ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

87 / 116
小「今回は私、塔城小猫と…」

ル「る…ルビィがお送りします……」

小「あの……そんなに怯えなくても、何もしませんよ?」

ル「ち、違うのッ!?ただ、ルビィは人見知りだから……」

小「ああ、ギャー君と同じなんですね」

ル「ギャー君って……ギャスパー君の事?」

小「はい…………そんな2人が1つの部屋に一緒にいたら、どうなるんでしょう?」

ル「え?……ど、どうなるんだろう…?」

小「という訳で、呼んでおきました」

ギャ「小猫ちゃん、ボ、ボクに何の用ですか…?」

小「じゃ、私はこれで…」(転移で消える)

2人「「ええッ!?ちょっと待って~!!」」

ル「………………」

ギャ「……………」

2人(どうしよう……話しかけ方がわからない!!)



その後、無言の時間はダイヤが呼びに来るまでの二時間にも及んだ……


Secondコラボ SEVEN

前回の模擬戦後、ヴァーリがフォートレスゲーマの修理兼改修を始めてしまったので、次は千歌ーズと梨子(D)とのエグゼイド対決になった。

 

「それじゃやろっか、美歌♪」

 

『ええ、さっきの屈辱を倍にして返してあげるわ!!』

 

「それ、私じゃないんだけど…」

 

美歌に理不尽に怒りを向けられて嘆く梨子(D)。けれど、気持ちを切り替え、腰にゲーマドライバーを装着する。

 

そして千歌は【マイティシスターズMX】を、梨子(D)は【マイティブラザーズXX】を取り出して起動する。

 

『『マイティシスターズ!!ミラクルエーックス!!』』

 

マイティブラザーズ!!ダブルエーックス!!

 

『『『ダブルガシャット!!』』』

 

それをドライバーに装填すると、お互いにポーズを決めレバーを開いた。

 

「ミ~ラ~ク~ル~大…」

 

「だ~い…」

 

「「変身ッ!!」」

 

『『『ガッチャーン!!ダブルアーップ!!』』』

 

『私が貴女で!!』『アナタがワタシで!!(we`re!!)』『マイティマイティシスターズ!!(Hey!!)ミラクルエーックス!!』

 

『俺がお前で!!』『オマエがオレで!!(we`re!!)』『マイティマイティブラザーズ!!(Hey!!)ダブルエーックス!!』

 

そして千歌ーズは【仮面ライダーエグゼイド・ダブルアクションゲーマーレベル(エックス)】に、梨子(D)は【仮面ライダーエグゼイド・ダブルアクションゲーマーレベルXX(トゥエンティ)】になる。

 

「美歌、調子はどう?」

 

「ええ、さっきの勝負の疲れはもう無いわ」

 

「こっちも準備は万端だよ」

 

「ええ……さぁ!!その身を破壊して、心を蹂躙して、アナタの全てを殲滅してあげるわぁ~♪」

 

「「「「「「「…………はい?」」」」」」」

 

そこに唐突に叫ばれたもう1人の梨子(D)の言葉に、この世界のメンバー全員が呆気にとられた。

 

「えっと…?」

 

「ごめんなさい!!ごめんなさい!!もう1人の私は、破壊衝動マシマシな性格で…!!」

 

「いや、どう見てもヤバすぎでしょ……」

 

そんなもう1人の梨子(D)《以降梨子ワースト(Dワ)と呼称》に、美歌は軽く引いていた…

 

『試合開始です』

 

「さあ…殺し合いましょう!!」

 

「殺らせるかってのよ!!」

 

開始の合図と同時に飛び出す梨子(Dワ)。それに対処する為に美歌も飛び出した。

 

『『ガシャコンキースラッシャー!!』』

 

互いが自身の間合いに入ると、すぐにキースラッシャーを取り出し斬り結ぶ。一歩も譲らぬその戦いに、梨子(D)が飛び込んでいこうとするが、それを千歌がマグナムの銃撃で妨げる。

