ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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花「マルの神器によれば、喧嘩好きな高校生【兵藤一誠】…彼には喧嘩王にして人類最強の戦士【ドラゴネス】となる未来が待っていた…」

レ「ひょんな事から異世界の自分と模擬戦をする事となった我が魔王…その勝負の行方やいかに……」

花「ふっふ~ん!!絶対、番長先輩が最強ズラ!!」

レ「何を言うッ!!我が魔王の方が強いです!!」

花「番長先輩ズラ!!」

レ「我が魔王!!」

2人「「ぐぬぬ~…!!」」

曜「それでは、本編にしてコラボ編最終回をどうぞ~♪」


Secondコラボ ELEVEN

ディエンドが呼び出したライダー達を撃破した歩夢達3人は、観客席のベンチでぐったりとしていた。

 

「あ~……疲れた…」

 

「実戦なんて、あまりしませんでしたから…」

 

「私達、アイドル兼諜報部隊だったもんね~…」

 

「んで……お前達が来た理由は?」

 

そんな3人にヴァーリは問いかける。彼女達は普段、リゼヴィムの指揮下に入って行動する部隊であり、あまり接触はない。そんな彼女達がやって来たという事は、何か重大な情報を知らせに来たのだろう。

 

「あ、そうでした……こちらが手に入れた情報だと、クロノスが様々な所から仲間を集めているらしく…近々、何かを始めるつもりみたいで、それに対抗するためにリゼヴィム社長の指示で、戦力増強にヴァーリさんの新たな眷属として私達が選ばれたんです」

 

そう話す歩夢にヴァーリはため息を吐く。

 

「……お前達はそれで良いのか?人間には戻れなくなるぞ…」

 

「もちろんです」

 

「私達は既に納得済みですから」

 

「それにこれ以上、クロノス陣営への諜報活動は不可能ですし…」

 

「まったく……………………ん?」

 

そんなアッサリした彼女達の態度に再度ため息を吐きつつ、ヴァーリは途中でせつ菜が言った言葉が頭に引っ掛かった。

 

「お前達ですら、クロノス陣営の諜報が不可能なのか?」

 

この3人は幻夢コーポレーションの諜報部隊としてはトップレベルで、今まで三大勢力の情報を確実に手に入れてきていた。そんな三人ですら諜報活動ができないのは、よほどの事態だ。

 

「はい。どうやら向こうに私達と同じ研究所にいた人達が仲間に加わったらしく、そのせいで活動しようにも向こうの脳波との干渉で私達の接近がバレてしまうんです…」

 

「そうか…」

 

彼女達の話が本当なら、もうクロノス陣営の情報を得る事はできない。それでも、何かを起こそうとしている情報があるだけでも対策を立てられるとヴァーリは思う事にした。

 

「分かった、ご苦労だったな。それじゃ駒を配るぞ」

 

「「「はい!!」」」

 

そして話が終わったら、せつ菜には戦車を、しずくには騎士を、歩夢は兵士2個のイーヴィル・ピースを渡して眷属へと転生させた。

 

「という訳で新しく眷属になりました、兵士の上原歩夢と…」

 

「騎士の桜坂しずくと…」

 

「戦車の優木せつ菜です!!よろしくお願いします!!」

 

「「「「よろしく!!」」」」

 

簡単な挨拶が終わると、歩夢は後ろにいる別世界の千歌達を見る。

 

「ところで……この人達は誰ですか?千歌先輩達にそっくりですけど…」

 

「ああ、それについては……」

 

彼女達を知らない三人にヴァーリが説明している間、千歌達も異世界組に説明していた。

 

「うう……そっちの千歌ちゃん達、大変だったんだねぇ…!!」

 

「そっちの教会……屑過ぎひん?」

 

「というか、屑って言葉に失礼なレベルでクズね」

 

「今度、こっちのウルトラマン達全員呼んで殲滅しましょう」

 

「「「「「「「「「賛成」」」」」」」」」

 

「「「「「「「「「ストップぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」」」」」」」」」

 

