ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

平成ジェネレーションズfinal見てきました‼

取り合えず黎斗神が神していて、そして貴利矢がwww

映司とアンクの再会も良かった…‼

これ以上はネタバレを話しそうなので、やめときます。

そしてやっと、あの人が登場します‼

では、どうぞ。


Eternalな輝き

「うぐ…‼」

 

「フム……この程度かね、デンジャラスゾンビ?」

 

拳をぶつけ合わせたゲンム・ゾンビゲーマーとクロノス・ドラグーンクロニクルゲーマー……しかし、その力の差は圧倒的だった。

 

(全力で殴って無反応な上にパワーも向こうが上とか…厄介だね…)

 

1度距離を取り、リゼヴィムは殴った方の手を軽く振る。

 

「では、今度はこちらから行こう。」

 

『Half dimension‼』

 

クロノスから音声が聞こえると、彼がリゼヴィムの前に一瞬で現れた。

 

「んなッ!?」

 

それに驚いていたら顔に裏拳と回し蹴りを喰らい、吹き飛ばされた。

 

「ガハッ!?……なんのぉッ‼」

 

しかしリゼヴィムは黒と紫が混じったオーラを纏って、ユラリと立ち上がる。

 

「ほう……ゾンビらしいな…」

 

「ちょっとは老人を労ったらどうだい?」

 

「社長ッ‼」

 

再び対峙するリゼヴィムとクロノス……そこに明日那がやって来る。

 

「明日那ちゃん‼そこの二人を連れて下がってて‼」

 

「ですがッ!?」

 

「そこに二人がいる方が邪魔なのよ‼急いでッ‼」

 

「は、はいッ‼」

 

明日那が一誠達に肩を貸して下がっていくのを気配で確認しつつ、何もしてこないクロノスを睨む。

 

「驚いたねぇ~、君なら何かしてくると思ってたけど…」

 

「なに、性能評価の為だ。相手が本気でないと、このガシャットの力がどれ程か調べられないのでね。」

 

「あらそ…‼」

 

リゼヴィムは再びクロノスに向かって拳を繰り出し、クロノスは特に抵抗を見せずにそれを顔面に喰らうが、何故かリゼヴィムの方が仮面の下で驚きの表情を浮かべていた。

 

(さっきより奴の体が硬い…!?)

 

「どうした……先程よりも力が足りないぞ?」

 

「グフゥッ!?」

 

驚きで止まってしまった隙をクロノスは見逃さず、リゼヴィムの腹にヤクザキックを叩き込み、リゼヴィムは10メートル程吹き飛ばされた。

 

「ガ…‼力も上がってるとか、何をしたのかな~…!?」

 

いつもの様に振る舞おうとするも、その声には驚愕が隠しきれていない。

 

「フッフッフッ…これがこのガシャットの能力だ。」

 

そう言って腰のガシャットを撫でる。

 

「このゲーム【カイザードラグーンダブルナイツ】は赤き龍の力を宿した者の軍と白き龍の力を宿した者の軍が、互いの領土を賭けて争う無双型アクションゲーム。そして今の私はその両方の力を使えるのだ…よッ‼」

 

「ブッ!?」

 

言葉の最後と同時にまた蹴りを喰らい、今度は約20メートルほど吹き飛ぶ。

 

「能力としては【相手に一撃当てる事に全能力倍加、相手の全能力半減】がある。これは武器による攻撃は当てはまらないようだがな。」

 

「こんの…‼」

 

ゾンビゲーマーの力で起き上がったリゼヴィムは、クロノスに蹴りを当てるも微動だにしない。

 

「それと譲渡や空間圧縮も使える。そして最大の特徴が…」

 

そしてリゼヴィムの足をはたき落とし、胸に正拳突きをめり込ませた。

 

「ゴブォッ!?」

 

その一撃に地面に膝を着き、能力で起き上がるもすぐさま胸ぐらを捕まれて引き寄せられる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事だ。」

