ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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花「マルの神器によると、喧嘩好きな高校生【兵藤一誠】…彼には喧嘩の王にして人類最強の戦士【ドラゴネス】となる未来が待って…ルビィちゃん、なんでマルの背中に隠れるの?」

ル「うぅ……あれ見て…!!」

花「あれ?」

一「フシュー…!!フシュー…!!」

花「ズラァッ!?番長先輩の我慢メーターが崩壊寸前に!?」

ル「ど、どうしよ!?花丸ちゃん!!」

花「こうなったら、その怒りをさっさと向こうの番長先輩にぶつけてもらうしかないズラ!!という事で、本編どうぞ♪」

朱・小・ゼ「「「ねぇ、私達の出番は?」」」

花「作者の都合上、カットだって」

朱・小・ゼ「「「ウゾダドンドコドーン!?」」」


放て!!怒りのFist!!

「稼働試験は問題なし、後は後回しにしていた機能も追加していかないとな…」

 

戦闘後、向こうのルシファーが治療中の間、高ぶった気持ちが落ち着いたヴァーリは、持ってきていた機材にタドルパラディンを挿し込み、更なる調整と機能追加を行っていた。

 

「え?まだ何かあったの…?」

 

「当然だ。1度壊された物をそのまま復元など、俺の才能が許さない!!最初は…未来予測機能にするか」

 

「チート製造機がここにいる…」

 

「ふ、褒めるな…」

 

「自重しろって言ってんのよ!?」

 

自重を知らないヴァーリに、これ以上は無駄と思った眷属達はため息を吐くしかなかった。

 

「そんな事より、次はある意味メインイベントだぞ?」

 

「そ、そうだね…」(チラッ)

 

ヴァーリの言葉に梨子が横目である場所を見る。そこには……

 

「ガルルルルル…!!!!」

 

「どうどう…もうちょっとだけ我慢してね?」

 

曜に宥められているが、怒りと殺意の混ざったオーラを垂れ流し、口から煙みたいなのを吐いて目をギラつかせている一誠がいた。

 

どうやら、向こうの自分のエロ発言や前の襲撃に参戦出来なかったストレスが溜まりに溜まっているようだ。

 

「あれ、一誠じゃなかったらとっくにバグスター生まれてるぞ?」

 

「ですが、そのバグスターすらもご自身で片付けそうですわね、あの人…」

 

そんな一誠を見て呟くパラドとダイヤ。実際、それが出来そうだから恐い…

 

「おい、この世界のグレモリー!!こっちはこれ以上抑えきれないから、次は一誠同士のバトルにするぞ!?」

 

「は、はいッ!?解りました!!」

 

突然呼ばれ、ハッとした様子で答えたグレモリー。それも仕方ないのだ。今まで自身の眷属である兵藤とバトルし、お互いが互角レベルだったのに対し、こちら側はほぼノーダメージで終わっているのだ。その力量差に、放心してしまっても無理はない。

 

「安心してください部長ッ!!俺は必ず勝ちますから!!」

 

「そうね……よし、イッセーが向こうの貴方を倒したらご褒美に、何でも言うことを聞いて上げるわ」

 

「マジですかッ!?何でもッ!?」

 

「ええ。だから、頑張ってらっしゃい」

 

「ヨッシャアッ!!ゼッテー勝って、部長の処女を手にいれてみせる!!!!」

 

「………………………………コロス…!!」

 

リアスとの約束に【ヤる気】を漲らせる兵藤。しかし、それは一誠の【殺る気】の炎に油を注ぐ……いや、核爆発させる行為に他ならない。

 

『『『『『『サイテー…』』』』』』

 

「向こうの私…どれだけ貞操観念低いのよ…」

 

もちろん、千歌達もそんな兵藤を冷めた視線を送り、こちら側のリアスはそんな向こうの自分に嘆き、眷属達が優しく肩を叩いた。

 

「イッセー……遠慮しないで、思いっきり殺りなさい」(クイッ)