説明を聞いた花陽はその境遇に涙ぐみ、希と真姫は静かにキレ、海未に至っては過激な提案を口ずさみ、異世界のAqours全員が賛成するのをこっちの千歌達が全力で止めた。

 

「こっちでそんな事したら、大惨事だよ!!」

 

「それに、既に殲滅完了してますから!!」

 

「あ、そうなんですか……………………チッ…」

 

「舌打ちしたッ!?」

 

「お~い、先輩達の回復終わったわよ~!!」

 

そんな風に話し込んでいる間に、2人のイッセーの回復も終わり、最後の模擬戦の始まる。

 

「あ~…!!ようやく暴れられるぜ!!」

 

「お前…どんだけ喧嘩好きなんだ?」

 

「うっせぇ、喧嘩は趣味でやってるだけだ」

 

「どこのハゲマントだよ…」

 

「誰がハゲだって!!」

 

「いや、別にお前じゃねぇって!?」

 

「まあいい……模擬戦でボコりゃいいだけだ」

 

「やべ……殺る気スイッチ押しちゃった?」

 

そんな感じにお互いに戦意が上がったところでベルトを装着。ガシャットとライドウォッチを起動させる。

 

『ジオウ!!』

 

『デュアルガシャット!!』

 

「マックス大…」

 

「「変身ッ!!」」

 

『ガッチャーン!!マザルアップ!!赤き帝王・強化!!白き皇帝・弱化!!赤と白の真価!!セイヴァー・サバイバァール!!

 

『ライダータァイム!!仮面ライダァージオウ!!』

 

そして変身が終わったところで、観客席に先ほどの少女……レイヴェル(D)が再び現れる。

 

「フム……折角の機会ですし、この世界の我が魔王との出会いも祝いましょうか」

 

どうやら今度は、この世界のイッセーとの出会いを祝おうとしているらしい。しかし…

 

「いわ「祝うズラッ!!」私のセリフッ!?」

 

それはこの世界の花丸に遮られる事となった。

 

「この世全ての悪に挑み、その拳で仲間を守りし闘神の龍戦士!!その名も【仮面ライダードラゴネス・セイヴァーサバイバルゲーマー】!!その身に二天を頂く龍を纏い、魔王たるもう一人の己と戦いし瞬間ズラッ!!」

 

「……………………えっと……花丸ちゃん?」

 

「この世界だと、やっぱりマルがウォズ役なんズラね…」

 

「うう……私が祝いたかったのにィ…!!」

 

何かやりきった感を出してドヤ顔している花丸にルビィは困惑、花丸(D)は前書きから予想していたのか少し苦笑し、レイヴェル(D)に至っては四つん這いになって項垂れていた。よほど祝えなかったのが悔しいらしい…そして困惑していたのはフィールドにいるイッセー達もだった。

 

「…………何言ってんだ、アイツ?」

 

「ああ……この世界じゃ花丸さんがレイヴェルみたいなんだ…」

 

花丸の奇行?に困惑の視線を向けつつ、試合の為にすぐに意識を切り換える。

 

『それでは、試合開始です』

 

そして合図が聞こえると同時にドラゴネスが飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

(奴の力はまだよく分からねぇ…だからまずは先手を取って、手の内を引っ張り出す!!)

 

俺は突撃しながら、そう思考を巡らせる。

 

早いうちに相手の行動を知れればその分、対処が楽になる。だからこそ、まずは先手で攻めまくって手の内を使わせる!!

 

「ウオォォォォォォォォォォォォォッ!!」

 

列帛の叫びと共に拳をもう一人の俺に振るう。

 

さあどう出る?回避か、手で受け止めるか、敢えて喰らってからのカウンターか!!

 

どの行動が起きても対応できるように、頭をフル回転させていたら…

 

「どわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

情けない声とともに、地面を転がりながら避けた。

 

「は…?」

 

おいおい、どういう事だ?あのウルトラマンとかになってた時は、ある程度余裕で対処してたってのに…

 

そこから前回と同じ空中浮遊からのラッシュを仕掛けると、ウルトラマンだったときとは全く違い避けるのに必死だった。

 

本当に何がどうなってんだ…?

