ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回は梨子VS希ともう一試合やります。

ただ、後半は大変な事になります。

では、どうぞ。


Firstコラボfive

もぐもぐタイムが終わり、再び模擬戦を始めるヴァーリ達。フィールドに現在立っているのは希と梨子だ。

 

「よろしくお願いします。」

 

「そんな固くならんでもええって。」

 

梨子の腰にはゲーマドライバーが、希の腰には1つ目のお化けの様なバックルのベルト【ゴーストドライバー】が巻かれている。

 

「ウチもたまには、子供達にエエとこ見せんとな。」

 

『それでは両者、変身してください』

 

彼女の手には目玉を模したアイテム【オレ眼魂】が握られていて、横のボタンを押してナンバリングを表示させてバックルに装填した。

 

『アーイ‼』

 

するとバックルから黒にオレンジのラインが入ったパーカー【パーカーゴースト】が出てきて、周囲を飛び回る。

 

『バッチリミナー‼バッチリミナー‼』

 

「変身。」

 

『カイガン‼オレ‼レッツゴー‼覚悟‼ゴ・ゴ・ゴ‼ゴースト‼』

 

それを素体状態の【トランジェント】の上から羽織り、仮面ライダーゴーストになる。

 

「第伍拾戦術。」

 

『BANG BANG SIMULATIONS!!』『デュアルガシャット‼ガッチャーン‼デュアルアップ‼スクランブルだ‼出撃発進‼バンバンシミュレーションズ‼発進‼』

 

梨子もスナイプ・レベル50となり、両手の銃を構える。

 

『試合開始です』

 

開始の合図と同時に銃声…いや、砲声が連続で聞こえてくる。そしてスナイプの両手の砲身から煙が棚引いている。

 

(開始と同時の連続砲撃………倒すのは無理だとしても、少しでもダメージが与えられれば…)

 

彼女達の強さをこの連戦で把握していたスナイプは、初めの内からアドバンテージをとろうと考えていたが、ゴーストを覆っていた煙が晴れると同時に余裕は消し飛んだ。何故なら…

 

「さすがにビックリしたけど…まだまだやね。」

 

専用武器【ガンガンセイバー】を二刀流モードにして、無傷で立っているゴーストがいたからだ。

 

「最初から有利な状況を作ろう思うんは分かるけど、も少し狙いは正確な方がエエで?」

 

「全て捌いておいて、それ言います?」

 

「せやな…ほんなら次は、ウチの番や。」

 

そう言って接近するために駆け出すゴースト。スナイプはそうはさせまいと全身の砲門から砲撃を始める。進行方向を読み、それを妨害するように撃っていくが、しかしその悉くが切り捨てられていくのだから意味がない。

 

「くッ‼この…」

 

「隙あり‼」

 

そしてついに攻撃範囲まで近づかれてしまう。右手の剣を振り上げ、一気に振るうがそこで彼女は驚かされる。

 

「ふッ‼」

 

まるでその動きまで読まれていたかの様に左手の銃で受け止められ、がら空きの胴体に反対の銃を押し当てられゼロ距離砲撃を喰らう。

 

「ぐッ!?」

 

「残念ですけど織り込み済みです。もともと勝算は低いんですから、あらゆる状況に対応するように考えてますので。」

 

「ハハッ…こら、一筋縄ではいかんなぁ。」

 

それに大したダメージを受けなかったゴーストはすぐに起き上がると、茶色の眼魂を取り出しナンバリング状態にする。

 

「ほんなら、こっちも銃撃や‼」

 

『カイガン‼ビリー・ザ・キッド‼百発百中‼ズキューン‼バキューン‼』

 

ゴーストはビリー・ザ・キッド魂に変わるとガンガンセイバーをガンモードに変え、左手に時計と蝙蝠を合体させたかのような銃【バットクロック】を持ち、銃撃を始めた。スナイプも負けじと砲撃で相殺していくが、全身の砲門を使ってもゴーストの連射には追い付けない。

 

