ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

何とかジオウが始まる前に書き上げられた……本当はビルド最終回の後ぐらいに出そうと思ってたのですが……シンフォギアXDやプリコネReをやってて遅れました…本当にスンマセン…orz

今回でやっと出したかったものが出せた…!!

何がやりたかったのかは、本編をどうぞ。


Nexusが起こす奇跡

時を少し遡り……

 

 

 

一誠side

 

「「こっからは、共闘プレイとしゃれこもうぜッ!!」」

 

『ガシャコンキーブラスター!!』

 

俺とパラドはいつもの台詞を口にしつつ、目の前のクロノス(クソヤロウ)へと突撃する。

 

「まさか正面から来るとは……やれやれ…」

 

『PAUSE』

 

奴は剣の峰でベルトのボタンを同時押しし、ポーズを発動させるが今の俺達には関係ねぇ!!

 

ポーズを透過・反射して、俺達はそのままクロノスへと襲い掛かる…

 

「やはりそうか。」

 

が、まるで知っていたと言わんばかりに俺の拳を盾で、パラドの斬撃を盾で受け止められた。

 

「何ッ!?」

 

「既にハイパームテキで手痛い目にあっているのでな…この程度の事は些事に過ぎない。」

 

「「ッ!?」」

 

そしてパラドの剣を受け止めたまま、器用に剣先をずらして力任せに横凪ぎに振るってきたのを、後ろに跳躍する事で寸前で回避できた。

 

『RE:START』

 

「まぁ…ポーズなど使わずとも、君達に勝つのは容易いがな。」

 

「へぇ…!!なら、やってみろやッ!!」

 

「待て、イッセーッ!?…ああもう!!」

 

クロノスの挑発的な言葉に俺は少しばかり頭にキて、パラドの制止を聞かずにクロノスへと突っ込んだ。

 

「ハハハハッ!!まさしく猪武者だな!!」

 

「ニャロオッ!!」

 

思いきり振りかぶって放った拳……だが、大してダメージの無い相手にこれは悪手だった。確実に当たると思った一撃だったが、それは斜めに構えられた盾の表面を滑る……つまり、受け流されてしまった。

 

「なッ!?」

 

「やはり君もまだまだ子供だな…」

 

「ぐあッ!?」

 

そのせいで背後を取られ、俺が振り向く前に背中を奴の剣で切り裂かれた。

 

「このォッ!!」

 

「君は既に攻略済みだ。」

 

続けてきたパラドの剣は、盾を振るって強引に弾きがら空きとなったボディを剣で切り裂く。

 

「うあッ!?」

 

「パラドッ!!テメェッ!!」

 

「ヌン!!」

 

「「ウアァァァァァァァァァッ!?」」

 

倒れたパラドを起こしながらクロノスを睨むと、盾の先から鞭みたいなものが伸び、俺達に直撃して吹き飛ばされる。

 

「コイツ……やっぱ強ぇ…!!」

 

「あの時よりも…更に…」

 

奴の出方を窺っていると、クロノスはベルトのバグヴァイザーⅡをおもむろに取り外した。

 

「フム……2対1でも面白いが…こうすればもっと面白くなるか。」

 

そして銃口をこちらに向けると、そこから銀色の粒子が溢れだし徐々に人型になると、金色の一本角に青いスリットの目、肩には龍の頭を模した肩当てがあり、両手にはクロノスが持っているのと同じ武器を持っている赤い体の怪人が現れた。

 

「何だ…アイツは?」

 

「嘘だ……こんな事…あり得ない!!」

 

俺は見たこと無いバグスターだったが、パラドはその姿を見て信じられないといった様子で怯え始めた。

 

「おい!!アイツは何なんだッ!?」

 

「あれは……色は違うが【仮面ライダークロニクル】のラスボス…【ゲムデウス】だ…!!」

 

「はぁッ!?」

 

それを聞いた俺は驚くしかなかった。表と裏のラスボスが同時に来るとか、クソゲーにも程があるだろうが!?