 

「あっぶね~……やっぱり初期フォームじゃ無理か…」

 

その謎は簡単に解った。どうやら今の姿は1番初期の姿らしく戦闘力もそこまで出ない様だ。だが、それが1番頭にキた。

 

ほぉ~?つまりなんだ?そんな弱いフォームで俺に勝てると思ってたのか~ふ~ん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘗めてくれるじゃねぇか?

 

『おい、どうしたイッ…うおッ!?』

 

『怒リニ身ヲ任セロ』

 

その瞬間、パラドの声が聞こえなくなるくらい、ドス黒い感情が全身を駆け巡って俺の体を支配する。

 

だったら容赦なく……ブチ殺す!!

 

『お…!!止……イッ…!!』

 

『モットダ、モット怒レ』

 

そんな感情のまま、俺はもう一人の俺に全力で殴りかかる。もちろん、人体の急所を狙ってだ。

 

「へ?……アガァッ!?」

 

それが額に当たり仰け反ったところに、今度は腹に回し蹴りを喰らわせる。

 

「うぶ…!!」

 

今度は体勢がくの字になり、下がった頭に踵落としを決めて地面に叩きつけた。

 

「うごぁ!?」

 

「テメェ…ふざけんのも大概にしやがれよ?あんまり嘗めてっと……殺すぞ!!」

 

『ソウダ…怒リの感情!!ソレコソガ、我ガ源ヨッ!!』

 

そのままもう一人の俺の頭を踏みつけようとしたが、それは転がって避けられた。

 

「なんだッ!?雰囲気が…!!」

 

「ちょこまかしてんじゃねえッ!!」

 

「うおッ!?」

 

俺が再度殴りかかると、奴はまた転がって回避し、ピンク色の横長のアイテムを取り出した。

 

『ディ・ディ・ディ・ディケェイド!!』

 

「あん?」

 

それを左のスロットに装填すると、ベルトを一周させた。

 

『ライダァータァイム!!仮面ライダァージオウ!!アーマータイム!! KAMEN RIDE!!(ワーオ!!)ディケイド!!ディケイド!!ディ・ケ・イ・ドォ!!』

 

すると、奴の体をバーコードが描かれた鎧が覆っていき、顔には画面みたいなパーツを付け、そこにディケイド と書かれた顔が表示された。

 

「こりゃ様子見とか言ってる場合じゃねぇ!!」

 

「なんだよ……あんじゃねえか、強い力がよォッ!!さっさとその強さを見せやがれ、画面ライダー!!」

 

「画面ライダー言うな!?」

 

そう言って奴は、剣を二本取り出して両手に持つ。

 

『ライドヘイセイバー!!』

 

『ジカンギレード・ケン!!』

 

「行くぞッ!!」

 

向かってくるアイツに、拳を握り締めながら仮面の下で俺は笑う…

 

ああそうだ……やっぱ喧嘩(殺し合い)はァ…!!白兵戦じゃないとナァッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜side

 

(なに?……この嫌な感じは…)

 

二人のイッセー君の模擬戦の最中、私はこっちのイッセー君の戦い方に、言い知れない何かを感じていた。

 

「あ~あ…こっちの兵藤君がキレちゃった」

 

「しかも完全ブチギレモードだね…」

 

皆はまだあまり理解してないみたいだけど、私にはそれがすぐに解った。

 

(あんなの何時ものイッセー君じゃない…!!)

 

でも、パラド君の戦い方とも全然違う。まるで、違う誰かがイッセー君の体を使って暴れてるみたい…誰なの?イッセー君の体を操ってるのは…!!

 

そう思いつつも、戦う力を持たない私はこの模擬戦を見ている事しか出来なかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセー(D)side

 

さっきからもう一人の俺の様子がおかしい。喧嘩好きなのは何度か会って知ってたけど、今は喧嘩好きというよりは狂戦士(バーサーカー)に近い感じがする。俺の二刀流を拳で弾き返しながら殴りかかってくるのは、多少の恐怖を覚える…

 

というか!!刃の面をぶん殴るとか、見ててこっちが痛いわッ!!

