ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回から会談が始まります。

リゼヴィムが会談で宣言する事とは?

では、どうぞ。


三大勢力とConference

「私達が……敵と…!?」

 

「Whyッ!?どこからそんな話が…!?」

 

「それは……本気で言ってんのかしら?」

 

サーゼクス・ルシファーの宣告に、千歌達は驚きと怒りを露にする。

 

「そう思われても仕方ないさ。敵の一人が君達の一族だけが作れるアイテムを持っていたのだから。」

 

「そんなッ‼あれは盗まれた物で…‼」

 

「逆に敵に渡すための演技だったともとれる。そうじゃないと言い切れる自信はあるかい?」

 

その身から放たれる圧倒的な威圧に彼女達は動けなくなりそうだったが、引くことはせず真っ正面から対峙し…

 

「もちろんですッ‼‼」

 

「あるわよ。リゼヴィム様がそんな事するわけ無いわ。」

 

「逆にそっちがSuspicionなんだけど?」

 

迷いの一切無い返答でサーゼクスと千歌達はしばし睨み合うが、いきなりサーゼクスが表情を崩して微笑んだ。

 

「うん、やっぱり君達の話の方が信頼出来るね♪」

 

「「「え?」」」

 

「お、お兄様……?」

 

あまりの事に全員が戸惑い、サーゼクスを見た。

 

「この話は貴族のトップ達が勝手に広めていてね、僕は全く信じてないけど一応確認だけはしときたかったんだ。そして君達に嘘は無いと確信できたよ。」

 

「じ、じゃあさっきのは…」

 

「一応魔王としての仕事だよ。もし事実だったら処分を下したけど。」

 

「「「はぁ~…‼」」」

 

その言葉に三人は息を吐いてへたりこんだ。魔王からの威圧を受けながらも必死に答えたのだ。完全に気が抜けてしまったんだろう。

 

「でも、会談に出てほしいのは確かだ。貴族達の話をリゼヴィム様にお伝えしたいし、出来れば話にあったクロノス攻略の切っ掛けを見つけたいからね。」

 

「解りました、伝えておきます。」

 

と、そこまで笑顔だったサーゼクスが急に表情を引き締め、真剣なものになる。

 

「ただし、僕とセラフォルー、グレモリー家とシトリー家以外の悪魔陣営は君達に疑惑の目を向けている。天使と堕天使もそうだ。だから最悪の場合も想定しておいてほしい。」

 

その真剣さに、鞠莉は事態の深刻さを理解してしまった。貴族悪魔達はもうこちらに対し、形振り構わないということを……

 

「…………OK、それも伝えておきます。」

 

「頼んだよ。さてリアス、校舎を巡るから付き添いを頼むよ。」

 

「かしこまりました。鞠莉、気を付けてね?」

 

「Of course……わかってるわ。」

 

そしてリアスを連れてサーゼクスは部室から出ていった。彼等が出ていった瞬間、鞠莉達はスマホを操作し始める。

 

「ど、どうしたんですか…皆さん?」

 

「小猫ちゃん、サーゼクス様が言っていた言葉の意味が分かりますか?」

 

「えっと…」

 

首を傾げ、必死に考えるが結局浮かばなかったのか小猫は首を横に振った。

 

「サーゼクス様は果南さん達も会談に呼ぶように言った……それにさっきの言葉……そこから想定されるのは…」

 

そこで朱乃は目付きを鋭くして、窓の外を見た。

 

「一部の天使と堕天使、上級悪魔の方々が……彼女達を人質にしてまで何かをしようと画策してるので、それから守るために連れて来なさいという事です。」

 

「「ッ‼」」

 

その内容に木場と小猫は再び驚いた。自身が所属している陣営が、同じ学舎の人達に手を出そうとしているからだ。

 

「目的は恐らく……ガシャットの情報開示でしょう。そして決行日は魔王様達がいなくなる会談の日。その日なら悪魔陣営の決定権は一時的に大王に移りますし、大王は貴族との繋がりも強いですから…」

 

「だからって彼女達は裏の事情とは無関係ですッ‼それをそんな理由で…‼‼」

 

「彼女達は既に何回も裏の問題に関わっています。貴族悪魔達はそれを理由にごり押しするでしょう…」

 