 

「ッ!?もしやそれは…‼」

 

その言葉を遮る様にクロノスはリゼヴィムを突き放し、回し蹴りを喰らわせた。

 

「ゴベェッ!?いつつ…まさか失われた天龍の力すら再現したとは…‼」

 

「ほう……今のでそれを理解するとは…中々の洞察力だ。」

 

「伊達に長生きしてないよ。つまり、君はワシの攻撃のダメージを全て【反射】し、自分の攻撃を全て【透過】させているのか…‼」

 

そう、クロノスがゲームの元にした赤龍帝の籠手には倍加と譲渡、白龍皇の光翼には半減と吸収の能力があるが、それらに封印されているドラゴン…【ドライグ】には【透過】、【アルビオン】には【反射】という更なる能力があった。しかし、彼等が神器に封印されてからはその能力が発現した事は確認されていない……まさに失われた能力だったのだが、クロノスはその力さえも手に入れていた。

 

「その通り…‼」『ガッチョーン。』

 

そこでクロノスはバグヴァイザーⅡをベルトから外し、銃口がある方を避難させた明日那達の方へと向けた。

 

「何を…!?」

 

リゼヴィムが最後まで言葉を口にする間も無く、銃口からオレンジの粒子……バグスターウィルスを散布した。

 

「逃がした彼等は生かしておくと後々に面倒になりそうだからな…………ここで絶版にする。」

 

「ッ‼させ…「させないさ。」ブアッ!?」

 

クロノスの企みを阻止しようとするリゼヴィムだったが、それよりも先に攻撃を喰らって倒れる。

 

「貴方は私のテストの為のサンドバックだ…逃がしはしない。」

 

「なら、速効で倒してあげちゃうよ…‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら二人とも、しっかりしてッ‼」

 

明日那に運ばれながら、何とか魔王達が張っている結界へと向かっていた一誠達だったが、彼等の目の前にクロノスが散布したバグスターウィルスが降ってきて、3体のバグスターに変わる。そのどれもが見た事ある姿だが、所々色が違っていた。

 

「貴方達はモータス、チャーリー、カイデンッ!?」

 

「さぁ~て、地獄のレースの始まりだぜぇッ‼‼」

 

「レッツ、パーリィターイム‼」

 

「いざ、尋常に勝負‼」

 

「こんな時に…‼」

 

傷ついた二人を戦わせない為にも、彼女は二人を降ろし懐からバグヴァイザーⅡを取り出して腰につけようとしたら…

 

「下がれッ‼ポッピーピポパポ‼ドドドドド紅蓮爆龍剣‼」

 

横から聞こえた頼もしい声に、すぐ下がると炎の龍が3体を飲み込んでいった。

 

「「「うぎゃああああああああああッ!?」」」

 

「グラファイトッ‼ありがとう‼」

 

「まずは一誠達を避難させろ‼ここは…俺達が引き受ける。」

 

そう言うグラファイトの左右に、既に変身している恋と梨子達が並び立つ。

 

「皆、お願いねッ‼」

 

再び一誠とパラドを担ぎ直した明日那は6人の横を抜けて陣地へと駆けていく。それを見送ったグラファイト達はモータス達と対峙する。

 

「貴殿達が相手か…」

 

「鞠莉、カイデンは俺達でやるぞ。」

 

「OKッ‼私達のLove Powerを見せてあげましょうッ‼」

 

カイデンと戦うのはグラファイトとレーザー。

 

「ヘーイッ‼俺様ノテクヲ見セテヤルヨッ‼」

 

「やれやれ、自尊心が強い男は女の子から引かれるよ?」

 

「アンタが言うなし…」

 

チャーリーとはラヴリカとヨハネ。

 

「な~るほど‼お前達がレース相手って訳か‼」

 

「悪いけど、貴方の土俵で戦う気は無いから…」

 

「ノーコンティニューで、クリアするよ‼」

 