 

「一体どうなってんだ!?」

 

『相棒、ここはクウガを使うべきだ!!向こうが完全に暴走する前に、その力で抑え込めば…!!』

 

「それしかねぇか!!」

 

『クウガ!!』

 

ドライグに言われた通り、クウガライドウォッチを起動させ、それをディケイドライドウォッチのスロットに装填する。

 

『ファイナルフォームタイム!!ク・ク・ク・クウガ!!』

 

するとディケイドアーマーに変化が起き、右肩には【クウガ】、胸には【アメイジング】の文字がバーコード風の表記で描かれ、手足はクウガ・アメイジングフォームのものに変わり、顔の画面も同じものに変更された。因みに顔文字じゃないぞ?普通にライダーの顔そのまんまだからな?そこん所、間違えるなよ?

 

『そんなどうでもいい事に拘るな!!』

 

「どうでも良くない!!」

 

ここはしっかり説明しないと、ジオウをよく知らない読者に間違った印象を与えるんだ!!キチンとしないと!!

 

「いわ「「「「「くどい」」」」」……クスン…」

 

おまけにレイヴェルの方を見たら祝おうとしたけど、母さん達に止められて泣いていた。うん、予想通りだな。

 

『ああ~!!解ったから、早く暴走してる奴をどうに…って前見ろ、前ッ!!』

 

「へ?」

 

「ドォリャアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」『分身!!』

 

ドライグに指摘されて前を見たら、全力の拳を振りかぶって飛び込んでくる、たくさんのもう一人の俺の姿があった……って、破血滅血※(【はちゃめちゃ】と読みます)が押し寄せてくるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!?

 

『物騒な漢字変換しながら泣いてる場合じゃないぞッ!?』

 

「ちょえぇぇぇぇぇぇぇぇいッ!!」

 

俺は咄嗟にヘッドスライディングで潜り抜ける事で、何とかそれを避けた。

 

い、今のはマジで死ぬかと思った……

 

「チョロチョロすんな、ブン殴るぞ?」

 

「嘘つけッ!!ただ立っててもブン殴るだろッ!?」

 

「いや、ブッ殺す」

 

「タチ悪ぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」

 

それ、結局ボコられるだけだろ!?ふざけんな!!

 

「いい加減、始めようぜッ!!」

 

「上等ッ!!」

 

そこから俺達は殴り合いを始める。俺が顔を殴れば向こうに腹パンされ、続けてアッパーを喰らったので反撃とばかりに、そのまま右足を振り上げて顎を蹴り上げた。そんな感じに数分ほど殴り合ってから繰り出した互いの拳でクロスカウンターが決まり、よろけながら下がる。そこに、先ほどヘッドスライディングした時に落としたヘイセイバーとジカンギレードがあったので拾っておく。

 

「さすがは仮面ライダー!!やっぱりとんでもねぇ力だ!!喧嘩のしがいがある!!」

 

「いい加減に目を覚ませ!!その力は、喧嘩する為にあるんじゃないだろ!?」

 

「御託はいい!!テメェのその力も…誰かをブッ潰すためにあんだろッ!!」

 

「違うッ!!」

 

再度殴り掛かってきたのを、右腕の剣で防ぐが弾かれ…

 

「絶対に違う!!」

 

そこから回し蹴りが左手に当たり、ジカンギレードを落としてしまう。

 

「ジオウの力は…!!」

 

次の攻撃を右手で受けようとしたけど、その威力に剣を弾き飛ばされ、体が仰け反ってしまう…

 

「コイツで終いだァッ!!」

 

この間に、俺の後ろに回ったもう一人の俺は、全力で殴るべく拳を思いきり引き絞って突き出してくる…

 

「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

なので俺は起き上がるのではなく、逆に右後ろに倒れるくらいに体を捻りながら仰け反らせた。そのお陰か、拳は俺の少し上を通り過ぎた。

 