 

「なんでゲムデウスがいるッ!?そいつはお前が取り込んだ筈だッ!!」

 

「新しく作り上げただけさ。これで2対2……公平になったな。」

 

「どこがだ……人質とってる奴が偉そうに…!!」

 

「では、望み通り彼女に会わせてあげよう。」

 

クロノスの右側の床が開き、何かが出てくる。それは十字架でその中央に曜が縛り付けられていた。

 

「曜ッ!!!!」

 

「一誠…くん…?」

 

体をざっと見ても怪我が無いことにホッとするが、クロノスのヤローが何を考えているのか解らねぇ以上、下手に動けねぇ…!!

 

「安心したまえ、彼女や貼り付けている十字架等に仕込みはしていないさ……ただ…」

 

そう言ってクロノスは曜の首もとに剣を突きつける。

 

「ひッ!?」

 

「君があまりに無様をさらせば……私の手が狂ってしまうかも知れないがな?」

 

「このヤロオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!」

 

『ガッチョーン!!ガシューン、デュアルガシャット!!ガッチャーン!!マザルアップ!!赤き帝王・強化!!白き皇帝・弱化!!赤と白の真価!!セイヴァー・サバイバール!!』

 

曜が脅える姿を見て、完全にキレた俺はカイザードラグーンのガシャットを抜いて投げ捨て、ギアデュアルΣを挿しレベル99になるが、怒りのあまりこれでパラドの変身も解かれ、ゲーマドライバーも増やす手段を手放す悪手だと気づかなかった。

 

「やれ、【ゲムデウスマキナ】。」

 

『御意。』

 

「邪魔すんじゃねぇッ!!!!」

 

俺は全力で殴りかかるがゲムデウスは盾で受け止め、そこから微動だにしなかった。

 

「なッ!?」

 

『弱いな。』

 

「ガアッ!?」

 

そして拳を上に弾かれ、一瞬の内に体を数回切り裂かれ…

 

『紅蓮爆龍剣!!』

 

「ウアァァァァァァァァァッ!?」

 

あろうことか、グラファイトの技をゼロ距離で喰らってしまい思いきり吹き飛ばされた。

 

「ガハッ!!……何でテメェがグラファイトの技を…!!」

 

『我は究極のバグスター…全てのバグスターの頂点に君臨する存在。他のバグスターの技が使えても不思議ではあるまい。』

 

「どんだけチートだってんだよ…!!」

 

目の前に存在するチート野郎(ゲムデウスマキナ)…だが、簡単に負けてやるつもりは更々無い。羽を広げ、一気に加速させて蹴りの体勢になって突っ込んでいく。

 

『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

おまけに籠手のBボタンを出来る限り叩いて力を倍加させ、バックルのレバーを閉じる。

 

『ガッチョーン、ウラワザ!!』

 

「吹き飛べやァッ!!」

 

『ガッチャーン!!SAVIOR SURVIVAL!! CRITICAL DESTROY!!』

 

そこまでして発動させた必殺技、これならどんな奴でも倒せる……そう思っていた。

 

『その程度の技…』

 

―ガキィン!!

 

だけどその一撃も、アッサリと盾で受け止められてしまった。

 

「マジかッ!?」

 

『ヌン!!』

 

「ぐあッ!?」

 

そのまま剣で地面に叩き落とされ、何度も剣で斬られてから蹴られて地面を転がった。

 

「つまらんな……何か秘策があるのなら、やってみたまえ。」

 

「この…!!だったら、見せてやるよ…!!」

 

クロノスの言葉に乗るのは癪だが、痛みを堪えながらゲーマドライバーを外し、コラボドライバーを装着する。

 

「パラドォッ!!お前のガシャットを俺に貸せッ!!」

 

「あ、ああ…!!」

 

投げられるガシャットギアデュアルを掴み取り、コラボドライバーに装填する。

 

『『デュアルガシャット!!』』

 

「へんし…(バリバリ!!)ウアァァァァァァァァァッ!?」

 

『『ガシューン。』』

 

そして変身しようとしたが、俺の体を電流が流れ痺れている間にガシャットが飛び出してしまった。

 

「く…!?どういう事だ…!!」

 

「まさか……俺達のガシャットですら、適合しなかったのか…!?」

 

くそッ!!ここにきてまさかの状況かよ…!!