「う…‼くぅ…!?」

 

「まだまだいくでェッ‼」

 

弾丸同士がぶつかり合う火花が徐々にスナイプ側へと寄っていき、ついに装甲に命中した。弾丸の相殺は繊細な作業でほんのちょっとのズレが致命的になる。攻撃が当たったスナイプは攻撃の僅かな衝撃で狙いが狂い、その後の相殺が出来ずに全てを喰らって吹き飛ばされる。

 

「キャアッ!?」

 

「こっちは連射型やからな、速度なら負けへんよ。」

 

そしてゴーストはガンガンセイバーとバットクロックを合体させてライフルモードにし、ベルトに翳した。

 

『ダイカイガン‼ガンガンミナー‼ガンガンミナー‼』

 

「発射‼」

 

『オメガインパクト‼』

 

引き金を引き、放たれる必殺技。スナイプは何とか立ち上がると両手の銃を合わせて盾にし、それを受け止める。

 

「くうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…‼‼はあッ‼‼」

 

それを力任せに上に弾くスナイプ。これでひと安心と思っていたが…

 

『カイガン‼ロビン・フッド‼ハロー‼アロー‼森で会おう‼』

 

彼女の前には緑のパーカー【ロビン・フッド魂】に着替えたゴーストがおり、ガンガンセイバーはバットクロックではなく昔の黒電話を模した鳥型のガジェット【コンドルデンワー】が付いたアローモードとなっていた。

 

『ダイカイガン‼ガンガンミナー‼ガンガンミナー‼』

 

そしてすぐにそれをベルトに翳して、必殺技の発動体勢に入る。

 

「させない‼」

 

『ガッチョーン、キメワザ‼』

 

スナイプも必殺技の発動体勢になり、同時に攻撃が放たれる。

 

『オメガストライク‼』

 

『ガッチャーン‼ BANG BANG!! CRITICAL FIRE!!』

 

2人の必殺技は中央でぶつかり合い、しばらく拮抗するとゴーストの矢が砕かれ、スナイプの攻撃が直撃した。

 

「キャアッ!?」

 

「母さんッ!?」

 

それを見た一誠(D)は驚くが、彼女はすぐに立ち上がる。

 

「アイタタ…出力が力負けしとったか。」

 

「こっちもレベル50の意地がありますから…‼」

 

「これやと闘魂ブーストも微妙やし…皆の力を借りよか‼」

 

ゴーストはベルトを消すと、大型の眼魂型のベルト【アイコンドライバーG】を装着した。

 

『グレイトフル‼』

 

そして横のボタンを押すと、15の英雄のパーカーが続々と飛び出してきた。

 

「な、なにッ!?」

 

『ガッチリミ~ナ~‼コッチニキナー‼ガッチリミ~ナ~‼コッチニキナー‼』

 

「変身‼」

 

『ゼンカイガン‼剣豪‼発見‼巨匠に王様‼侍‼坊主にスナイパー‼大変化~‼』

 

15の英雄のパーカーと合体し、ゴースト・グレイトフル魂になるとベルトのレバーとボタンを交互に操作し始める。

 

『ムサシ‼エジソン‼ロビン・フッド‼ニュートン‼ビリー・ザ・キッド‼ベートーベン‼ベンケイ‼ゴエモン‼リョーマ‼ヒミコ‼ツタンカーメン‼ノブナガ‼フーディーニ‼グリム‼サンゾウ‼』

 

それでパーカーゴースト達を召喚すると、頭上に曼陀羅を描く。

 

『ゼンダイカイガン‼剣豪‼電導‼アロー‼リンゴ‼カウボーイ‼巨匠‼無双‼怪盗‼ダゼヨ‼女王‼大王‼武将‼脱走‼読書‼僧侶‼』

 

更にパーカーゴースト達は1つの光球になり、そこへゴーストが飛び上がる。

 

『ゼンインシュウゴウ‼グレイトフル‼オメガドライブ‼』

 