「そんな……黒澤さんの心の傷もまだ…」

 

「彼等は人間を下等生物と見下しています。そんな事などお構い無しですわ。」

 

そう言う朱乃は自身の腕を強く掴んでいた。彼女は今のルビィの気持ちが解っていた。同じく家族を亡くしてしまった者として、だから今を狙う貴族悪魔達のやり方に強い怒りと嫌悪を感じていた。そしてそれを理解している魔王達が自分達の権力等を盾にして、襲撃出来ないようにさせる為に動いているのだと理解した。

 

「ですから、会談の際には何がなんでも彼女達を守りましょう……これ以上、悲しい思いをさせない為にも…‼」

 

「「はいッ‼‼」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、花丸は曜と果南と一緒にルビィの家に向かっていた。

 

「ルビィちゃん……今日は元気だといいね…」

 

「ダイヤがあんな目にあって……それが自分のせいだとクロノスに思い込まされてたから……すぐにはやっぱり…」

 

「ルビィちゃんなら大丈夫ッ‼きっと乗り越えてみせるズラッ‼‼」

 

気落ちしている二人を励まそうと花丸は声を大にして言うが、一番気落ちしているのは何を隠そう花丸本人だ。親友でありながら何も出来ない自分にもどかしさや悔しさを感じながら……

 

この言葉も出来る事を精一杯やろうと今の自身にも言い聞かせる為の言葉でもあった。

 

そして彼女の家に着き、両親に挨拶をしたらルビィの部屋に行くが何の音もせず部屋も真っ暗だった。

 

「え~と、電気は…と。」

 

ドア付近の壁に触れて電気のスイッチを探し、それを入れて明かりを付けると部屋は少しちらかっており、その隅に布団にくるまって座っているいるルビィがいた。

 

「ルビィちゃん。」

 

「………………………………………………花丸ちゃん?」

 

花丸の呼び掛けに顔を上げるが、何度も泣いたからなのか目は赤く充血して周りは腫れており、ろくに寝れていないのか隈まで出来てひどい有り様だった。

 

「皆でお見舞いに来たけど…………何か食べる?」

 

その問いに彼女は無言で首を横に振った。

 

「少しは食べないと、体に毒ズラよ。」

 

「…………………………(ブンブン)」

 

尚も首を振る彼女に、花丸は自分が作ってきたいなり寿司を取り出して、彼女の前に差し出した。

 

「ほら、ルビィちゃんの為にマルが朝から作ってき…「ほっといてよ…」…ずら?」

 

その小さな呟きに気を取られていたら、ルビィの手が思いきり振るわれ、花丸の持つ容器を弾き飛ばした。

 

「ああッ!?」

 

「おっと…‼」(パシィッ‼)

 

「ナイスキャッチ‼」

 

「イェイ♪」

 

それが壁にぶつかるギリギリで、果南が見事にキャッチしたことで部屋が汚れる事は何とか免れた。

 

「何するの、ルビィち「ほっといてって言ってるのッ‼‼」…ルビィちゃん…?」

 

今までになかった彼女の激情に、その場の全員が驚きと戸惑いを感じた。あの大人しく気弱なルビィがここまでの怒りを露にしたのだ。

 

「ルビィが…ルビィがあの時、何か行動出来たらお姉ちゃんはあんな事にならなかったッ‼‼なのに何も出来なかった…お姉ちゃんは私を守るために動けたのに、ルビィは何も出来なかったッ‼‼なんでッ!?なんでお姉ちゃんなのッ‼‼お姉ちゃんじゃなきゃいけなかったのッ‼‼それだったらお姉ちゃんよりもルビィが…(パァン‼)ッ‼」

 

そしてその激情のままに心の中を叫んでいくが、言葉の続きを言う前にそれは頬に感じた衝撃と痛みで遮られた。

 

なにが起きたのか分からなかったルビィが視線を動かすと…

 

「…ッ‼」

 

涙を流しながら右手を振り抜いた形で止まっていた花丸がいた。

 

「…………………………ダメだよ、ルビィちゃん…」

 

「花丸…ちゃん?」

 