モータスには千歌と梨子がぶつかり合う。だが、この時誰も気付かなかった…彼女達の真上にまだバグスターウィルスが残っており、それは一誠達のもとへと向かっていった事に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

俺とパラドは社長秘書の女に支えられ、何とか魔王達が張る結界の中に着いた。

 

「アーシアちゃん、この二人の治療をッ‼」

 

「わ、解りました‼」

 

その中には何故か会談にはいなかったアルジェントと、この前の戦いの時にいた青髪緑メッシュの女までいた。

 

「……アンタは…」

 

「私はあの後、教会を追放されてね…どうしようか考えていたら、幻夢コーポレーションに拾ってもらったのさ。今はアーシアの護衛役だ。」

 

「最初はちょっと恐かったんですけど、今ではお友達です。」

 

恐らく教会を追放された同士、気でも合ったんだろうな。

 

「つか、このヘンテコな空間にどうやって…」

 

「リゼヴィム殿が自身の特性を組み込んだ転移術式でだ。」

 

おい、あのじいさんもチートかよ…

 

「たく…お互い惨めだな…」

 

「全くだ…」

 

俺は自分の壊れたガシャットを握り締め、隣のパラドに視線を向けると奴のガシャットも大きな切り傷があって壊れていた。

 

「この手で黒澤先輩の仇が討てると思…「先輩ッ‼‼」うごおッ!?」

 

悔しさに落ち込んでいたら、黒澤妹が俺に突っ込んできたので受け止めたが、傷口に頭突きが決まってマジ痛え…‼

 

「おいッ!?そこは傷…「……す…‼」あ?」

 

「お姉ちゃんだけじゃなくて……先輩までいなくなるの…………嫌…です…‼」

 

その言葉に俺は言葉に詰まった。

 

俺がいなくなる?コイツは何を言って……

 

「今、ルビィちゃんが言った事……あんまり理解してないでしょ?」

 

「あたっ」

 

そこに後ろからやって来たカナ姉から後頭部にチョップをもらう。

 

「何すんだよ?」

 

「お仕置きだよ。さっきのクロノスとの戦い……何か勝機があったの?」

 

「そりゃ…なかったけどよ…」

 

「なら、自分が殺されるって思わなかったのッ!?」

 

いきなり声を荒げるカナ姉に俺はビックリする。その目に涙を滲ませながら更に言葉を続ける。

 

「私達はもう大切な人がいなくなるところなんて見たくないのッ‼無茶したっていいッ‼勝てなくたっていいッ‼だけど絶対に戻ってきて…‼お願いだから……私達に【お帰り】って言わせてよ…‼」

 

カナ姉の言葉に俺は黙るしかなかった。事実、自分は変身が解けた時に死を感じてしまったのだから…

 

そうだな……あんな思い、するのもさせるのも俺は御免だ。

 

「悪い……無茶が過ぎたわ…」

 

「分かればよろしい。」

 

涙を拭い、いつもの笑顔見せるカナ姉に俺の頬も自然と弛む。

 

「話し中悪いが、まずはクロノスの攻略法を考えようぜ?状況が悪くなってきてるからな。」

 

パラドに言われ結界の外を見ると、ローブを着た奴等がたくさんの火球を飛ばして結界を揺らし、魔王や天使長が壊れないように維持している。更に外では残っているグレモリー眷属の奴等がローブの奴等を倒していた。

 

「確かにな……つってもクロノスの攻略法なんてあるのかよ?俺らのガシャットは壊れちまったし…」

 

「マルに考えがあるズラッ‼」

 

そこに神器を出した国木田と曜がやって来た。

 

「考えだと?」

 

「そうズラ‼ただ…可能性がどれだけあるか解らないけど…」

 

「とりあえず話せ、ズラ丸。」

 

「ズラ丸じゃないズラッ‼かつら…………じゃなかった、花丸ですッ‼」

 

パラドの呼び名が不満みたいだが、俺はぴったりだと思うぞ?