それを蹴り飛ばしながらスナイプへと突貫するゴースト。必殺技が間に合わないスナイプは再び両手の銃を合わせて盾にして防ぐが、先程以上の威力に蹴り飛ばされ壁にめり込んでしまう。

 

「ガハッ!?」

 

「ありゃ…やり過ぎやったかな?」

 

「…いえ、大丈夫です…‼」

 

壁から抜け出したスナイプはベルトのガシャットを抜き、もう1つのガシャットギアデュアルβⅡを取り出す。

 

「第佰戦術‼」

 

『BANG BANG FORTRESS!! デュアルガシャット‼ガッチャーン‼デュアルアップ‼ドドンバン‼ズンドカン‼(wow!!)バンバンフォートレス‼』

 

フォートレスゲーマを纏い、スナイプ・レベル100になると肩のハッチからミサイルを発射する。

 

「その程度なら…‼」

 

ゴーストはガンガンセイバーでミサイルを撃ち落とすが、爆発と同時に大量の煙が蒔かれる。

 

「煙幕弾ッ!?」

 

それに動揺するゴーストだったが、耳にミサイルの発射音が次々と聞こえた瞬間に警戒するも、煙幕から出たミサイルは自身を覆うように全方位から同時に迫ってきていた。

 

「ちょッ!?マジかッ!?」

 

大量のミサイルに驚きながらも左手に新たな武器【サングラスラッシャー】をガンモードで取り出し、次々と撃ち落としていく。

 

周囲を爆発の花が彩る中、正面から巨大なビームが迫ってくる。

 

「くッ!?」

 

それをジャンプしてギリギリで回避するが、その下から大型ミサイルが8つ飛んできた。

 

「そんなん…‼」

 

それを撃ち落とそうと武器を構えるが、そこでミサイルの表面カバーが外れ、小型ミサイルが更に撃ち出されてくる。

 

「マイクロミサイルッ!?」

 

それに驚いた事で迎撃の反応が遅れ、ミサイルがゴーストに襲い掛かった。

 

「アアアアアアアアアアアアッ!?」

 

悲鳴を上げながら地面に落ちるゴースト。そして煙幕が晴れると、そこにはスナイプが4人いた。

 

「これは…‼」

 

「「「「分身のエナジーアイテムですよ。」」」」

 

その内3体が消え、本体がゆっくりと歩み寄ってくる。

 

「最初の煙幕で視界を、次のミサイル迎撃でアイテム獲得時の音声を消したんです。後は囲むようにして攻撃するだけ…」

 

「ハハ…中々賢いな…」

 

「私はヴァーリ君の女王ですからね♪」

 

「ほんなら…ここからはウチも全力や‼」

 

ゴーストはアイコンドライバーGを外し、ゴーストドライバーを再び出したら上に∞のマークが付いた眼魂を入れた。

 

『ムゲンシンカ‼アーイ‼バッチリミナ~‼バッチリミナ~‼』

 

バックルから白いロングコート風のパーカーが現れ、流れるメロディもコーラス調に変わる。

 

「変身‼」

 

『チョーカイガン‼ムゲン‼keep on going!!ゴ・ゴ・ゴ‼ゴ・ゴ・ゴ‼ゴ・ゴ・ゴ‼ゴースト‼』

 

今までの黒い色合いから白を基調とした姿に、所々に∞のマークが入った姿の【ゴースト・ムゲン魂】になると、ガンガンセイバーをナギナタモードにする。

 

「命、燃やすで‼」

 

『イノチ‼ダイカイガン‼ヨロコビストリーム‼』

 

ゴースト固有の能力で揺らめくように飛行し、必殺技を発動させながらスナイプへと迫るゴースト。

 

(あれは見た感じさっき以上の重量…せやったら、そんな早くは動けん筈‼)

 

そう判断し、ナギナタを振るうが…

 

「甘いです。」

 

スナイプは足のホバーを起動させて高速で後退する事で、その攻撃をかわした。

 

「へ?」

 