「それだけは、ルビィちゃんが言っちゃダメ…‼その先を言ったら……………………ダイヤさんの死が本当に無駄になっちゃうよ…‼‼」

 

「え…?」

 

「だってダイヤさんは、ルビィちゃんに大切な事を託したんだよ……?なのにそのルビィちゃんが自分を否定したら……ダイヤさんの思いはどこに行けばいいの?」

 

(ルビィ…………笑顔を……忘れないで…)

 

「ッ‼」

 

花丸の言葉にダイヤが最後にルビィに伝えた事が頭を過った。そして自分がそれを忘れていた事も……

 

「だからルビィちゃんは生きないとッ‼‼生きて生きて……何時か、ダイヤさんと会えた時に強くなったルビィちゃんを見ればきっと、ダイヤさんも喜んでくれるズラ♪」

 

「あ…………うあ……‼」

 

そして再び泣きそうになったが、強くなると約束した事も思いだし堪えようとしたら果南がルビィを優しく抱きしめた。

 

「でも、焦る事はないよ。そんなすぐに強くなるなんて、誰にも出来ないんだから。」

 

更に曜がその後ろからルビィの頭を撫でる。

 

「だから今は思いっきり泣いちゃお?それくらいダイヤさんだって許してくれるよ。」

 

3人の言葉に彼女が押さえつけていた心を溶かし…

 

「あ……うあ…‼うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼‼‼」

 

溜まっていた思いを吐き出すかの如くまた泣いた。泣き終わる時には強い自分になると決意し、今だけは弱い自分をさらけ出して……

 

 

 

 

 

 

それから数十分泣いたルビィは、泣き疲れたのかそのまま果南の膝の上で眠ってしまった。

 

「やっぱり、ずっと気にしてたんだね……ダイヤのこと…」

 

「マルは……クロノスが許せないズラ…‼ダイヤさんとルビィちゃんをこんな目に合わせて…‼」

 

「それは皆一緒だよ。でも私達は戦える力がない……でも、代わりにやってくれる人達がいる。その為に動いてる人達が。」

 

果南の頭に浮かぶのは今もグラファイトと訓練をしている一誠と、クロノスとの戦いの後に何かを始めたヴァーリ……この二人なら、何とかなるんじゃないかと。

 

「でも、クロノスの力はスゴいよ?どうやって対抗すればいいの…」

 

だが、まずはクロノスのポーズを攻略しなければ勝ちの目はこちらに転ばない。そしてその攻略法は未だに無い……

 

「……………………もしかしたら、方法があるかもしれないズラ。」

 

「「えッ!?」」

 

そこに思わぬ事を口にした花丸に、二人は驚きの目を向けた。

 

「この前、パラドさんに会ったから神器で色々と調べてみたら、スゴい事が分かったんです。」

 

「なになにッ!?」

 

「実は……」

 

花丸はそこで一旦言葉を切って話そうとしたら、曜の携帯が鳴り出した。

 

「あ、ごめん…………もしもし、千歌ちゃん?」

 

電話の相手は千歌らしく、話していくと曜の顔がどんどんと強張っていく。

 

「うん…うん…ここに皆いるから伝えておくよ。またね。」

 

通話を終え、果南達の方を見るがその表情は青ざめていた。

 

「どうしたの?」

 

「それが……千歌ちゃんからの話だと、天使とか堕天使とか悪魔が私達を狙ってるって…」

 

「「はあああぁぁぁぁぁぁッ!?!?!?」」

 

「るびぃッ!?」

 

その突拍子もない内容に二人は声を上げながら立ち上がり、そのせいでルビィの頭が果南の膝から落ち、床に思いっきりぶつけてしまった。

 

「ああッ!?ゴメン、ルビィちゃんッ‼」

 

「うゆ~…どうしたの~…?」

 

寝ぼけ眼でまだぼーっとしているルビィに曜が説明したら……

 

「ぴ……」

 

「「「ぴ?」」」

 

「ピギャアアアアアアアアアアアアアアッ‼‼」

 

「「「ひゃあッ!?」」」

 

大きな悲鳴を上げた。そりゃ寝起きに命を狙われてるなんて言われれば、ビックリするわな。

 

「どうするッ!?どうするのッ!?どうするびいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ‼‼」

 

