ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

シンフォギアxdで水着響に66連したけど全く当たらなかった……その上、水着調と水着切歌まで出ると知って絶唱顔になりました…

私の近況はこの辺で……今回から本格的にバトル要素が増えていきます。更にはオリジナルバグスターも出てきます。

どんなバグスターかは本編をどうぞ。


Disasterの襲撃

「ゴメンね、みっともないところ見せちゃって…」

 

「私、姉御があんなに泣くの見たの、初めてだよ。」

 

「もう、忘れてよ!!それと姉御って呼ばない!!」

 

「ゴメンゴメン、あ!!そう言えば自己紹介まだでしたね。2代目スナイプやってます【御堂 美桜】です!!」

 

「「「あ、どうも。」」」

 

過去のメンバーと未来の千歌の出会いの後、そのまま泣き出してしまった千歌を何とか慰め、千歌の周りにいた子供達の世話をルビィと花丸と曜、コハナとイマジンズに任せ、とある空き教室に集まった。

 

「美桜、悪いけど子供達の方お願いできる?初めての人達ばかりだと皆不安だろうし…」

 

「アイアイサー♪」

 

千歌の頼みに美桜は敬礼の様なポーズをとって部屋から出ていった。

 

「さて…そろそろこっちの現状とかを説明するぞ?」

 

美桜が出ていってからパラドは今の状況を彼女に説明する。未来の分岐の事や一誠達が過去から来た事…そしてこの未来が他の時間に及ぼす影響についての全てを…

 

「そっか…パラド君には大変な思いをさせちゃったかな?」

 

「気にするな。俺がやりたくてやって…それで起こした事態だ…」

 

説明を受けて千歌は自分達の時間がもたらす被害に、パラドは自身の仕出かした事の大きさを痛感して顔をうつむけてしまう。このままでは話が進まないと思ったダイヤは話題を変える事にした。

 

「それにしても……千歌さん、先程の子供達は?」

 

「あの子達は皆【仮面ライダークロニクル】で家族を亡くした子達なの。それを私が引き取って、ここで育ててるんだ。」

 

「仮面ライダークロニクル?何なのそれ?」

 

「クロノスが変身に使用するガシャットであり、始めたゲームだよ。簡単にいえば…バグスターVS人間の戦争ゲーム…」

 

「……クロノスのゲーム…!!」

 

そう説明する彼女の顔は怒りの表情を抑えきれておらず、視線が鋭くなるのを見てダイヤは息を飲む。彼女の知っている千歌は、明るくちょっとドジっ子な感じなのだが、今はその面影は見る影もない。

 

「この戦争で既に人類の9割半が……この世から消滅してしまったの…」

 

「戦争……でも、ゲームなら対抗策もあったんじゃない?」

 

「果南ちゃんの言うとおり、その仮面ライダークロニクルのガシャットで【ライドプレイヤー】っていうのに誰でも変身できて、戦う事が出来たの。でもクロノスはバグスター達のレベル上限を無くしたり、エナジーアイテムを独り占めしたり……更にはガシャットで変身した人達をゲーム病になるように仕組んだりと、元から真面目にゲームをやる気なんて無かったんだよ!!」

 

その時の怒りが甦ってきたのか、声を粗げて立ち上がり机を激しく叩く。それほどまでの悔しさと、クロノスへの怒りが今の彼女を物語っていた。

 

「だが、テメーなら話は別だろ?ハイパームテキを使えば、抗えた筈じゃないのか?」

 

「…………私が使えれば…だけどね…」

 

しかし、一誠の言葉でさっきまでの怒りは何処にいったのか、大人しくなる所か力無く椅子に座り、全てに絶望した様に意気消沈してしまった。

 

「どういう事だ?」

 

「…………美歌がクロノスに殺されたの…」

 

「「美歌がッ!?」」

 

その事実はとても大きな驚きを彼女達にもたらした。美歌の強さは彼女達もよく知っているし、コンティニューという裏技があるのに、どうやって彼女を殺せたのか…

 

「さっきも言ったけど、エナジーアイテムをクロノスに独り占めされて…美歌はライフを回復出来なくなったの。そこからは私達に陽動のバグスター達をけしかけて足止めさせて、その間にライフが無くなるまで殺され続けた…!!」

 

千歌の話から、クロノスは美歌と彼女達を分断させ、孤立したところを襲撃したのだ。

 

その陽動を受けていた時、美歌のライフは50近く残っていた。だが、千歌が駆けつけた時には既に……彼女のライフは無くなっていた。

 

(ごめんなさいね……最後まで一緒に…戦えなくて…)

 

(イヤだ…死んじゃヤだよ…!!美歌ァ!!)

