ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回は番外編で、ヴァーリ達が異世界に行っている間とその後に起こった事を書いてます。

では、どうぞ。


番外編 夏休みの出来事part1

番外編1―1 グレモリーの決意

 

 

ヴァーリ達が異世界に行っている頃、リアス率いるグレモリー眷属達は冥界にあるリアスの実家に帰省していた。普通なら久々の里帰りに親も子も心弾ませるものだが、現在グレモリー邸には険悪な雰囲気が漂っていた。こうなったのには数時間前に遡る…

 

冥界に向かう専用列車の中、リアスはある決断を眷属達に話していた。

 

「リアス…本当にそれでいいの?」

 

「ええ、これが私の行く道なの。もちろん無理強いはしないわ、何時でも…「でしたら、私も貴女の王道に付いていきますわよ、リアス。」朱乃…」

 

「私だけではありませんわ。」

 

自身の選択に付いてきてくれる朱乃に感謝するリアスだったが、朱乃はそう言って横にずれるとそこには朱乃と同じ決意を固めている木場、小猫、ギャスパーがいた。

 

「僕は貴女の騎士です、何処までもお供しますよ。」

 

「勝手にのけ者にしないでください。」

 

「部長~‼僕も連れていってくださいよ~‼‼」

 

「ちょッ‼ギャスパー‼連れていくから泣き止みなさい‼鼻水が…‼」

 

涙と鼻水でグショグショの顔で抱き着いてきたギャスパーにそう言って落ち着かせようとするが、この事に一番安堵していたのはリアスであった。

 

(本当なら皆に迷惑を掛けてしまうのに………私は仲間に恵まれているわね…)

 

自分を信じ付いてきてくれる仲間がいる事にありがたみを感じるリアス………だが、その決断を喜ばない者もいた。皆、名前を覚えているだろうか?そう、リアスの兵士の兵藤錬二である。

 

(何で部長があんな事を言い出すんだ…!?こんなの原作に無かったぞ!?このままだと俺のハーレムが…‼)

 

彼は今だハーレムの夢を諦めておらず、自分が主人公であると信じて疑ってもいなかった。既にリアス以外は仲間である以外の感情は持っておらず、リアスも好意の欠片も持ち合わせていない事にも気づかずに…

 

それから数時間、リアスの実家であるグレモリー邸に着くと彼女は親であるヴェネラナとジオティクスを呼び、二人に決断を話す。

 

「それで、話したい事とは何なのですか?」

 

「お父様、お母様………………私は、この家を出ていく事にしました。」

 

そして冒頭に戻る………

 

「それは悪魔陣営も抜けるという事か?」

 

「………………………………………………………………はい。」

 

「貴女ね…自分が何を言っているのか解っているのですか?下手すると、反逆者として処刑されても仕方在りませんよ?」

 

「重々承知してます。でも私は、自分で選んだ道を進もうと決めたんです。」

 

ヴェネラナ達はリアスの決意が固いのを、その言葉とそれを訴えかける目で理解したが、我が子に危険な目にあってほしくもないと思っている。だからこそ、この質問をすることにした。

 

「それに眷属達は納得しているのか?」

 

そう、彼女に付いてきてくれている眷属達が納得しているのかを。

 

「はい。納得し「俺は反対です‼」ッ‼レンジ?」

 

リアスが必死に説得している中、我慢できなくなった錬二は反対の声をあげる。

 

「何でそんな事する必要があるんですかッ!?良いじゃないですか今のままで‼家を出てどうするんですかッ!?そんな事したら家から何の援助も貰えないんですよッ!?」

 

彼の言葉にも一理ある。リアスが家を出たらヴェネラナ達は一切の援助を切ると考えていたからだ。

 

「確かにそうだけど、今のままだと私が成長しないからよ。禍の団だけでも厄介なのに更には仮面ライダークロノスやバグスターなんて強敵までいる現状、こちらも成長が必要なの。だけど今のままだと私はまだ家の力に甘えてしまいそうになるの。そんな甘えを断ち切ってしまうにはこれしかないのよ。」

 

確かに禍の団とクロノスの組み合わせは最悪のベストマッチだろう。だからこそ、個々人の強化は絶対不可欠だ。リアスは自分が眷属達と比べて劣っている事を理解しており、これは自身のレベルアップをするためには必要な決断だと考えたのだ。