 

「ととっ……そういえば、他の武器も使えるんだったね?」

 

「うん。だから、こっちも始めよう!!」

 

そして残った梨子(D)と千歌も、戦闘を始めた。

 

 

 

 

美歌side

 

「アハハハハハハハハッ!!楽しいわねぇ~、殺し合いっていうのは♪」

 

「んな訳無いでしょ!!」

 

この梨子(Dワ)、本当に厄介だわ……少しでも隙を見せれば、致命傷になりそうな攻撃を狙ってくる…!!だからと言って、こっちも簡単にやられるつもりはない。

 

「……それッ!!」『透明化!!』

 

斬り合いを演じながらも、自分に有利なアイテムがある場所まで移動し、透明化の能力で姿を消して梨子(Dワ)の背後に回り込む。

 

「あら~?何処に行ったのかしら?」

 

(このまま背後から攻め込めば…!!)

 

向こうが気づく前にキースラッシャーを振り上げ、その右肩を斬りつけた……

 

「見ぃ~つけた♪」

 

「ッ!?」

 

その瞬間、その言葉と同時に肩に当たっていた刀身をがっしりと掴まれ、顔をこちらへと振り向けてきた。

 

まさかコイツ…場所を知るためにわざと喰らった!?

 

「こうすれば、何処にいるか丸分かりね♪」

 

「うあッ!?」

 

武器を掴まれているのと、その行動での驚きで動きが止まったワタシの体をキースラッシャーで切り裂き、ワタシの持っていたキースラッシャーまで奪っていった。

 

「さあ……貴女はどんな悲鳴を聞かせてくれるのかしら♪」

 

よろめきから丁度立ち直ったところに、梨子(Dワ)はキースラッシャーの二刀流で容赦なくワタシを攻めたてる。その猛攻に、武器を呼び出す暇もなく、両腕をバツ字にして防ぐのが精一杯だった。

 

「この…………嘗めんなァッ!!」『ガシャコンブレイカー!!』

 

「あら?」

 

それに耐えかねたワタシは力任せにそれを弾き、出来た隙に取り出したガシャコンブレイカーを叩きつけ、その反動を使って距離を離した。

 

「く…!!」

 

「アッハハハハハハハハハハハハ!!そうよ!!もっと抵抗しなさい!!その方が楽しみがいがあるわァ…♪」

 

「狂人が…!!」

 

攻撃によろめくが、それでも梨子(Dワ)は楽しそうに笑う。

 

ワタシも性格的にSだと思ってるけど、さすがにここまで行き着くつもりはない。

 

「千歌の方は…?」

 

視界の端で、千歌の様子を伺ってみると…

 

「テヤアァァァァァァァァァッ!!」

 

「ハアァァァァァァァァァァッ!!」

 

千歌はガシャコンソード、梨子(D)はガシャコンブレイカーで斬り合っているが、若干千歌が押されぎみだった。

 

(反応速度の高い千歌の攻撃を、あれだけ捌けるなんて……確かに千歌は単細胞だけど、あの反応速度からの一撃に対応出来るとなると、相当場慣れしてるわね…)

 

「どこ見てるのかしらァ~♪」

 

「ッ!!チィ…!!」『ガシャコンカリバー!!』

 

千歌の方に気を取られ過ぎたのか、梨子(Dワ)が両手のキースラッシャーを振り下ろしてきたのをブレイカーと新たに呼び出したカリバーで受け止めるけど、その力に押し負けていく。

 

「隙を見せたらダメじゃないの………バラバラにしたくなっちゃうからァァァァァッ!!」

 

「くぅ…!?こっちはレベルXだってのに…!!」

 

コイツ力強すぎないッ!?何なのよホントッ!!

