口をリアス達へと向ける……

 

「フンッ‼」

 

が、その前に光の槍がリアス達の前に突き刺さり大爆発を起こした。

 

「「キャアアアアアアアッ‼‼」」

 

「…………これはいい返事と思って良いのかな、コカビエル?」

 

クロノスは槍が飛んできた方に視線を向けると、何かを投げたかの様な姿勢のコカビエルがいた。彼は姿勢を戻すとクロノスを睨み……

 

「良いだろう、貴様が契約を守る限り……お前に従ってやる。それが敗者の義務だ。」

 

「ハッハッハッハッハッ‼‼約束は守るさ……君の決断に感謝しよう、グッジョブ。」

 

笑いながらコカビエルの傍に寄ったクロノスは右手で彼の肩を叩く。

 

「では用も無くなった事なので、帰るとしよう。」

 

「待てッ‼‼コカビエル‼」

 

帰ろうとするクロノス達に、バルパーを監視していたゼノヴィアが声を上げる。肝心のバルパーは呆然とした表情で何かを呟いているが、あまりの声の小ささに聞こえてはいない。

 

「なんだ?」

 

「イリナを……私の相方をどうしたッ‼‼」

 

「ああ、奴なら今頃達磨になって地面に転がっているだろうさ。」

 

「なッ!?」

 

「もういいか?では、アディオス。」

 

イリナの惨状を聞いて絶句するゼノヴィアを尻目に、クロノスはコカビエルを連れて何処かへと消えていった。

 

「そんな……イリナ…」

 

「ぐ……クロノスは…‼」

 

そこに最初に倒されたヴァーリ達と一誠とパラドが目を覚ました。

 

「おい曜……俺達が負けた後…………何があった…‼」

 

「それが…………ダイヤさんが…‼」

 

涙を流しながら話す曜と、視界の端に映ったルビィが泣いている姿を見て起きた事を理解した一誠は地面を叩く。

 

「クソ…‼俺は肝心な時に…‼‼」

 

「イッセー…」

 

パラドが心配そうに一誠を見ていたら……

 

「そうか……そういう事だったのかッ‼‼」

 

さっきまで小声でブツブツと呟いていたバルパーが、急に大声を上げた。

 

「な、なにッ!?」

 

「クックックッ…‼貴様ら、よくもワシの計画を台無しにしてくれたな…‼その礼だ……そこのデュランダル使いの信仰を…………断つ…‼‼」

 

そしてゼノヴィアを睨むその瞳は怒りに染まり、口は愉悦で歪んでいた。

 

 

―推奨BGM【EXCITE】―

 

 

「デュランダル使いイィッ‼‼」

 

突然大声で呼ばれたゼノヴィアはビクッと反応する。

 

「何故、教会を異端となる者が爆発的に増えたのかッ‼何故、神が数百年も姿を見せていないのかッ‼何故、そこの男が聖と魔の力を融合する事が出来たのかアァッ‼‼」

 

そしてゼノヴィアに質問を飛ばしていくが、そこにいる殆どの者が彼が何を言っているのか理解できていなかった。しかし例外が二人いる。ヴァーリと梨子だ。

 

「ぐ……それ以上言うなァッ‼‼」

 

彼が何を言うのか理解したヴァーリは、それを遮ろうと動き出すが、ダメージが多くその動きは遅かった。

 

「その答えはただヒトォツ…‼」

 

「やめなさーいッ‼」

 

それを見た梨子も走り出すが、やはり痛みで動きが鈍い。

 

「フゥハー…‼デュランダル使いイィッ‼‼」

 

「………ッ‼」

 

二人を見かねたパラドも走り出すが、既に時遅く……

 

「貴様の信仰する神は……魔王と同じく過去の大戦で、既に死んでいるからダァッ‼‼‼‼ヒャーハッハッハッハッ‼‼ギャーハッハッハッハッハッ‼‼‼‼」

 

彼の口から禁断の言葉が紡がれた。一般人である曜達はそれがどういう事か理解しきれてないが、悪魔陣営や天界陣営にいる者達はその重要性が分かった。

 

「神が…!?」

 

「亡くなっているなんて!?」

 

止める事が出来なかったパラドは、怒りのままにバルパーの胸ぐらを掴んで持ち上げた。

 

「は……ハハ…‼嘘だ、そんなの…私を騙そうとして…‼」

 

「では……私達が神から与えられる筈の愛は…!?」

 

「紛い物に決まってるだろォッ‼‼それは恐らく、ミカエルの見せたまやかしだぁッ‼‼‼‼」

 

