ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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花「マルの神器によれば喧嘩好きな高校生、兵藤一誠……彼には喧嘩の王者にして人間界の魔王【ドラゴネス】と呼ばれる未来が待っていた…」「ウオオオオオオオオオオオオオオッ!!」「ピギィィィィィィィィィィィィィィッ!?」

花「ある日、異世界に行った彼に待っていたのは……もう一人の自分の変態発言だった。」「止まりなさい!!悪しき荒人神よ!!」「邪魔すんなアアアアアアアアアアアアッ!!」「花丸ちゃん、手伝ってェェェェェェェェェッ!!」

花「そんな彼の素行を聞いたこちらのリアス・グレモリーは向こうの自分に呆れ……おっと、読みすぎたズラね。ここからは皆さんにとって、未来の話ズラ…」「ちょっと!!あらすじ終わったんならアンタも手伝いなさいよ!!」「もうダメェェェェェェェェェッ!?」「ドリャアアアアアアアアアアアアアッ!!」

花「どうやら後ろのルビィちゃん達もそろそろ限界だから、マルも手伝ってくるズラ。では、本編をどうぞ♪」「よぉ~し…!!止まるズラ、番長先輩ッ!!」「ブルルゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」「ズラァァァァァァァァァァァァッ!?」


弾けるSPARKLING

ビルドに変身して準備万端となったリアスだったが、一誠(原)の叫びに開いた口が塞がらなかった。

 

「あ、貴方…!!なに馬鹿な事を叫んでいるのよッ!?」

 

「馬鹿な事なんかじゃないです!!俺にとってはとても重要な事なんですよッ!!」

 

それをこちらのリアスが咎めるが、彼に反省する意思は欠片もみられない。

 

「ちょっと、そっちの私!!彼にどんな事をやってるのッ!?」

 

「何って……一緒に寝たり裸エプロンしたり…この胸を触らせたり色々ね。ついでに、他の子達もそうよ?」

 

「な…!!な、ななな…!!」

 

問いただしてみれば、彼女から話されるのは一般女性からすれば破廉恥極まりない内容ばかり……しかも、眷属達までそれに加担していて、止めようとする者は誰もいない。

 

「貴方達ねぇ…自分達が嫁入り前の体だって解ってるの!?なのに男性相手にそんな事を…!!恥を知りなさいッ!!!!」

 

仮面の中で顔を真っ赤にして叫ぶリアス。その後ろでは……

 

「オオオゥラァァァァァァァァァァァッ!!」

 

「ズラァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

「ピギィィィィィィィィィィィィィィッ!?」

 

「暴れ狂う荒人神よ!!我が魔導に従えッ!!ストラグルバインドにチェーンバインド!!アルケミックチェーンに鋼の軛ィィィィィィィ!!」

 

「鬱陶しいわァッ!!」(バキィン!!)

 

「「「うっそーんッ!?」」」

 

完全にぶちギレていて、向こうの自分に殴りかかろうとする一誠を必死に押さえ込もうとしている一年トリオがいた。だが、善子の多重バインドすら今の彼には通じなかった…

 

「邪魔すんな!!ズラ丸にピギ助!!それとヨハ兵衛ッ!!」

 

「花丸ズラッ!!」

 

「ピギ助ってルビィの事ですかッ!?」

 

「だからヨハネッ!!てかヨハ兵衛ってなにッ!?」

 

「知ったことかアァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

まさに阿修羅すら凌駕する存在となっている彼だが、最後の理性なのか彼女達が怪我をするような事だけはしていなかった。

 

「あ……頭痛い…」

 

あまりの事に頭痛を覚え、額をおさえるリアスだった。

 

「もしかして……学園でもその調子なの、彼?」

 

「まあ…覗きの常習犯で学園で堂々と大量のエロ本やエロビデオ広げたり、大声で猥談したりしてるな。」

 

「はあッ!?」

 

アザゼルが語ったその内容はまさに驚きだった。覗きは軽犯罪法に、公共の場でエロ本等を出したりするのは猥褻物陳列罪、大声での猥談等は公然猥褻罪に該当する歴とした犯罪なのだ。しかも駒王学園は最近女子高から共学となった為女子の比率が圧倒的に高い。そこでそんな物(エロ本など)を持ってくるなど、正気の沙汰ではない。

