ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

4 / 116
どうも、疾風の警備員です。

今回は一誠VS人外になります。勝者はどちらなのか!?

後、関係ない話になりますがアイカツスターズ51話を見ていたら、病弱設定の先輩がアトミックバズーカを撃っててマジで吹いたwww

ではどうぞ。


ディアボロス編
原作のstart


ヴァーリside

 

ガシャットギアデュアルΣが完成した翌日、俺は欠伸を堪えながら通学路を梨子と千歌と一緒に歩いていた。

 

「あ~…眠い…」

 

「もう、徹夜でドライバーを作るからだよ?」

 

「そんなに急がなくちゃ駄目なの?」

 

「ああ、適合手術をしてない上、バグスターでもない一誠がそのままガシャットを使用すると、体に悪影響が出かねないからな。ドライバーはその防止装置でもあるんだ。」

 

俺や皆はバグスターウィルスの抗体を作る適合手術をやった。しかし、適合手術すらしていない人間の一誠が直接使えば、最悪ゲイム病に感染して消滅しかねない。だからこそドライバーが必要となる。一誠の場合、肉体が今後どうなるか分からない以上、ドライバーの方に装着者の体内にウィルスの抗体を生成出来るように改造する必要がある。

 

「へぇ……そうなんだ。」

 

「それに嫌な予感がしてな……早く完成させないと…」

 

「あ、曜ちゃんだ‼お~い‼」

 

その時、前にいた3人組に千歌が呼び掛けると相手が振り返り、その中には一誠もいた。

 

「あ、千歌ちゃんと梨子ちゃんだ‼」

 

「曜ちゃん、知り合い?」

 

「うん、私の友達‼」

 

「ルシファーか。」

 

「おう、一誠。」

 

俺達はそのまま一誠達に合流する。

 

「え~と……私は学年が違うから分からないんだけど…」

 

「と、まずは自己紹介ですね。俺はヴァーリ・ルシファー、北欧からの留学生です。」

 

「えと、高海千歌です‼曜ちゃんのお友達です‼」

 

「始めまして、桜内梨子です。同じく曜ちゃんの友達です。」

 

「そっか、私は松浦果南。3年だけどよろしくね。」

 

自己紹介が終わると俺達は女性は女性で、男は男に別れて歩いていた。

 

「一誠、お前に1つ報告がある。お前のガシャットが完成したぞ。」

 

「へぇ……もう少し掛かると踏んでたんだがな?」

 

驚いた様な口振りだが、その顔は楽しさを抑えきれないかのごとく、にやけていた。

 

「ラッキーが重なったのさ。それにお前好みに調整も済んだ。ただ…」

 

「ただ……なんだよ?」

 

「それを使う為のベルトを忘れててな?引き渡しは後3日程待ってくれ。」

 

「オイオイ嘘だろ?そこまで期待させといてそれかよ、シラケんなぁ…」

 

「それは悪いと思っている。なるべく急ぐから待っててくれ。」

 

「頼むぜ?」

 

そんな会話をしながら歩いていたら学校に着いたので、俺達はそれぞれの教室に別れる。俺と梨子、千歌は2組で一誠と渡辺は1組だ。

 

さて、授業が終わったらさっさと家に帰ってドライバー製作に入るか‼

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

授業が終わった俺は、屋上に出て風に当たっていた。

 

「何かワクワクするような事がねぇかな…」

 

最近は本当につまらない……どんな喧嘩にもワクワクしやしねぇ。

 

「いっそルシファー達みたいな人外にでも喧嘩を売ってやろうか…」

 

つっても、何処にいるかも分からねぇけど……

 

そんな事を考えながら視線を巡らせていたら、校門に何時もと違う点を見つけた。

 

「誰だ、あの女…?」

 

視線の先には、この学園とは違う制服の女が立っていて、通りすぎる男子や女子が思わず視線を向ける程の美貌を持っていた。

 

(この感じ、アイツ……何企んでやがる…?)