「見た目で判断したんだと思いますけど、それでは油断に繋がりますよ。」

 

そして肩と腰のキャノン砲を前面に展開して両手の銃と合わせて6本のビームがゴーストへと放たれる。

 

「わっととッ!?」

 

何とかそれをかわすゴーストだが、キャノン砲から次々に放たれるビームに回避するのが精一杯となった。

 

更にスナイプの装甲からミサイルも放たれ、逃げ場を次々に潰されていく。

 

「こうなったら…‼」

 

『イノチ‼ダイカイガン‼シンネンインパクト‼』

 

ガンガンセイバーライフルモードから緑色のビームを放つゴースト、しかしスナイプは慌てず、6本のビームを集束させてそれを相殺した。

 

「今度はこちらの番です。」

 

『ガッチョーン、スゴワザ‼』

 

レバーを閉じ、キャノン砲と全ミサイルをゴーストへとロックオンする。

 

『ガッチャーン‼ BANG BANG!! CRITICAL STRIKE!!』

 

そしてミサイルとビームが次々に撃ち出される。その量は最早殲滅攻撃と言っても過言ではない。

 

「負けへんでぇッ‼‼」

 

『イノチ‼ダイカイガン‼イサマシュート‼』

 

ゴーストも負けじとミサイルを撃ち落とし、ビームを回避していく。そして最後のミサイルを撃ち落としてからスナイプの方を向くが…

 

「あれ…どこに行ったんや?」

 

既に先程の場所にスナイプの姿はなかった。

 

「まさか、また消えて…「正解です。」ッ‼」

 

そこに背後から聞こえる声と、腰に当たる固い金属の感触…ゴーストがゆっくりと背後を見ると、そこに銃を突きつけるスナイプがいた。

 

「これで私の勝ち…ですよね?」

 

「せやな…ウチの負けや。」

 

『ゴーストの棄権を承諾。勝者、スナイプ。』

 

「やった♪」

 

地面に降り、変身を解除する2人。梨子はガッツポーズを、希は彼女へと拍手を送る。

 

「いや~、してやられたわ。中々練った戦術やな?」

 

「今できる最高を…そうしなければ大事なものを亡くしてしまいますから…」

 

「そか…」

 

そう言う彼女の目に何かを感じたのか、希は深く聞くことはしなかった。

 

彼女達が観客席に戻ると、次に出てきたのは真姫となんとヴァーリだった。

 

「あら、もう王が出てくるの?」

 

「なに、次の戦いは千歌に任せた方がいいと思ったのでね。」

 

そしてゲーマドライバーを装着し、ガシャットギアデュアルβⅡを手にする。

 

「悪いが前座は無しにして…最初から全力といかないか?」

 

「構わないわ…キバット‼タツロット‼」

 

『ヨッシャア‼キバッていくぜ‼』

 

『テンションフォルテッシモでいっきましょ~♪』

 

真姫の側にデフォルメされたコウモリと金色のドラゴンがやって来る。

 

『それでは両者、変身してください。』

 

「術式レベル100。」『TADDLE LEGACY!!』

 

『ガブッ‼』

 

『デュアルガシャット‼』

 

「「変身‼」」

 

『ガッチャーン‼デュアルアップ‼辿る歴史‼目覚める騎士‼タドルレガシー‼』

 

ヴァーリはプレイブ・レベル100となり、真姫は金と赤のどこかコウモリを彷彿とさせる鎧【仮面ライダーキバ・エンペラーフォーム】となった。

 

『ガシャコンソード‼』

 

『ザンバット‼』

 

互いに剣を持つと両手で強く握り締める。

 

『試合開始です。』

 

電子アナウンスと同時に二人は駆け出し、中央でぶつかり合う。そのまま高速の剣撃が始まった。

 

