ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回はレーザー&ヨハネの戦闘に、一誠が予告で出した男と戦います。

そして、あの男も登場します。

では、どうぞ。


未知とのCONTACT

果南side

 

私は今、信じられない気持ちでいる。目の前では優しい変な怪人がいて、昔イッセーと見てた特撮物のヒーローみたいになのに鞠莉ともう一人の子が変身したのだから……

 

「一体何がどうなってるの…」

 

「簡単に言えばこの世界にはあんな存在がいるんですよ。あ、ここにいるバグスターさん達は優しいから問題ないですよッ!?」

 

それを梨子ちゃんが簡単に説明してくれる。

 

「この世界には天使や堕天使、悪魔や神話の神に妖怪さらにはドラゴンまで存在してるんですよ。」

 

「それ、本当ズラか?」

 

「うん、その証拠に……ほら。」

 

そこで梨子ちゃんと千歌ちゃんの背中から、蝙蝠のによく似た翼が出てきた。

 

「実は私と梨子ちゃん、鞠莉さんと善子ちゃんは悪魔なんだ♪」

 

「「「「「…………………………へぇ。」」」」」

 

「あっれ~?反応が薄い…?」

 

「色々と驚き過ぎたからね、もうそれくらいじゃ動じないかも…」

 

「ガーンッ‼梨子ちゃ~んッ‼」

 

「はいはい、よしよし…」

 

曜ちゃんの言葉に千歌ちゃんは梨子ちゃんに泣きつき出したけど、私はそっちよりも戦いの方へと視線を向けた。

 

「動きがSLOWよ、ソルティ?」

 

『ええい…‼相変わらずしょっぱい奴だ‼』

 

弓矢だった武器がいつの間にか鎌に変わっていて、鞠莉が消えて別の場所に立っていたら、ソルティさんが体から火花を出して倒れるを繰り返している。

 

『我が魔法が効かぬとは…‼』

 

「その程度の魔導など、私には既に読めているのよ。」

 

もう一人の方は、短くなったレイピアをまるで指揮棒の様に振るい、左手で開かれている本を持っていた。

 

「走れ閃光…立ちはだかる悉くを撃ち貫け、【ディバインバスター】‼」

 

『ぬおわぁッ!?』

 

そして呪文のようなものを唱え、剣の先からピンク色のビームを撃ってアランブラさんを吹き飛ばした。

 

「そもそも、鞠莉達が使ってるのは何なの?」

 

「あれはゲームの力ですよ。」

 

「「「「「ゲームゥッ!?!?」」」」」

 

え、なんでゲームで戦えるの!?最近のゲームってそこまで進化してたの!?

 

「鞠莉さんのは【ハイスピード・ハイウェイ】、自分で改造、武装した車で一位を目指す妨害アリのレースゲーム、よっちゃんのが【ウィッチ・クリエイト】。これは魔法使いの女の子が色んな魔法を覚えながら、困ってる人を助けるクエストゲームです。」

 

「本当にゲームなんだ…」

 

「千歌ちゃんと梨子ちゃんのは何なの?」

 

「私は【バンバンシミュレーションズ】、戦艦を操作して敵軍を倒していくシミュレーションゲームよ。」

 

「で、私のが【マイティブラザーズXX(ダブルエックス)】っていうの。兄弟キャラで色んなステージをクリアするアクションゲームなんだ‼」

 

説明を受けている間に、戦いの方は終わりに近づいていた。

 

「ヨハネ、そろそろFINISHよ?」

 

「OK‼」

 

『『ガッチョーン、キメワザ‼』』

 

二人はベルトのレバーを閉じ、更に横にあった黄色いメダルに触れて取り込んだ。

 

『『高速化‼』』

 

「それじゃ、お先‼」

 

『ガッチャーン‼ HIGH SPEED!! CRITICAL SONIC!!』

 

その瞬間、再び鞠莉が消えてソルティさんとアランブラさんが大量の火花を散らしながら倒れる。

 

『なんだ、今の速さは!?』

 

『全く見えなかったぞ!?』

 

「それじゃ、こっちもいくわよ‼」

 

『ガッチャーン‼ WITCH!! CRITICAL STREAM!!』

 

そしてもう一人の子はその場から動かずレバーを開くと、その後ろに数えるのも面倒になりそうな数の光球が浮かんでいた。

 

『バカなッ!?そのような大魔法、長い詠唱が必要の筈‼こんな短時間で…‼』

 

「そこでさっきの魔道具が関係するのよ?」

 

『まさか……【高速詠唱】かッ!?』

 

「そういうこと♪【フォトンランサー・ファランクスシフト】撃ち抜け、ファイヤッ‼‼」

 

合図と共に光球から大量の光の雨が降り注いで、ソルティさん達を襲い…

 

『キラキラルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ‼』

 

『キュアップラパパぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼』

 

奇妙な悲鳴を残して爆発した………………て、爆発ッ!?