 

「オウヨ…!!」

 

それにキレた果南が、右手の親指だけを伸ばしたまま首の前を横切る様な仕草をすると、一誠は頷く。

 

そして二人はフィールドの真ん中で向かい合い、兵藤は赤龍帝の籠手を出し、一誠はゲーマドライバーを装着する。

 

「よしッ!!お前をブッ倒して、俺は脱童貞するぞォォォォォォォォ!!」

 

『Welsh dragon balance breaker!!』

 

「…………テメェはもう……口を開くな…!!」

 

『デュアルガシャット!!』

 

「マックス大変身…」

 

『ガッチャーン!!デュアルアップ!!赤き帝王・強化!!白き皇帝・弱化!!赤と白の真価!!セイヴァー・サバイバール!!』

 

「ウオリャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

互いに戦闘形態になると同時に飛び出したのは、赤龍帝の方だ。まっすぐに突っ込み、振りかぶった左拳をドラゴネスに叩き込む。

 

「どうだッ!!」

 

「……………………こんだけか?」

 

が、ドラゴネスはそれを右手で受け止め、微動だにせず立っている。

 

「ッ!?まだまだァ!!」

 

それに一瞬驚くも、すぐさまラッシュを始める。赤龍帝からパンチとキックが無数に放たれる中、ドラゴネスはそれらに視線を向けず的確に捌いていく。

 

「だったらァ!!」

 

『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

それに業を煮やした赤龍帝は力を一気に倍加して殴りかかる…

 

「……ねぇ…」

 

『Boost!!Boost!!Boost!!』

 

―ガシィッ!!―

 

が、ドラゴネスもすぐさま倍加し、横から手首を掴む事で正面で受け止めるよりダメージを減らしつつ拳を止めた。

 

「なッ!?この…!!離せッ!!」

 

「…足りねぇな…!!」

 

「うおッ!?」

 

拘束から逃れようとと必死の赤龍帝だが、全力で握るドラゴネスから逃れる事はできない。そのまま力任せに赤龍帝を引き寄せると…

 

「全然足りねぇッ!!!!」

 

赤龍帝の顔に頭突きを喰らわせた。

 

「ブハッ!?」

 

倍加と鎧のお陰か、ダメージはあまりなかったみたいだが、体が大きく仰け反ってしまい隙ができる。それを逃すドラゴネスではない。

 

「粉砕!!」

 

「ウグッ!?」

 

赤龍帝の腹に膝蹴りをめり込ませ、くの字になった所を後頭部を掴み…

 

「殲滅!!」

 

「ブッ!!」

 

そのまま地面に顔から叩きつけ…

 

「完破ァッ!!」

 

「グワァッ!?」

 

全力で脇腹を蹴り飛ばした。その威力に蹴られた部分の鎧が砕け、破片をばら蒔きながら10m程転がっていく。

 

「誰が俺を満たしてくれんだよォッ!!!!」

 

最後にそう雄叫びを上げる。まるで今まで溜め込んでた感情を爆発させる様に…

 

「ぐ…!!何だ…メッチャ強ぇ…!!」

 

「なんだァ?テメェの強さはその程度か?」

 

「何をォッ!!」

 

ドラゴネスの言葉に、赤龍帝は再び突撃していく。

 

「来いよ、喧嘩のやり方を教えてやる!!」

 

「ゼリャアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

加速の勢いそのままに殴りかかってくる赤龍帝。だが、ドラゴネスはそれを後ろに受け流し、すれ違い様にボディに拳を捩じ込む。

 

「ガハァッ!?」

 

鎧を砕かれながら吹き飛んでいく赤龍帝に、ドラゴネスは背中の光翼を広げ追い掛ける。そして追いつくと足を掴み、吹き飛ぶ勢いを殺さぬようにして頭上へと振り上げると……全力で地面へと叩きつけた。

 

「ゴハッ!?」

 

「まだまだ行くぜェ!!」

 