 

(泣かないの……後は…一人で…………頑張っ…)

 

(美歌…?美歌…!!美歌ァァァァァァァッ!!!!)

 

粒子となって消える自身の半身を繋ぎ止めようと手を伸ばすも、掴めたのは粒子の一粒だけ…それもすぐに消えてしまった。

 

それを思い出し、右手を爪が皮膚に食い込むほど強く握る。

 

「そして美歌は私の中のバグスターウィルスの抗体も体に使っていて、消滅と同時に私の中の抗体まで消えた…だから…」

 

抗体が無くなる……ゲーマドライバーを使うライダーにとって、それは致命傷ともいえるものだ。つまり彼女はもう…

 

「私はもう……エグゼイドになれない…」

 

そう言って彼女はマキシマムマイティXとハイパームテキのガシャットをテーブルにゆっくりと置いた。

 

「だからこれは宝の持ち腐れなの……本当ならこれを使えるかもしれない人、匙君に譲りたかったけど、その前にクロノスに……消滅させられた…」

 

だからこそ、2代目エグゼイドだった匙にそれらを渡そうとした千歌だったが、それをさせまいとするかのようにクロノスによって倒されてしまい、希望は潰えてしまった。

 

「でも、それはクロノスがハイパームテキをまだ恐れてるって事じゃ…」

 

「だと思う…でも、使えなかったら意味無いし…」

 

「じゃあどうやって倒せばいいんですの…!!」

 

浮かばない解決策に、周りの空気が重苦しくなってくる。こうなっては思考の泥沼に嵌まってしまうだけだ。

 

「まずは皆落ち着こう?…ここでこうやって話してても煮詰まっちゃうだけだし、一回休憩しようか。」

 

「…だな。」

 

良太郎の提案に、まだ冷静さが残っていた一誠が賛同する事で空気が何とか和らいだ。

 

「じゃあ子供達の所に行かない?花丸ちゃん達はまだしも、え~と…タロスズだっけ?…に、子供達が脅えてないか心配だし…」

 

「「あ~…」」

 

千歌の言葉に頷く果南とダイヤ。イマジン達は性格は優しいが、見た目は怪人…子供達が震え上がっている姿が容易に浮かんでしまった…

 

という事で子供達が遊んでいる教室に向かう一向。そして一誠が扉を開けて視界に入ったのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ル「皆を応援!!元気のプリキュア!!キュアエール!!」

 

花「皆を癒す!!知恵のプリキュア!!キュアアンジュ!!」

 

曜「皆輝け!!力のプリキュア!!キュアエトワール!!」

 

コ・美「「皆大好き!!愛のプリキュア!!」」

 

コ「キュアマシェリ!!」

 

美「キュアアムール!!」

 

「「「「「「「わあ~!!」」」」」」」

 

「「「「「「…………(ポカーン)」」」」」」

 

タロスズや子供達の前で某少女向けアニメの変身シーンの動きを真似……しかも、完コピしているルビィ達であった。

 

「え~と……コハナさん…?」

 

「へ?……り、良太郎ッ!?それに皆!?」

 

「「「えッ!?」」」

 

「あ、姉御。どうだった?私達のプリキュアポーズ♪」

 

「スゴーい!!完璧だったよ!!」

 

「えっへん!!」

 

この時代の千歌と美桜はよくやってるのか特に反応は無かったが、ルビィや花丸に曜といった過去組にコハナがそんな事をやるとは思わなかった良太郎達はしばし、固まってしまう。

 