 

「ちょッ!?ソルティさん達、大丈夫なのッ!?」

 

「はい、彼等は不死身みたいなものですから。」

 

その言葉に爆炎の中を見てみたら、ソルティさん達が倒れていたが、すぐに立ち上がった。

 

『フム、二人とも強くなったな。』

 

『エナジーアイテムをあんな風に使うとは、予想外だったぞ?』

 

「Thank you!!」

 

「私にかかればあれくらい、どうって事ないわ‼」

 

『『では、また会おう‼』』

 

そう言って二人は消えていった。

 

「終わったわよ~。」

 

『ガッチョーン、ガシューン。』

 

鞠莉達は変身を解くとこっちにやって来た。

 

「これでやっと話が出来ますね。」

 

「なんか色々とありすぎて、まだ頭が追いつかないけど…」

 

「それに今ので時間も遅くなってしまいましたしね。」

 

ダイヤの言葉に時計を見ると、既に夜の7時近くになっていた。

 

「あ~……なら、明日にしましょうか?」

 

「そうだね(ピロリ~ン♪)あ、メールだ…果南ちゃん、イッセー君今日は用があって、ルシファー君の所に泊まるって。」

 

「……………………そっか…」

 

曜ちゃんが届いたメールについて教えてくれて、それを聞いた私は少し悲しい気持ちになった。

 

今日は様子を見に行く日だったけど、やっぱり避けられてるのかなぁ……

 

「大丈夫だって‼イッセー君も今日は気まずいだけだと思うよ?」

 

「そうならいいけど…」

 

結局この日は、これでお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

ルシファーの所に泊まった次の日の放課後、検査の方は問題なく、俺はカナ姉に会わない様に学校を出て、町を歩いていた。

 

「あ~、暇だ…」

 

昨日の夜は検査ばっかでろくに運動できなかったからな……

 

だけど今喧嘩を売れるような相手もいないので、俺は近くの本屋で雑誌の立ち読みをすることにした。

 

「なんか面白いもんでもあるかね……………ん?」

 

そこで何気なしに取ったゲーム雑誌を読んでいたら、あるページで俺の手が止まった。

 

「【幻夢コーポレーション】が超人気作【タドルクエスト】系列の新作を発表、その名は【タドルファンタジー】…だと?」

 

幻夢コーポレーションといえば新進気鋭のゲーム会社で、家庭用ゲームの【マイティアクションX】や【タドルクエスト】に【ゲキトツロボッツ】、ゲーセンでは【バンバンシューティング】に【爆走バイク】に【ドレミファビート】等の人気作を多数出していて、その中でもタドルクエストは俺が高一の時に試しにやってハマり、新作と聞いてうれしく思うがそれ以上の疑問が俺にはあった。

 

「タドルファンタジーっていやぁ、ルシファーが使ってるのと同じ…」

 

まさかアイツ、此処と何か関係があんのか?

 

気になった俺はそのページをくまなく観ていたら……

 

「なあ…その雑誌、買いたいんだけどいいか?」

 

「ッ!?」

 

読むのに集中してたからか、いつの間にか俺の隣に水色のシャツと紫にカラフルなドット柄があるズボン、赤、青、黄色のコードをぶら下げた黒いコートを羽織った男が立っていた。

 

「それ、どこも売り切れでさ、やっと見つけたんだよ。」

 

「あ、ああ……ホラよ…」

 

「サンキュー‼」

 

ソイツに本を渡すと喜びながらレジで会計を済ませ、出口に向かう……

 

「なあ、【運命】ってのはパズルだと思わないか?」

 

「はあ?」

 

その手前で止まり、そんな訳の分からない事を俺に聞いてきた。

 

