ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

最近シンフォギアXDで星5のキャラカードが出ない…というか、押しキャラ2位の調の特殊ギア星5ばかりで全然当たらねぇッ‼‼和装とかサンタとかメイドとかドラゴンとか…というか星5の特殊ギアで当たったの水着のズバババンだけなんですけどッ!?もっと確率上げてくれよブシモォッ‼‼‼

そんな愚痴を吐きつつも、せっせと石を貯めてる作者です。(無課金組)

今回はある男が出てきますが、こうやって出てくるって予想出来た人はいたのかな?

では、どうぞ。


二人でならINVINCIBLE‼

金色に輝くクローズダークの秘密を前に、千歌は驚きを隠せなかった。

 

「ヴァーリ君………それ、本当?」

 

「あの力はまず間違いない。奴はハイパームテキを取り込んでいるんだ。」

 

「そんな…」

 

その事実に千歌は自分を責める。あの時、ガシャットを奪われたりしなければ、この様な事態にはならなかったと………

 

そう落ち込んでいた彼女の頭に優しく手が置かれる。

 

「気にするな、あの時はこんな風になるなんて俺ですら思って無かったんだ。それに、目の前にあるんなら取り返し易い‼」

 

そう言って千歌の頭を撫でてから、再び剣を構えてヴァーリはクローズダークへと駆け出した。

 

「フッ‼」

 

ソードで袈裟斬りにし、カリバーで横一閃に切り裂いたら双剣で突きを放つ。

 

「………………フン…‼」

 

「がッ!?」

 

しかし、クローズダークにダメージを与えられず、逆に腹にパンチを喰らい吹き飛ばされた。

 

「ヴァーリ君ッ!?」

 

「問題ないッ‼」

 

それを見た千歌は声を上げるが、ヴァーリはすぐに起き上がると再度クローズダークへと向かっていく。

 

「待ってッ‼私も‼」

 

千歌もマキシマムゲーマから飛び出し、キースラッシャーを手にクローズダークへと斬りかかる。そこから二人の連携攻撃でクローズダークを押していくが、相変わらず金色に輝くクローズダークには何のダメージも与えられていなかった。

 

「さすが………俺の作ったガシャットだ…‼敵に回すとこうも厄介とはな…」

 

「言ってる場合じゃないでしょ‼」

 

ポツリと自画自賛するヴァーリの言葉にツッコミを入れながら梨子が砲撃をしつつ、ゲーマの能力であるホバー移動でやって来る。

 

「確かに…denial出来ないけど‼」

 

「だったら対抗策を考えなさいよねッ‼」

 

更に鞠莉が雷速の蹴りを数回喰らわせ、善子が光弾を放って動きを妨害して近くにやって来る。

 

「皆…」

 

「大丈夫だよ、千歌ちゃん。」

 

「二人でダメならAll attackよッ‼」

 

「この超絶魔導師ヨハネ様の力…見せてあげるわ‼」

 

揃ったヴァーリ眷属はクローズダークを前に構える。しかし、クローズダークの周りに先の戦いで逃げられたイーグルアンデッドにクロコダイルオルフェノク、ウェザードーパントが集まる。

 

「………………………コイ…」

 

「行くぞッ‼‼」

 

そして、両者はヴァーリとクローズダークの言葉で走り出し、激突した。

 

 

 

 

 

 

ダイヤside

 

「これは………不味いかもしれませんわね…」

 

部室から戦況を見ていた私は現状の不利を感じ取っていた。相手に仮面ライダーが現れただけでなく、更に強力な怪人を引き連れて戦い始めた。

 

しかし、こちらは戦力が限られていて向こうとは圧倒的な差がある。このまま他から攻められれば校内にいるのは危険になってくる。

 

「さて、彼等はどうやってこれを切り抜けるのかな?」

 

「………………………………………(ブチッ‼)」

 

しかしそんな戦場に出ず、能天気な発言をする元凶(海東大樹)にキレた私は………

 

「ルビィ、花丸さん。」

 

「「は、はいぃッ!?」」

 