 

「それ……キチンと処罰したの?」

 

学園での処罰なら一番良くて反省文数十枚、普通なら停学or退学が妥当である。だが…

 

「そんな!!私の大切なイッセーを処罰するわけないじゃない!!」

 

「「「「「「「うわぁ…」」」」」」」

 

リアス(原)の言葉に、全員が呆れ&ドン引きしていた。しかし、リアスだけはある部分が引っ掛かった。

 

「するわけない?……できないじゃなくて?」

 

そう、彼女は処罰できないではなくするわけないと言った。それは特殊な事情ではなく自分の事情で処罰しないと言っている事になる。

 

「何故?彼のやった事は犯罪でもあるのよ?」

 

「でもそれでイッセーが退学になったら可哀想じゃない!!一緒に住んでるご両親にも、申し訳ないし…」

 

「………………それって悪魔の事はご両親にも説明をして?」

 

「え…?いや、巻き込むのは悪いからちょっと暗示で…」

 

そこまで聞いたリアスは無言で左足に力を込め、跳躍する事で一気に距離を詰め彼女に左拳を叩き込んだ。

 

「ガハッ!?」

 

「部長ッ!!」

 

それを見て向こうの眷属達が駆け寄ろうとするのを、アザゼルが手を伸ばして制した。

 

「な、なにするのよッ!?」

 

「なにって、お互い準備が終わってるのだし模擬戦を始めるのと、馬鹿な貴方に制裁をしようと思ったのよ。」

 

そう言って踏みつけようとするのを、転がって避ける。

 

「この…!!喰らいなさいッ!!」

 

起き上がった彼女は滅びの魔力を放つ。だが、それはビルドとなったリアスの少し前で消え去った。

 

「なッ!?なんで私の魔力が…!?」

 

「私も滅びの魔力を使えるもの。それを不可視のバリアとして張ってたの。滅びの魔力同士…ぶつけ合えば片方が勝つ事はなく、お互いに消滅し合うだけ……」

 

「くッ!!」

 

このままでは不利と感じたリアス(原)は背中の羽を広げて空に飛び上がる。

 

「その姿なら悪魔の羽は出せないでしょ!!」

 

「ええ……だったら、飛べる様にするだけよ。」

 

空にいるリアス(原)を見上げつつ、ベルトのボトルを抜き、新たにオレンジと銀色のボトルを取り出して数度振りベルトに装填する。

 

『タカ!!ガトリング!!ベストマッチ!!』

 

そしてレバーを回してスナップライドビルダーを展開し、出来たボディを纏う。

 

『Are you Ready?』

 

「ビルドアップ。」

 

『天空の暴れん坊!!ホークガトリング!!イェーイ!!』

 

オレンジと銀色の二色の姿になると、背中の翼【ソレスタルウィング】を広げ、リアス(原)と同じ高さへと飛び上がる。

 

「そんな…飛行も可能なんて…!!」

 

「ボーッとしてる暇はないわよ?」

 

『ホークガトリンガー!!』

 

リアスは右手に専用武器【ホークガトリンガー】を持つと、リアス(原)へと発砲する。

 

「そのくらい…!!」

 

リアス(原)は空中を飛び回って弾丸を回避しようとするが、鷹の姿をした弾丸は彼女を追尾していく。

 

「追尾式ッ!?このッ!!」

 

リアス(原)は魔力弾をばら蒔き、弾丸を落としていく。しかし、そちらに意識を向けてしまった事でリアスが移動してるのに気づけなかった。

 

「これで…最後ッ!!」

 

最後の1発を落とし、一息つきながら周囲を見るとリアスはどこにもいない。

 

「ッ!?何処に…「上よ。」ガッ!?」

 

動きを止めた彼女に、リアスは頭上から踵落としを喰らわせ、地面へと落とす。

 

「く……この私が…!!」

 

「さてと…勝利の方程式を見つけましょうか?」

 

リアスはボトルを抜き、別のボトルを装填する。

 

『ハチ!!消防車!!』

 

「これもベストマッチじゃないのね…」

 