特にこの中で信仰心の強かったゼノヴィアとアーシアにその言葉は毒に等しく、否定しようと思うもその度に彼の言葉が証明されていくばかりだった。

 

「おい……今ここでそれを言うことが何を意味してるのか………………お前、解ってるのか?」

 

掴む力を強め、睨み付けるパラドだったがバルパーはその顔に笑みを浮かべる。

 

「わかってるともォッ‼‼‼これでそこの小娘達も、三大勢力に命を狙われる存在になったと言うことだぁッ‼」

 

「フンッ‼」

 

「アギャッ!?」

 

その顔にムカついたパラドは、バルパーの顔面を思いっきり殴った。それをもろに受けたバルパーは地面を数メートル転がって仰向けになり、その上に股がり拳を振り上げる。

 

「なら命を失う恐さを……その身に叩き込んでやる。」

 

「ヒィッ!?」

 

そしてそれを振り降ろした……

 

「おっと、そいつは待って貰おうか。」

 

が、その腕を新たに現れた男が掴んで止めた。

 

「随分と遅い到着だな………【アザゼル】?」

 

その拳を止めた金色のメッシュの入った髪の和服の男【アザゼル】は、パラドが名前を知っている事に驚いた。

 

「へえ……俺を知ってるのか。まあそれはいい、ソイツはこっちで処罰を与える。もちろん手加減なんざしねぇ……それでいいか?」

 

「…………………………好きにしろ。」

 

そう言って腕を振り払いバルパーから退く。

 

「お前達もウチの者が迷惑掛けた。後日、正式に謝罪に行くから。」

 

アザゼルと呼ばれた男は、バルパーの胸ぐらを掴んで無理矢理立たせ、一緒に転移していった。

 

「これで…………終わったの…?」

 

「そうみたい…」

 

事件の終結を確信したところで、全員が座り込む。そして結界を解除し入ってきたシトリー達の手によって、治療の為に保健室へと連れていかれた。

 

「そんな…………黒澤さんが…‼」

 

治療をしながら事件の内容を聞いていたソーナは、ダイヤの消滅に驚きを隠せなかった。

 

「今回は完全な敗北よ……それも最悪といっていい程の…‼」

 

クロノスという乱入者のせいでコカビエルを取り逃がし、民間人に死者を出してしまった事にリアスは悔しそうに唇を噛んだ。

 

「ルビィさんは大丈夫かしら…?」

 

ソーナとリアスが視線を向けると、ベッドの上で体育座りをして膝に顔を沈め、体は小刻みに震えているからまだ泣いているのだろう。その彼女には花丸と果南が寄り添っている。

 

「無理もないわ……大事なお姉さんを目の前で…」

 

「唯一の救いは……町を吹き飛ばす術式が解除されていた事ですね…」

 

朱乃の言葉通り、エクスカリバーを統合した事で発動した術式はコカビエルが1度倒された事で解除されていた。それをやったのがクロノスというのは皮肉でしか無いが……

 

「だが、他にも問題はある。神の死を彼女達が知ってしまったことだ。」

 

そこに包帯をあちこちに巻いたヴァーリが来て、深刻な問題を話す。

 

「神の死は三大勢力共通の特秘事項だ。それを人間の彼女達が知ってしまった事が広まれば、拡散を防ぐ為に殺される可能性が出てくる。」

 

「どうしましょうか?」

 

「だから彼女達とその家族はウチの会社で保護する。社長は旧魔王の爺さんだから、権力も問題ない。」

 

「確かに、その方が私達が保護するよりも安全ですね。」

 

そこまで聞いて、リアスは疑問に思っていた事を口にした。

 

「ところで、ヴァーリと梨子はどうして神の死を知っていたのかしら?」

 

そう、バルパーが言っていた事は彼処にいた殆どが意味不明だったのに、二人はそれを阻止する為に動いた……即ち、彼が何を喋るのか知っていた事になる。

 

「昔、爺さんに教えられたのさ。この話は何時か表沙汰になる。だからその時に、王と女王であるお前達が皆を束ねられる様に準備しておけってな。」

 

「なるほど…」

 

「さて、次はお前の話を聞こうか……パラド?」

 

そこで話を区切り、ヴァーリ達は腕を組んで壁に寄りかかっているパラドに視線を向ける。

 

「ん?答えられる事ならな?」

 

「なら単刀直入に聞こう……俺はお前を作った覚えはない。なら、お前は誰に感染して生まれた?」

 