 

「ハハハハハハハハハハハハッ!!まさか切り札すら役に立たないとはなッ!!どうやら、君達の運命は決まったようだ。」

 

膝を着く俺を見下ろしながらクロノスは笑い、ゲムデウスへと手を伸ばした。

 

「ならば最後の手土産として……最大の一撃で終わらせてあげよう。」

 

すると、ゲムデウスの体が粒子になりクロノスの体へと入っていき、奴の体を血の様な赤いオーラが包み込んでいった。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!これで私はゲムデウス2体分の力を手にした。さあ、セイヴァー・サバイバル……君を絶版にする時だ。」

 

「逃げてッ!!!!一誠君ッ!!早く逃げてッ!!」

 

曜が叫ぶが体がろくに動かない以上、逃げる選択肢は俺に無い。だから何とかゲーマドライバーを装着して近くに落ちてたガシャットギアデュアルΣを掴み、変身する。

 

それに俺は曜を助けに来たんだ……こんなところで、逃げてられるかよ!!

 

『ガッチャーン!!マザルアップ!!セイヴァー・サバイバール!!』

 

「まだ……俺の…心の高ぶりは……止まって…ねぇぞ?」

 

『ガッチョーン、ウラワザ!!』

 

俺は何とかレバーを閉じ、右手にエネルギーを集束させる。

 

「ククク…いいだろう、これで本当の絶版だァ…!!」

 

『キメワザ…!!CRITICAL CREWS-AID!!』

 

「おらァッ!!」

 

『ガッチャーン!! SAVIOR SURVIVAL!! CRITICAL DESTROY!!』

 

「ヌゥンッ!!」

 

俺の右ストレートとクロノスの回し蹴りがぶつかり合い、衝撃波が周囲を駆け巡る。だが、それは一瞬の事……俺は打ち負けて奴の蹴りをモロに喰らった。

 

「ウワァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

『ガシューン。』

 

その一撃で俺はパラドがいる所まで吹き飛ばされ、変身が解除された。

 

「これでゲームオーバーだ……では、彼女も絶版にしよう。」

 

「ま…………待て……………!!」

 

俺は必死に血だらけの手を伸ばすが、クロノスには届かない……

 

これで終わりなのかよ…!!頼む…!!誰でもいい!!曜を助けてくれ…!!

 

「させませんわッ!!」

 

そう思っていたら二人の影がクロノスと曜の間に立ち塞がった。

 

「フム…確か電王と、ベリアルモンスターだったかな?」

 

「彼女にはこれ以上触れさせない…!!」

 

「ならば、やってみたまえ…」

 

そこで俺の意識は途絶えた…

 

 

 

 

 

パラドside

 

一誠が目の前でクロノスと戦っている間、俺はずっと震えていた…

 

(どうしてだ…!!戦わなくちゃいけないのに…心が……震える…!!)

 

ベルトが無くなってレベルでもクロノスと対抗出来ないのもそうだが、それ以上に俺はクロノスに対して()()していた。

 

(ダメだ…どうしても過去に逃げる時に殺されかけた記憶がちらつく…過去のクロノスは大丈夫だったのに…何で今になって…俺は…!!)

 

そんな自分が情けなく思っていたら、いつの間にかダイヤと電王がクロノスと戦っていた。

 

ダイヤは新しい姿となっていたが、今のクロノス相手には力不足なのか何度も倒され、電王に至っては攻撃すら当たらない状況だった。

 

「くっ…!!ここまで強いなんて…!!」

 

「それでも、兵藤君が戦えるまで抑えないと!!」

 

しかし二人は諦めずに、クロノスに何度も立ち向かっていった。

 

(何でそこまで戦える……死ぬのが怖くないのか?)

 

「パラドさんもッ!!いつまでしゃがみ込んでいるんですかッ!!」

 

そう考えていたらダイヤの声がして、俺は意識を現実に戻す。近くに落ちてた俺のガシャットを拾い、変身しようとしたが、やはり俺の頭に殺されかけた記憶が過り、震えでこれ以上体が動かなかった。

 

「何してますのッ!!早く変身を…「怖いんだ…」え?」

 

「俺は過去に飛ぶ前、クロノスと戦ってたけど…劣勢なんかじゃなく完全に遊ばれてたんだ…!!何度も目の前で死ぬ様な攻撃を繰り出されて、必死にかわして……心が震えた…!!それに俺のせいで沢山の時間に迷惑が…「だから何ですのッ!!」へ?」