 

このままだと押しきられると判断したワタシは、後ろに跳躍する事でその力を利用しながら距離を離す。それと同時に千歌もワタシの隣に来た。

 

「レベル差が全く意味を成してないわね…」

 

「このままじゃジリ貧だし……ムテキになっちゃおうか?」

 

「それが得策かしらね…早々にケリを着けましょう」

 

「OK!!」『マキシマムマイティエーックス!!』『ハイパームテキ!!』

 

「それなら、こっちも!!」『マキシマムマイティエーックス!!』『ハイパームテキ!!』

 

千歌がガシャットを起動すると、梨子(D)も同じガシャットを起動させ、ワタシと梨子(Dワ)は一度その場から消える。

 

『『マキシマムガシャット!!ガッチャーン!!レベルマァァァックス!!』』

 

「「ハイパー大変身!!」」

 

『『ドッキィーング!!パッカーン!!ムーテーキー!!輝け!!流星の如く!!黄金の最強GAMER!!ハイパームテキ!!エグゼェーイド!!』』

 

「よーし!!ノーコン(はい、ちょっと失礼♪)って美歌!?ちょま…ブギュル!?」

 

そしてムテキゲーマーに変身が終わると同時に、千歌を強引に押し退けて体の主導権を手に入れた。

 

このままやられっぱなしってのは性に合わないのよ!!

 

「さぁーて…汚名返上といきましょうか!!」

 

『ガシャコンガントレット!!』

 

籠手を装着し、撹乱するために細かく粒子移動しながら梨子(D)に殴りかかる…

 

「ゼラァッ!!」

 

「フッ!!…ハアッ!!」

 

「うぐッ!?」

 

けど、それはアッサリ後ろへと捌かれ、更に背中を蹴られて前に倒れた。

 

(この背中の痛み……もしかして、ムテキ同士だと攻撃無効にはならないの!?)

 

ここで弱点が発覚したことに焦るけど、そうそうこんなガシャットがあってたまるもんかって事で落ち着きを取り戻した。でも、すぐにまた慌てる事になった。

 

『分身!!』

 

「アハァ~♪酷いじゃないの梨子~?ワタシが楽しんでたのに~…」

 

「ごめんね?向こうがムテキゲーマーになったら、これしか手段がないから…」

 

「まあいいわ、こうしてムテキゲーマーで出てこれたんだものォ~♪」

 

まさか、さっきの梨子(Dワ)にこんな最悪な再会までしちゃったんだから…

 

ていうか、ムテキ2人とかなんて無理ゲー?

 

「ああ、それとこれ……あげるわ」

 

「ありがとう♪」

 

そう言って梨子(Dワ)は、ワタシのキースラッシャーを梨子(D)に渡した……って!!それワタシ達のよ!!何勝手にあげてんのッ!!

 

それを使い、梨子(D)がワタシに銃撃してくるので必死に回避する。

 

(く…!!どうする?この場をどうやって切り抜け…)

 

「隙ありよォ~!!」

 

「しま…!!ガハァッ!!」

 

その間に打開策を考えていたら、梨子(Dワ)が近くにきているのを見逃し、斬撃をまともに喰らってしまった。

 

「そこねッ!!」

 

「ぐぅ…!!」

 

それで体勢を崩され、そこを梨子(D)に追撃されて立て直す事もできなくなる…

 

「まずは1回よ♪」

 

『キメワザ!! HYPER!! CRITICAL SPARKING!!』

 

HYPER!!

CRITICAL SPARKING!!

 

そして梨子(Dワ)が必殺技を発動して、エネルギーを集束したパンチをワタシの鳩尾に抉り込ませた。

 

「ゴハァッ!?」

 

更に多段ヒット機能で、約10回の攻撃を喰らわされ、その場に跪いた…

 

これは完璧に計算外だったわ…まさかムテキゲーマーを2体も相手取る事になるなんて……

 

「ちょっと!!何でトドメを刺さなかったの!」

 

「だって簡単に終わらせたらつまらないじゃない。殺るんなら、もっともっといたぶってからじゃないと♪」

 

「そんな余裕が負けを呼び込むの!!」

 

だけど、梨子(D)の言うとおり、変身解除だけは免れていた。どうやら梨子(Dワ)は、ワタシをもう少しいたぶるつもりだったみたいだけど、梨子(D)はそれを許さず、トドメを刺そうとキースラッシャーの切っ先をワタシへと向けようとする。

 

「ちょっと!!それならワタシに殺らせてよ~!!」

 

「ダメよ。どうせ加減して、長々といたぶるつもりなんでしょ?」

 

すると、ワタシの目の前で喧嘩する2人。

 

悪いけど……この隙を逃さない手はない!!