二人に声をかけ、何故か少し怯えた返答の後で窓を開けた。それを見た私は元凶の前に立ち…

 

「ん?君達は何を…(ガシッ‼)へ?」

 

「貴方も戦いなさぁぁぁぁぁぁいッ‼‼‼」(ブゥンッ‼)

 

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…ッ!?」

 

背負い投げでそのまま戦場へと放り投げた。

 

「全く………‼皆さんも屋上に避難した方が良いですわ。ここだと流れ弾が飛んで来やすいですから。」

 

「「「「「「サー‼イエッサーッ!?」」」」」」

 

「何で軍隊式?とりあえず、私も行って来ますわ。」

 

何故か怯えた表情で敬礼する他の皆を屋上に避難させる事にして、校舎前に集まり始めた敵を倒しに私も体を粒子にして校舎前に降り立つ。

 

「さて、お掃除を始めましょうか。Xー0カラット…変身。」

 

『ジュエリートレジャー‼』『イマージュ・ミラージュ‼』『ガシャット‼ガッチャーン‼レベルアップ‼探せダイヤ‼集めろルビー‼ジュエリートレジャー‼アガッチャ‼輝く君は美しい‼ Ah〜‼ 鏡幻想‼ イマージュ・ミラージュ‼︎』

 

仮面ライダージュエル・ミラージュトレジャーゲーマーになった私は、戦闘員の群れに飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、一誠はレオゾディアーツとゴ・ガドル・バを相手に戦っていた。

 

「ハッ‼」

 

「グゥッ!?」

 

レオの爪を屈んでかわし、反撃しようとするも後ろからガドルの蹴りを喰らい地面を転がる。

 

「ち…‼コイツら暴走してる割には、中々やるじゃねェか…」

 

元々が強力な怪人だったのを、暴走サーキットで更に強化された2体はまさに最強といってもいいほどの力を得ていた。

 

しかし、その事実は一誠の心を更に燃え上がらせた。

 

「ハハハッ‼こりゃ久々に俺の心に火が点いたぜッ‼‼」

 

起き上がると同時に駆け出し、繰り出されるレオの爪を左手で掴んで受け止め胸に右ストレートを数発打ち込んだら、反対から来るガドルに後ろ蹴りを当てて下がらせつつレオを振り回してガドルへと投げ飛ばす。

 

「「ブグッ!?」」

 

ぶつかり合った事で怯んでる間にレバーを閉じ、即座に開く。

 

『ガッチョーン、ウラワザ‼ガッチャーン‼ SAVIOR SURVIVAL!! CRITICAL DESTROY!!』

 

そしてエネルギーを貯めた右拳でレオを殴り、その一撃で2体は10メートル程吹き飛ぶ。

 

「どうしたッ‼暴走してもその程度かッ‼‼」

 

「あの少年………………なんという成長速度だッ!?」

 

普通ならこの2体………しかも暴走状態を相手に、圧倒する事などかなり難しい。だが一誠は戦えば戦うほど、相手の強さをすぐに吸収し自身の力へと昇華させていく。その速さはまさに異常そのものだ。

 

「く…ッ!?ならば‼」

 

このままでは2体ともすぐに倒されてしまうと感じた死神博士は、暴走サーキットを新たに取り出して2体に更に埋め込んだ。

 

「「グゥッ!?………グゥオアアアアアアアアアッ‼‼」」

 

「二つ同時に使うのは初めてだが………奴等なら何とかなるだろう。」

 

死神博士の予想通り、2体は紫色のオーラを纏いながら先程よりも速いスピードで一誠へと突っ込んでいく。だが一誠は仮面の下でニヤリと笑っていた。

 

「さあ本気で来やがれ………こっからが祭りだ‼」

 

そんな感じにテンションが盛り上がっていたところに…

 

「…ぁぁぁぁぁぁああああああッ‼‼」(ドゴォン‼)

 

先程ダイヤに投げられた海東が、一誠の側に落ちてきた。

 

「あたた………全く、乱暴な女の子だ…」

 

