ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

前回が遅すぎましたので、今回は振り切りました。

グリスブリザード…マジカッケェ!!でも次回予告がマジヤベェーイ!!

カシラ……どうか無事でいてくれぇ!!2週間も待てるかぁ!!

では本編、どうぞ。


頼れるFriends

一誠side

 

「アイツらは大丈夫なのか?」

 

「モモタロス達なら大丈夫だよ。皆、強いしね。」

 

「じゃなきゃ困る。」

 

クロノスがいるらしい幻夢コーポレーションへと走る俺は、校庭で戦っているだろう奴等の事を考えていたら野上がそれに答えた。

 

「何でそう言える?彼処には戦えねぇ奴等もいるんだぞ?それを守りながらなんて…」

 

「だって、今まで一緒に戦ってきた僕の大切な【仲間】だから…」

 

そう口にする野上は照れくさそうだったが、疑いの表情を微塵も顔に出さなかった。それを見て、喧嘩屋の勘が告げている。コイツは嘘を言っていないと…

 

「なら、もしカナ姉達に傷でもつけたら…そんときゃ容赦なくタマを潰す。」

 

「えっと…手加減してあげてくれない?」

 

「断る。」

 

そんな会話をしながら走っていたら、先頭のグレモリーが交差点の前で急に立ち止まった。

 

「皆、ストップ。」

 

「何だ?」

 

「バグスターですわ。外見からソーディアとサスケですわね。」

 

ポニーテールの女の言葉に交差点の壁越しに先を覗いて見ると、騎士と忍の格好をしたバグスター2体が道を塞ぐように立っていた。

 

チッ…邪魔クセェ…!!

 

「なら、さっさとブッ飛ばして…!!」

 

「兵藤君、その役目は僕達だよ。」

 

早くクロノスの所まで行こうと思った俺は飛び出そうとしたが、それはグレモリーの仲間の男に止められた。

 

「あ?」

 

「部長、僕が彼等の注意を逸らすので、その隙に突破を。」

 

「裕斗先輩、お付き合いします。」

 

「頼んだわよ、二人とも。」

 

「「はい、部長!!」」

 

二人はグレモリーの言葉に答え、交差点へと飛び出した。

 

「今のうちに私達は別ルートで向かいましょう。」

 

彼女の言葉に頷いて、俺達は別の道へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕斗side

 

『お前達は……魔王の手先か!!』

 

ソーディアとサスケの前に出た僕と小猫ちゃんに、ソーディアが叫びながら剣を突きつけてくる。

 

まぁ…サーゼクス様やリゼヴィム様とも関係があるから、あながち間違いでもないかな?

 

『うぬらには用が無いのでござるが…』

 

「そちらになくても、こちらにはあります。」

 

「貴方達を兵藤君の所に行かせません。」

 

『なるほど、足止めでござるか。しかし、ライダーでもないそなたらに拙者等の相手が勤まるか…』

 

「だったら、問題ないよ。」

 

サスケの言葉を遮る様に僕と小猫ちゃんはあるものを取り出す。それは右側にレンチを模したレバー、左側には小型タンクがついた水色のドライバー【スクラッシュドライバー】といわれるアイテムだ。僕達はそれを腰に装着し、僕は右手に戦闘機が描かれた、小猫ちゃんは左手に虎の絵が描かれたゼリーパック型のアイテム【スクラッシュゼリー】を持つ。

 

『それは?』

 

「君達の言う……ライダーシステムだよ。」

 

ゼリーのキャップを正面に回し、僕はそのまま、小猫ちゃんは一度上に投げて右手でキャッチしてドライバーに装填する。

 

『ジェットジェリー!!』

 

『トラジェリー!!』

 

待機音が鳴る中、僕は右手を上に上げてからゆっくりと正面に下ろし、小猫ちゃんは顔の前で腕をクロスさせると一気に左右に振り下ろし、右手を左前に突き出し左手をレバーに添え、あの言葉を叫ぶ。

 

「「変身。」」

 

それに合わせてドライバーのレンチパーツを下げて、装填したスクラッシュゼリーを押し潰し、液体を流していく。

 