それから前後に何度も振り回して地面にぶつけていき、最後に正面に叩きつけた後で手を離し、浮き上がっている間に籠手を盾モードに切り替え、Bボタンを数度叩いてベルトのレバーを閉じる。

 

『ガ・キーン!! Divide!!Divide!!Divide!!Divide!!Divide!!Divide!!』

 

『ガッチョーン、ウラワザ!!』

 

「グラファイト直伝…!!」

 

そして右手を手刀にして構え、落ちてきた赤龍帝が目の前にきた瞬間、レバーを開きながら右手をバツ字に振るって斬撃を放つ。

 

『ガッチャーン!! SAVIOR SURVIVAL!! CRITICAL DESTROY!!』

 

「激怒竜牙ッ!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?」

 

赤龍帝はギリギリ腕をクロスして防ぐが、半減の効果で力を弱められ、受け止めきれずに張られた結界の端まで転がっていった。

 

「いっつつ…!!どういう事だよ…ドライグだけじゃなくてアルビオンの力を簡単に使えるなんて…!!」

 

「敵に教えるバカはいねぇよ」

 

起き上がろうとする赤龍帝の顔をドラゴネスは鷲掴み、強引に立ち上がらせる。

 

「よくもまあ…俺と同じ顔で変態発言を繰り返してくれたな…………その煩悩まみれの頭、握り砕いてやるよ…!!」

 

「アダダダダダダダダダッ!?……この…!!」

 

『Charge!! Star Sonic!!』

 

指が鎧を貫き、頭蓋を砕こうとする痛みにもがきながらも、赤龍帝は自身が持つ能力を発動させて鎧の一部を勢いよくパージする。

 

「うおッ!?」

 

突然の事にドラゴネスは避けることができずに喰らい、赤龍帝から手を離してしまう。その隙に赤龍帝は先程よりも圧倒的に速いスピードでドラゴネスから距離を取った。

 

「チッ…猪口才な真似を…!!」

 

「へッ!!この【龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)】に追いつけるかよ!!」

 

そこから赤龍帝は高速移動しながら攻め立て始める。スレ違い様に一撃を入れつつ、すぐに離脱するヒット&アウェイを繰り返す…

 

「…………おい…ナメてんのか?」

 

が、ドラゴネスには通じない……いや、先程よりも攻撃力が落ちているのか、最初に拳を受け止めた時よりも痛みを感じなかった。

 

だからこそ、彼は頭にキた。これで勝てると思っている相手に…

 

「その程度で…………勝てると思ってんじゃねぇぞッ!!!!」

 

―ガシィ!!―

 

「なッ!?」

 

背後からきた一撃…ドラゴネスはそれを振り向かずに掴み取った。

 

「そんなッ!?俺の速さについて…!!」

 

「その速さは…もう見切ってんだよッ!!」

 

ドラゴネスが思い出すのは以前、彼らの世界にやって来たウルトラマンの力を持つ兵藤一誠の事で、彼も高速移動形態を持っていた。その時は目の前の赤龍帝を上回る速度を出していたのを見切ったドラゴネスにとって、それより少し遅い動きを見切るのは造作もなかったのだ。

 

「オラァ!!」

 

「ごふッ!?」

 

赤龍帝の脇腹に肘打ちを喰らわせ、前のめりになったところに顎へと膝蹴りを叩き込んで仰け反ったら顔を掴み、再び後頭部から地面に叩きつけるのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠(ゲーム)side

 

(ああ……なんか知らんが腹が立つ!!)

 

俺はさっきまでエロ発言ばかりしていた、もう1人の自分に腹が立っていたが、今はそんな事は関係ない…何か別の感情に突き動かされるままに暴れていた。

 

ソウダ……アバレロ…

 

(うるせぇ…!!)

 

それに、訳の分からない声が頭に響いて、俺の怒りを更に掻き立てる…!!

 

コワセ…ツブセ…ホロボセ…

 

(うるせぇっつってんだよッ!!!!)