「………………………何やってんだ、あんた?」

 

「僕が聞きたいね…全く、僕の自由を邪魔するなんて…」

 

「とりあえず邪魔だから下がってろ‼」

 

「僕がどうするかは僕が決める事だ‼指図はしないでくれたまえ‼」

 

そう言ってディエンドライバーを取り出し、ライダーカードをセットする。

 

『KAMEN RIDE!!』

 

「変身‼」

 

『DI-END!!』

 

仮面ライダーディエンドに変わると、彼はケースから1枚のカードを出す。それに描かれているのはクローズダークにそっくりだが、全身が銀色でクリアブルーの装甲を纏ったライダーだった。

 

「大サービスだ。」

 

『KAMEN RIDE!! CROSS-Z CHARGE!!』

 

しかし引き金を引き、現れたのは腰にチェックのシャツを巻きスカジャンを羽織り頭頂部に編み込みをした男だった。

 

「うおおおぉぉぉぉッ!?何処だここッ!?さっきまで戦兎達といたのに………どうなってんだよおおおおおッ!?」

 

「うるさいな………静かにしたまえ。」

 

「誰だテメェッ!?おいッ‼何で俺はこんなとこにいんだッ!?」

 

「僕が呼んだからだ。これを渡す為にね?」

 

海東はスーパーショッカーから盗んだケースを出し、そこから盗まれた側のベルトとアイテムを彼に投げ渡した。

 

「これは俺のッ!?まさかテメェが…‼」

 

「勘違いしないでほしいな…僕は取り返しただけさ。君のお宝なんだろ?今度からはもっと大切にしたまえ。」

 

「え、マジッ!?おお~‼サンキューな‼」

 

こんな言葉を簡単に信じるあたり、彼は純粋(バカ)なのだろう。

 

「ほら、さっさと目の前の敵を倒したらどうだい?君のお宝を盗んだ張本人達だ。」

 

「しゃあッ‼‼今の俺は………負ける気がしねぇッ‼‼‼」

 

そう叫び男はスクラッシュドライバーを腰に取り付け、ドラゴンスクラッシュゼリーをセットする。

 

『ドラゴンゼェリー‼』

 

「変身‼」

 

『潰れる‼流れる‼溢れ出る‼ドラゴン・イン・クローズチャージ‼ブルゥアアアッ‼‼』

 

男は【仮面ライダークローズチャージ】に変身したら、レオゾディアーツへと殴りかかった。

 

「テメッ!?人の獲物を横取りしてんじゃねえッ‼‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、千歌はピンチに陥っていた。ヴァーリはイーグルアンデッドに連れてかれ、梨子はクロコダイルオルフェノクと勝負していて、鞠莉と善子はウェザードーパントと交戦していて一人でクローズダークと戦う事になってしまったからだ。

 

「このおおぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼‼」

 

「………………………フン…‼」

 

「うあッ!?」

 

それでも諦めず、キースラッシャーを握り直すとクローズダークへと振るう。だが、どうやっても攻撃が通る事はなく、逆にカウンターを貰って自分のダメージが増えるだけだった。既にライダーゲージも半分を切っている。

 

「どうすればいいの………どうすれば…‼」

 

何とか立ち上がり再び武器を構えるも、ダメージで体が上手く動かせない。それでも彼女は諦めない。けっして…

 

「グッ!?」

 

その時、クローズダークの横にイーグルアンデッドが転がってきて千歌の側にヴァーリがやって来る。

 

「大丈夫かッ!?」

 

「ヴァーリ………君…‼」

 

「待ってろ…‼」

 

彼は手から光を放ち千歌に浴びせると、彼女のライダーゲージが完全に回復する。

 

「ありがとう…‼」

 

「気にするな、それにガシャットを取り返す算段もついた。」

 

その内容を耳打ちで話すヴァーリ…だが、その計画は到底信じられるものではなかった。

 

「へッ!?どういう事ッ!?」

 

耳打ちされた内容に千歌は驚く。それほどまでにありえない作戦だったからだ。

 