 

「そんなのルシファー達にやらせておけばいいじゃないですかッ‼‼あんな混血の奴よりも純血の部長の方が貴重なんですからッ‼‼」

 

錬二としてはリアスというハーレム要員を失いたくないのと、邪魔者を処分したいから出た言葉だったが、それは逆にヴェネラナとジオティクスの怒りを買うとは思っていなかった。

 

「錬二さん、その発言は些かいただけませんわね?」

 

「え?」

 

「彼と彼の祖父であるリゼヴィム様は素晴らしい方達だ。だからこそヴァーリ君にはリアスのサポート役を頼んだのだ。リゼヴィム様にはサーゼクスが随分とお世話にもなっている。そんな彼等を侮辱することは誰であろうと許す事は出来んぞ。」

 

まさかの反撃に錬二は戸惑うが、自分の目的の邪魔になる彼を排除させる為に、言葉を続ける。

 

「だからと言って彼はレーティングゲームで部長を倒したんですよッ!?それなのに何故…‼」

 

「それはリアスが弱かっただけの話です。彼は混血でありながら悪魔の駒を授けられる程優秀なのですから。」

 

ヴェネラナの言葉に錬二は内心舌打ちをする。ここでもヴァーリが評価されてるのがやはり気に食わないのだ。

 

「リアス、貴女の覚悟は解りました。ならば頑張ってみなさい。でも、たまには顔を見せに来なさいね?ミリキャスも淋しがってしまうでしょうからね。」

 

「はい、ありがとうございます‼」

 

ヴェネラナの言葉にリアスは涙を滲ませながらお礼を言い、ジオティクスは1枚の紙をリアスに手渡した。

 

「お父様、これは…」

 

「リゼヴィム様が経営している【幻夢コーポレーション】への紹介状だ。こちらの援助が無くなるのだから、アルバイト等をしなくてはならんだろう?これを持って頼んでみるといい、だが雇ってもらえるかはお前の腕しだいだぞ?これが最後の援助だ。」

 

「ありがとうございます、必ずものにしてみせます…‼」

 

「では、気をつけて行ってきなさい。サーゼクス達には私から話しておきますから。それと………辛くなったら何時でも連絡なさい………話くらいは聞いてあげますから。」

 

「大丈夫です、私には頼れる仲間がいますから。」

 

リアスが後ろを向けば彼女に笑いかける眷属達、しかし錬二だけは不服そうな表情を崩さない。

 

「さあ皆ッ‼‼人間界に戻るわよッ‼‼」

 

「「「「はい、部長ッ‼‼」」」」

 

「………………………………………………………はい…」

 

この後、リアス達は幻夢コーポレーションの門を叩くが、そこに錬二の姿だけはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

番外編1―2 ゼノヴィアの覚悟

 

「ふッ‼ハアッ‼」

 

ヴァーリ達が帰ってきた次の日、幻夢コーポレーションにあるトレーニング室でゼノヴィアはサンドバッグに何度もパンチを繰り出していた。その傍らにはストップウォッチとタオル、スポーツドリンクを持ったアーシアが控えている。

 

彼女は幻夢コーポレーション所属になって以来、このトレーニング室でずっと体を鍛えていた。エクスカリバーは返却し、自身の物であったデュランダルも奪われてしまい獲物が無くなった彼女は自身を武器とする事にしたのだ。

 

「………………………………はい、後5秒です。」

 

「ハアアアアアアアッ‼‼‼」

 

-ドスゥン‼‼-

 

制限時間が迫る中、彼女は最後の一撃として全力の拳を叩き込む。そのせいでサンドバッグの袋が破け、中の砂が床に零れていく。

 

「む………やり過ぎたか…」

 

「もう、ゼノヴィアさん‼あまり会社の物を壊してはいけませんよ‼」

 

「すまん…」

 

アーシアに怒られ謝るゼノヴィア………本来は護衛される側とする側なのだが、平和な日常では立場がまるで違っていた。

 

「やっほ~‼元気に青春しとるか~い?」

 

「あ、リゼヴィム様‼明日那さん‼」

 

「おはようございます、リゼヴィム殿。明日那殿。」

 

そこにリゼヴィムとアタッシュケースを持った明日那がやって来た。

 

「今日はゼノヴィアちゃんに聞きたい事があってね。」

 