 

イカリニ……ミヲ……ユダネロ……

 

(黙りやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!)

 

そんな声を遮るように、俺は心の中で絶叫した。そうでもしないと、何もかもを壊しそうだったから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パラドside

 

―ゾクッ!!―

 

「ッ!?今のは…?」

 

2人の一誠の試合を見ていた時、突然俺の心が震えた。

 

(これは…恐怖の感情?でも、今の俺に恐怖する事なんて……まさかイッセーが?)

 

「どうしたんですの、パラドさん?」

 

「ん?いや、別に…」

 

どうやら表情に出ていたらしく、隣にいたダイヤに心配そうな声で尋ねられたが、俺はそれをはぐらかす事にした。

 

(けど、なんだ……この嫌な予感は…)

 

でも、俺の心には言い知れない不安が残る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の一誠の勝負はこのまま決着がつくかに見えたが…

 

「【龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク)】ウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

『Charge!! Solid Impact!!』

 

赤龍帝が鎧をより堅牢な物に変える事で、ドラゴネスの手を弾き強化された剛腕で殴り飛ばした。

 

「うおッ!?…パワーが上がりやがった!?」

 

「お前がパワーなら、こっちもパワーだッ!!」

 

起き上がり、再びドラゴネスへと殴りかかる赤龍帝。だが、それはドラゴネスも同じである。

 

「だったら、とことんやりあってやるよ!!」

 

互いに突き出した拳をぶつけ、その衝撃に足が地面にめり込むがそのまま何度も拳をぶつけていく。

 

「そうだッ!!もっと来いよッ!!」

 

「オリャアアァァァァァァァァッ!!!!」

 

『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

「ぐわッ!?」

 

一気に最大まで倍加して放たれた拳を受け止めるドラゴネスだったが、その威力の高さに踏ん張る事が出来ずに吹き飛んでいく。赤龍帝はそれが最大のチャンスと思い、姿をまた変える。

 

「【龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)】!!!!」

 

『Charge!! Fang Blaster!!』

 

そして両肩にある巨大な砲身をドラゴネスへと向け、魔力を一気に充填していく。

 

「喰らいやがれ!!ドラゴン・ブラスタァァァァァァァッ!!!!!!」

 

そこから撃ち出されるのは赤い魔力の奔流。それは一直線にドラゴネスへと突き進み、その身を飲み込んで大爆発を起こす。

 

「よしッ!!これで決ま…………はあッ!?」

 

それを見て勝ちを確信する赤龍帝……だが、煙が晴れるとそこにはドラゴネスがまだ立っていた。

 

「ああ~……今のはかなり効いたぜ…だが、お陰でようやく静かになりやがった…」

 

「マジかよ…」

 

最大威力での砲撃、それを受けてまだ立っていられる事に驚愕する赤龍帝。だが、ドラゴネスも無傷という訳でもなく、かなりのダメージが通り思うように体が動かしにくくなっていた。

 

「これでもダメなら……いくぜ、ドライグ!!」

 

『ああ、向こうの相棒に俺達の力を見せてやれ!!』

 

それを見て、赤龍帝は完全に決着をつけるために切り札を発動させる。

 

「我、目覚めるは王の真理を天に掲げし、赤龍帝なり!!

無限の希望と不滅の夢を抱いて、王道を往く!!我、紅き龍の帝王と成りて、汝を真紅に光り輝く天道へ導こう!!」

 

『Cardinal crimson Full drive!!』

 

詠唱を唱え、籠手から音声がなるとその鎧の姿が更に変わり、真紅のエナジーウィングに鎧の一部に金のラインが入ったシンプルながらも、とてつもない力を感じさせる真紅の姿へと…

 

「なるほど…それがテメェの本気か?」

 

「ああッ!!【真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)】…これが俺の全力だッ!!」

 

その形態を見て、ドラゴネスも仮面の下で笑う。

 