『『潰れる!!流れる!!溢れ出ぇる!!』』

 

すると、自分達を囲うビーカー型の特殊フィールドが形成され、その中を液体が満たしていき、僕達に向かって絞られると僕はグレー、小猫ちゃんは手足が黄色で胸元は黒のボディスーツに身を包み、頭はゼリー飲料の飲み口みたいになってそこに複眼があり、頭頂部から水色と黄色のゼリーが勢いよく噴出し、頭部と胸部に肩部の鎧を形作っていく。

 

そしてそれが終わると、僕は胸に斜め向きのジェット機のクリアブルーの鎧に肩には折り畳まれた主翼、頭部は左右に飛ぼうとするかの様なジェット機のクリアパーツに覆われた姿、小猫ちゃんは肩は飲み口が内側に向いたゼリー飲料みたいな黒いのアーマーに胸には正面を向いたクリアイエローの虎の顔、頭部は向かい合った虎を模したクリアイエローのパーツに覆われた姿になった。

 

『ジェット・イン・セスナ!!』

 

『トラ・イン・ティグレス!!』

 

『『ブルルァァァ!!!!』』

 

『それは…仮面ライダーか!?』

 

「僕は【仮面ライダーセスナ】!!」

 

「私は【仮面ライダーティグレス】です。」

 

名乗ってから僕は聖魔剣を持ち、小猫ちゃんは拳を握る。

 

兵藤君、後は頑張って!!

 

「さあ、戦いを始めようか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスside

 

あれから少し迂回してしまったけど、私達は何とか幻夢コーポレーションの前まで来た。

 

「でも、用心はしてるわよね…」

 

しかし、その入り口には2体のバグスター…あれはフリートとラヴリカね。

 

「これでは入れないではありませんか!!」

 

「それが目的でしょう。」

 

「リアス、ここは私達が…」

 

朱乃の言葉に私は頷く。もとよりそのつもりだったしね。

 

「3人とも、私達がアイツらを入り口から引き剥がすから、その間に中へと「ちょっと待て。」何かしら…?」

 

「何でアンタ達はそこまでやる?そこまでやる理由なんざ「あるわよ、理由。」はぁ?」

 

確かに昔の私なら簡単に命なんて賭けられなかった…でも、今は様々な世界の危機に私1人が我儘で何もしないなんてあり得ないし、彼には償わなければいけない罪もある。

 

「以前、私の失態で貴方の幼馴染みを傷つけてしまったからよ。」

 

あれは私がバカだった…人間界にいる自分の特異性や役割を理解して、下手すればそれが何をもたらすのか解っていたのに、自分勝手な理由で我を忘れてあんな惨事を起こしてしまったのだから…

 

「それを止められなかった私達眷属も同罪…」

 

「だからこそ、今度は自分を見失わずにやるべき事をやると決めたの。そして、今やる事は貴方を無事にクロノスの所まで送る事…」

 

「その為なら、自身を囮にするくらい問題無いですわ。それは先程の裕斗君達も同じ。」

 

「だから貴方は私達の事は気にせず、今の自分にやるべき事だけをしなさい!!」

 

そこまで言ってから、私と朱乃はバグスターの前へと躍り出た。

 

『むッ!?敵発見!!』

 

『バカヤロー!!あれは女だぞ!!だったら、俺のハーレム要員だ!!』

 

ラヴリカの言葉に、私は凄い既視感を覚えた。

 

………………バグスターにも、レンジみたいなのがいるのね…

 

『おいハニー達、俺のハーレム要員になれよ。』

 

「悪いですけれど私、弱い男は嫌いなので。」

 

そんな誘いを、朱乃はアッサリと断る。

 

『ハハハハハッ!!勘違いしてもらっちゃ困るなぁ…俺は頼んでるんじゃねぇ……命令してんだよ。』

 

「ウフフフフ…なら、なおのことお断りしますわ♪」

 

『OK,OK……どうやら無理矢理従えた方が早そうだ。』

 

「貴方ごときに出来るかしら?」

 