残念ながらまたハズレだったらしく、ボトルを再度抜き別のボトルを取り出す。

 

「それじゃ…これとならどう!?」

 

『ハリネズミ!!消防車!!「ベストマッチ!!』ッ!!キタァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!ヤッフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!」

 

どうやらこれも揃わないと思って自分で言っていたが、まさかのここで望む音声が同じタイミングで鳴り、彼女のテンションが一気に振り切れる。

 

『Are you Ready?』

 

「ビルドアップ!!」

 

『レスキュー剣山!!ファイヤーヘッジホッグ!!イェーイ!!』

 

赤と白の形態【ファイヤーヘッジホッグ】となったリアスは右手から白い針を飛ばしていく。

 

「見つけたわ、勝利への方程式!!」

 

「この程度!!」

 

それらを魔力弾で落とすリアス(原)だったが、それで防御が疎かになりリアスの左腕から伸びたラダーに気づくのが遅れ、勢いよく発射された水に吹き飛ばされびしょ濡れになる。

 

「ちょッ!?びしょ濡れじゃないの!!」

 

ちなみにびしょ濡れになったことで、イッセー(原)がそこから透ける下着に鼻の下を伸ばし、それが更に一誠の激情を煽って一年トリオが必死に彼を押さえ込んでいた。

 

「良かったわね…水で?」

 

文句を言うリアス(原)の目の前で、ラダーの先端から炎を少しだけ出す。それで彼女も理解した。実戦だったら今の炎で体を燃やされているのを…

 

「1つ聞くけど…貴方は駒王の管理者なの?」

 

「え、ええ…」

 

「だったらそんな役職、辞めてしまいなさい。」

 

「はあッ!?」

 

突然の言葉に彼女も怒る。

 

「なんで私が…!!」

 

「管理者として守るべき存在に、私的な理由で暗示を使ってるからよ。」

 

そう言って彼女も仮面の下で睨み返す。

 

「管理者っていうのはね…住んでいる人達の幸せを守る為のものよ。そこにいる人達を自分勝手にしていい存在じゃない。」

 

確かにリアス(原)はイッセー(原)に惚れ、彼の家に住む為に色々と工作をしている。それには暗示も含まれている。

 

「あまつさえ、個人的理由で1つの家族に入れ込むなどもっての他。公平な立場の管理者として1番やってはいけないのよ。」

 

「でも、貴方だって管理者でイッセーと同居してるのでしょッ!?」

 

「そんな事するわけないし、私はもう管理者ではないわ。」

 

「え?」

 

異世界の自分も同じ立場の筈…そう思って返したリアス(原)の言葉だったが、まさかの返答に驚愕する。

 

「私も問題を起こして解任させられたの。でも、それは自分の失態だもの…当然でしょ?今はソーナが引き継いでくれてるわ。そして私は自分を見つめ直し、償いと同じ過ちを繰り返さない為に悪魔陣営も抜け、人間側に着いたの。」

 

「な…なんで悪魔を裏切って…!!」

 

「自分の成長の為よ。そして人間側に立ってみて初めて……私達3大勢力のおぞましさを知ったわ。」

 

そこでリアス(原)から視線を外し、イリナ(原)を見る。

 

「まず天界だけど、信者達が欲望や悪しき探求心を神の名の下にを理由にやりたい放題やってるのにそれを見逃し、ある程度成果が出てから断罪しその研究を自分の物にする。【聖剣計画】がいい例だわ。」

 

この言葉に裕斗とゼノヴィアが表情を曇らせる。その忌まわしき計画に天使は気づくのが遅く、全て終わってからその研究結果で現在の聖剣使いを生み出している。

 

「それは一部の信者が暴走して…!!」

 

「だからって対応が遅すぎるし、その実験のために聖剣を貸し出したりもしている筈よ?気づかない方がおかしいわ。」

 

その指摘にイリナ(原)が何も言えなくなったのを見て、次に視線をアザゼルに向ける。

 

「堕天使だってそう……神器を持っているからってむやみやたらに人間を殺してる。」

 

「いや、俺たちは危険な神器だけをだな…」

 