 

「オッホン‼‼この状況を打開するには……パラドさんが番長先輩に感染するんです。」

 

「「はあッ!?」」

 

国木田の提案は俺ですら突拍子の無いもので、カナ姉や曜はそれに驚きの声をあげる。

 

「花丸ちゃん…それ、冗談だよね?」

 

「ルビィちゃん、マルは本気だよ。」

 

「何で……何でなのッ!?だってそれでお姉ちゃんが…‼‼」

 

「だってパラドさんは…………番長先輩から生まれるバグスターだからッ‼‼」

 

「「「「ッ‼‼」」」」

 

そこで国木田が口にした言葉に俺まで声が出なかった。

 

「俺は……パラドに感染しているのか?」

 

「はい……マルの神器の情報が確かなら…」

 

まさか俺が黒澤先輩が死んだのと同じのに感染してるなんて……

 

「パラド、これは本当なのか?」

 

「ああ、そして俺がお前に手を組もうと話した理由でもある。」

 

「んで、俺とお前が組めば……クロノスに対抗出来るんだな?」

 

「可能性はある…」

 

『ほう……それは興味深いですね?』

 

「「「「「「ッ!?」」」」」」

 

そこに新たな声が聞こえてきたが、その声に含まれた殺気に俺とパラドに女秘書はカナ姉達を庇う様に立つと俺達の前に執事服を着てオールバックの男が現れる。

 

「そんな…‼魔王達が張ってる結界にどうやって…‼」

 

「貴方達が中に入る時に開けた、その穴からですよ。では、自己紹介と参りましょう……私はクロノス様にお仕えするバグスター【グラファイト】と申します。」

 

「グラファイトですってッ!?」

 

「ええ、ですがそちらにいる乱暴者とは違いますがね?」

 

そう言って男はバグヴァイザーを取り出した。

 

「証拠をお見せしましょう…………培養。」

 

ヴァイザーのAボタンを押し、それを右手のグリップパーツに取り付けると姿が変わっていき、水飛沫と共に蒼い体のグラファイトが俺達の前に現れる。

 

『INFECTION!! レッツゲーム‼バッドゲーム‼デッドゲーム‼ワッチャネームッ!?ザ・バグスター‼』

 

「蒼い……グラファイト…!?」

 

「正式名は【セイリュウグラファイト】です。」

 

そして背中のグラファイトエッジを手に取ると、真ん中から2つに別れ二刀流にして構える。

 

「マズイ、魔王達は結界を張っているから動けない……だったら私が…‼」

 

女秘書が俺達の前に出るとバグヴァイザーⅡを腰に当ててベルトにし、ガシャットを起動させた。

 

『ときめきクライシス‼』

 

「変身ッ‼」

 

『ガシャット‼』『バグルアップ…‼ドリーミングガール‼(Wooooo!!)恋のシミュレーション‼乙女はいつもときめきクライシス‼(Wooooo!!)』

 

「仮面ライダーポッピー‼いくよッ‼」

 

『ガッチャーン…‼』

 

女はチェーンソーを振るうも、アッサリと左の剣で受け止められる。

 

「およしなさい、貴方では私には勝てない。それに…」

 

「きゃッ‼」

 

そして右の剣で弾き飛ばされ、俺達の前に倒れた。

 

「ゴゴゴゴゴ蒼刀撃龍刃‼」

 

「それくら「避けたら後ろの子達に当たりますよ?」ッ!?キャアアアアアアアアアッ‼‼」『ガシューン。』

 

セイリュウグラファイトはその隙を逃がさず必殺技を放ち、避けようとした女秘書は俺達のせいで動けず直撃をもらい、変身が解除された。

 

「明日那さんッ‼」

 

「ハハハハハハハッ‼甘いですねぇ…‼」

 

倒れた女秘書の横を通り、セイリュウグラファイトは俺達の元へと歩いてくる。

 

「そこの子は厄介な能力を持ってる様ですね……ならば、この場でデリートしましょう。」

 

「ずらぁッ!?」

 

(パラド……いけるか?)