「その為には奴を倒さなくてはならないのだが…情報筋は大丈夫だ、俺を信じろ。」

 

それでも自信を持って言うヴァーリ。だからこそ彼女は彼を信じる事にした。

 

「分かった。」

 

「ならやるぞッ‼」

 

「うんッ‼」

 

武器を握り締めヴァーリと共にクローズダークへと挑む千歌。クローズダークは構えて二人を迎え撃つ。ソードを受け止めて弾き、蹴りを入れてヴァーリを下がらせ、体を屈めて低い姿勢から斬りかかる千歌の剣を足で受け止め力任せに吹き飛ばす。反対からきたヴァーリを体を仰け反らせてかわし腹に拳を打ち込み背中に肘打ちを喰らわせて地に倒し、背中を踏もうとするが転がって避けられ、ガンモードのキースラッシャーから飛んでくる弾丸を手で弾き落とし、左手に装備した武器【ツインブレイカー】のビームモードの攻撃が千歌に命中して倒れる。

 

「これ以上はやらせんッ‼」

 

『ガッチョーン、スゴワザ‼』

 

それを見たヴァーリはベルトのレバーを閉じ、必殺技の発動体勢に入る。そしてクローズダークも右手でツインブレイカーの銃身を開いて中央からニードルを出したアタックモードに変えて、後部のスロットにクローズドラゴンをセットした。

 

『レェディィィゴォー‼』

 

『ガッチャーン‼ TADDLE!! CRITICAL STRIKE!!』

 

そして必殺の斬撃を放つヴァーリ。クローズダークも後ろに引き絞った左腕を前に突き出しながらトリガーを引く。

 

『レェッツブレイクゥッ‼‼』

 

そこから放たれた紫のエネルギー状の龍が斬撃とぶつかり、数秒の拮抗の後に斬撃が掻き消され、龍がヴァーリに襲い掛かった。

 

「グアアアアアアアアッ!?」

 

大量の火花を散らし変身が解除されるヴァーリ。

 

「こんのおおおおぉぉぉぉぉッ‼‼」

 

『ガッチョーン、キメワザ‼ガッチャーン‼ MAXIMUM!! CRITICAL BREAK!!』

 

それを見た千歌は素早くマキシマムゲーマを纏い、必殺技を発動して飛び蹴りを放つ。

 

『スクラップゥブレェイク‼』

 

対するクローズダークも右のレンチを下げてゼリーを潰し、飛び蹴りを放った。両者は空中でぶつかり合うがそれは一瞬で、千歌が押し負けて変身が解除され、蹴り飛ばされてヴァーリの側に倒れる。

 

「う…あ…‼」

 

倒れながらもクローズダークを見据える千歌。だが、体は思ったように動いてはくれない。そんな千歌を無敵状態のクローズダークが見下ろしてくる。

 

「まだ………負けない…‼………この世界を…守ってみせる…‼」

 

千歌はその思いと渾身の力で立ち上がる。この敵は自分の失態で生まれてしまった事、そしてこの世界で普通に暮らしているもう一人の自分達を守るために。しかし、そんな思いとは裏腹に、クローズダークは彼女へと拳を振り上げる。

 

「………………………シネ…‼」

 

そしてそれが彼女へと振り下ろされる………

 

「何やってんのよコラアアァァァァァァァァッ‼‼‼」

 

その直前にいきなり現れた美歌が、クローズダークにドロップキックを喰らわせ、何故か()()()()()()()()()()()()()()

 

「フゥ‼………フゥ‼………やっと撒けたわ…‼それにナイスタイミング…‼」

 

「美………歌………?」

 

唐突に現れた美歌に千歌は驚きを隠せなかったが、逆に千歌を見た美歌はその眼に涙を浮かべ………

 

「うえええええええええええんッ‼‼‼千歌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼‼‼‼会いたかったよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼‼‼‼」

 

泣き叫びながら千歌に抱き着いた。しかし今の彼女はクローズダークの攻撃でボロボロ、そんな体に思いきり抱き着かれたら…

 

「にゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼‼‼美歌ッ‼‼‼痛い痛いッ‼‼‼離れてえええええええええええええええええええええええええええええええッ‼‼‼」

 

案の定、激痛が襲い悶える千歌。その叫びに美歌も慌てて離れた。

 

「ゴ、ゴメン…‼つい…‼」

 

「アタタタタ………ううん、大丈夫だから…」

 

泣きながら心配する美歌に、痛みを堪え何とか笑顔で返事をする千歌。

 

「でも無事だったんだね………良かった…‼」

 

「さっきまでデカイ蜘蛛に追いかけ回されていたけどね。とりあえず、アイツが千歌をボロボロにした奴でいいのね?」

 

キッと睨み付ける様にクローズダークを見る美歌。その瞳には怒りの炎が燃えている。

 

「アイツが私のガシャットを取り込んじゃってるの。だから、攻撃が全く効かなくて…」

 

「え?でも、さっきのドロップキックは効果あったみたいだけど?」

 

そう言われればそうだと思う千歌だが、何故彼女のキックが効いたのかはさっぱりだった。

 

「美歌は蹴った時、何か気づいた?」

 

「そういえばほんの一瞬、()()()()()()その途切れた時に蹴ったら効いたみたいだったけど…」

 

その内容が、クローズダークを倒す光明になった。

 

「だったら美歌…アイツを倒すの、手伝ってくれる?」

 

「勿論よ。」

 

美歌は千歌の隣に立ち、手にはアビスマキシマムマイティエックスを持つ。対する千歌もマキシマムマイティエックスを握り締めて起動させる。

 

『マキシマムマイティエーックス‼』『マキシマムガシャット‼』

 

『アビスマキシマムマイティエーックス‼』『アビスガシャット‼』

 

「マックス大…‼」

 

「グレードMAXー0…」

 

「「変身‼」」

 

『『ガッチャーン‼レベルマァァァックス‼』』

 

『マキシマームパワー‼エーックス‼』

 

『カオスティーックパワー‼エーックス‼』

 

二人同時に変身し、空中にあるゲーマを纏ったらそこからすぐに飛び出し、同時に並び立つ。

 

「ノーコンティニューでクリアするよッ‼‼」

 

「コンティニューしてでもクリアするわッ‼‼」

 

『『ガシャコンキースラッシャー‼』』

 

そしてキースラッシャーを持つと、クローズダークへと向かっていく。最初の千歌の一撃は光に阻まれ、続く美歌の射撃も無効化される。だがそれでも美歌は撃つのを止めず、何かを見定めている。

 

「千歌、合図したらアイツをぶった斬って。」

 

「分かった‼」

 

その言葉に千歌はタイミングを待ち、美歌はクローズダークを見据え、その時は来た。

 

「今よッ‼‼」

 

「ッ‼‼」

 

美歌の言葉に千歌は全力で走り出し、間合いに入った瞬間に左下から右上へとキースラッシャーを振るうと、クローズダークの体から火花が飛び散り、後退していく。

 

「当たった!?」

 

「やっぱり…有効時間は10秒って所かしら?その上、1発当てられれば、そこからの発動も遅くなるみたいね。」

 

美歌の言う通り、ヴァーリの作ったハイパームテキは千歌以外の者が使う場合、10秒だけしかその効果が使えない。死神博士はそれを克服するためドラスの体内にガシャットを埋め込み、ドラスの思考と繋げる事によって切れた瞬間に再発動するように設定していた。しかし、どんなに完全な存在でも必ずズレは出る。ドラスの場合、効果が切れてから再発動するまで0,2秒のズレがあり、この間なら攻撃が通るのだ。

 

「ドコニ………コンナ…チカラガ…!?」

 

「たくさんの人達の…普通を守るためだよ‼」

 

「千歌を傷つけたアンタをブッ飛ばすためよ‼」

 

クローズダークは千歌の一撃をかわし、続けて美歌の攻撃を避けつつ腕を掴み放り投げる。それを見た千歌は近くのエナジーアイテムをキースラッシャーで美歌の方へと弾いた。

 