 

『ステージ・セレクト!!』

 

「「あ…」」

 

ワタシはホルダーのボタンを押してステージを瓦礫が散らばっている廃墟街ステージに変更。その瓦礫の内の1つに身を隠した。

 

「しくじったわね…ったく……」

 

全く、自分が不甲斐ないったらありゃしないわ…

 

『美歌!!何でいきなり押し退けたの!?』

 

そんな自分を嘆いていたら、千歌がワタシに話しかけてきた。

 

「……何?今さら変われって言われても嫌だからね?ワタシは勝ちたいの!!どんな手を使ってでもね!!」

 

そう、これはワタシの本心……このまま負けっぱなしなんて、自分で自分を許せない!!

 

『私も勝ちたいよ…』

 

「え?」

 

けれど、そこで思わぬ言葉を耳にした。千歌は模擬戦とかだと、勝利への渇望が低くなる事が多い。でも、今の千歌からは勝ちたい気持ちが、ワタシにも伝わってきた。

 

『今、自分と同じ力を持つ梨子(D)ちゃんに負けたら…私はこの先、あのエボルトみたいなのが来た時に、皆を守る事ができない………私はそんなの、絶対に嫌だ』

 

そして心の中で向かい合うワタシに、千歌は強い思いを宿した目を向け…

 

『これからも皆と笑い合う為にも、私は勝ちたい…だから美歌、私に力を貸して!!』

 

そう言って伸ばされた千歌の手を見て、ワタシは思わず笑ってしまう。

 

全く…相変わらずお人好しが過ぎるんだから……だけど、そんな千歌だからこそ、力になりたくなっちゃうのよね…

 

「ふぅ…そんな風に言われたら、もうワガママ言えないじゃない…」

 

最後にため息を1つ吐いたワタシは、千歌へと手を伸ばし…

 

「なら、あの女に見せつけてあげましょう?最強の……悪魔祓い(エクソシスト)ってやつをッ!!!!」

 

その手をギュッと繋いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、試合を見ている観客席で、真姫は複雑な表情で見ていた。

 

「変ね…」

 

「どうしたの、真姫ちゃん?」

 

そんな真姫の呟きを聞いた花陽が、心配そうに聞いてきた。

 

「前に見たときより、千歌ゼイドの動きが悪いと思ってね…」

 

「千歌ゼイド?……それはいいとして…動きが悪いってどんな感じに?」

 

「本当なら梨子ゼイドを圧倒できるほど、千歌ゼイドの動きはスゴかったのよ。何せ、穂乃果のパイロキネシスを初見で避けちゃったんだから」

 

「え、ええッ!?穂乃果ちゃんのパイロキネシスを初見でッ!?」

 

詳しい話を聞いてなかった花陽は、その事実に驚きの声を上げた。

 

(でも、今はそれほどの動きを見せてないし……どうなってるのかしら?それにあの反応速度と対処速度……普通の人間や悪魔でも出来ない筈…もう一度見れれば、秘密が解るかしら?)

 

そう考えていた時、戦況が動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨子(D)side

 

「さぁ~て、何処に隠れてるのかしら~?」

 

「あのダメージなら、そう遠くまでは行けないと思うけど…」

 

周囲を注意深く見ながら、私達は瓦礫の中を進んでいく。

 

(でも、聞いてた話より少し拍子抜けかな……穂乃果さんと引き分けた程だから警戒してたけど……まあ、ムテキが2人いれば、こんなもの…ううん、もしかしたらさっきまでのは、こっちの動きを観察してただけなのかもしれない…油断しないようにしないと!!)