「オイオイ、ネタバレにはまだ早いって…それは教えられないな?」

 

その返答にヴァーリはイラッとするが、今は情報を聞き出すためにグッと堪えた。

 

「なら目的はなんだ?」

 

「それは、運命を変えるためさ。」

 

「運命を変える?」

 

「詳しくは言えないけどな。」

 

そこでパラドは壁から離れ、一誠がいる椅子の横に行く。因みに一誠がこの中で一番の重症で、曜が包帯を巻いたりしていた。

 

「………………何の用だ?」

 

「これで理解しただろ?俺に負けるお前が、コカビエルやクロノスに勝つなんて……夢想でしかないってな。」

 

「……………………」

 

その言葉に一誠は俯く。今回ばかりは、何を言われても反論出来ないのを彼自身が一番理解していた。

 

「そこで、お前に提案がある…………一誠、俺と手を組まないか?」

 

「……は?」

 

パラドの案に一誠は驚いた。しかし、そこでパラドの首もとにヴァーリがガシャコンソードを突きつける。

 

「何の真似だ?」

 

「だから提案さ、クロノスに勝つためのな。」

 

「ふざけるなよ……一誠をゲーム病にはさせん。」

 

そのまま戦いになるんじゃないかと周りが思った瞬間、パラドは自身の体を粒子化して窓際まで逃れた。

 

「別に返事は今じゃなくていいさ。でも、もし手を組むんなら……俺達でクロノスに最上の奇跡を見せつけてやろうぜ?」

 

そう言い残して、パラドはその場から消えた。

 

「アイツ……何を企んでいる?」

 

「さあな……」

 

パラドがいた場所を睨みつつ剣を消したヴァーリは美歌の元へと向かった。

 

「美歌、お前の力を貸して欲しい。」

 

「ワタシ?……別にいいけど、何をやるの?」

 

「確証がない以上、内容は言えない……だが、絶対に成し遂げなければいけない事だ。」

 

「…………………………いいわ、手伝ってあげる。」

 

「助かる。梨子も頼む。」

 

「うん。」

 

許可を得たヴァーリは自身と二人の足下に、転移用の魔法陣を描く。

 

「鞠莉、千歌と善子と一緒に学園の方を頼む。俺達はしばらく研究室に籠る。」

 

「OK……信じてるわよ?」

 

「フ……任せろ。」

 

会話を終えたら、ヴァーリ達は転移していった。

 

「彼は何をしに?」

 

「Penance……………………贖罪よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、ワタシは何をすればいいの?」

 

「先ずはプロトガシャットを貸してくれ。」

 

自宅の研究室に着いたヴァーリは美歌にそう言って、プロトガシャットが入ったケースを受け取り、そこから1つのガシャットを取り出した。

 

「それで何をやる気なのかしら?」

 

「今回の件は俺の罪でもある。なら…」

 

その手のガシャットを見せる様に顔の横に持っていったヴァーリは……

 

「俺には俺の贖罪の仕方がある……それだけだ。」

 

そう、口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クロノスがもう出てくるなんて、完全に想定外だ…‼‼」

 

駒王学園近くのマンションの屋上に移動したパラドは、悔しそうに転落防止用の柵を殴る。その威力で殴られた場所は拳の形に変形していた。

 

「だけど、ヴァーリのアレは俺も()()()()()()

……なら、まだ終わりじゃない…‼」

 

そして左手で頬を撫でると、そこに青いノイズが走る。

 

「こっちはもう少し時間が必要だな……でも、だいぶ馴染んだな。」

 

そう自分の状態を確認したら、彼は口に笑みを浮かべる。

 

「次がターニングポイントだ……俺が必ず、運命を変えてやる‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(俺も…………もっと強くならねぇと…‼)

 

その頃、保健室で治療されている一誠は一人、心の中でそう思っていた。

 

(だけど今のままのやり方じゃ絶対に無理だ…‼)

 

しかし、喧嘩で鍛えてきた為に力任せばかりで技術が低い事を彼も理解している。先の戦いでその戦法では、クロノスを攻略できなかったのだから。

 

(だったら、足りない部分を鍛えるだけだ…‼)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人の男がそれぞれの思いを胸に動き出す。それが後に何をもたらすのか……まだ、誰も知らない。




いかがでしたか?

ビルドの新ライダークローズ、格好よかったですね‼あのライダーキックに一目惚れしましたよ‼それと自分も地元のデパートでロックフルボトルGETできました。

次回からは停止教室のヴァンパイア編になります。

では、次回でお会いしましょう。

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