 

(ああ、タイミングは任せろ。)

 

俺はパラドは国木田を守るために、突撃するタイミングを見計らっていたら……

 

-―バキュンッ‼――

 

「ほっ。」

 

俺達の間を光が通り抜け、セイリュウグラファイトへと向かっていくが、奴は体を傾けてかわした。

 

それが攻撃だと理解し、撃ったのは誰かと振り返ると……

 

「ハァ…ハァ…‼」

 

黒澤妹がバグヴァイザーⅡをガンモードにして、その銃口から煙を出しながら立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイリュウグラファイトの狙いが花丸と分かったルビィの頭に、ダイヤの死んだ時の記憶が過った。

 

(先輩や花丸ちゃんがお姉ちゃんみたいになるなんて……そんなの絶対にイヤだッ‼)

 

そう思った瞬間、彼女はバグヴァイザーⅡをガンモードにしてセイリュウグラファイトへと撃った。しかし目を瞑って撃ったので狙いが甘く、簡単に避けられてしまう。

 

「おや?君はもう戦えないし、歌えないと思ったのですが…」

 

「ホントは今も怖い………………だけどッ‼先輩や花丸ちゃんがいなくなっちゃう方がもっと怖いから…‼だからッ‼」

 

そう叫ぶ彼女の顔は目に涙を滲ませながらも、確りとした決意が浮かんでいた。

 

「ふぅ……どうやら貴方もデリートした方が良さそうですね。」

 

苛立ちと呆れを混ぜた様な声で呟いたセイリュウグラファイトは両手の剣に蒼いエネルギーを溜め始める。

 

「マズイッ!?イッセーッ‼」

 

「ああッ‼」

 

このままではマズイと思った一誠とパラドが走り出そうとした瞬間……

 

ガシャアアアアアアアアンッ‼‼

 

黒とグレーのモノトーンに塗られたバイクに乗った誰かが結界を破って中に入ってきた。

 

「なんだッ!?」

 

「てか、バイクで破れるって結界脆すぎでしょッ!?」

 

果南のツッコミももっともだが、今は誰もそれに答えずバイク乗りは左腰のホルダーのボタンを2連続で押した。

 

『キメワザ‼ BAKUSOU!! CRITICAL STRIKE!!』

 

マフラーから火を吹かせながらセイリュウグラファイトへと突っ込んでいくが、ぶつかる寸前で前輪だけブレーキを掛け、後輪を浮かせるとその場で回転してセイリュウグラファイトにぶつけ吹き飛ばした。

 

「ドハァッ!?」

 

バイク乗りとセイリュウグラファイトはまた結界を破り、丁度千歌と梨子が戦っている場所で止まった。その人物を顔はヘルメットで解らないが、体型的に女性のようだ。そして腰には【ゲーマドライバー】が装着されており、キメワザスロットホルダーのスロットには【プロト爆走バイク】が、ホルダーには黒と血色、白と金の二色ずつに塗られた2つのガシャットがあった。

 

「もうッ‼遅いよ美歌ッ‼」

 

「仕方ないじゃない、ヴァーリの研究を色々と手伝ってたんだから。」

 

「「えッ!?」」

 

千歌は誰か解ったかのように名前を呼んだが、その返答は()()()()()()()()()()、振り返るとそこにノイズから美歌が現れた。

 

「なによ、その臭いカレーを喜んで食べるクワガタを見た時のような顔は?」

 

「その例えは何処から浮かんだのよ…」

 

「じゃああれは……………………女装したヴァーリ君ッ!?」

 

「なんでだよッ‼」

 

「ア痛ッ!?」

 

千歌が再び誰か当てようとしたが全くの検討違いな上に、()()()()()()()()()()()()ヴァーリからチョップを喰らっていた。

 