 

向こうの千歌ちゃんの事を、過小評価しそうになる心を叱りつけ、気を引き締め直したところで、1つの物陰から向こうの千歌ちゃんが飛び出してきた。

 

 

 

―ここから先は、某私設武装組織のBGMを思い浮かべながら読んでみてください by作者

 

 

 

「出てきた!!」

 

「そこねェッ!!」

 

私達は素早くキースラッシャーを向けて発砲する。しかも最初の1発は逃げ道を誘導し、もう1発に当たる様に狙ってだ。

 

(これなら直撃、もしくは防御で動きを止められる。それに転移しても、多少のラグがあるから攻撃が来ても避けられる!!)

 

この時の私はそう思っていたが、その想像が甘過ぎた事をすぐに知る事になった…

 

「直撃コース…」「避けてみせなさいよッ!!」

 

向こうの千歌ちゃんの口から2人分の声が聞こえたと同時に、彼女は()()()使()()()()()()()()()()()()()()

 

「なッ!?」

 

それに一瞬驚くけど、そのまま迫ってくる彼女にすぐに気持ちを落ち着けて銃撃を続ける。だけどその全てが悉く避けられ、その間にエナジーアイテムを取得される。

 

『伸縮化!!』

 

「軸線を合わせて…」「足とッ!!」

 

そのまま私の方へと迫る。

 

(このまま迎撃…ううん、やっぱり回避を…ダメ、間に合わない!?)

 

「「同時攻撃をッ!!」」

 

その対処を考えていた隙に、蹴りを喰らわされた。

 

「くぅ…!?」

 

その場に何とか踏ん張る事で、吹き飛ばされるのは免れた。しかし、彼女の攻撃はまだ終わらなかった。

 

「「ヤアァァァァァァァァァァァァァッ!!」」

 

「え…ッ!?」

 

蹴りと同時に伸ばしていたのか、長くなった左腕を全力で振るってきた。その先に持っているものをよく見ると、それは私の分身だった。

 

「ひゃあぁぁぁぁぁぁ~!!」

 

「ええッ!?ちょっと待っ…ガハァッ!!」

 

あまりの攻撃に動きが遅れ、それをモロに叩きつけられる。すぐに持ち直した分身が銃撃を行うが、最初の1発は左の裏拳で弾かれ、残りはバク転しながら後退しつつ回避された。

 

「く…動きがさっきまでと違う…!?」

 

「面白くなってきたじゃないのォ!!」

 

その動きに私は驚き、分身の方は楽しそうに叫ぶ。

 

(もしかしてこれが、穂乃果さんと互角に戦えた理由!?)

 

やっと彼女の強さを理解したと同時に、再び私へと迫ってきた。

 

「さっきまでの様にはいかないわッ!!」

 

「そうでしょ、美歌ァッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌&美歌side

 

「先ずは、それを返してもらうわよ!!」

 

私達は梨子(Dワ)に近づき、お腹にボディーブローを叩き込んで前のめりになった瞬間に、奪われていたキースラッシャーを取り戻す。

 

『キメワザ!! HYPER!! CRITICAL SPARKING!!』

 

「「ハアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」」

 

HYPER!!

CRITICAL SPARKING!!