「ち、違うの良太郎ッ!?これは美桜さんや子供達にどうしてもって頼まれたからで…!!」

 

「何言ってやがる、自分から進んでやってt「フンッ!!」ウギャアッ!?」

 

恥ずかしさで顔を真っ赤にしつつも弁明しようとしたコハナに追い討ちをかけるモモタロス。だが、最後まで言う前にコハナの拳によって沈められた。

 

「センパイ、口は災いの元だよ?」

 

「お前が……言うんじゃ…ねぇよ……(ガクッ)」

 

「いや~、子供達は元気が一番や!!」

 

そう言うキンタロスは両腕に3人ずつ、計6人をぶら下げてクルクル回り…

 

「じゃあさ、次はこれを書こーよ!!」

 

リュウロスは数人とお絵描きしていた。しかも誰1人モモタロス達を怖がらず、楽しそうに遊んでいた。

 

「怪人の保育園……流行るかな?」

 

「どうなんでしょう?」

 

「ね~ね~!!おねぇちゃんたちもあそぼうよ~!!」

 

「「はいはい、ちょっと待っててね。」」

 

そんな風景を眺めていた果南とダイヤも、子供達に引っ張られてその輪に加わっていった。

 

「こんなの見てると、クロノスのせいで世界が滅びかけてるなんて……全く想像出来ないでしょ?」

 

「はい…でも、これを守る為に戦おうって思えてきます。」

 

どんなに辛く厳しい状況でも、それを感じさせない程の笑顔は…時に何よりも強い力になる。だからこそ、この幸せを壊してはいけないと良太郎は改めて心に誓う。一誠も言葉にはしないが楽しそうに笑う子供達を優しい眼差しで見ていた。本人に自覚はなく、追求したらすぐにいつもの仏頂面に戻るだろうが…

 

 

―――カランカランカラン!!

 

 

そこに、木同士を打ち合わせた様な音が部屋に響いた。

 

「ッ!?皆、早く隠れて!!」

 

それを聞いた千歌が、慌てて子供達を避難させ始めた。

 

「どうしたんですか!?」

 

「……バグスター達が来たの…!!」

 

この音は千歌達が仕掛けたトラップの1つで、侵入者を知らせる物だ。それが鳴ったという事は敵の襲来を告げているという事だ。その言葉に一誠とパラドはすぐに校庭に飛び出した。

 

『む…敵勢力発見!!』

 

校庭で二人が見つけたのは青を基調にずんぐりとした体型にモノアイ、杖を持っている【パーフェクトパズル】のバグスター【ブロック】と赤い筋肉質ボディに両手にはボクシンググローブを付け、白いハチマキを頭に巻いた【ノックアウトファイター】のバグスター【ナックル】、銀色の西洋甲冑に剣と盾を装備した【タドルファンタジー】のバグスター【ソーディア】と両肩に両腕、両手に腰や膝といった場所に砲身を装備し、くすんだ銀色に赤いラインが特徴の船の様な体の【バンバンシミュレーションズ】のバグスター【フリート】の4体がいた。

 

「?…見たことねぇバグスターだな…」

 

「アイツらは……上級バグスター!?」

 

パラドの言う上級バグスターとは、クロノスのゲーム・仮面ライダークロニクルに出るバグスターの中でも【七天柱】と称されるバグスター達であり、その強さは他のバグスターの追随を許さない。

 

『貴様らを正義の名の下に断罪する!!』

 

そう叫び、ソーディアは剣を向けてくるが状況的にどちらが敵かとても解りにくい…

 

「二人とも!!」

 

そこに良太郎も合流し、ベルトを巻き付け二人もゲーマドライバーを装備する。

 

「皆、一緒に行くよ!!」『モモ・ウラ・キン・リュウ』

 

『『デュアルガシャット!!』』

 

「「マックス大…」」

 

「「「変身!!」」」

 

『CLIMAX FORM』

 

『『ガッチャーン!!マザルアップ!!(セイヴァー・サバイバール!!/パーフェクト・ノックアーウト!!)』』

 