 

ソイツを見ていたら、俺は違和感を感じた。あの視線……誰かを待っているというより、まるで誰かを殺そうとしているみたいな……

 

するとソイツの近くを黒澤妹と国木田が通ろうとしたら、その女が2人を呼び止めた。

 

「……こりゃ、久々にワクワクしてきたぜ…‼」

 

それを見た俺は屋上を出ると全速力で階段を駆け降り、下駄箱から校庭に出るが3人の姿はなかった。

 

「チッ…‼何処に行きやがった…‼」

 

身体中を走る興奮に、俺はワクワクを感じながら学園内を駆け巡った。

 

 

 

 

 

 

ルビィside

 

「ルビィちゃん、今日本屋に寄ってかない?」

 

「うん、いいよ。」

 

放課後になって、私は花丸ちゃんと本屋さんに行くために二人で歩いていました。

 

「今日はどんな本があるのか楽しみズラ~♪」

 

「ルビィはお料理の本を探そうかな?」

 

私がそう呟いたら、花丸ちゃんが何故かにやけながら私を見ていた。

 

「な…何…?」

 

「いえいえ~、ルビィちゃんは可愛いなぁって。」

 

「へ?」

 

「昨日の夜、ずっと料理のレシピ本を食い入る様に見てたんだって?」

 

「ぴぎぃッ!?」

 

花丸ちゃんの言葉に驚きと恥ずかしさで、私の顔が赤くなる。

 

な、何でそれを花丸ちゃんが…!?

 

「朝、ダイヤさんに会ったとき聞いたズラ。」

 

(お姉ちゃ~ん‼何で花丸ちゃんにそんな事話しちゃうの~‼)

 

心の中でいつもは凛々しくてカッコいいけど、時々天然になる姉に向かって叫んだ。

 

「それって、番長先輩の為?」

 

「そ…それは………その……うん…」

 

だって、あんな風に男の人に褒められた事なんて無いし、撫でてくれたりする先輩の手はおっきくて暖かいし……

 

「やっぱり‼もう、こんな可愛いルビィちゃんは番長先輩じゃなくてマルがお嫁さんに欲しいズラ~♪」

 

「ちょ…花丸ちゃん…‼抱きつか「ねぇ、ちょっと良いかしら?」ふえ?」

 

校門の前まで来たら、そこには見慣れない制服を着た黒髪の女性がいた。

 

わぁ……私とは違って大人な雰囲気がするなぁ……

 

「実はさっきこの学園の校舎裏辺りにハンカチが飛ばされて入ってしまったの。母から貰った大事な物だから取りに行きたいのだけど違う学校だし……案内して貰ってもいい?」

 

「えっと……マルはいいですけど…」

 

「わ、私も…」

 

「ありがとう‼早速お願いしても?」

 

「あ、はい…こっちです。」

 

その女の人を連れて歩いていたら……

 

「(ふふ……計画通り。)」

 

(え?)

 

私の耳に小さな声で何かを呟くのが聞こえてきた。

 

(また、よく聞こえるように……でも、今の言葉は…?)

 

その言葉が何を意味してるのか理解できなかった私はそのまま一緒に校舎裏に着いてしまった。

 

「どの辺で落としたんですか?」

 

「確か、その辺よ…‼」

 

ドスッ‼

 

「「へ?」」

 

場所を聞こうと花丸ちゃんが振り返ったら、私達の足下に光の棒みたいなのが突き刺さった。

 

え…なに…どういう事…?

 

「ふふ…やっぱり理解不能の事態に陥った時の、()()()の顔は最高ね…‼ゾクゾクするわ。」

 

女の人はさっきとは違い、怪しく怖い笑みを私達に向ける。

 

「あ……ああ…………」

 

この事態に私達は腰が抜けてしまい、座り込んでしまう。

 

「悪いけど、そっちの赤い髪の子が持つ()()は私達の計画の邪魔になるの。だから死んでもらうわ。因みに悲鳴をあげても無駄よ?既に人払いと防音の結界を展開してるから。」

 

そう言って、その手に地面に刺さっているのと同じ、光の棒みたいなのを作り出す。

 

「安心しなさい。そこのお友達も後で連れていってあげる。」

 

そして腕を大きく振りかぶった。

 

私…死んじゃうの?……やだ……そんなのやだよ…‼誰か助けて…‼お姉ちゃん…‼

 

「助けて…‼先輩…‼」

 

「さよな「オラァッ‼‼」ぐぶッ!?」

 

怖さのあまり目を瞑っていたら、女の人の奇声と今、最も聞きたかった人の声が聞こえた。

 

だからゆっくりと目を開けて、最初に視界に入ったのは……

 

「よお、これでもう30回位だな。お前が不良に絡まれるのは?」

 

「兵藤先輩…ッ‼」

 

私が始めて恋をした人だった。

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

あの女を探して走り回って校舎裏に行こうとしたら、突然この先には行きたくないと本能が訴え始めた。

 

(どう考えても、怪しさ満点だな‼)

 