「たった1つピースを組み換えるだけで、運命は容易く変わる……良い方にも悪い方にもだ。もしかしたら、知らない間にお前の運命も組み換えられてるのかもな?」

 

「……………………何が言いたい…?」

 

「お前の今後の運命がどうなるのか……見させてもらうぜ、【一誠】?」

 

「……ッ‼」

 

そう言って出ていく男の背中を、俺は見てる事しか出来なかった。

 

名乗ってもいないのに名前を知ってるのは、それなりに有名だから分かる。だが、俺が動けなかったのは別の理由だ。

 

「アイツ……何者だ…!?」

 

俺はいつ襲われてもいいように、神経を常に張り巡らせているのに、あの男は何も感じさせずに俺の傍にいた上……名前を呼んだ時、強者のオーラを纏っていた。それも変身しないと勝ち目がないと思わせる程の。

 

「ハハハハハッ……‼‼、コイツぁ心が高ぶるぜ…‼」

 

この町にまだあんな奴がいたなんてな…‼今度、挑んでみるとして今は近くに不良の溜まり場があった筈だから、そこで一暴れしてくっかッ‼‼

 

俺は興奮冷めやらぬこの気持ちを発散するために、近くの不良の溜まり場(常に30人程いる)へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーただいま無双中ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フゥ~、やっぱもう少し歯ごたえがある奴と戦いてぇなあ…」

 

溜まり場を出て、俺は肩をぐるぐると回しながらそう呟いた。

 

今日は複数のグループの奴等(約50人)で縄張り争いみたいなのをやっていたので、そこに強引に割り込んで俺対ザコ全員なんてのをやった。結果は俺の一人勝ちだったけど。

 

「にしてもすっかり遅くなっちまったな……どっかファミレスで飯にする「おい、この愚弟‼」…はぁ…」

 

せっかく楽しい気分が続いていたのに、耳に入ってきた騒音(バカのこえ)に、一瞬で台無しになった。

 

「んだよ、クソ野郎?」

 

振り返りながら、最大の嫌悪を込めて呼んできやがった【兵藤錬二(クソアニキ)】を見る。

 

「テメェ…‼一体何しやがった‼」

 

「いや、何言ってるのかさっぱりなんだが?」

 

文法も何も無い言葉に、意味がさっぱり理解できない。

 

「惚けんじゃねぇよ‼‼テメェがレイナーレに何かしたんだろ!?お陰で俺はカラワーナに殺されたんだよ‼アイツはタイプじゃねぇってのによ‼」

 

「知るかよ、そんな事…」

 

つーか、テメェの趣味なんざ知りたくもねぇ……

 

「やっぱりお前は早めに殺すべきだった…‼」

 

「お前とはシラケるから、まだ殺りたくねェんだけど…」

 

でも、向こうがやる気になってる以上、やってやるけどさ。

 

俺が拳を構えると、クソ兄貴は左手に変な赤い籠手を出した。

 

「おいおい…いまさら中二病にでも目覚めたのか?」

 

「ふん、何とでも言え。これからこの力にお前は恐怖する事になるんだからな‼」

 

「はいはい、怖い怖い(笑)」

 

「バカにしやがって…‼」

 

コイツにはいつか、本当の絶望を味合わせると決めてるのでこの場は適当に戦って逃げようと考えていたら……

 

「……ッ‼」

 

「ぐあッ!?」

 

俺は後ろに嫌なものを感じ、横に飛ぶと数瞬後に何かがさっきまで立っていた場所を通り過ぎ、運悪く?クソ兄貴の腹に突き刺さった。

 

「そ……そんな…‼」

 

「こいつは……あの時見た光の棒…?つー事は‼」

 

クソ兄貴の腹に刺さっている棒で、不意討ちをした奴が分かった俺は振り返ると、そこには紺色のコートを着たオッサンがいた。

 

「なんだよ……あのアマじゃねェのか、シラケんなぁ…」

 

アテが外れた俺ががっかりしたが、そこでオッサンの眉間がひくついたのが見えた。

 

「貴様がレイナーレ様に牙を向いた人間か?」

 

「レイナーレって誰だ……ああ、あの時の堕天使の女の事か?そうだって言ったらどうすんだよ?」

 

「…………………………殺すッ‼‼」

 

「よっと。」

 