 

情けない心の内をさらけ出す俺だったけど、それはダイヤの叫びで遮られた。

 

「貴方だって、望んでこんな事態を起こしたかった訳じゃ無い筈です!!」

 

クロノスの攻撃を捌きながら、ダイヤは俺に向けて言葉を続ける。

 

「貴方はこの未来を変えたくて立ち上がったのでしょう!?クロノスに倒された方達の無念を晴らしたかったのでしょう!?それが出来るのは私でも、兵藤さんでもない……パラドさんだけなんですのよ!!」

 

「ッ!!」

 

彼女のその言葉が不思議と胸に届き、俺の心が再び袞りだした。

 

「……まさか、お前の言葉で心が袞るなんてな…」

 

そうだ……消えていったアイツらが望んだ世界を…明日を…今、生きてる俺が諦める訳にはいかない!!

 

俺は倒れているイッセーに近づき、ゲーマドライバーを外して自身に巻き付ける。

 

(イッセー…俺に力を貸してくれ…!!)

 

『デュアルガシャット!!』

 

「マックス大変身!!」

 

『ガッチャーン!!マザルアップ!!赤い拳・強さ!!青いパズル・連鎖!!赤と青の交差!!パーフェクト・ノックアーウト!!』

 

パラドクスとなり、ガシャコンパラブレイガンを手にした俺はクロノスへと向かって駆け出し、全力で振るう。

 

「ハアッ!!」

 

「フ…」

 

それを奴は盾で受け止めるが、俺はそれを全力で押していく。

 

「やれやれ…あれだけ痛めつけたのに、まだ足りないのかな?」

 

「ああ、足りないな……あれだけの事で、今の俺は止まったりなんかするもんか!!」

 

「てやァッ!!」

 

「ぬぅッ!?」

 

俺の攻撃と言葉に気を取られていたクロノスの隙を逃さず、電王が横からクロノスを切り裂く。

 

「もらいましたわッ!!」

 

そこに続けてダイヤが三日月型の剣で更に切り裂く。

 

「ぐ…」

 

「オラァッ!!」

 

最後に俺がパラブレイガンを振り抜き、盾で防がれるが少しだけ後退させた。

 

「ほう…少しはやるみたいだ…」

 

「クロノスッ!!お前は俺達が抑えてみせる!!」

 

だから早く起きろイッセー……彼女()を助け出すのは…お前しかできないんだからな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

(今の俺じゃ……アイツを助けられないのか…)

 

真っ暗な世界で浮いている俺は、暗闇の先にいる曜に手を伸ばす。だけど、どんどんアイツは先に行ってしまい、俺の手は一向に届きそうになかった。

 

(アイツを助けられなかったら…俺は…)

 

そう思うと心が一気に空っぽになる感覚が俺を襲う。だから必死に曜へと手を伸ばしていく…

 

(でもどうやったら届く?……今でさえ、追い付ける気がしないのに…)

 

でも手は届かず、アイツは既に遥か彼方にいた。

 

(ダメなのか…今の俺じゃ……届かないのかよ…!!)

 

そう諦めかけていたら、俺の耳に音楽が聞こえてきた。

 

 

-推奨BGM【想いよひとつになれ】-

 

 

(この声……黒澤妹達か?)

 

すると力が漲り、ほんの少しずつだが曜に近づけていった。

 

(でもまだ遅い…!!もっと速く…!!)

 

――だったら、手を貸してあげる。

 

(え…?)

 

そこに聞き慣れた声がしたかと思うと、カナ姉が突然現れて俺の手を掴み、曜がいる方へと投げ飛ばされた。

 

(うおぉぉぉぉぉぉぉッ!?)

 

――マル達にはこんな事しか出来ないけど…

 

次に国木田が現れて、背中を押される。

 

(つか、お前こんなに力無いだろッ!?)

 

――とっととお行きなさい!!

 

――Let's GO!!

 

――いざ、闇を払いし光の元へ!!

 

――諦めるには早いよ?

 

――行ってらっしゃーい!!

 

それからも、黒澤姉やルシファーの所の奴らにも投げられ、だいぶ近づけたが距離はまだ離れている…

 

(だけど諦めてたまるか…!!アイツを助けるのは俺の役目なんだよ…!!!!)