その本能をワクワクで高ぶった心で押し殺して先に行くと、さっきの女が黒澤妹と国木田に向かって光の棒みたいなのを投げようとしていた。

 

(やっぱり‼アイツは人外だ‼)

 

それで更に心が高ぶり、全速力で駆け寄って棒を投げる前に脇腹に蹴りを叩き込んだ。

 

「オラァッ‼‼」

 

「ぐぶッ!?」

 

不意討ちだったからか簡単に吹っ飛んだので、俺は二人の所に行く。

 

「よお、これでもう30回位だな。お前が不良に絡まれるのは?」

 

「兵藤先輩…ッ‼」

 

「番長先輩‼」

 

「二人共、無事みたいだな。」

 

涙目になっているが、パッと見二人共ケガもなかった。

 

「この…‼貴様かァッ‼‼」

 

「あん?」

 

そこに怒声が響き、顔を向けるとさっきの人外が怒りの形相で俺を睨んでいた。

 

「人間風情が‼よくも…‼」

 

「はッ‼テメェこそ、その人間相手に姑息が過ぎんだろ‼ホントはビビってんじゃねぇのか?」

 

「…殺すッ‼‼」

 

ソイツは右手に光の棒を出し、背中から黒い翼を出すと俺目掛けて突っ込んでくる。

 

「甘いんだよッ‼」

 

俺は突き出された棒を少し右に動いてかわし、懐に入って来た女の頭を掴んで膝を顔面にめり込ませた。

 

「ぶぼッ!?」

 

「オラ、持ってけ‼」

 

「ごはッ‼」

 

そしてのけ反ってる間に、腹を全力で殴る。

 

「ぐ……ぐそ…‼」

 

腹を抱えながら女は踞り、口から血を流しながら俺を睨む。

 

「オイオイ、せっかく人外に会えたと思ったのにこの程度かよ……シラケんなぁ…」

 

あまりの弱さに俺が落胆していたら……

 

「……ナメるなぁッ‼‼」

 

女は右手を手刀の形にして、そこに光の刃を纏わせて振るってきた。

 

「チィッ‼」

 

油断していた俺は咄嗟にバックステップを踏むが、ギリギリでかわせず服が切れ胸に赤い線が出来て、そこからうっすらと血が流れる。

 

「まさかあれで終わったとでも?おめでたい頭ね。さあ、ここからが本番「クックックッ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ‼‼」な、何がおかしいッ!?」

 

「せ……先輩…?」

 

女や黒澤妹が何か喋っていたが、そんなのどうでもいい‼今の俺はサイッコーにワクワクしてるぜ‼

 

「いやな?ここんところロクな相手に恵まれなくてよ……ようやくワクワク出来る相手に会えたぜ…‼」

 

そう言って一気に近づいて殴ろうと思ったが……

 

「させないわ‼」

 

上から光の棒を次々に落としてきた。

 

「それがどうしたァッ‼」

 

が、俺は直撃する物は避けて掠めるものは気にせずに、更に近づいていく。

 

「何コイツ…死ぬのが怖くないの!?」

 

「怖いさ‼だから直撃は避けてんだろうが‼」

 

「くッ…‼」

 

至近距離まで近づいた俺は拳を振るうが女は翼を拡げて後ろに下がり、そのお陰で光の棒の雨が止んだので俺も1度息を整え、体を見るとあちこちに切り傷が出来て場所によっては結構な血が流れている。

 

「確かに、たかが人間にしてはやるようね?」

 

「そういうお前はその()()()()()()()()に手間取ってる様じゃ、大した存在じゃないのな?」

 

「減らず口を叩くのはいいけど……こうしたらどうするッ‼」

 

女は再び手に光の棒を作るとそれを投げるが、まったくの検討違いの場所に投げようとした……

 

(いや、違ぇッ‼)

 

その行動の意味にすぐ気づいた俺は、走り出して左腕を伸ばし()()()()()()でその棒を自分の腕に突き刺す事で受け止めた。

 

「グアッ‼」

 

「せ…先輩‼」

 

刺さっている光の棒が消えると、そこから大量の血が流れる。

 

これはさすがに、少しやべぇか…

 

「やっぱりね。あなたみたいなのはこういうのが一番効果的なのよね?」

 

「ひ、卑怯ズラッ‼こんな手で「黙ってろ、国木田…‼」で、でも…‼」

 

「そもそもケンカにルールなんてもんはねぇ……勝った方が正義だ…‼いいから黙って下がってろ‼」

 