「それでいい…!!灼熱!!発光!!照射!!まだまだ燃えたりねぇッ!!!!そうだろ、パラドォッ!?」

 

「ああ…心が踊るなぁ!!」

 

「はあッ!?2人がかりは卑怯だろッ!?」

 

「安心しろ…戦うのは俺だけだ」

 

そう言ってドラゴネスは変身を解除すると拳をぶつけ合わせて、パラドが一誠の中に入る。

 

「1つになったッ!?」

 

そしてコラボドライバーを装着すると、2つのガシャットギアデュアルを装填する。

 

『デュアルガシャット!!セイヴァー・サバイバル!!パーフェクト・ノックアウト!!コラボレーション!!』

 

「ネクサス大変身ッ!!」

 

『パッカーン!!キーセーキー!!煌めけ!!太陽も照らす!!金色のDragon fighter!!ネクサスキセキ!!ドラゴォーネス!!』

 

最強フォームのキセキゲーマーに変わり、拳を構える。

 

「お前も全力じゃなかったのかよッ!?」

 

「たりめぇだろ?さあ、ファイナルラウンドといこうぜッ!!」

 

そう言って突撃してくるドラゴネスに赤龍帝も突っ込み、加速の勢いを乗せた拳をぶつけ合わせる。それにより、先程よりも強い衝撃波が起きて結界を大きく揺さぶる。そこからは単なる殴り合いだ。1発当てたら当て返すを繰り返し、硬い地面が砂状になるほど踏ん張る足と衝撃波で砕かれていく。

 

「うおッ!?」

 

「ブッ飛べッ!!」

 

『あ、バカ…!!』

 

そしてキセキゲーマーの力に押し負けた赤龍帝は、後方に吹き飛んでいき結界を突き抜けて、曜達がいる場所に突っ込んでしまった。

 

「へ?キャアアァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

「あ、やべ…」

 

『俺は知~らないっと…』

 

「テメ…!!ずりぃぞッ!?」

 

パラドと押し問答しながらも吹き飛ばした方へ走り、状況を確認するドラゴネス。

 

「大丈夫か?」

 

「うん、肩を少しかすっただけだよ」

 

どうやら曜の肩に多少接触があったものの、大きな怪我はなく、他の人達も無事だった。

 

「イッセー!!もう少し考えて吹っ飛ばしてよッ!!」

 

「悪かったって…!!おい、お前も大丈夫か?」

 

果南の文句を受け流しつつ、吹き飛ばした赤龍帝に声をかけると…

 

「グフフフフ…!!こんな偶然、利用しない手はない!!」

 

どうやら大丈夫のようだが、何故か怪しく笑い勢いよく立ち上がった。

 

「あ?」

 

「折角、異世界から来た美少女達がいるんだから……一人くらい拝ませてもらうぜ!!」

 

「お前、何言って…」

 

赤龍帝の言葉に不思議に思っていると…

 

「弾けろ、俺の欲望!!洋服破壊(ドレス・ブレイク)ッ!!!!」

 

「はい、不可視の結界♪」

 

「ってオイィィィィィィィィィィィィィィィッ!?」

 

そう叫び指を鳴らす赤龍帝。だが、それと同時に善子が曜を不可視の結界で覆う。それで彼女の姿が完全に見えなくなるとほぼ同時に…

 

「ッ!?イヤアァァァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

曜の叫びが響き渡った。

 

「ッ!?どうした!?曜!!」

 

「み、見ないでッ!?イッセー君、コッチ見ちゃダメェッ!!」

 

「いや、結界で何も見えねぇけど…」

 

「そこの赤龍帝に、裸にされたのよ」

 

「あ?」

 

何が起きてるのかさっぱりなドラゴネスに、善子がその内容を告げる。

 

「さっき曜さんの肩に魔法陣が浮かぶのが見えて、それが衣服限定の破壊魔法だったの。解除しようにも間に合いそうになかったから、こうやって見えなくしたって訳」

 

「…………………………ほう?」

 