 

――大丈夫、ルビィ達が必ず届かせます!!

 

そこに黒澤妹が現れて、俺の背中を押してくれた。

 

(うおッ!?)

 

――負けないでください!!ルビィ達は皆、先輩を信じてますからッ!!

 

その力は他の奴等よりも強く、俺の速度を一気に加速させていく。

 

(信じる……か…俺は昔、誰も信用しなかったのに、そう言われると悪い気はしねぇな…)

 

ガキの頃はクソアニキと比べられて呆れられて…信じられるのは曜とカナ姉だけ……なのに、いつの間に俺はここまで色んな奴等に信頼されてたんだろう…

 

頭に浮かぶのは黒澤妹達の他にもルシファーの野郎やグラファイト達バグスター、つい最近だとグレモリー達もだった。

 

(だったら、期待には答えてやらねぇと…!!)

 

改めて自分に誓い、全力で手を伸ばす。すると曜も手を伸ばしてくる。

 

(待ってろ曜ッ!!必ず俺が…お前を助けてやるッ!!)

 

そしてついに追いつき、伸ばした俺達の手が触れ合った瞬間、眩い光が俺の視界を覆っていく。

 

――…待ってるからね、イッセー君。

 

(おう、そんなに待たせねぇからな…)

 

そして視界が晴れると、俺は元の場所に仰向けに倒れていて、右手を空へと伸ばしていた。

 

「そうだよな……俺はこんな所で…負けてらんねぇ…!!」

 

「だったらさっさと起きろ、この喧嘩バカ。」

 

「ああ…!?」

 

寝起きに罵声を浴びせられ、少しキレ気味に応答しながらそいつのツラを拝んでやると、この世界にはいないルシファーがいた。

 

「お前も来たのか…」

 

「俺達がもう1つの援軍だからな。」

 

そう言ってルシファーが俺に手を翳すと、そこに魔法陣を浮かべ俺の傷が治っていく。

 

「サンキュー。」

 

「礼ならいい、それよりも【歌】は聞こえているな?」

 

「それのお陰で、目が覚めたからな。」

 

俺の耳には今も黒澤妹達の歌声が聞こえている。だけど、今までと違い体の奥底からも力が沸き上がる感じがしていた。

 

「ルシファー、この感覚は?」

 

「それが新しいエールの能力…【エールが味方と判断している者達の潜在能力を解放する】さ。」

 

なるほど、つまり俺はまだまだ強くなれるって事か…!!

 

それを聞いて、俺はコラボドライバーを手に持って見つめる。

 

今ならコイツを使える……そんな気がするからだ。

 

「なッ!?まさか未来の俺はそれを完成させていたのか…!!やはり俺の才能はか「喧しいぞ、コラ。」俺の台詞を遮るなァァァァァァァァァッ!!」

 

まーた神化しそうになったから、うるさくなる前に遮ったが、結局叫ばれて耳がキーンとなる。

 

「だァァッ!!耳元で叫んでんじゃねぇ!!」

 

「ゴハァッ!?」

 

とりあえず頭を1発殴って強引に黙らせてから、俺も戦場へと駆け出した。

 

「イツツ……見せてやれ一誠。お前達が起こす最上の奇跡をな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このッ!!」

 

「ハアッ!!」

 

「ふ…」

 

「「くぅ…!!」」

 

クロノスを挟み込む様にジュエルとパラドクスが迫るが、それはデウスランバートから伸びる鞭で遮られる。

 

「デヤァッ!!」

 

「……遅いな。」

 

「うわッ!?」

 

そこに電王が正面から斬り込むが、デウスラッシャーで受け止められ腹に蹴りを喰らい下げられる。

 

「だったらダイヤ、やるぞ!!」『ガッチョーン、ウラワザ!!』

 

「ええッ!!パラドさん!!」『ガシューン、ガシャット!!キメワザ!!』

 

『ガッチャーン!!PERFECT KNOCK OUT!! CRITICAL BOMBER!!』

 

『BELIAL!! CRITICAL STRIKE!!』

 

「「ハアアアアアァァァァァッ!!!!」」

 

パラドクスとジュエルは必殺技を発動させ、ダブルライダーキックで迫る…

 