「それが覚醒する可能性は?もし覚醒したとして、神話勢力とかに歯向かう可能性はどのくらいなの?普通に生活している人間なら覚醒はまずあり得ないし、もし覚醒したとしてもなんの情報も無しに私達に歯向かう事なんてもっとあり得ないわ。更に、生半可な特訓じゃ私達に勝てる可能性なんて天文学的数字よ?なのにわざわざ関わろうとするから私達の情報が漏れて、復讐対象にされるのよ。」

 

「うぐ…!!それを言われるとなぁ……」

 

アザゼルがリアスの言葉に言い負かされ、最後にリアス(原)を見る。

 

「最後に悪魔だけど……これは元いた勢力ながら吐き気がしたわ。自分勝手な理由で殺害等の方法で強制眷属化、その転生悪魔達への血統や貴族主義等による不当な扱い。そしてはぐれ悪魔になった者への釈明も無視の排除。なのに、はぐれを出した上級悪魔への処罰は何も無し……はっきり言って、人間の命を玩具にしてるとしか思えないわ。」

 

そう言ってリアスも、自分が殺してきたはぐれ悪魔の事を思い出す。もしかしたらあの中にも、こちらの責任ではぐれになった者もいたかもしれない。それを上の命令だからと言って排除してきた自分も復讐対象の例外ではない。

 

「だから私は戦うと決めた。人間界に住む人達の愛と平和の為に…ね。」

 

「だけど、貴方も悪魔なら人間に襲われるかもしれないのよ!?その時はどうするのよ!?」

 

リアス(原)の言葉に彼女は仮面の下でフッと笑い…

 

「決まってるじゃない。その時はそれを受け入れるだけよ。」

 

「「「「「「ッ!?」」」」」」

 

その運命を受け入れると言いのけた。

 

「何故そこまで言えるのッ!!」

 

「それだけの業を……私達は既に犯してる。」

 

「だからって「話はここまでよ。」ッ!?」

 

これ以上は平行線と悟ったリアスは新たに大型の缶を取り出す。それにはラビットタンクフォームに似た顔が描かれている。

 

「私は自分が信じた道を歩む……例え、どんな運命が待っていようとも!!」

 

その缶を振ると炭酸音が聞こえ、上部にあるプルタブをカシュッと開けると…

 

『ピロリロリ~ン♪』

 

「あ、当たった。」

 

「「「「「「「「何がッ!?」」」」」」」」

 

予想とは違う音が鳴るが、気にせずそれをボトルを抜いたドライバーにセットする。ただし、今までの雰囲気はぶち壊しだが…

 

『ラビットタンクスパークリング!!』

 

レバーを回していくと、今までのと違いビルドを表すライダーズクレストを模したライドビルダーが展開され、管には気泡が混じった液体が流れ前後でボディを形成する。

 

『Are you Ready?』

 

「ビルドアップ!!」

 

伸ばした左手でリアス(原)を指差してから、右半身を前にしたファイティングポーズをするリアスの声に合わせてボディを装着すると、同時に赤と青の気泡が周囲に飛び散り、そこには白が混じり所々が鋭角化した姿の【ビルド・ラビットタンクスパークリングフォーム】が立っていた。

 

『シュワっと弾ける!!ラビットタンクスパークリング!!イェイ!!イェーイ!!』

 

「「イェイ!!イェーイ!!」」

 

「千歌ちゃんに鞠莉さん、復唱しなくていいから…」

 

ノリノリになって最後の部分を復唱する二人に、梨子は呆れながらツッコむ。

 

だが、今のリアスからかなりの力を感じたのか、リアス(原)は震えていた。

 

「さあ、私の実験に付き合ってちょうだい。」

 

そう言って左足に力を入れ、エネルギーと気泡が充分に貯まったところで気泡が弾けるのと同時に、リアス(原)へと飛び掛かった。




いかがでしたか?

遅くなりましたが、最新話です。

原作でも一誠の処罰なしっておかしいですからね。この可能性も否定できないと思ってます。

次回【心の中のSword】

「多種多様な魔剣よりも、この1本があれば僕はそれでいい」

では、次回でお会いしましょう

曜と果南、花丸も変身して戦う

  • 賛成
  • 反対
  • 我が魔王…存分に書かれよ
  • 止めて!!変身なんかしないで!!

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