「おおおおおおおお落ち着くズラッ!?」

 

「大丈夫だよ、幻夢コーポレーションから最強の護衛を出してくれるって。」

 

「「ふゆぅ~~~~……」」

 

大慌てする二人だったが、曜の続きに背中合わせになって座り込んだ。

 

「でも、しばらくは身の回りに注意しないとね。」

 

最後の果南のまとめに全員が頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして会談当日……

 

「やっほ~♪久し振りだね、オイチャンの出番。」

 

「なに言ってるんですか、社長。」

 

一足早く会場入りしたリゼヴィムとポッピーピポパポ(明日那)は、たわいのない?会話をしていた。そこにサーゼクスとセラフォルーが入ってきた。

 

「ご無沙汰してます、リゼヴィム様。」

 

「おじ様、おひさしぶり~♪」

 

「サー君、セラちゃん、おひさ~♪」

 

横チェキする少女に横チェキで返す中年……普通に見ればシュールだが、互いがそれなりに顔が整っているので絵になるのは不思議だ…

 

「この度は会談への出席、ありがとうござ「ちょっとちょっと~…堅苦しい言葉はいいよ。」なら、そうしますよ。」

 

「それで、例の話はどうなってんの~?」

 

「私の騎士の調査結果だと、やはり幾つかの貴族が眷属をこっちに送ってますね。」

 

「こっちもそうだよ。もう、女の子相手に悪趣味だよね~?」

 

「ね~?」

 

「あんたら歳考えろ…」

 

「「テヘペロ♥」」

 

魔王の威厳も何もない会話に明日那はツッコムが、反省が全くない二人に頭を抱えるしかなかった…

 

「失礼します。」

 

そこにソーナとその眷属、ヴァーリ眷属が入ってくるが肝心の王であるヴァーリがいなかった。

 

「おりょ?ヴァーリはどったの?」

 

「まだ贖罪の作業を続けてまして、遅れはしますが必ず来るそうです。」

 

「わかったよ、君達も席についていてくれ。」

 

それからしばらくして堕天使総督のアザゼルが白神を連れて、天界からは熾天使(セラフ)の長【ミカエル】がエクソシスト数名を引き連れて入ってくる。

 

「よう、来たぜサーゼクス。リゼヴィムも元気そうだな?」

 

「おひさしぶりです、サーゼクスにリゼヴィムにセラフォルー。」

 

そしてすぐ後にリアス達が入ってくるが、その中に錬二がいるがギャスパーと小猫はいなかった。

 

彼女達はギャスパーを解放した後、彼の能力を制御できるようにするため特訓をやっていたが、結果が芳しくなくやむなくお留守番になっていた。

 

「すみません、遅れました。」

 

「いや、まだ開始前だから大丈夫だよ。」

 

そしてその数分後に、グラファイトと恋に連れられて一誠と果南達も入ってきた。

 

「やあ、来てくれてありがとう。」

 

「いえ、大体の事情は聞いてますから。」

 

「そう言ってくれると助かるよ。ここなら並大抵の事じゃびくともしないから安心してほしい。」

 

「それにお前達の家には制限を解除して、レベル99になったバグスター達を配置している。最上級悪魔くらいなら問題なく倒せるさ。」

 

そして今回、三勢力に狙われている果南達にはグラファイトとラヴリカである恋が護衛をし、各々の家族には訓練用の制限を解除され最高レベルになったバグスター達が配置されていた。正に鉄壁レベルだ。

 

「では全員が揃ったので、会談を始めようか。」

 

「おい待てよ、リゼヴィムの孫が来てねぇぞ?」

 

「彼には私が個人的に頼んでいた事がそろそろ佳境らしくてね、それを完成させてから来てくれるそうだ。」

 

「個人的な頼み……ねぇ?」

 

サーゼクスの答えに訝しげに見るアザゼルだったが、サーゼクスが口を割る事は無いと思ったのか、それ以上言及してくる事はなかった。

 

「ではここにいる者全てが神の死を知っているものとして会談を始める。」

 

サーゼクスの口上で会談が始まるが、最初は一般人の一誠達には関係ない裏の話などで、一誠は大きく欠伸をし花丸とルビィはうつらうつらと船を漕ぎ始めていた。

 