「なッ!?」

 

「今だッ!!」

 

そこで出来た隙を逃さない為に、右手を地面に着き体を大きく回しながら、左手でディケイドライドウォッチのボタンを押す。

 

『ク・ク・ク・クウガ!!ファイナルアタックタイムブレイク!!』

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

「ゴハッ!?」

 

そしてその勢いのまま、奴の脇腹に必殺キックを喰らわせてやった。

 

これで少しは大人しくなるか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

「いつつ…!!」

 

一体何が起きたんだ?つーか、脇腹痛ぇ…

 

『おい、イッセー!!聞こえるかッ!!』

 

うわッ!?おいパラドッ!!頭の中でデケェ声出すんじゃねぇッ!!

 

『ッ!!俺の声が聞こえるんだな!?』

 

耳塞いでも聞こえてるよ…んで、今まで何があった?

 

『向こうのお前が初期フォームって解った途端、ものすごい負の感情が流れ込んできて……そこからは俺もリンクを断ち切られて、よく分からなかった……』

 

なるほど……どうやら暴走してたみたいだな…

 

体を動かそうとすると、思った通りに動き、多少のダメージはあるものの、喧嘩……じゃねえ、模擬戦だったわ。模擬戦の続きは可能だな…

 

とりあえず問題はなかったから、すぐに起きあがった。

 

「く…!!まだ立てんのかよ!?」

 

「いっつ~…お陰で目が覚めちまったじゃねえか…」

 

取り敢えず、意識を取り戻した事を教える為にそう答えたが…

 

「だったら次で完全に覚醒させてやる!!」

 

完全に殺る気になっていた…

 

ってうおぉぉぉぉぉぉぉぉぉいッ!?俺、起きてる!!起きてるっつーの!!

 

『こりゃ、向こうを止めないとマズいぞ?』

 

分かってるから黙ってろ!!

 

「おい待てッ!!もう起きてるって言ってんじゃねぇか!!」

 

「そう言って隙を誘ってるんだろ?」

 

「んな面倒な事、してられっか!!」

 

そんな事するくらいなら、なにも言わずに全力でブン殴る方がよっぽど楽だわ!!

 

『流石イッセー!!相変わらずの脳筋だな?』

 

……先にお前をブン殴ろうか?もちろんバグスターウィルスのワクチン込みで。そうされたくなかったら黙れ。

 

『…サーセン』

 

調子に乗ったパラドを脅して黙らせ、仕方なく拳を握り締める。

 

しゃ~ねぇ…黙らせるには、これが1番だな。

 

『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

ガントレットのBボタンを連打して力を倍加、それを右拳に集束させ、いつでも全力で殴れる様に左半身を少し前人気出したファイティングポーズを取る。

 

「これでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

そう叫んで突っ込んでくるもう一人の俺。対して俺は微動だにせず、その場で構え続ける。

 

もっとだ……もっと来い…!!

 

そして待ち続け、間合いに入った瞬間に右腕を振りかぶり、その反動を使って前に出た左手を突きだして向こうの胸ぐらを掴んだ。

 

「へ?……うおッ!?」

 

「いい加減に……」

 

そこから左腕を下に振り下ろし、前のめりに姿勢を崩させ……

 

「話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

ドゴォン!!

 

「へぶらッ!?」

 

脳天に全力の拳骨を落としてやった。そのせいで顔の画面部分が地面に埋まって、後頭部から煙が出てるけど知らね。

 

話を聞かねぇガキには拳骨が1番だな。

 

『拳骨って優しいレベルの威力か?』

 

そこは向こうもライダーだからな?安心しろ、峰打ちみてぇなもんだ。

 

『いや、ガントレットしてる時点で峰もなにも無いだろ…』

 

そんな話をしてる間に向こうの俺が起き上がった。

 

「いってぇ~…!!バカになるかと思った…」

 

「あ?既に手遅れだろ」

 

「うっせぇ!!というか、マジで目から火花散ったぞ!!そんな威力で人を殴んなッ!!殺す気か!!このバカ!!バーカバーカッ!!脳筋バ(バキッ)ポプテッ!?」

 