国木田を後ろに下げ、左腕をダラリと下げたまま俺は構える。

 

「第2ラウンドだ……いくぞッ‼」

 

「いい加減に死になさい‼」

 

走り出す俺に女は光の棒を投げてくるが……

 

「オウリャアッ‼‼」

 

右足で地面を踏みしめつつ、そこを軸にして体を回転させ、勢いづけた回し蹴りでそれを砕く。

 

「な…!?」

 

左足を地面に着けると靴の踵部分が無くなってるのか地面の感触があるが、そんなのは無視して地を駆けて懐に何とか入り込めたら、右ストレートを首に打ち込む。

 

「ごぷッ!?ごほッ‼ごほッ‼」

 

その一撃でむせている隙に頭を掴み、頭突きを喰らわせる。

 

「ガッ!?」

 

更にのけ反りながら吹き飛ぶ女の側頭部に体を回して遠心力を足し、ダランとした左腕をしなる鞭の様にしてぶちこむ。

 

「グッ!?」

 

当たった瞬間、激痛がくるがそれすらも俺の気分を高揚させる。

 

「そらよッ‼‼」

 

最後に残った回転の勢いを足した回し蹴りを脇腹に打ち込んでやった……

 

「…調子に乗りすぎよ…‼」

 

「ッ‼」

 

と思ったら、その蹴りは何かの魔法陣の様なものに受け止められていた。

 

「クソッ‼」

 

俺はすぐに後ろに飛んで距離を空ける。

 

「ハァ……ハァ………」

 

「たかが人間にここまでダメージを貰うなんて屈辱よ…‼でも、貴方も何をそんなに焦ってるのかしら?ゆっくり楽しみましょうよ。」

 

「うるせぇ…‼」

 

女の言葉に威勢よく返そうと思うが、体が段々と重くなってきているし、目も霞み始めてる。下を見れば、大きな赤い水溜まりが出来ていた。

 

さすがに血を流しすぎたか…‼

 

俺は今になって、最初のテンション任せの戦い方を後悔していた。

 

「どうやら限界のようね?なら、死になさい‼」

 

女は今までのより大きな光の棒を作ると俺に投げつけてくる。

 

それを見て俺は構えを解いて、視線を上に向けた。

 

「「先輩ッ‼‼」」

 

それを見た黒澤達が悲鳴に近い声で叫ぶ。

 

あ~あ、本当ならこんなセリフ言いたくなかったんだけど……

 

「後は頼んだ…………ルシファー。」

 

「任せろ。」

 

俺の言葉と同時に空からルシファーと二人の女の子が来て、光の棒はルシファーが持っているヘンテコな機械の剣で切り捨てられた。

 

「「ルシファー先輩‼それに善子ちゃんと…誰ッ!?」」

 

「く…‼援軍だなんて‼」

 

着地の姿勢から立ち上がったルシファーは、腰にベルトを巻きつけ、ゲームカセットを起動させた。

 

『TADDLE FANTASY !!』

 

「術式レベル50…‼変身‼」

 

『デュアルアップ‼タドルファンタジー‼』

 

そして以前に見た姿になった所で、俺は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァーリside

 

「おっと。」

 

気を失ったのか、倒れそうになる一誠を支え地面にゆっくりと寝かせた。

 

「善子、一誠の回復を頼む。鞠莉は皆の護衛だ。」

 

「分かったわ。【スー・フィッラ・ヘイル・アウストル】。」

 

「OK‼」

 

回復魔法を行う善子と短剣を持った鞠莉に一誠達を任せた俺は、目の前の女を仮面越しに睨み付ける。

 

「たかが三人増えたく「3つだ。」はあ?」

 

「1つ、自分のミスで一誠に力を渡すのが遅れた。2つ、だから一誠はお前に生身で挑む事になってしまった。そして3つ、それによって一誠に大ケガを負わせてしまった…ほら、俺は自分の罪を数えたぞ?次は貴様の番だ。」

 

そこまで言ってから俺は右手の人差し指を女へと突きつける。

 

「さあ、お前の罪を……数えろ‼」

 

「私の罪ですって?そんなものは存在しないわ‼それにあなたともう一人で後ろの子達全員をまも「まだいるわよ。」ッ!?」

 

女の喚き声を遮る様に、梨子の声が響く。

 

『デュアルアップ‼バンバンシミュレーションズ‼発進‼』

 

『レベルアーップ‼二人でビクトリー‼エーックス‼』

 