「これでコカビエルとの戦いの報告を終わりにします。」

 

そして報告が終わると同時に一誠の目は鋭くなる。何故なら、天使と堕天使の視線が彼に向いているからだ。

 

「なんだ?喧嘩なら買う「止めなさい。」あたッ。」

 

最初から喧嘩腰の一誠に、それを静めるために果南は彼の脳天にチョップを決めた。

 

「全く……少しは大人しくしてなさい。」

 

「へぇ~へぇ~…」

 

それにつまらなそうに着席する一誠。それをアザゼルがニヤニヤと見ていたので睨みつけたら、飄々とした態度で反らされたので舌打ちするが、それに目を付けた果南に再びチョップを喰らわされた。

 

「さて、そんじゃリゼヴィムに聞きたいんだが……あのクロノスって奴は何なんだ?」

 

「ん~?あれは孫の作ったゲームに出てくる【伝説の戦士】だよ~。」

 

「【伝説の戦士】だぁ?」

 

「そうだよ~。」

 

「確かに…………報告にあった力は相当なものでした。」

 

「おじ様、攻略法はあるの?」

 

セラフォルーの問いにリゼヴィムは腕を組んで黙り込む……そして、

 

「ないッ‼‼」

 

「「「「「「だあぁぁぁぁ~ッ‼‼」」」」」」

 

はっきりとそう答え、全員が椅子から滑り落ちた。

 

「おいおい……冗談言ってる場合じゃ「冗談じゃないって。」……どういう意味だ?」

 

「クロノスは奴が使うガシャットのゲームに出てくる装備品…………つまりはプレイヤー用で、しかもラスボス攻略用の最強アイテム…………つ・ま・り、攻略対象じゃないんだよん♪」

 

「マジかよ…」

 

「マジなんだよね~…」

 

その肯定に会場の空気が重くなってくる。

 

「ま、攻略法が全く無い訳じゃないよ。それも孫のヴァーリに取り掛からせてるから、時間の問題だよ。」

 

「それもいいが、俺達にもクロノスとガシャットのデータをくれねぇか?対策を考えてみるからよ。」

 

「私からもお願い出来ないでしょうか?」

 

アザゼルとミカエルの頼みにリゼヴィムは……

 

「うん、クロノスのデータはいいけど、ガシャットの方は断る♪」

 

笑顔でそう返した。

 

「…………………………一応、理由を聞いていいか?」

 

目を鋭くさせてリゼヴィムを見るアザゼルだったが、リゼヴィムは全く動じてないのか、態度を崩さない。

 

「ガシャットはヴァーリが作り出した物、爺ちゃんだからってワシが好き勝手していい物じゃないし、君達に渡したらろくな使い方をされないと思うからだよ。」

 

確かにアザゼル率いる堕天使陣営はコカビエルという裏切り者を出し、ミカエル率いる天使陣営は人間を信仰の為の道具としか見ない所がある。もしデータを渡したらまた裏切られてデータが流出するか、私兵とされた人間の戦闘アイテムとして使われる可能性がある。リゼヴィムが心配しているのはそれだった。

 

「だからガシャットの方は渡さない。何と言われてもね。」

 

頑なな態度に、アザゼルは最近仕入れた情報を使う事にした。

 

「だが、それで身内の陣営から襲われてんだろ?それにその力で万が一、悪魔の陣営を強化されでもしたら俺も手を打つぞ?」

 

その事にはミカエルも賛同してるのか特に何も言ってこない。

 

「だから、ここで発表するよ。」

 

リゼヴィムは席を立ち、参加者を見回したら1度目を閉じ……

 

「このワシ……リゼヴィム・リヴァン・ルシファーの名において、ここに宣言する………ワシらルシファー一族とその会社【幻夢コーポレーション】は悪魔陣営を抜けて、人間達の味方に付く事を。」

 

そう、宣言した。




いかがでしたか?

はい、リゼヴィム達は悪魔陣営やめて人間側に付く事になりました。

そして次回、クロノス登場に更なる事態発生ッ!?


次回【仕込まれたVenom】

「さあ、今こそ覚醒の時だ…‼」


では、次回でお会いしましょう。

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