『透明化‼』

 

倒れつつもそれを受け取った美歌は、自身の姿を消してクローズダークに近づき、後ろから右腕に抱き着いた。

 

「ちッ‼…どうやらレベル0の力は通じないみたいね‼」

 

レベル0なら、相手と接触中ならレベルを下げる力があるが、クローズダークはライダーの仕組みが違うため効果がなく、そのまま力任せに投げ飛ばされる。

 

「く…ッ!?まだよッ‼」『伸縮化‼』

 

その投げられた先にあったアイテムを取り、右腕を伸ばしてクローズダークへと巻き付ける。振りほどこうとするクローズダークだったが、美歌はクローズダークの周りを回りながら更に巻き付け、それをジャンプしながらかわしていた千歌は、クローズダークの無敵が途切れるタイミングで銃撃し、それで怯んだ隙に美歌は腕を解いて着地する。その間に千歌はクローズダークの足を払う様に剣を振るい、クローズダークはそれを跳んで避ける。着地の隙を狙おうとした美歌だが、クローズダークはその一撃を踵落としで弾き、その勢いで美歌は転倒する。追撃を行おうとするクローズダークだが、背後から千歌が横凪ぎにキースラッシャーを振るい、それを身を屈めて避ける。その間に起き上がりながらキースラッシャーを突き出す美歌の攻撃をジャンプし、それを踏みつけながら飛び越す事で回避した。

 

「そこッ‼‼」

 

しかし、着地を狙った千歌の攻撃でツインブレイカーを弾き飛ばされた。更にそこで無敵が途切れ、そこに美歌の攻撃が当たり怯んでしまう。その為、再発動が遅れ背後に回った二人の一撃で空中に吹き飛ばされた。

 

「行くよッ‼」

 

「ええッ‼」

 

二人はクローズダークの周囲にブロックを精製し、それを足場に飛び回りながら空中に足止めする。その際にブロックを壊してエナジーアイテムをゲットするのを忘れない。

 

『『高速化‼』』

 

アイテムで得られた超スピードを駆使し、立体的な機動でクローズダークを攻め立て、無敵の効果が切れた瞬間に二人で眼前に現れ、柄尻を叩き付けて地面へと落とした。

 

二人もクローズダークの左右に着地すると、バックルからガシャットを抜き、キースラッシャーのスロットに挿す。

 

『『ガシューン。』』『『(アビス/マキシマム)ガシャット‼キメワザ‼』』

 

高速化の力で上がった動体視力でクローズダークの動きすべてを見逃さないとする二人。そしてクローズダークの効果が切れる瞬間、トリガーを引きながら飛び出す。

 

『『(ABYSS) MAXIMUM (MIGHTY)‼ CRITICAL FINISH!!』』

 

二人で挟み撃ちしながら、エネルギーが渦巻く刀身と蹴りをクローズダークに高速で何度も喰らわせていく。途中、千歌はしゃがみながら美歌は軽く跳んで回し蹴りを放ちつつ左右を入れ換え、再び連続蹴りと連続斬りを始める。高速化の効果時間が迫ると二人は切り上げ攻撃に移行してクローズダークを浮かせ、そこで二人は1度クローズダークから離れ、前後を交差しながら渾身の力でクローズダークを切り裂いた。

 

『GREAT!!』

 

その攻撃で地に倒れるクローズダーク。体の至る所から火花を散らしているが、それでも立ち上がってきた。

 

「さすがにしぶといわね…」

 

「でも、後1歩で……(ドズッ‼)……へ?」

 

次で完璧に倒そうと身構えた時、千歌と美歌は目の前の光景に驚きを隠せなかった。何が起きているのかというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キサマ………ウラギッタ………!?」

 

「俺は元々仲間じゃない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イーグルアンデッドが、クローズダークの背後から自身の爪を突き刺していたのだから。

 

そしてその爪を引き抜くと、爪の先に黄金のガシャットがあった。

 

「あッ‼私のガシャット‼」

 

「ほらよ。」

 