『ハッハッハッ!!君達ごときが、俺に勝てるのかな?』

 

『戦闘用意!!』

 

ようやく戦いの始まりとなったが、私は1つの不安要素があった。それは今のままで上級バグスターに勝てるかどうか…

 

(コレは……アレを使いましょうか。)

 

そうと決めたら、私は隣にいる頼れる親友(朱乃)に話すことにした。

 

「朱乃、【ハザードトリガー】を使うわ。」

 

「ッ!!あらあら…では、万が一の場合には…私が止めてあげます。」

 

「ありがとう。」

 

彼女に感謝した私は、胸元から全体が赤く中央にメーターがあり、上にはカバーに隠されたボタンがあるアイテム…ハザードトリガーを取り出し、カバーを外して中のボタンを押す。

 

『Hazard on』

 

それをビルドドライバーの右上に取り付け、ラビットボトルとタンクボトルを数回振ってからベルトに装填していく。

 

『ラビット!!タンク!!スゥーパァー!!ベストマァッチ!!』『ドンテンカン!!ドーンテンカン!!ドンテンカン!!ドーンテンカン!!』

 

いつもと違う待機音が流れる中、朱乃も腰にスクラッシュドライバーを装着し右手に青緑色の細身で少し長いボトルを持って、キャップを正面に向ける。

 

『DANGER』

 

ガラスかなにかがひび割れる様な音とその音声の後に、どこか恐怖感を煽るようなメロディーが流れ始め、そのボトルをドライバーに勢いよく装填する。

 

『ティラノサウルス!!』

 

『ガタガタゴットン!!ズッタンズタン!!ガタガタゴットン!!ズッタンズタン!!』

 

私はレバーを勢いよく回し、前後に鋳型の【ハザードライドビルダー】が形成され、右手を顔の横に持っていき朱乃は左手を顔の横に持っていく。

 

『Are you Ready?』

 

「「変身。」」

 

二人で呟きながら指を鳴らし、私はハザードライドビルダーにプレスされ、朱乃はビーカー型の特殊フィールドに青緑色の液体に満たされていくが、その左右にティラノサウルスの頭を模した様なものが現れて、ビーカーを噛み砕いた。

 

『Uncontrol switch!!』

 

『割れる!!喰われる!!砕け散ィる!!』

 

ビルダーからチンッ!!という音がすると、それが離れ私は複眼以外が真っ黒になった姿【ラビットタンクハザードフォーム】になり、朱乃は胸元は黒く白い皹模様が走り手足は腕や膝は青緑色で手足の先は白い鎧に包まれ、顔は真っ黒で顎下に開いた口の様なパーツがあり、それが勢いよく閉じると胸元と同じように白い皹割れが走り、一部が欠けて黄色の複眼が覗いていた。

 

『BLACK HAZARD!! ヤベェーイ!!』

 

『ティラノサウルス・イン・バイト!!オォゥラァ!!』

 

「仮面ライダービルドと!!」

 

「【仮面ライダーバイト】がお相手しましょう。」

 

私達はすぐに走り出すと2体に掴み掛かり、幻夢コーポレーションの入口から無理矢理引き剥がした。

 

「3人とも、今よ!!」

 

それで出来た道を兵藤君達は走り抜け、会社の中へと突入していった。

 

(これで1つ目の役割は終わったわね。)

 

私は掴み掛かっていたフリートに蹴りを入れて吹き飛ばし、正面から対峙する。

 

後はコイツらを倒すだけ!!

 

「さあ、私達の実験に付き合って頂戴!!」

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

会社の中に入った俺達だったが、その足はすぐに止まった。なぜなら…

 

「やあ諸君、待ちわびていたよ。」

 

「クロノス!?」

 

入ってすぐのホールにバグスター2体と陣取ってやがったからな…!!

 

あれはナックルとブロック…!!

 

「バカと何とかは高い所が大好きらしいけど…」

 

「あいにく、私はそんな趣味は持っていないのでね…」

 

「そうかよ…!!」

 

だけど、ようやく会えた!!これで我慢する必要はもうねぇ!!