さすがに文句が煩かったから、黙らせる為に顔面にストレートを決めた俺は悪くねぇ。

 

「……黙らねぇと、その画面を落としたスマホみたくバキバキにしてやんぞ?」

 

「今のでなると思ったわッ!?」

 

立ち上がったもう一人の俺は、こっちをジッと見てくる。

 

「なあ?もう暴走してないんだよな?」

 

「疑うんなら、もう一発逝っとくか?」

 

「OK、解った。お前が大丈夫なのは理解したから、その拳を下ろしてくださいお願いします」

 

顔の前で拳を握ると、怯えた様に数歩後ずさって懇願してきた。解りゃいいんだよ。

 

「んじゃ、こっから仕切り直しか?」

 

「だな。お互いに最強の形態でやろうぜ?」

 

そう告げて俺はゲーマドライバーを外してコラボドライバーを装着。向こうも腕にあったアイテムを取り出して起動させた。

 

『デュアルガシャット!!セイヴァー・サバイバル!!パーフェクト・ノックアウト!!コラボレーション!!』

 

『ウルトラマンドライグ!!』

 

「ネクサス大変身」

 

『バッカーン!!キーセーキー!!煌めけ!!太陽も照らす!!金色のDragon fighter!! ネクサスキセキ!!ドラゴォーネス!!』

 

『ファイナルフォームタイム!!ド・ド・ド・ドライグ!!』

 

そして俺はキセキゲーマーに、向こうの俺は左肩と胸のアーマーの文字とバーコードが立体的に浮かび、クウガの文字はドライグに、アメイジングの部分は赤一色の「パーフェクト」の文字に変わると、再びアーマーに戻る。同時に両腕両足は赤と銀の模様に変わり、左腕には赤龍帝の籠手、顔の画面前に見たウルトラマンドライグの顔に変わった。

 

「なんだそりゃ?」

 

「コイツが今の俺の最強形態…【仮面ライダージオウ・ディケイドアーマードライグフォーム】だ!!」

 

『「名前長ッ!?」』

 

そのフォーム名を聞いて、俺とパラドは思わずツッコンだ。

 

もう少しマシな名前はなかったのかよ!?

 

『ライドヘイセイバー!!』

 

『ドライグカリバー!!』

 

そう思っている間に奴は両手に剣を手にする。てか、片方はさっき落としてなかったか?

 

『二次小説でそんな細かい事は気にするな』

 

その返しはメタ過ぎんだろ…

 

と、パラドと心で会話してたら…

 

「せやッ!!」

 

奴さんが目の前で両手の剣を振り下ろしてきた。俺はすぐにアビリティセレクトを使い、雷走ライトニングの雷速移動で下がって回避する。

 

「あら?……もしかして、今のが雷速ってやつか…」

 

「その通りだ。ここからは本気の喧嘩だ!!」

 

「いや、模擬戦だって!?」

 

そこから接近戦での攻防が始まる。俺が拳を突き出せば奴は剣で受け流し、反対に向こうの剣が迫ってきたら拳で殴り返す。それを数十回繰り返したら、片方の剣……え~と…スイカバーだかメロンバーとか言う剣を地面に突き刺した。

 

「ヘイセイバーだッ!!」

 

「人の心読んでんじゃねぇよ」

 

俺の心境にツッコンできた向こうにツッコミ返し、向こうはもう片方の剣……虎バーだったか?それに付いてるダイヤルを回し始めた。

 

『ドライグカリバーだッ!!』

 

「だから、人の心読んでんじゃねぇよ」

 

『ヘイ、ティガ!!ヘイ、ダイナ!!ヘイ、ガイア!!ヘイ、コスモス!!ヘイ、ネクサス!!ヘイ、マックス!!ヘイ、メビウス!!』

 

「ん?」

 

ダイヤルを回す度にそんな音声が流れ、奴の背後に人型の何か……いや、前に奴の世界の奴等が来たときにいたウルトラマン達が立っていた…………一般の人間と同じサイズで。

 