「私に………ですか?」

 

「そそ、君は【力】が欲しいかい?」

 

その問いに彼女は息を飲む。それはまさしく今、彼女が喉から手が出るほどに欲しいものなのだ。

 

「欲しいです。」

 

「それは何のために?」

 

そう聞かれ彼女は自分に自問する。その力を持って何がしたいのか…そして導き出した答えは1つだった。

 

「………彼女を…親友の紫藤イリナを、クロノスから取り戻す為です。」

 

「へぇ…」

 

その答えに興味を持ったリゼヴィムはそう呟いて彼女に先を促す。

 

「例えどんな存在になろうとも、彼女は私の友です。それに教会からドーピング薬を渡される前は純粋で優しく…過去の後悔をずっと背負っていました。私は彼女をその頃に戻してやりたいんです。そしてアイツの過去の後悔を終わらせる手伝いもしたい………その為には今のアイツを正気に戻す為の力が必要なんです。」

 

その目的は友の為………純粋にそれしかなかった。だからこそ、リゼヴィムはこの目的にとって最も重要な部分を指摘する事にした。彼女の理由を粉々にする指摘を…

 

「なら、彼女がもう正気に戻る事がなかったら…どうするんだい?」

 

そう、今のイリナが戻る可能性はかなり低いと言わざるをえない。1歩間違えばその油断で自分が殺されるかもしれない…その時、彼女はどうするのか…

 

「その時は………………私がイリナを討ちます。」

 

しかし彼女は、強く拳を握りしっかりとした目でリゼヴィムを見ながらそう告げた。隣のアーシアは悲しそうな目で顔を俯けるがそれが彼女の覚悟だと理解しており、言葉を挟む事はしなかった。

 

「………………………………………………………いい目だね。OKッ‼ゼノヴィアちゃんに力を与えてあげよう‼」

 

「良いんですかッ!?」

 

「モチのロン‼当たり前田のクラッカーだよ‼ただし、この力はすぐには使えない。しばらくは体を鍛えてもらう事になるけど………決めてよ、覚悟?」

 

「はいッ‼‼」

 

「良かったですね、ゼノヴィアさん‼」

 

「ああ、ありがとうアーシア‼」

 

その答えにリゼヴィムは彼女なら大丈夫だと思い、力を託す事にした。アーシアと喜ぶゼノヴィアを笑顔で見つつ密かに願う。子供達の未来に幸あれと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

番外編1-3 幻夢コーポレーションの戦力

 

 

「ふむふむ………やっぱりね~。」

 

「何してるんですか、社長?」

 

夏休みも中盤に入った頃、幻夢コーポレーションの社長室。そこでパソコンを見ながら何かをしているリゼヴィムに気になった明日那が画面を覗くと、そこには新しく戦力部隊になった子達のデータがあった。

 

「いやね?ここの値を見てちょうだい。」

 

リゼヴィムが指差す場所………ゲームでいうステータスが書いてある画面だったが見慣れない項目があった。

 

「【H・L】?何ですかこれは?」

 

「今度の新システムに必要な項目なんだけどね、この値を見比べてごらん?」

 

言われるままに画面に映る6人分の項目を見ると、ある事が分かった。

 

「他の四人が4.0を越えてるのに、この二人だけはまだ3.4ですね…」

 

その値は上から4.7・4.5・4.2・4.2となっていたが、後の二人だけはまだ3.4と他よりも低い数値だった。

 

「これは憶測だけどね………転生悪魔若しくは混血の場合、この数値は上昇しやすいんじゃないかな?」

 

「………ああッ‼そういえばこの上の子達は…‼」

 

「そゆこと♪」

 

「なら、あっちの量産と開発も急がないといけませんね。」

 

「クロノスに対抗できる力は多い方がいいからね。」

 

「解りました。」

 

リゼヴィムの言葉で明日那は部屋を出ていく。そして画面を見ながらリゼヴィムも普段はしないような真面目な顔に変わる。

 

「待ってろよクロノス………この増えた戦力でお前の顔を拝んであげるよ…‼」

 

そう言って強く握る右手からは、血が滴っていた。




いかがでしたか?

今後はこの部隊も活躍する場面が出てきます。

次回は海神アグル様とのコラボになります。

では、次回でお会いしましょう。
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