そしてスナイプレベル50とエグゼイドレベルXになった梨子と千歌が屋上から現れる。

 

「貴女が侵入者ですね?」

 

「大人しく投降してください。」

 

そこに眼鏡をかけたショートヘアーの女性【支取 蒼那】と、同じく眼鏡をかけたロングヘアーの女性【真羅椿姫】が薙刀を持って現れ……

 

「うふふ…見つけましたわ。」

 

「観念してもらおうか?」

 

「…抵抗するなら、倒します。」

 

更に続けて黒髪ポニーテールの少女【姫島朱乃】に金髪ショートに泣きボクロがある男【木場裕斗】に銀髪ショートヘアーの小柄な少女【塔城小猫】もやって来た。

 

「この数相手に勝てるとでも?」

 

「この学園で動いたのが運の尽きです。」

 

「くッ!?さすがにこれはムリね……なら、逃げましょうか。」

 

「逃がすとでも?」

 

ガシャコンソードを突きつけながら言うが、女は不敵に笑う。

 

「ええ。人間の兵器も役に立つものよ?」

 

そう言ってスカートから何かが落ちた瞬間、目映い光と強烈な音が俺達の視覚と聴覚を奪った。

 

「ぐあッ!?」

 

「「「「「キャアッ!?」」」」」

 

しばらくしてそれが収まる頃には、あの女はその場にいなかった。

 

「クソッ‼……逃がしたか…‼」

 

『ガシューン。』

 

変身を解除した俺は善子の元へと向かう。

 

「一誠の容態は?」

 

「私を誰だと思っているの?数多の魔導を極め、世界に混沌をもたらす存在……【大魔導師ヨハネ】様にかかれば、この程度の魔法など容易いものよ。」

 

「前と一部違うとか一々反応するのも面倒だが、取り合えず無事ということは分かった。」

 

魔法陣の中にいる一誠の傷は既に全て塞がっていた。相変わらず善子は性格はともかく、魔法に関してはかなりのものだな……

 

「取り合えず場所を変えよう。このまま地面に寝かせとくのは良くない。」

 

俺は一誠の体を肩に担ぐ様に持つ【お米様だっこ】で持ち上げて歩き出す。

 

「申し訳ありませんわ、本来なら対処はリアスがやらなくてはいけないのに、ルシファー様にやらせてしまうなんて…」

 

「そのグレモリーはどうした?」

 

この地を任されているグレモリーがいないのは、さっきから気にはなっていた。しかも自分の目の前で起きている事件だというのに……

 

「彼女は今、冥界に事の確認をしに行っています。」

 

「そうか。」

 

確かに彼女の兄は魔王……ならば、情報の収集は彼女の方がやり易いだろうな。

 

俺達は保健室に向かい、中に入ったら一誠を寝かせて俺はすぐに外に出て家路を急ぐ。

 

「良いの?目を覚ますまでいたっていいんじゃない?」

 

「この事態を招いたのは俺だ。だからこそ、今のアイツに会わせる顔がない……」

 

「違うよッ‼ヴァーリ君が悪いなんて…‼」

 

「いや、俺がドライバーを作るのを忘れてなければこんな事にはならなかったんだ…‼」

 

善子や千歌の言葉に、俺は近くの壁を殴りながらそう反論した。

 

「なら、ここで悔やんでる場合じゃないでしょ?」

 

「梨子…?」

 

「今貴方がやらなきゃいけないのは後悔する事じゃないはずだよ?もう2度とこんな事が起きない様に、早くゲーマドライバーを完成させる事……違う?」

 

「…………そうだな、後悔なら後で幾らでも出来る。ありがとな、梨子。」

 

「貴方を支えるのが私の役目だからね。一誠君は私達が見てるから。」

 

「ああ、頼んだ。」

 

梨子からの激励を受けた俺は転移で家へと帰り、すぐさまドライバーの制作を始めた。

 

「待ってろ……最高な物にしてお前に渡してやる…‼」

 

今度こそ、親友(一誠)をゲームオーバーにさせない為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?そろそろ原作が始まって夕麻ちゃんがいると思ってたのに……まだなのか?」

 

その頃、校門に一人立ち尽くす転生者の兵藤錬二がいた事を知る者は誰もいなかった。




いかがでしたかね?

本当なら圧倒させようかと思ったんですが、それだとライダーになる意味ないじゃんって思ったので、こんな決着になりました。

もちろんお礼参りはしますよ?

そして次回で、一誠も変身‼

というわけで、次回も見てくれるとありがたいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。