 

「曜を返して貰うぞ!!」

 

俺と黒澤先輩はゲーマドライバーを、良太郎は電王ベルトを装着し、変身体勢に入る。

 

「君と戦うのはいいが……そこの二人は邪魔だ。」

 

『ステージ・セレクト!!』

 

だが、その音声と同時に二人の姿がクロノスの左右にいたバグスター達と一緒に消えてしまった。

 

「くッ…!?」

 

「さあ……死合(ゲーム)を始めようか。」

 

「上等だ!!」『カイザードラグーン!!ダブルナーイツ!!』

 

「カイザー大変身!!」

 

『ガッチャーン!!ダブルアーップ!!赤と白の‼二人の戦士‼(we're!!)何度も何度もぶつかり‼(Hey!!) ダブルナーイツ‼』

 

俺はカイザードラグーンダブルナイツでレベルXになり、体に隠れていたパラドと分離する。

 

「なるほど、彼の体を隠れ蓑にしたという事か……いつぞやと同じ様に…」

 

「うるさいッ!!!!今日こそお前を倒して、皆の仇を討つ!!」

 

「やってみたまえ。以前と続きといこうじゃないか。」

 

「「こっからは、共闘プレイとしゃれこもうぜ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤside

 

「まさか兵藤さん達とこのようにして、分断されるなんて…」

 

「たぶん…彼等を倒さないと、逃げられないんだろうね…」

 

『その通りだ。』

 

『元の場所に戻りたけりゃ、俺達を倒してみな!!』

 

会社の中にいたのに、私と良太郎さんはいつの間にか何処かの学校の中庭みたいな場所に立っていました。

 

本当…嫌がらせに関してはギネスレベルですわ…

 

「でしたら、さっさと倒して兵藤さんの援護に向かいましょう!!」

 

『ジュエリートレジャー!!』『べリアルモンスター!!』

 

「もちろん!!」

 

私はガシャットを起動し、良太郎さんは赤いガラケーをベルトに取り付けると金色のレールが伸び、その先から大きな剣が出てきて、刀身の窪みにパスをセットした。

 

「Xー0カラット…」

 

「「変身!!」」

 

『ガシャット!!ガッチャーン!!レベルアップ!!探せダイヤ!!集めろルビー!!ジュエリートレジャー!!アガッチャ!!災厄をもたらせべリアル!!絶望を振り撒けモンスター!!今こそ破滅の…時来たり!!』

 

『Liner form』

 

私はジュエルXー0、良太郎さんは赤と黒に白のボディスーツにまるで怪獣のような感じがするアーマーを纏い、頭にはパンタグラフがある赤く細長い複眼が特徴の姿に変わった。

 

「僕がブロックの相手をするから…」

 

「私がナックルですわね!!」『ガシャコンギガナイザー!!』

 

互いの相手を決めたら、武器をその手にバグスターへと向かう。

 

こちらは私達に任せて…貴方はクロノスの相手に集中しててください!!

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、駒王学園での戦闘は激しさを増していた。

 

「必殺・俺の必殺技part1!!」

 

電王・ソードフォーム(以降、電王Sと呼称)が剣でバグスター兵を切り裂き…

 

「ソリャアッ!!」

 

電王・ロッドフォーム(以降、電王Rと呼称)が、ライダーキックで雑魚をまとめて蹴り飛ばし…

 

「ダイナミックチョップ…!!」

 

電王・アックスフォーム(以降、電王Aと呼称)が斧で凪ぎ払い…

 

「バーン!!」

 

電王・ガンフォーム(以降、電王Gと呼称)が銃で次々と撃ち抜いていた。

 

「なんという混沌……私には似つかわしくない戦場だ。」

 

そう言いつつも、電王・ウィングフォーム(以降、電王Wと呼称)もバグスター兵を華麗に倒していく。

 

「もぉ~!!コイツらしつこい!!」

 

「それでもやるしかねぇだろ!!」

 

「子供達に手出しはさせへん!!」

 

「全く…アイツ、性格悪いってよく言われるでしょ?」

 