 

そして必殺技を発動させ、分身を真っ二つに切り裂いて消滅させる。

 

「分身がッ!?このォッ!!」

 

それを見た梨子(D)が攻撃してくるけど、私達はそれを見ずに回避していく。

 

「この程度!!」「余裕だもんね♪」

 

そうやって避けつつ、見つけた1つの瓦礫の物陰に隠れる。

 

「隠れたくらいで!!」

 

その瓦礫はアッサリと壊されるけど、もう私達はそこにはいない。あれからすぐに転移で彼女の背後に移動し、キースラッシャーを振り下ろす。

 

「はッ!?」

 

でも、すんでのところで気づいた梨子(D)に防がれ、そのままつばぜり合いになる。

 

「何で……私も同じムテキなのに!!」

 

そう叫ぶ梨子(D)に、私達は内心で笑う。

 

(まだ気づいてないみたい♪)(それじゃ、事実を突きつけてあげましょう♪)

 

「分かってないわね、梨子ォ~♪」

 

ねっとりとした喋り方で話す美歌に、私は心で爆笑しつつ剣の隙間から梨子(D)の方を見る。

 

「アンタは完璧なムテキなんかじゃないわァ!!」

 

「なんですって…!?」

 

「【ハイパームテキ】で手に入れた超性能………けどアンタは、それを十全に使いこなすのに反射が追いついてないのよォッ!!」

 

その言葉に合わせて、キースラッシャーに力を更に込めて押し込んでいく。美歌の言葉の通り、さっき蹴りを入れる時に回避する余裕はあった筈なのにそれをしなかったのは、頭で考えすぎて動きが疎かになっていた証拠だ。

 

「古くさいパソコンみたいに、処理速度がガタ落ちしてんのよォ♪」

 

「ッ!!そんな事…!!」

 

その言葉が頭にキたのか、キースラッシャーの先端をこっちに向けて撃ってくるけど、そんなのはお見通しで千歌がすぐに回避してくれた。

 

「あれ…?」

 

発砲時のマズルフラッシュで私達を見失ったのか、キョロキョロする梨子(D)に笑いつつ、声を掛ける。

 

「だから動きも読まれる」

 

「ッ!?上…!!」

 

見上げる梨子(D)に、瓦礫に足を引っ掻けてぶら下がっていた私達は、そこから飛び退き……

 

「「【反射と思考の融合】……それが最強悪魔祓い(エクソシスト)の…私達のムテキの力だッ!!!!」」

 

今まで使わなかった、最大の切り札を発動させて体の金色を更に輝かせる。

 

「あの輝きは……まさか例の!?」

 

これが何なのか知っている梨子(D)は声を上げる。これは【スパーキングリッター】と呼ばれる発光強化粒子で、全身に纏わせることで全ての性能を2倍に引き上げてくれる……まさしく、ライダー版トランザムね。

 

「それくらいでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

梨子(D)の銃撃を上がった出力と無限ジャンプ機能で空中を縦横無尽に跳び回りながら攻撃を回避しつつ、梨子(D)に接近しキースラッシャーを弾き飛ばす。

 

「しま…!?」

 

それに気が向いている間に、左膝に蹴りを入れて姿勢を崩れさせる。

 

「うあ…!?」

 

そして一気にトドメを刺すべく、必殺技を発動させる。

 

『キメワザ!! HYPER!! CRITICAL SPARKING!!』

 

HYPER!!

CRITICAL SPARKING!!

 

「さよならよ…梨子ォッ!!」

 

そのエネルギーを左手に集め、動けない梨子(D)の胸に全力のパンチをお見舞いし、多段ヒット機能を発動。変身解除するまで攻撃を浴びせた。

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

最後に爆発が起き、煙が晴れるとそこには倒れて気絶している梨子(D)がいた。

 

『梨子ゼイドの変身解除を確認。よって勝者、千歌ゼイド』

 

「「やったァァァァ………ていうか千歌ゼイドって何ッ!?」」

 

折角の勝利の余韻をぶち壊さないでよッ!!

 

何はともあれ、この試合は私達姉妹の勝利で終わった。




いかがでしたか?

何とか今年中に間に合った……それもこれも、プリコネとシンフォギアxdにハマっている私が悪い…

今回の戦闘シーン、知っている人はすぐ解ると思います。

次回はヴァーリVS曜(D)になります。

そしてこれがたぶん、今年最後の更新になります。

では、また次回でお会いしましょう。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。