待たせてしまった割に文章短いです………
自分、日常的な話になると筆の進みがかなり遅くなるのですが、他の皆様はどうやって書いてます?
とりあえず本編、小休止回をどうぞ。
4つの試合が終わり、全員で一旦おやつ休憩…もぐもぐタイムをすることにした。善子が魔法で直したフィールドにビニールシートを広げ、そこに座っていく。
「どうぞ、召し上がってください。」
そこに梨子が持ってきたのは大きな皿に沢山のったマフィンだ。他にもクッキーや羊羮、胡麻団子にカットされたフルーツがあり、ヴァーリの傍にはチョコレートが山積みの皿を置いた。
「マフィンの味はプレーンとチョコチップ、イチゴとブルーベリーにマンゴーで、クッキーはプレーンとココアにマーマレードを作ってみたの。」
「おお~‼美味しそう‼」
それらに真っ先にかぶりついたのは千歌だ。誰よりも早くマーマレードのクッキーを掴み、口に入れる。
「んん~♥サクサクで噛む度にオレンジの香りが口一杯に広がる~♥」
「あ、じゃあ私もッ‼」
皆が思い思いのお菓子を食べ始める中、ヴァーリは先程までの戦闘データをパソコンに高速入力し、一誠は近くの壁に寄り掛かって精神を集中していた。
「そっちのヴァーリのタイピング………ヤベーイくらいにハエーイな…」
「自称神だもん。」
「ククク………これほど良質の戦闘データは滅多に手に入らん…‼お陰で俺の才能が押し潰され、新しいガシャットの構想が流れる‼溢れ出る‼‼やはり俺の才能は神だァッ‼‼」
『おい神、同類がいるぞ?』
『アレと私を同一視するなあぁぁぁぁぁぁッ‼‼』
そんなヴァーリの様子に一誠(D)は苦笑いを浮かべ、彼の中にいるドライグとドライグダークはコント染みた会話を会話をする。そこに一誠(D)の妹である美月がヴァーリのパソコンを覗き見る。
「これって………ガシャット?」
「ん?そうだ。これはルビィが変身する仮面ライダー【エール】の強化ガシャットだ。」
「えッ!?ルビィさんも変身できたの!?」
「ああ、だが彼女の力はサポート専門で戦闘には一切向いていない。だから今回の模擬戦からは外したんだ。」
「へぇ~、じゃあこっちのゲーマドライバーに似てるのは?」
「これは以前から俺が考えていた物だ。完成して条件が揃えば、ハイパームテキと同等…いや、それ以上の力を手に入れられるのだ‼やはり俺の神の才能に限界はなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ‼‼ヴェアーハハハハハハハハハハハハハハッ‼‼‼‼見ているがいい、異世界の檀 黎斗オオオオォォォォォォォォォォッ‼‼‼」
自慢して高笑いするヴァーリをスルーして、美月は次に一誠の元に向かった。
「あの…こっちのお兄ちゃん。」
「………………………………………………………………………………」
美月が呼び掛けるが、一誠は反応しない。
「ねぇねぇ‼こっちのお兄ちゃんってば‼‼」
「………………………………………………うるせぇぞ、何の用だ?」
彼女の呼び掛けに一誠は多少イラつきながら答える。
「お兄ちゃんはどうして戦ってるの?」
「お前に教える義理はねぇ。」
そう答えたら目を閉じ再び精神統一に入る。それが面白くなかったのか少し顔を膨らませてから、何かイタズラを思い付いた様な顔をして、大きく息を吸い…
「みんな~‼こっちのお兄ちゃん、女の人のおっぱいが大好きなんだって~‼‼」
それを聞かされた一誠はその場でズッコけ、もぐもぐタイム中だった何人かがガッツポーズや項垂れるといった仕草をしていた。
「おいガキ…」
「なぁに?(ガシッ‼)みぎゅッ!?」
してやったりな顔をしている美月の背後に立つ一誠は、その呼び掛けに振り返った美月の顔にアイアンクローを決める。
「なにふざけた事抜かしてんだ、アアン?その頭握り潰すぞ。」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ‼‼‼離して~‼‼」
「だったら先ずは【ごめんなさい】だろ?」
「ご、ゴメンナサァァァァァァァァァイッ‼‼」
「………………………………………ならいい…」
手を離し解放された美月は顔を押さえて涙目で一誠を見るが、一誠から見れば何の迫力もなかった。
「覚えとけ………自分にとって軽いイタズラ気分でした事が、相手を凄く傷つける事もあるってな…」
「うう~………は~い…」
そう告げて一誠は出口へと歩き始める。
「ちょっとイッセー君ッ!?どこ行くのッ!?」
「………外の空気を吸ってくる。」
「待って‼私もッ‼」
さっさと歩く一誠に付いていく曜。ヴァーリ以外の者達はそれを見送った。
「美月、人様に迷惑かけたらアカンよ?」
「はーい…」
「彼、何か暗い過去でもあるの?」
「………………………家族と少し、ですけど…」
真姫に問われ果南がポツリポツリと語り出す。本来なら一誠の許可が無ければ話すべきではないのだが、話せば何か力になってくれるかもと思い、少しの罪悪感と共に話した。