「つまらんな…」

 

「うわッ!?」「キャアッ!?」

 

だが、直撃の前にデウスラッシャーで地面に叩き落とされた。

 

「【電車斬り】ッ!!」

 

その隙をついて、電王も必殺技で迫っていくが…

 

「遅いと言っている。」

 

それを盾で受け止め、横凪ぎに電王を斬り捨てた。

 

「ウワアァァァァァァァァァッ!?」

 

「ダイヤさん!?パラド君!?野上さん!?」

 

「こんなものか…さて、そろそろの人質の処刑といこうか…」

 

倒れ伏すライダー達を見下ろし、歩を貼り付けにされている曜へと向ける……

 

「い…いや…!!」

 

「ここで君は絶版だ…」

 

「そんな事はさせないッ!!」

 

「ん?……ぬぅッ!?」

 

脅える曜に迫るクロノスだったが、そこに黄金の戦士…エグゼイド・ムテキゲーマーが現れて、クロノスを殴り飛ばした。

 

「ぐぅ…バカな!!お前は既に絶版にした筈…!!なのになぜ!?」

 

「フフン、ちょっとした…神業でね♪」

 

『ガシャコンキースラッシャー!!』

 

そう言ってクロノスへと攻撃を始めるエグゼイド。しかし、ゲムデウスを2体も取り込んだクロノスも負けてはいなかった。ガシャコンキースラッシャーとデウスラッシャーが何度もぶつかり合い、火花を散らしていく。

 

「皆の仇…ここで討たせてもらうわッ!!」

 

「ならば、君も仲間の元へと送ってあげよう…!!」

 

つばぜり合いから互いに離れ、エグゼイドはマイティシスターズMX(ミラクルエックス)をキースラッシャーに装填する。

 

『ダブルガシャット!!』

 

それによりキースラッシャーが分裂し、両手に保持して二刀流となりクロノスへと猛攻を始める。だが、クロノスも剣と盾を駆使して凌ぎつつも、攻撃を加えていく。そして、だんだんとだがエグゼイドが押され始めていた。

 

「くぅ…!!前より力が上がってる!?」

 

「当然だ…先ほど2体目のゲムデウスを取り込んだのだからな…!!」

 

「はあッ!?」

 

まさかの事態に驚くエグゼイド。その隙を逃さずクロノスは彼女を蹴り飛ばす。

 

「千歌ちゃんッ!?」

 

「うあッ!?…ムテキの上をいくなんて、生意気じゃない…!!」

 

「そろそろフィナーレとしようか?」

 

『キメワザ…!!』

 

バックルのBボタンを押し、必殺技を繰り出そうとするクロノス…

 

「待てよ、ゴラァ。」

 

「ん?」

 

そこに一誠が現れて、エグゼイドとクロノスの間に立った。

 

「また君か…」

 

「おい、俺との喧嘩はまだ終わってねぇぞ。」

 

そしてコラボドライバーを装着する。

 

「無駄な事は止めたまえ。君にそれは使えない…」

 

「パラド、来いッ!!」

 

嘲笑うかの様なクロノスの言葉を彼は無視し、大声で倒れているパラドクスを呼んだ。

 

「はあ?いきなり来いってお前なぁ…」

 

「お前が俺に言ったんだろォッ!!」

 

「ん?そうか…そういう事かッ!!」

 

その言葉に最初は戸惑うパラドクスだったが、一誠の言葉にその意図を察して彼の中へと入っていった。そして一誠は右手にガシャットギアデュアルΣを、左手にガシャットギアデュアルを握りしめる。

 

「フン…二人が1つになったくらいで「二人じゃないさ…」ん?」

 

クロノスの耳障りな言葉を遮り、一誠は自分の左胸を右手で叩く。

 

俺の心(ここ)には、俺を信じてくれる奴等の思いが沢山あるからな。」

 

「下らん……それで何が出来る?」

 

「テメェをブッ潰す事さ。」

 

鼻で嗤うクロノスだったが、一誠は気にせず曜へと視線を向ける。

 

「曜、そこで待ってろ…今すぐ助けてやる…!!」

 

「ッ!!……うん、待ってるから…!!」

 