彼らが必死に成っているのは、セイリュウグラファイトが次々と呼び出してくるバグスター達の殆どが、戦えない果南や子供達を狙っているからだ。今、彼女達は校舎に隠れ、入口をデネブに桜魔、美桜が防衛している。

 

「侑斗!!さすがに俺達だけじゃ抑えきれない!!」

 

「それでも持ち堪えろ!!」

 

「おい!!援軍はまだなのかよ!?」

 

「知らないよ!!」

 

だが、数の差は歴然で徐々に押されていく。このままでは突破されると思われたその時、入口から一人の女性が飛び出した。

 

その女性は左手の銃を撃ちながらバグスター兵の集団に飛び込み、右手の剣で的確に喉元を切り裂いていく。

 

「高海さんッ!?無茶だ!!」

 

その飛び込んだ女性…千歌を見てデネブは叫ぶ。今の彼女は生身であり、一撃でも攻撃を喰らえば死は免れない。しかし、大立ち回りをしながらも冷静なのか、初級や中級のバグスターが接近するとその場をすぐに離れ、バグスター兵だけを確実に減らしていった。銃をフェイントに使って視界を塞がせ、その隙に背後に回って喉元を切り裂く様は、もはや暗殺者のようにも見える。

 

「すげぇ…」

 

「下手したら、変身した俺より強いかも…」

 

それを呆然と見るNEW電王とゼロノス。その間に二人の側をすり抜けようとする者がいたが、最初から気づいているとばかりに目も向けずに切り裂かれた。

 

それを見ていたセイリュウグラファイトは、近くに控えていたリボルとバーニアに尋ねる。

 

『フム…リボルにバーニア、場所は解りましたか?』

 

『はッ!!敵は建物3階の左端の部屋に、立て込もっているようであります!!』

 

『その部屋にライダーになれる者がいないのも、確認済みです。』

 

『よろしい……ならば、そこへ砲撃を行いなさい。』

 

『『はッ!!』』

 

セイリュウグラファイトが2体にさせていた事は、隠れた非戦闘員の捜索だった。そして場所が解ると彼は其処への攻撃を命じる。

 

2体が全身に装備している火気を一斉に発射し、それは果南達や子供達がいる部屋へと向かっていくが、突如として弾丸やミサイルが動きを止めた。

 

『『なッ!?』』

 

「ボクだって…やれば出来るんですぅぅぅぅぅ!!」

 

その理由は、ギャスパーが持つ神器【停止結界の邪眼(フォービドゥン・バロール・ビュー)】の効果で、それらの動きを封じたからだ。

 

「よくやった、吸血鬼!!」

 

そんな頑張りを見せたギャスパーを褒めつつ、クローズはセイリュウグラファイトへと一直線に向かって行く。そして拳を繰り出すも彼はそれを簡単に受け止める。

 

『その程度の拳では、私に届きませんよ?』

 

「……貴様には言いたいことが1つある…!!」

 

『……何です?』

 

低い言葉で呟くクローズが、どんな言葉を紡ぐのか気になったセイリュウグラファイトは先を促す。その口から出されるのは子供達を狙うことを許せない正義感か、それとも卑怯という罵りなのか……しかし、その口から紡がれた言葉は…

 

「お前はな……私とキャラが被ってるんだよォッ!!」

 

「「「「「「そこかよッ!?」」」」」」

 

まさかの私怨であった。

 

「おいテメェ!!もっと他に言う事あるだろ!?」

 

「何を言っている!!いいか!?今後、私のように青い龍を模したライダーが現れた時、ただ青い龍というだけで仮面ライダーと認められなかったら……それは全部、コイツのせいだ!!」

 

『……理不尽極まりないですね…』

 

「だから私はクサムをムッコロス!!」

 

『ここではリントの言葉で喋りなさい。』

 

掴まれてる手を力任せに振りほどき、再び殴りかかるクローズ。しかし、セイリュウグラファイトもお返しとばかりに拳を繰り出しぶつけ合う。

 

『貴方達は早く、彼等の希望を撃ち砕くのです!!』

 