一誠とパラドはドラゴネスとパラドクス・レベル99に、良太郎は赤いガラケー【ケータロス】を使い、今までのと違いスーツにレールが走り、胸に転車台が付いたアーマーを纏い、顔にはモモタロスのデンカメンが付くがそれと同時に他の仮面まで現れて右肩にウラタロス、左肩にキンタロス、そして胸にリュウロスのデンカメンが装着され、最後にモモタロスのデンカメンの複眼の表面が左右にずれてオレンジ色の複眼がある姿となった。

 

「わーい!!久し振り!!でも、やっぱり気持ち悪い…」

 

「うるせぇ!!」

 

『さあ、オレとファイトするのは誰だい!!』

 

「上等だ…俺がブッ飛ばす!!」

 

我先にと突っ込んできたナックル。それをドラゴネスが迎え撃つ。

 

『魔王はこの俺が倒す!!』

 

「誰が魔王だ!!この銀ピカ野郎!!」

 

ソーディアは見た目(ここ重要)から電王を魔王と勝手に決め、それにキレたモモタロス主導の元ソーディアと剣を交える。

 

『攻撃開始!!』

 

『喰らえ!!』

 

残ったパラドクスがブロックとフリートの相手をする事になったが、上級バグスター2体を相手にするのは彼でも厳しく、頭上からのブロック爆撃とフリートの砲撃に手も足も出ずにいた。

 

「くッ!?さすがに1人で2体はキツイな…!!」

 

「なら、増援はいります?」

 

その声と共にブロック達の足下で火花が散る。

 

『ぬッ!?誰だ!!』

 

2体の視線の先…パラドクスの後ろでは、仮面ライダージュエルになったダイヤとスナイプになった美桜が揃ってマグナムを構えていた。

 

「お前ら…!!」

 

「これ以上、子供達を怯えさせる訳にはいきませんもの。」

 

「私だって、援護くらいなら出来ます!!」

 

「全く…無理するなよ!!」

 

二人はそのままフリートへと攻撃を続け、パラドクスはブロックへと専念する。だけど、スナイプは自分の力量から完全にビビっていた。

 

「でも、私じゃ上級バグスターは…!!」

 

「なら、これをお使いなさい。」

 

そんな彼女にジュエルは1つのガシャットを渡す。それはモノクロの戦闘機が描かれた黒いガシャットだ。

 

「これは?」

 

「【プロトジェットコンバット】ですわ。普通のより力はありますが、負担もキツい物です。無理にとは言いませんが…」

 

「…………それでも、子供達を守れるなら!!」

 

その負担を知りつつも守る為に美桜はそれを受けとり、ベルトのレバーを閉じた。

 

『ガッチョーン』

 

「では私も。」『ガッチョーン』

 

ジュエルもレバーを閉じ、ガシャットを起動させる。

 

『ベリアルモンスター!!』

 

『ジェットコンバット!!』

 

「X―0カラット。」

 

「試作戦術!!」

 

『『ガシャット!!ガッチャーン!!レベルアップ!!』』

 

そしてガシャットを空きスロットに挿してレバーを開いた。

 

『探せダイヤ!!集めろルビー!!ジュエリートレジャー!!アガッチャ!!災厄を起こせベリアル!!絶望を振り撒けモンスター!!今こそ破滅の…時来たり!!』

 

『ババンバン!!バンババン!!(Yeah!!)バンバンシューティング!!アガッチャ!!ブッ飛び!!ジェット!!ドゥ・ザ・スカーイ!!フライ!!ハイ!!スカイ!!ジェットコンバーット!!』

 

ジュエルはモンスタートレジャーゲーマーに、スナイプはモノクロの戦闘機を纏い背中にはジェット推進機にガトリングを装備したプロトコンバットシューティングゲーマーへなる。

 

スナイプはそのジェット推進機で飛行し、上空からガトリングを斉射しフリートを攻め、注意がスナイプに向いたところでジュエルがガシャコンギガナイザーを手にして突っ込んでいく。

 

「これで…!!」

 