キバの上段斬りを左腕の盾で受け止め、ブレイブが右斜め下からソードを振るうが、キバは1歩下がる事でスレスレで回避した。そこからブレイブの胸を蹴って一気に距離を取り、ザンバットバットをスライドさせる事で刀身を研ぎ澄まし、赤い斬撃を飛ばすもブレイブもBボタンを2度叩き、強化された炎の斬撃で切り捨てつつ炎をキバへと飛ばす。それをマントを振るう事でかき消し再びブレイブへと迫る。

 

『コ・チーン‼』

 

ブレイブも刀身を氷剣に切り替え、逆手に持って走り出し斬り合う。

 

「やるじゃないの。」

 

「自分で作った力ぐらい、把握してないとな…‼」

 

つばぜり合いの最中、Bボタンを5連打したブレイブはキバの剣を振り払い、ソードを地面に突き刺し冷気をキバへと伸ばしていく。

 

「ハッ‼」

 

だがキバはザンバットバットをスライドさせ、斬撃を放つ事で冷気を吹き飛ばした。

 

「チィッ‼」

 

自身へと飛んでくる斬撃を正面に光剣を多数作ることで防御し、更に光剣を増やすとそれらはキバへと飛ばす。

 

「この…‼」

 

それらを全て捌き視線をブレイブへと戻すと、そこには誰もいなかった。

 

「どこに…………ッ‼」

 

視線を周囲に巡らせていたら、背後からヒリついた感覚を感じ振り返りながら剣を振るうと、いつの間にか背後にいたブレイブとつばぜり合いになった。

 

「この転移に反応するとは…‼」

 

「嘗めるんじゃないわよ‼キバット‼」

 

『おうッ‼ガルルセイバー‼』

 

キバットの声に合わせてキバの左手に握られたのは、青い狼の彫像が付いた剣【ガルルセイバー】だ。二刀流となったキバはその連撃でブレイブを追い詰めていく。

 

「く…‼」

 

「もらった‼」

 

「ぐわッ!?」

 

そしてついにキバの攻撃がブレイブに直撃する。鎧から火花を散らして体勢を崩すブレイブにキバは更なる追撃を行っていく。崩した姿勢から立ち直ろうとするブレイブだったが、キバの猛攻に防御しか出来ず徐々にダメージを蓄積していった。

 

「ハア…‼ハア…‼」

 

「まずは1発目ね。」

 

膝を着いているブレイブを見下ろしつつ左腕のタツロットの角を引くと背中のルーレットが回りだし、赤いコウモリの紋章が揃う。

 

『Wake up FEVER‼』

 

そして飛び上がると両足に赤いコウモリの羽を付けた必殺技【エンペラームーンブレイク】が襲い掛かる。

 

「やられるかッ‼」

 

『ガッチョーン、スゴワザ‼ガッチャーン‼ TADDLE!! CRITICAL STRIKE!!』

 

ブレイブも負けじと必殺技を発動させて、背中に羽を生やしつつ飛び上がり、同じく蹴りの体勢でキバと激突する。

 

「「ハアアアアアアアアアアアアッ‼‼」」

 

暫しの拮抗の後、大きな爆発と同時に2人が落ちてくる。キバは姿勢を立て直して着地するが、ブレイブは背中から地面に落ちた。

 

「カハ…‼」

 

「これで私の勝ちね。」

 

起き上がれないブレイブを見てフィールドを去ろうとするキバ。だが…

 

「ククク………ハハハハハハハハハハハハッ‼‼」

 

背後から聞こえるブレイブの笑い声に不安を覚え、立ち止まって振り返った。

 

「何がおかしいのかしら?」

 

「いや、自分の幸運に笑いが出ただけさ…‼」

 

自身の能力でライダーゲージを回復させながら立ち上がるブレイブ。そしてホルダーから1つのガシャットを取り出した。それは以前、別の世界に行った時に手に入れた死神博士作のガシャット【暴走サーキット】だった。

 

「これのテストをするのに相応しい相手がいることになッ‼‼」

 

「ッ!?ダメッ‼ヴァーリ君‼」

 

『SAFETY CRASH!!』

 