セイリュウグラファイトの言葉に再び攻撃を始めるリボル達、それを必死に止めているギャスパーも限界が近いのか、弾丸の幾つかを止められず校舎に命中し始める。幸い子供達がいる部屋にまだ攻撃を通していないが、何時まで持つかわからない。

 

「桜魔!!美桜!!」

 

「「アイアイサー!!」」

 

そこに千歌の指示が飛び、ガシャコンソードの炎の斬撃とガシャコンマグナムの乱射でそれらを撃ち落としていった。

 

「これ以上は…!!」

 

『やらせはしませんよ。』

 

電王達は攻撃の阻止に乗り出すも、初級や中級のバグスター達が一気に群がり、彼等を押さえつけた。

 

「しまった!?」

 

そして千歌には大量のバグスター兵を送って身動きを封じ、更にセイリュウグラファイトが呼び出したリボル&バーニア軍団の一斉射が子供達のいる部屋へと放たれる。

 

「させませぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」

 

それをギャスパーは渾身の力で止めるが、既に体力の限界を越えており、段々と押し込まれていく。

 

「皆、逃げてぇッ!!」

 

『無駄ですよ、あれだけの攻撃……あの部屋の周りを含めて跡形もなく吹き飛びますね。』

 

叫ぶ千歌の思いを嘲笑うかの様に言うセイリュウグラファイト……そして遂にギャスパーが力尽き、今まで止められていた残った弾丸やミサイルも動きだし、校舎へと迫り大爆発を起こした。

 

「ああ…」

 

「テメェッ!!なんて事を!!」

 

『ハハハハハハハッ!!これで貴方達の希望は消えて…「いないのよね、これが♪」ん…?』

 

その光景に千歌が崩れ落ち、電王Sが睨み、それを笑って見ていたセイリュウグラファイトだったが、爆煙が立ち込める場所から新たな声が聞こえると共に煙が吹き飛び、そこには無傷の校舎と一人の仮面ライダーが浮いていた。

 

『貴様は…!!』

 

「あれって……もしかして…!?」

 

千歌はそのライダーが誰だかすぐに気づく。細部が違うも纏う雰囲気が過去にいた人物と酷似していたからだ。しかし、

 

「クク…!!この程度の攻撃で【仮面ライダーヨハネ】様の結界を突破しようなど……笑止!!」

 

『馬鹿な…!!』

 

「……本当に……善子ちゃん?」

 

「だぁかぁらぁ…!!ヨハネだって言ってんでしょうが!!未来の千歌!!」

 

そのツッコミに千歌の中でようやく確信が持てた。あれは自分が知ってる善子なのだと…

 

「やっぱり……善子ちゃん…!!」

 

「泣くのはまだ早いんじゃない?」

 

「え?」

 

久々の仲間との再会に涙を流しそうになるも、ヨハネの言葉に戸惑っていると彼女の周りにいたバグスター兵達が次々と倒されていき、電王達を押さえていたバグスターも何処からか放たれた熱線によって消滅していった。

 

『一体、何が起きているッ!?』

 

「電光雷豪……Darkを討つ!!」

 

「ファーストミッション終了、セカンドミッションに移行します。」

 

それに呆然としていたら、彼女の側に二人の仮面ライダーが現れる。二人とも細部が違うが間違いなくレーザーとスナイプであり、聞こえる声も彼女が知っているものだった。

 

「ハァーイ、未来の千歌♪」

 

「千歌ちゃん、大丈夫だった!?」

 

「鞠莉ちゃん……梨子ちゃん…!!」

 

「泣くのはもう少し待って、もうすぐ彼も来るから。」

 

その言葉のすぐ後に、リボル達の前に金色の存在が降り立ち…

 

『ッ!?いつの間に…!!』

 

「無敵パァーンチ!!」

 

『キメワザ!! HYPER!! CRITICAL SPARKING!!』

 

その内の一体を殴り飛ばし、多段ヒット機能で無限に攻撃を行い爆発させてそれに何体かを巻き込ませて起こした連鎖爆発で、全員を殲滅した。

 