彼女の言葉に一誠は少しだけ笑みを浮かべつつ目を閉じ……目を開けると右の瞳が青く、左の瞳が赤く輝きだし全身を赤と青のオーラが包み出す。

 

「ッ!!それは…!?」

 

「確かに俺一人じゃお前には勝てない…」

 

更にオーラの赤い方がデュアルΣに、青い方がギアデュアルへと吸い込まれていき…

 

「でも、一人でダメなら……【()()()()】を借りればいい…!!」

 

オーラの全てが吸い込まれ、瞳が元の色に戻るとギアデュアルΣの端子が銀色に、ギアデュアルの端子が金色に変わる。

 

「見せてやるよクロノス……俺達が起こす【最上の奇跡】をなッ!!!!」

 

 

-推奨BGM【BLESS YoUr NAME(ルビィ&花丸&果南ver)】

 

 

ルビィ達の曲が変わると同時に一誠はクロノスへと叫び、右側にギアデュアルΣを装填する。

 

『デュアルガシャット!!セイヴァー・サバイバル!!』

 

続けて、左側にギアデュアルを装填した。

 

『デュアルガシャット!!パーフェクト・ノックアウト!!』

 

それで先ほどは一誠の体を電流が流れたが、今回は流れず……

 

『コラボレーション!!』

 

ガシャット同士が完全に適合した事を示す音声が鳴り響く。

 

「2つのガシャットが……完全適合したッ!!」

 

音声を聞いて喜ぶエグゼイド。それを聞き届けてから右手を上へと伸ばし、手を勢いよく閉じる。まるで、直上にある太陽を掴むように…

 

「……変身…!!」

 

そしてその手を一気に振り下ろして、ドライバー中央上部にあるスイッチを叩いてカバーを開いた。

 

『パッカーン!!キーセーキー!!』

 

すると眼前に幾つものゲームのスタート画面が現れ、それらが1つに重なってとあるライダーが描かれたゲートに変わり、一誠はそれを潜り抜け飛び上がる。

 

『煌めけ!!太陽も照らす!!』

 

そして太陽を背にすると、後ろから金色のメカチックなドラゴンが現れて体を分離させ、ドラゴネスとなった一誠の体に次々と装着されていく。

 

金色(こんじき)のドラゴンFighter!!』

 

両手両足に龍の手を模した赤い宝玉付きの金色の装甲に、ボディには右が青の宝玉、左が赤の宝玉をそれぞれ3つずつ埋め込まれた龍の鎧の装着が終わると、ボディスーツも金色に所々赤と青、白のラインが入ったものに変化し、頭部の形状が4つの角を伸ばした龍の形に瞳が虹色になり、背中から金色のエナジーウィングを展開してゆっくりと大地に降り立った。

 

これこそヴァーリが作り上げたドライバーとルビィ達の歌による潜在能力の覚醒、パラドと力を合わせる事で誕生したドラゴネス最強の姿。その名も…

 

『ネクサスキセキ!!ドラゴォーネス!!』

 

【仮面ライダードラゴネス・キセキゲーマー】

 

「なんだ…その姿は…!?」

 

「あれが…コラボドライバーの力…」

 

周りが呆然とする中、ドラゴネスは右手を強く握る。

 

「力が沸き上がる…!!」

 

次に視線をクロノスへと向け…

 

「勇気が燃える…!!」

 

最後にファイティングポーズを決める。

 

「俺の心が踊り高ぶるぜッ!!!!」

 

高らかに叫ぶドラゴネスを、クロノスは忌々しそうに睨み付ける。

 

「ふざけた真似を…!!すぐに絶版にしてやろう…!!」

 

「やれるもんならやってみやがれ…今の俺は、誰にも止められねぇぞッ!!」

 

エナジーウィングを広げてクロノスへと突撃するドラゴネス。今、囚われの少女を救う為…全ての時間へのパンデミックを防ぐ為の最後の戦いが幕を開けた。

 




いかがでしたか?

ドラゴネスの最強フォーム登場と、一誠とパラドの決め台詞合わせ……これがずっとやりたかったんですよ!!

さて、たぶん後2話で劇場版も終わりになります。

では、次回でお会いしましょう。

曜と果南、花丸も変身して戦う

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  • 我が魔王…存分に書かれよ
  • 止めて!!変身なんかしないで!!

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