間合いまで飛び込み、ギガナイザーを叩きつけようとしたジュエルだったが、フリートの腰と膝の砲台がジュエルの方を向き砲弾を放っ。近距離だった為回避が間に合わず、ジュエルは体から火花を散らして吹き飛んでいく。

 

「く…!!まるで要塞ですわね!!」

 

『俺に死角はない。』

 

そして二人に照準を合わせて次々に攻撃してくるフリートに、二人は完全に攻めあぐねていた。

 

 

 

 

別の場所ではドラゴネスとナックルが殴り合いを続けている。だが、倍加を使いナックルの力を越えたドラゴネスが圧倒的に有利だった。

 

『中々やるじゃないか…!!燃えてきたぜ!!』

 

「俺は全然だ…もっと俺の心を燃やしてみせろォッ!!」

 

『だったら物理的に燃やしてやるよ!!』

 

ナックルは己の拳をぶつけ合わせる。すると、グローブが炎に包まれた。

 

「おもしれぇ…!!やってみやがれ!!!!」

 

『ハアッ!!』

 

「オラァ!!」

 

同時に走り出し、間合いに入ると互いに拳を突き出しクロスカウンターが炸裂した。それでも二人は倒れずに1歩下がる。

 

『お前、良いねぇ!!ここまで殴り合える奴は始めてだ!!』

 

「こっちもようやく心に火が着いたぜ…!!」

 

二人は口元の血を拭うような仕草の後、互いを褒め合う。だが、その瞳には闘志が燃え上がっている。

 

『俺の炎の拳でノックアウトしてやる!!』

 

「心火を燃やして…お前をブッ潰す!!」

 

 

 

 

『喰らえ!!』

 

「へへーん!!当たらないよーだ!!」

 

一方、ソーディアと電王は互角の勝負を繰り広げている。ソーディアの華麗な剣さばきに苦戦するも、電王もそれぞれのイマジン達の長所を生かして対抗している。今もリュウロスのダンスステップでソーディアの攻撃をかわしている。

 

『このッ!!』

 

「はいそこッ!!」

 

そしてウラタロスが剣が空振りした所を的確にデンガッシャーを喰らわせる。

 

『ええい…!!珍妙な動きを!!』

 

「お前ダンス出来ないんだ?ヤーイヤーイ!!」

 

『ナメるな!!』

 

「イダァッ!?」

 

だが、リュウロスが油断してしまった所にソーディアの攻撃が決まった。

 

「馬鹿野郎!!何やってんだ!!」

 

「だってぇ~…」

 

『隙あり!!』

 

「おっと!!」

 

モモタロスとリュウロスが喧嘩を初めてしまい、その隙を狙うソーディアだったが、その攻撃はキンタロスが左腕を動かして受け止めた。

 

『なにッ!?』

 

「どきやがれ!!」

 

『ゴフッ!?』

 

そこにモモタロスが蹴りをソーディアに喰らわせて、強制的に下がらせ体勢を立て直す。

 

『皆、必殺技で決めるよ!!』

 

「へッ!!言われなくても、そのつもりだ!!」

 

電王はベルトに付けたケータロスのボタンを押し、ライダーパスを翳した。

 

『CHARGE and UP』

 

そこから流れてくるエネルギーをデンガッシャーに集め、刀身を虹色に輝かせる。

 

「必殺…俺達の必殺技!!」

 

『なるほど…ならば、受けてたとう!!』

 

対するソーディアも剣に煌めく光を集めていく。そしてチャージが終わった二人は同時に駆け出し、中央で剣を振るう。

 

「クライマックスバージョン!!」

 

『シャインブレード!!』

 

互いの攻撃がぶつかり合い、押し切ろうと力を加えていくがどちらも1歩も譲らず、エネルギーが限界を迎えて爆発が起き、二人とも吹き飛ばされる。

 

「チィ!!なんて奴だ!!」

 

「少なくとも、モモの字よりネーミングセンスは上やな。」

 

「今、関係ねぇだろ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「セアッ!!」

 

『ヌン!!』

 

パラドクスはパラブレイガンをアックスモードで振るうが、ブロックはそれを左腕の盾であっさりと受け止めた。

 

「おい!!他の上級バグスターは何処だ!!」

 

『貴様に教える義理などない!!』

 

ブロックは上から爆撃を仕掛けてくるが、パラドクスは寸でで飛び退いて回避する。

 

(上級バグスターが4体も投入された……だったら、他にいても不思議じゃない!!)