「私は…勇者になる!!」

 

「ならんでいいわ…」

 

訳のわからない発言をする金色の存在【仮面ライダーエグゼイド・ムテキゲーマー】にツッコミを入れる銀髪の男性を見て、今まで我慢していた彼女の涙腺が遂に決壊する。例え過去の存在だとしても、心から願っていた再会がようやく実現したのだから…

 

「大丈夫か、千歌?」

 

「ヴァーリくぅん…!!!!」

 

「感動してる暇はない。受けとれ。」

 

そんな千歌に彼はあるものを投げ渡す。それは、紫色の液体が入った一本の無針注射器だった。

 

「コレは…?」

 

「神からの恵みだ。条件を満たしていれば、お前に奇跡が起きるぞ?」

 

そう言われた千歌は躊躇わず……いや、躊躇いなんてもともとない…それを首に当てて、中の液体を注入した。

 

「ちょッ!?姉御!?」

 

「おい!!何を渡したんだ!!」

 

「黙って見てろ。」

 

その行動に美桜は驚き、桜魔はヴァーリに突っ掛かってくるも彼は無視し彼女を見守る。

 

「が…!!アグ…!!アァァァァァァァァァッ!!!!」

 

少しの間苦しむ千歌だったが、すぐに顔を上げてヴァーリを睨む……その瞳を赤く輝かせながら…

 

「アンタねぇ…!!もう少しマシな起こし方はなかったの!?」

 

「緊急事態なんだから贅沢言うな。」

 

「全く…!!」

 

そんな二人の会話に、美桜はただ驚くだけだった。

 

「姉御がグレた!?」

 

「グレてないわよ。」

 

「いいから早く変身しろ。ここを片して安全を確保するぞ。」

 

「はいはい、解ってるわよマイロード。」

 

「いや、姉御は変身できな…」

 

そう話す桜魔の横で千歌?はゲーマドライバーを腰に装着し、左手にマキシマムマイティエックス、右手にハイパームテキを持ち起動させる。

 

『マキシマムマイティエーックス!!』『ハイパームテキ!!』

 

「ガシャットが起動した!?」

 

『マキシマムガシャット!!ガッチャーン!!レベルマァァァックス!!』

 

「この世界の運命は…【ワタシ】が変える!!」

 

そして腕でカタカナのムを象ったポーズを決め…

 

「ハイパー大変身!!」

 

『ドッキーング!!パッカーン!!ムーテーキー!!輝け!!流星の如く!!黄金の最強GAMER!!ハイパームテキ!!エグゼェーイド!!』

 

その身を金色の戦士…エグゼイド・ムテキゲーマーへと変えた。

 

「何で…姉御が変身できるんだよ…!?」

 

桜魔達はそれに驚くが、一番驚いているのは彼女だった。

 

「本当に……本当に()()なの…?」

 

「ええ、心配させたわね……ごめんなさい…」

 

「ううん……ううん!!気にしないよ!!こうして……また、会えたんだから…!!」

 

そう、ヴァーリが千歌に渡したのは【バグスターウィルス活性剤】であり、目的は彼女の中に眠っているであろう美歌を叩き起こすためだったのだ。

 

『ムテキゲーマーが……二人だと…!?』

 

「さて、これで戦力が整ったな。」

 

ヴァーリも腰にゲーマドライバーを装着し、変身する。

 

『TADDLE LEGACY!!』『デュアルガシャット!!ガッチャーン!!デュアルアップ!!辿る歴史!!目覚める騎士!!タドルレガシー!!』

 

「これより…バグスター切除手術を開始する!!」

 

「「ノーコンティニューで…クリアするよ!!」」

 

そして、逆転の炎はここからは燃え上がる。




いかがでしたか?

最終決戦だよ、全員集合♪

という事でヴァーリ達も合流しました。

さぁて……次回は誰を暴れさせようかなぁ…

では次回で、お会いしましょう。

曜と果南、花丸も変身して戦う

  • 賛成
  • 反対
  • 我が魔王…存分に書かれよ
  • 止めて!!変身なんかしないで!!

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