「なにそれッ!?それが兄弟に対する事なのッ!?」
話し終えて真っ先に反応したのが穂乃果だ。彼女自身も妹がいるので、怒りの感情が沸き上がったのだ。
「そら、あんな性格にもなるわな…」
「全く、これだから男の子は…」
希はこちらの一誠の性格に納得し、真姫は何かに気づいたかの様に頷いた。
「どうしたんですか?」
「これは私の勘だけど、彼が喧嘩を始めたのって…」
一誠side
「はぁ~…ガキ相手に何ムキになってるんだか…」
俺は外に出ると深いため息を吐いてさっきの行動を反省していた。
あんなもんは子供の戯れに過ぎない…そうだと解っていてもどうしても体が反応しちまう………
「こんなんだからグラファイトにも、色々言われるんだな…」
「そうでもないよ。」
「ん?」
独り言に返事があったのに反応して振り返ると、そこには曜がいた。
「だってイッセー君、優しいからね。」
「何バカな事言ってんだよ、俺みたいな喧嘩バカのどこが優しいんだか…」
「優しいよ。今まで沢山の後輩を助けてるじゃない?」
曜がそう言ってくるが、本当は違う。あの喧嘩はそんな大した事じゃない。
「あれは俺の自己満足だ。」
「自己満足?」
「前にお前が言ったろ?喧嘩するのは相手に俺の存在を認めさせる為って………それは完全に間違いだ。でも、喧嘩で鍛えていたのはそんな崇高な理由なんかじゃねぇんだ…」
そこから俺は自分の心に隠していた事を話す。
曜が襲われた次の日から俺は体を鍛えるにはどうするかと悩んだ。その時だった………他校の生徒にカツアゲされていたウチの生徒を見たのは。
「それを見た瞬間、曜が襲われてる時の事が頭を過って………んで、気がついたら体が動いてた…」
そして気づけばその相手を倒して、そいつを助けていただけだ。それからもその現場に出会す度に同じ様に思い出して喧嘩を繰り返す…自分の後悔を消し去ろうとするかの様にな………だから俺は喧嘩を楽しむ事にした。罪悪感に押し潰されないために…
「結局、俺はあの時から進歩してねぇんだよ。未だに、一歩もな…」
顔の前に持ってきた右手を強く握り締めてそう呟く。そう…ガシャットでいくらレベルアップしたとしても、俺自身が成長しなきゃこれ以上は強くなれはしない…
「大丈夫。」
強く握り締めていた右手が温かい感触に包まれる。それは、曜の手が俺の右手を包んだからだ。
「曜…?」
「イッセー君ならきっと大丈夫。だって今まで何度も助けてくれたもん。だからきっと先に進める。私が保証するよ。」
「………………………だといいな…」
「うん♪」
そう笑顔で伝えてくる曜に、俺はそう返す。知らぬ間に笑みを浮かべながら………
そんな二人を物陰から見ている者達がいた。そう、もぐもぐタイム中に真姫の予想(ほぼ正解)を聞いて確認しに来たメンバー達(ヴァーリ眷属を除く)だ。
「おお~‼なんだかラブラブな雰囲気に~‼‼」
「これは………キスまでいっちゃう!?」
「ちょっと静かにしなさいよ、バレるじゃない‼」
「つーか希、押さないでよ‼」
「狭いんやから、しょーがないやろッ‼」
「ぎゅうぎゅう詰めにゃ…」
「家臣共、苦しゅうない。」
「「「「「「苦しいんだよッ‼‼」」」」」」
「こっちのお兄ちゃん、キスするかな?」
「今は静かに見守ろうぜ。」
絵理のボケに異世界組の大人が総ツッコミを入れ、一誠(D)と美月は二人を見守る事にした。
「曜ちゃんったら…抜け駆けとかズルいなぁ…」
「うゆぅ…」
「ずらぁ…」
「あれ?何で花丸ちゃんもいるの?」
「えッ!?え~と………何となく?」
「よしッ‼今だ‼そこでキスしろイッセー‼」
「皆さん…人の恋路を邪魔すると風雲再起に蹴られますわよ?」
そして果南にルビィ、花丸は思い思いの気持ちで見ていて、パラドは完全に観客になり、ダイヤは皆を注意しているが視線は二人の方にチラチラと向いていた。
「………………………………………………あ、アハハ…」
「………………………………………………………(ブチッ)」
しかし、それほど騒いでいれば当然2人の耳にも聞こえてしまう。周りに見られていた事に曜は顔を赤くしながら頬を掻き、一誠は顔を真っ赤にしながらブチギレた。
「テメェ等、今すぐそこに正座しやがれえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼‼‼」
「「「「「「キャー、怒ったー♪」」」」」」
それから盛大な鬼ごっことなり、異世界組の殆どとこちらのメンバーの大半は逃げ切ったが、捕まったメンツ(パラドと一誠D、さっきの戦闘でダメージが残ってたにこ)は一誠の拳骨を頭に喰らって呻く事となった。
いかがでしたか?
ダメだ…誰か日常回の書き方を教えてくださいorz
次回は戦闘に戻ります。
次回【Firstコラボfive】
「ウチもたまには、子供達にエエとこ見せんとな。」
それと、活動報告でアンケートみたいなのを2つやってますので、良ければそっちの意見もくれると助かります。
では次回でお会いしましょう。