梨子の声を無視して起動ボタンを押し、それをキメワザスロットホルダーに装填する。

 

『ガシャット‼』

 

そしてホルダーのボタンを押す事で、そのガシャットを発動させた。

 

『暴走‼感情‼抹消‼兵装‼暴走サーキット‼』

 

正面に出たゲートを潜り終えると、目以外が真っ黒に染まった【ブレイブ・サーキットレガシーゲーマー】がそこにいた。

 

「それ、使って大丈夫なの?ヤバい気配しかしないけど…」

 

「それをこれから検証するのさッ‼」

 

『ガシャコンカリバー‼』

 

ブレイブはもう一振りの剣を呼び出すと、キバと同じ二刀流で攻撃を始める。

 

「デヤアアアアアアアアアアアアアアッ‼‼」

 

「く…‼攻撃力が跳ね上がってる‼」

 

先程と違い、一撃の重さが上がったブレイブの攻撃にキバは防御に重きを置き始める。しかし、攻撃される度にブレイブの一撃の威力が上がっていくので、攻撃に転じれない。

 

「もう…‼少しは落ち着きなさいよ…‼」

 

「まだまだだッ‼」『ド・ドーン‼』

 

カリバーの刀身を土属性に変え、二刀を地面に突き刺すと地割れが起き、そこから逆さ氷柱の如く氷柱が飛び出してくる。

 

「無茶苦茶過ぎでしょッ!?」

 

横に跳んでかわしつつ叫ぶキバ。だがブレイブの猛攻はまだ終わらない。転移で彼女の前に瞬時に現れ、双剣を振るっていく。

 

「この…‼」

 

その攻撃に必死に喰らい付くキバだが、やはりブレイブの攻撃力と荒々しい連撃の速度に押し負け、攻勢に出れなかった。

 

「う…‼ぐぅッ‼」

 

しかし、何故だか有利なブレイブの方が苦しんでいるように見えた。

 

「あんた………それまさか…‼」

 

「………………頼みがある…‼‼」

 

途中、数瞬だけつばぜり合いを行った時、ブレイブはある事をキバに話した。それはキバからしても突拍子もないものだった。

 

「はぁ?何それ意味わかんないだけど…‼」

 

「………あんたにしか………………頼めないんだ…‼‼」

 

「全く………………後で仲間にキチンと怒られなさい。」

 

「助かる…」

 

2人はそこで一旦離れて構え直すが、ブレイブが急に頭を押さえだした。

 

「なんだ?一体どうしたんだ…」

 

一誠(D)は疑問が浮かぶが、梨子や千歌、善子は心配そうにそれを見る。

 

「後、2秒…」

 

梨子の呟きから2秒経つと、ブレイブが武器を落として両手をダラリと下げて俯く。

 

「お母さん………何か怖い…」

 

美月は何かを感じ震え出す。

 

「あのガシャット………一体何なん?」

 

「前に私達が行った世界で手に入れた物です。スーパーショッカーとかいう組織の研究者の死神博士が作った【使用者を暴走させる】ガシャットで…」

 

そう説明する梨子を他所に、俯いていたブレイブが顔を上げるが、その両目は()()()()()()()()。そこに彼の意識は既に無い。

 

「面倒ね…」

 

呟くキバにブレイブはスロットのボタンを押す。

 

『All SAFETY CRASH!!』

 

『ガッチョーン、ガッチャーン‼』

 

そしてベルトのレバーを閉じて開くと、ブレイブの全身を黒いオーラが包む。

 

『OVER LOAD‼』

 

すると何の予備動作もなく、キバの前に転移したブレイブは同じくいつの間にか拾っていた剣で攻撃する。

 

「うあッ!?」

 

『スゲェーイ‼』

 

暴走を始めたブレイブはキバを()()ため、更に剣を振るうのだった。




いかがでしたか?

次回はこの続きからになります。

次回【Firstコラボsix】

「それ以上はダメぇッ‼‼ヴァーリ君ッ‼‼」

では次回で、お会いしましょう。

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