その内容に、完全にブチギレて赤龍帝を睨み付けるドラゴネス。その肝心の赤龍帝はというと…

 

「チクショウ…!!折角、異世界美少女のおっぱいを拝めると思ったのに…!!」

 

orzりながら、ブツブツと文句を言っていた。

 

「番長先輩…あれ、完全にギルティよ?」

 

「…………………ちょっと、絶滅させてくる…」

 

『キメワザ!!オウギ!!』

 

必殺技を発動準備させながら、ゆっくりと赤龍帝へと歩いていくドラゴネス。こちら側の女性陣は善子が即興で作った対洋服破壊(アンチ ドレス・ブレイク)の術式をかけてもらいながら、ドラゴネスへと声援を送る。

 

「そうだッ!!次からは触れた瞬間に発動出来るようにすれ「次なんてねぇ…」…へ?」

 

そして反省どころか、更に技を改悪しようとする赤龍帝に、ドラゴネスは彼の言葉に被せるようにしてそう告げ、右手を強く握る。

 

「お前はこれで終わりだ…」『マッスル化!!マッスル化!!マッスル化!!』

 

『ついでにいつものパンチコラボも付けとくぜ?』

 

「ヒィッ!?」

 

ドラゴネスのあまりにドスの効いた声に、脅えて動きを止める赤龍帝。

 

「……とっとと敗者に相応しいエンディングを迎えろ…!!」

 

『NEXUS!! CRITICAL ULTIMATE!!』

 

「オラァッ!!」

 

「さどぶッ!?」

 

そしてエナジーアイテムとアビリティセレクトで強化してから発動させた必殺技で頭を全力で殴ると、赤龍帝の体は地面に足首を残してそれ以外が埋まってしまった。

 

「えーと………………勝者、異世界の兵藤一誠だ!!」

 

「フン…!!」

 

赤龍帝を一瞥した後、勝利の喜びもなく変身を解き曜がいると思われる結界の場所に、自身が着ていたジャケットを脱ぐと、善子に手渡した。

 

「これを曜に渡してくれ」

 

「はいはーい♪」

 

受け取った善子は転移魔法で、それを結界内の曜の所に送る。

 

「あ…これってイッセー君の…?」

 

「今はそれを羽織ってろ。風邪引かねぇ為にもな」

 

「うん!!………あ、イッセー君の匂いがする♪…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、リアスが結界内へと入り魔力で下着や服(純白のワンピース)を作ってもらい、その上に一誠から借りたジャケットを羽織った曜が出てきて、模擬戦の続き(朱乃と小猫、ゼノヴィア同士)も行われ、戦績はゲーム側の勝利に終わった

 

「「「本当にカットされた…」」」

 

「だから、前書きで言ったズラ」

 

しかしながら、模擬戦に勝った三人は何故か落ち込んでいた。どうしてだろう…?

 

「「「お前(作者)のせいだよッ!!」」」

 

「ぴぎぃッ!?だ、誰にツッコンでるんですか…?」

 

突然叫ぶ3人に怯えるルビィ。そんな彼女に慌ててフォローしている3人とは別の場所では…

 

「イッセー君、本当に見てないんだよね?」

 

「だからそう言ってんだろ。何度もしつけぇぞ…」

 

「本当かなぁ…?」

 

「つーか、服出来たんならジャケット返せ」

 

「え~?これ着心地良いし洗って返すから、今日1日貸して?」

 

「……………………好きにしろ…」

 

「やった♪」(だったらもう少し、一誠君の匂いを堪能しよっと♪)

 

曜と一誠がそんな少し甘いやり取りをしていた。

 

「さて、特訓の方はもういいだろうし、そろそろ帰るとするか」

 

「そうね。アレになにされるか解らないし…」

 

帰り支度をしているヴァーリの言葉に美歌が視線を向ける先には、一誠に殴られて地中に埋まったままの赤龍帝がいた。彼はお仕置きということで、ヴァーリ達が帰るまでそのままで放置という事になったのだ。