イーグルアンデッドは爪のガシャットを千歌へと放り投げる。

 

「ありがとう‼」

 

「気にするな。」

 

「フン…‼」

 

「どわッ!?」

 

千歌のお礼にクールに返すイーグルアンデッドだったが、そこにクローズダークの一撃を喰らい吹き飛ばされる。すると、イーグルアンデッドの体の一部に変化が起きる。ショッカーのシンボルマークが入ったベルトが砕け、新たに【中央の赤い宝玉とその周りに9個のライダーのシンボルマークが入ったベルト】が現れたのだ。

 

「えッ!?アイツ、スーパーショッカーじゃなかったのッ!?」

 

「ヴァーリ君の言った通りだ…」

 

美歌はその事実に驚き、千歌は先程ヴァーリからガシャット奪還についての時にイーグルアンデッドは味方だと聞いてはいたが、まだ半信半疑だった。

 

「我が怪人に化けていたとは………貴様、何者だッ‼‼」

 

死神博士の問いにイーグルアンデッドは体の汚れをはたきつつ、左腰のアイテムから1枚のカードを引き見せつける。そこにはマゼンタの体に翠の複眼、そしてバーコードの様な縦線がある顔のライダーが描かれていた。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ、変身‼」

 

『KAMEN RIDE!!』

 

イーグルアンデッドはバックルを左右に開き、イーグルアンデッドが描かれたカードを抜いてそこにカードを投げ入れて再度閉じる。

 

『DECADE!!』

 

彼の周りに9つの鏡像が現れ、それが重なるとイーグルアンデッドの姿は別物の………仮面ライダーとしての姿【仮面ライダーディケイド】に変わる。

 

「アイツ…‼」

 

「仮面ライダー…」

 

「お前達もボーッとしてないで、さっさとそれを使え。」

 

「あ、はいッ‼」

 

ディケイドに言われ、千歌は美歌へと手を差し出した。

 

「お願い美歌………私に貴方の力を貸して‼」

 

「………何言ってるの、私の力は千歌の力でもあるのよ?だってワタシはアナタで…」

 

「………貴方は私…だもんね‼」

 

その言葉に頷いた美歌は千歌の手を握り、その身を粒子に変えて千歌の中へと入る。そして力を取り戻した千歌は目を赤く輝かせながらマキシマムゲーマを再び纏う。

 

「これでようやく使えるわね………さあ、アンタ達に天才悪魔祓い(エクソシスト)Cの力…見せてあげる…‼」

 

『ハイパームテキ‼』

 

背後に現れるスタート画面…だが、力を取り戻したからかそこにノイズは走らない。そしてそれをマキシマムガシャットの横に取り付けた。

 

『ドッキィーング‼』

 

きらびやかなメロディが流れる中、千歌は右手を前に突きだして握り締め…

 

「ハイパー…大変身‼」

 

掛け声と共に、ハイパームテキガシャットの上部スイッチを叩いた。

 

『パッカーン‼ムーテーキー‼』

 

ガシャットの正面カバーが開き、目の前のゲートを潜りながら飛び上がると全身が金色に輝きだし、ゲーマから射出される。

 

『輝け‼流星の如く‼』

 

そしてゲーマの中で精製された強化アーマーが続けて射出され、千歌を金色の星をちりばめた更なる姿へと変化させる。

 

『黄金の最強GAMER!!』

 

そして頭に金色の髪の様なパーツが付いて、変身が完了する。その姿はその場にいる全員の視線を釘付けにし、魅了しつつも圧倒的な強さを感じさせた。

 

新たに誕生した最強の戦士、この姿の名は…

 

『ハイパームテキ‼エグゼェーイド‼』

 

【仮面ライダーエグゼイド・ムテキゲーマー】

 

「「ノーコンティニューで…クリアしてあげる‼」」




いかがでしたか?

次は皆が大暴れ‼そこにアイツらも登場します。

次回【HEROを繋ぐものは…】

「よぉし、お前ら行くぞ‼」

では次回で、お会いしましょう。

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