そしてソイツらは何やらポーズを決めながら光を集め、腕を十字やL字に構えると、そこかり光線を飛ばしてきた。

 

「マジか…!!」

 

『アビリティセレクト、反射!!』

 

咄嗟にパラドがアビリティセレクトで反射を着けてくれたが、その光線を受けた瞬間に反射のアビリティを突破されまともに喰らって吹き飛ばされた。幸いにも、防御までは突破されなかったから、ダメージはあんまりねぇが…

 

「ガハッ!?一体どうなってやがる…!?」

 

『おそらく、こっちの許容限界値を越えたんだ。だから、反射を突破されたんだと思う…ダメージの軽減は出来たけど』

 

「なるほどな…」

 

つー事は、安易に反射で受け止めるのは危険か…だったら全部、回避するだけよォッ!!い~ぜぇ…久々に心が踊り高ぶるぜッ!!

 

戦い方を決めたら後は行動あるのみ!!って感じに雷速で走り出して殴り掛かる。だが…

 

『ヘイ、カブト!!カブト!!デュアルタイムブレイク!!』

 

ヘイセイバーのダイヤルを回した向こうの俺が、その場から消えた。

 

いや、これは前に見たクロックアップとか言う超高速機動…!!

 

その瞬間、背後に衝撃を感じて前のめりに倒れかける。

 

「うおッ!?俺の背後を…!!」

 

すぐに裏拳を背後に放つが、スウェーで避けられ起き上がり様のパンチを放ってきたのを、拳をぶつけて相殺する。

 

「く……もう反応してくるのかよ…!?」

 

「何時までも……調子に乗ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

拳を離し、反対の手で向こうの腕を掴み取り背負い投げる。

 

「おわッ!?」

 

背中から地面に倒れた奴の腹を踏もうとするが、それは振り上げた奴の右足に蹴られて遮られた。

 

「ちぃッ!!」

 

「あっぶね~……つか、何でそんな平気で立ってられるんだよ!?あの光線を受けて、まともに立ってられる筈が…」

 

「ん?反射の能力で威力を抑えたし、そもそもこの形態の防御力がハンパネェからな」

 

「……………………てことは、そのフォームになってからのダメージは?」

 

「ほぼ0だ」

 

「ヴゾダドンドコドーン!!」

 

その事実に向こうの俺は崩れ落ちる。まあ、あれだけ攻撃してダメージ0とか絶望的だしな?

 

「さて、そろそろ終わらせてやるよ?」

 

『キメワザ!!オウギ!!』

 

「こうなったらヤケクソだッ!!」

 

『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

『ド・ド・ド・ドライグ!!』

 

俺達は必殺技の発動体勢に入ると、少し腰を落としてから飛び上がり、飛び蹴りを放った。

 

『NEXUS!! CRITICAL ULTIMATE!!』

 

NEXUS

CRITICAL ULTIMATE

 

『ファイナルアタックタイムブレイク!!』

 

「「ウオォリャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」」

 

お互いのライダーキックが激突し、閃光を迸らせながらせめぎあう……いや、俺がどんどんと押していく。

 

「クソ…!!力の差がありすぎる!!」

 

『ちょっとのレベルの違いが、圧倒的な差を生み出す……それが、レベル制ゲームの理不尽さってやつだ』

 

「だからって、負けられるかァッ!!」

 

「ほい」『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

「ちょッ!?おまッ!!それはさすがに大人げなブベラッ!?」

 

現状でもこちらが勝っていて、向こうが全力を出している時に俺は倍加して、さらに出力を上げた事で簡単に押し勝ってキックを顔に決めてやった。

 

『超絶の1発!!』

 

その後起きた爆発の煙が晴れると、変身が解除されて倒れてるもう一人の俺がいた。

 

「うわ、おい見ろよパラド!!アイツ、マンガみてぇに目を渦巻きにしてんぞwww」

 

『………………大人げねぇ』

 

「うっせぇ」

 

勝負は勝った方が正義なんだよ。

 