 

彼を見ると、一誠はいまだ収まらない怒りを晴らす為に声をかける。

 

「まったく…テメェが底無しのバカか?アア?」

 

「……………………………………………………」

 

「何とか言えや、ゴラァッ!!」

 

しかし、気絶しているのだから返事できる訳もないが、それを無視したと勘違いした一誠によって残ってた足を踏まれ、完全に地中に埋まってしまった。

 

「よくやった、一誠!!」

 

それを見てサムズアップを送る果南。

 

「えっと……この度はウチのイッセーがすみませんでした…」

 

「自分の眷属なら、良いことと悪いことの区別くらい出来るようにさせなさい。そんなんじゃ、私みたいになるわよ?」

 

「はい…肝に命じておきます…」

 

リアスはもう1人の自分にお説教していて、アザゼルはそれを見て笑っていた。ちなみにこの世界のヴァーリたちは回復後、すぐに帰っていった。どうやら、強くなるために更なる特訓をするらしい。

 

「おーい、準備できたから集まれ!!」

 

ヴァーリがゲートを出し終えると、女性陣はすぐさまその前に集まった。それを見送るのはアザゼルだ。

 

「それじゃ、俺達はこれで帰りますので」

 

「おう、助かったよ…あいつらの鼻っ柱をへし折ってくれて」

 

「そっちの狙いが何かは興味ないが…?」

 

「だったらいいさ、気をつけろよ?そっちの時期を考えると、もうじき大きな戦いが起こる筈だ」

 

「忠告感謝する」

 

(そういえば、夏休み明けはディオドラ(聖女ストーカー)の話だったな…あれは遠慮なく潰そう…)

 

アザゼルの言葉にヴァーリはこの後の展開を思い出す。そして、その相手に容赦はしない事も……

 

「それじゃあな」

 

「ああ、暇があったら遊びに来い」

 

「それは、あの赤龍帝次第だな」

 

そう言ってヴァーリ達はゲートを潜って元の世界へと帰還した。

 

「さて、あの力を見て俺の研究者魂に火がついたがまずは……」

 

「部長~…助けてくださ~い…!!」

 

「……地面に埋まってるアイツの発掘からだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、元の世界のクロノス達はというと……

 

「セイリュウよ、首尾はどうだ?」

 

「ハッ、既に必要な13のデータの回収は終わっております」

 

どこかの廃墟の一室、その中でクロノスの前にセイリュウグラファイトがいて、なにやら報告を行っていた。

 

「よろしい、では私は開発作業を「それと、追加のご報告が」なんだね?」

 

成果を聞いて作業に取り掛かろうとするクロノスに、セイリュウは待ったをかけて、小さな小瓶を取り出してつくえの上に置く。そこには赤い粘性の液体らしき物が入っていた。

 

「これは?」

 

「…………()()()()()()()()()()()()()…その一部です」

 

「ほう…?」

 

そう言われ、その瓶を手に取るクロノス。その仮面の下では狂気に歪んだ笑みを浮かべていた。

 

「よくやった…君には後程、追加報酬を与えよう」

 

「ありがたき幸せ…!!」

 

そう言ってセイリュウは部屋を後にする。その場に残ったクロノスは変身を解き、それをパソコンの画面の明かりに照らしながら見つめる。

 

(これを投与するのはゲノムスにコカビエル、それに私と彼にするか…ククク、今度はこちらの道具になってもらうぞ……なあ、()()()()?)

 

そんなクロノスを部屋の入口から見ている者がいた。

 

(今は無理か…………待ってて、必ず【()()()()()】が助けてあげるから…!!)

 

そう決意を新たにした彼女…………風魔はその場を離れた。




いかがでしたか?

スランプの終わりが見えない……でも、投稿は続けますよ。

次回からはディオドラ編……ではなく、海神アグル様との2度目のコラボになります!!

また更新が遅くなるかもしれませんが、良ければ次回でお会いしましょう。

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