オッサンは光の棒を出すと、いきなり突っ込んできたがそれは読めてたので、横に転がって避けながらゲーマドライバーを装着した。

 

「おいおい、堕天使ってのは皆そんなに沸点が低いのか?お前は男なら我慢強くなろうぜ。」

 

「聞く耳など持たんッ‼」

 

再び突っ込んでくるオッサンを見ながら、俺はガシャットギアデュアルΣのダイヤルを回した。

 

『SAVIOR STORY!!』

 

そしてスタート画面から出てきた2体のゲーマ【ウェルシュゲーマ】と【バニシングゲーマ】が、オッサンに体当たりして弾き飛ばす。

 

「ぐおッ!?」

 

「せんと…………言うの面倒だからいいか、変身。」

 

『デュアル・ガシャット‼ガッチャーン‼デュアルアップ‼』

 

『立てよ勇者‼纏え龍を‼セイヴァー・ストーリー‼』

 

『ガシャコン・ガントレット‼』

 

そしてドラゴネスになった俺は、拳を握る。

 

「さあ……ガチでやろうぜ‼」

 

「何の力か知らんが、そんなものでェッ‼」

 

三度突っ込んで棒を突き出す男を、右に半歩動いてその腕を掴み……

 

「オラァッ‼‼」

 

「ぬおッ!?」

 

その勢いを利用しながら、地面に一本背負いで叩きつけた。

 

そこから後ろに振り上げていた足を思いっきり振って、顔面を蹴り飛ばす。

 

「ブバッ!?」

 

「ほいオマケッ‼」

 

『Boost!!Boost!!Boost!!』

 

右手のBボタンを3連打し、顔を押さえ踞るオッサンのがら空きになった腹に踵落としを喰らわせた。

 

「うごぁッ!?」

 

「おい、もっと本気出せよ‼そんなもんなのかよ、お前の力は!?」

 

一応人外だから期待してみたら、思ったより強くなかったので煽ってみたら……

 

「く……こんな力を持っているとは、聞いてないぞ…‼」

 

「はぁ~……なんだその程度だったのか…………人をシラケさせやがって…」

 

オッサンの言葉に今までのが全力だと理解した俺はやる気が一気に萎えた。

 

「とりあえず、俺の獲物を横取りしたんだ……覚悟はできてんだろうな?」

 

『ガッチョーン、キメワザ‼』

 

俺はレバーを閉じてエネルギーを右足に集束させていく。

 

「まっ……待ってくれ…‼」

 

「黙れ…」

 

オッサンの言葉を無視してレバーを開…

 

「そこまでよ‼」

 

「あん?」

 

こうとしたら女の声が響いたので、そっちに顔を向けると赤い髪の女が立っていた。

 

「この状況はどういう事なのか、説明してもらえるかしら?」

 

そう言って俺を睨んでくるが、はっきり言ってさっきあった男と比べたら月の石と砂利レベルの差があるから、全く怖くない。

 

「一体あなたは…………錬二ッ!?」

 

そこで女は倒れてるクソ兄貴に気づいて駆け寄った。

 

「酷い傷…‼これをやったのは誰!?」

 

「こいつ。」

 

俺は踏んでいる男を指差した。

 

「そうなの……そいつを渡して貰えないかしら?」

 

「あ?ふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ…‼」

 

その言葉に俺はイラッときた。

 

この女は何様だ?俺の楽しみを奪う権利でもあるのか?

 

「おい…あんまり俺の怒りに火をつけるなよ…?」

 

俺はガシャットのダイヤルを反対側へと回…

 

「今だッ‼」

 

「な!?おい待て‼」

 

そうとしたら、男が光に包まれながら消えていった。

 

「こんなタイミングで逃げるとかマジでヘタレかよ…もういいや…」

 

完全にシラケきった俺は変身を解いた。

 

「待って、話を…‼」

 

「知るかよ。」

 

そう言って後ろから更に聞こえる言葉を聞かずに歩いた。あ、飯まだだったな……ファミレス寄ってこ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一誠、ここがお前の運命の分岐点だ。どんな未来をお前が選ぶのか…………心が踊るなぁ…‼」




いかがでしたか?

今回のヨハネの魔法の詠唱は、作者オリジナルです。

次回、グレモリー眷属VSルシファー眷属!?

では、次回でお会いしましょう。

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