「たく……久々の登場なのに、なんでそんな事しなくちゃいけないんだ?」

 

「だってぇ~……それじゃあの人は?」

 

頭を擦りながら聞く千歌に、ヴァーリはニヤリと笑う。

 

「ルビィへの贖罪さ。遠慮せずに受け取れぇッ‼」

 

その叫びに合わせてバイク乗りがヘルメットを取ると、全員が目を見開いた。ヘルメットの中から出てきたのは長いストレートの黒髪に翠の瞳、口の右下にほくろがある顔であった。

 

「嘘…」

 

「なんでッ!?」

 

「ハハハハハハハッ‼‼俺の才能に不可能は無いという事だァッ‼‼」

 

驚く千歌達と高笑いするヴァーリを他所に、その女性は結界の方を…………正確にはその中にいるルビィを見て微笑み、その女性と目があったルビィの頬を涙が一筋伝う。それが夢なのかと思いながら……

 

「しばらく見ない間に強くなりましたわね……ルビィ。」

 

「ッ‼‼‼‼」

 

だが、女性の声を聞いた途端、涙が止めどなく溢れだす。しかしその顔に悲しみはなく、寧ろ喜びが浮かんでいる。それは周りにいる曜や花丸に果南、アーシアもそうだ。

 

何故、彼女達がそんな表情をするのか?何故ならそこにいるのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんッ‼‼」

 

「「「ダイヤ(さん)ッ‼‼‼」」」

 

消滅した筈のルビィの姉【黒澤ダイヤ】だからだ。

 

「再会の挨拶は後回しにして、この青蜥蜴は私が相手しますわ。」

 

そう言うと彼女は1つのガシャットを取り出して、起動ボタンを押した。

 

『ジュエリートレジャー‼』

 

現れるスタート画面を背に、時計回りに回ってガシャットの端子を下に向ける。

 

「0カラット……変身。」

 

そこから勢いよくガシャットをドライバーに挿し、レバーを開いた。

 

『ガシャット‼ガッチャーン‼レベルアップ‼』

 

そして周囲を回るアイコンを回っているのとは反対方向に回りながら、後ろ回し蹴りでアイコンを選択した。

 

『探せダイヤ‼集めろルビ―‼ジュエリートレジャー‼』

 

出てきたゲートを潜ると、頭部は腰まで届きそうなストレートの髪にダイヤモンドとルビーが付いたカチューシャ、翠の瞳をした顔に肩にも宝石の装飾があり、ボディスーツにはブレイブと似た模様が入り、胸にはライダーゲージとコントローラーを模したプロテクターが付いた姿となった。

 

「何で貴方が変身をッ!?」

 

「それは今の彼女が、俺達の()()()()()だからだ。」

 

「対極…?」

 

梨子はその意味が解らず首を傾げる。

 

「く……新しいライダーですか。」

 

「【仮面ライダージュエル】以後、お見知り置きを。」

 

ジュエルへの変身が終わると、彼女の横に美歌が立ちプロトガシャットを複数渡した。

 

「はい、ワタシからのプレゼントよ。」

 

「あら、ありがたく貰いますわ。」

 

それを受け取り、周りに現れた武器アイコンから剣を選択する。

 

『ガシャコンソード‼』

 

「素人風情が……嘗めないでもらいましょう…‼」

 

グラファイトエッジを構えるセイリュウグラファイトに、ジュエルは剣を突きつける。

 

「貴方に私の輝き、見せて上げますわ‼」




いかがでしたか?

祝・ダイヤ復活&初変身‼

今回はペコーシャさんから頂いた案を使わせて貰いました。アイディアありがとうございます‼

そして外れてしまった方に朗報です。頂いたアイディアの中から2つ、レベルX用に採用させて貰いました‼次回、その片方を出します。


次回【黒き王のBlessing】

「今の私は……容赦しませんわよ?」


では、次回でお会いしましょう。

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