 

彼が心配しているのは、残った上級バグスターによる不意討ちだ。今いるのだけでも勝機は薄い上、更に増援に来られては勝ち目は無い。

 

『よそ見をしている場合か?』

 

「ッ!?グアッ!?」

 

思考の海に浸かり過ぎたのか、目の前まで来ていたブロックに気づかず、横凪ぎに振るわれた杖の一撃をモロに受けてしまった。

 

『冥土の土産に教えてやろう……上級バグスターは後1体来ている。それが誰かは教えられんがな?』

 

それはつまり、伏兵が何処かに潜んでいる事を言っていた。だからこそ、警戒を更に上げようとしたパラドクスだったが……ブロックの次の言葉にその思考すら止まってしまう。

 

『そして()()()()もまもなく到着する。』

 

「なッ!?」

 

それが誰か予想できたパラドクスの体が震え始める。そして頭を過るのは大切な仲間達が消滅していく姿と……自分が消滅する夢……

 

『貴様達の命運は……既に決まったな。』

 

「勝手に……俺達の運命を決めるなッ!!」

 

そんな思考を振り払うかのように動きだし、ブロックへと攻撃を繰り出すも容易く防がれる。

 

『どうした?動きが乱れているぞ。そんなパズルの攻略など……簡単だ!!』

 

「うわぁッ!?」

 

そして胸に杖の突きを貰い、火花を散らしながら地面を転がっていく。

 

『安心しろ…お前はあの方に会う前に、俺が倒す。』

 

「う…く…!!」

 

「パラドさんッ!!」

 

見かねたジュエルが援護に行こうとするも、フリートの攻撃がそれを許さない。そして倒れているパラドクスの前に立ち、杖を振り上げる。

 

『さあ……死ね!!』

 

そしてパラドクスの頭へと振り下ろされる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諸君…そこまでだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直前に新たな声が校庭に響き、バグスター達の動きが止まったかと思うと、校門の方を向いて頭を下げた。

 

「な、なんだ…?」

 

「コイツら、どうしちまったんだ?」

 

ドラゴネスと電王はその行動に呆然とし、ジュエルも視線をさ迷わせる…しかし、スナイプとパラドクスは違った。彼等はバグスター達が見ている方を見て震え上がっていた。

 

「美桜さん!?大丈夫ですの!?」

 

「……アイツが…来た…!!」

 

「アイツ?」

 

カツン……カツン……

 

スナイプの言葉の意味を考えていたら、誰かの足音が聞こえてくる。それはどんどん大きく聞こえ、音の主がこちらに近づいている事を示す。

 

「いったい誰が……ッ!?」

 

その音の聞こえる方を見て、ジュエルは驚きに体が止まる。緑色の部分はくすんだ金色と赤に目の部分が血走った様になっていて、右手には宝剣【デウスラッシャー】を、左手には宝盾【デウスランパート】を装備したクロノスだったのだから……

 

「まさか……クロノス…!!」

 

「けど、俺達が知っているのとは見た目が違ぇ…!!」

 

「それはそうさ…」

 

突然の事態に困惑するドラゴネスとジュエル。その耳にパラドクスの呟きが届く。

 

「どういう意味だ?」

 

「アイツは……仮面ライダークロニクルのラスボスの力を取り込んだ存在…」

 

震えて上手く動かない口を何とか動かしてしゃべるパラドクス。彼にそこまでの恐怖を与えたのが目の前の存在…その名も……

 

「【ゲムデウスクロノス】だ…!!」




いかがでしたか?

ついに登場、ゲムデウスクロノスです。

これからバトルは加速していきます。

では、次回でお会いしましょう。

曜と果南、花丸も変身して戦う

  • 賛成
  • 反対
  • 我が魔王…存分に書かれよ
  • 止めて!!変身なんかしないで!!

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