『ジオウの変身解除を確認。よって勝者、ドラゴネス』

 

こうしてこの勝負は、俺の勝ちとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょ~!!強化フォームで最強フォームに勝てる訳ねぇよ!!」

 

「ハッハッハッ~!!負け惜しみにしか聞こえねぇな?」

 

「こら、あんまり調子に乗らない」

 

「それよりも、お前のジオウのデータを俺にもっと寄越せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

「ちょッ!?揺さぶらバババババババババッ!?」

 

「「「ヴァーリ(さん/先輩)、ストップぅッ!?」」」

 

試合終了後、回復も終わり全員が集合した所で、悔しがる一誠(D)に笑いながら答える一誠を、果南が軽く叱っていた。そこにヴァーリがやって来てジオウのデータを寄越すように懇願…いや、強要しているのをA・ZU・NAの3人が必死に止めていた。

 

「いや~、今回は楽しかったね!!」

 

「さすがに疲れたよ…」

 

「アルティメットと同じく、ムテキ同士もしばらくやりたくないわ……」

 

楽しそうな千歌(D)に、千歌ーズは少しぐったりした感じだ。

 

「ねぇ、そっちの分身の私の性格……どうにかして?」

 

「出来たらとっくにやってるわよ…」

 

梨子同士は、梨子(D)のもう一人の性格について話し合い…

 

「まさかこっちのマルがウォズ役だったとは…予想外ズラ」

 

「ウォズって誰ズラ?」

 

花丸同士は祝え発言について話し…

 

「うう……雷速とか反則だよ~…」

 

「SPEEDはマリーのIdentityだもの♥️」

 

ルビィ(D)と鞠莉はさきの勝負の話をしていて…

 

「それにしても、片方の体に魂が2つとか……大変な事はありませんの?」

 

「ああ~…たまに果南(D)が勝手に体を動かす事かしら?」

 

「あれは戦略的判断!!鞠莉(D)だって、ファングジョーカーの時に体を勝手に使うじゃない?」

 

ダイヤは果南(D)と鞠莉(D)とダブルの特徴について語っていて…

 

「いい事?最高なのは堕天使なのッ!!」

 

「いいえ!!魔導師に決まってるのッ!!」

 

「どっちもあんまり変わらないような…」

 

「「ルビィは黙ってて!!」」

 

「ピギィッ!?」

 

善子同士は堕天使と魔導師、どちらが最高なのか揉めていて、それにツッコンだルビィが叱られていて…

 

「世界が違っても、あの2人はまったく…」

 

そんな2人に呆れるダイヤ(D)だった。

 

「ほら皆、そろそろ帰りますよ!!」(パンパン!!)

 

そこで海未が手を叩いて全員を集めた。

 

「今回は急な訪問に対応していただき、ありがとうございました」

 

「いや、此方も連絡手段を残して置くべきだったよ」

 

「んじゃ、アタシ達はそろそろ帰るわ」

 

「あッ!?それはジオウのデータの抜き出しまで待ってくれ!!」

 

「何に使うのよ…」

 

「もちろん、神の才能の礎にするためだッ!!」

 

「あ~ハイハイ、さっさとしてよね」

 

 

1時間後……

 

 

「ふう、やっとデータの抜き出しが終わった」

 

「つ…疲れた…!!」

 

「ん?終わったの?」

 

ヴァーリのデータ抜き出しが終わるまで、他のメンバー達はティータイムしながらお話ししていた。

 

「これで俺の計画が完成する……これほどの幸運に恵まれる事こそ!!俺がッ!!神である証拠というも「はい、黙りましょうね」(バ・コーン!!)ウゴアラッ!?」

 

テンションが上がって暴走しそうになるヴァーリだったが、お決まりの梨子の脳天ブレイカーによって沈静化された。

 

「相変わらずやね、そっちのヴァーリは…」

 

「もう慣れました…」

 

彼の行動に呆れる希と梨子。そんな時、異世界組の背後に銀色のオーロラが現れる。

 

「あ、どうやらお迎えみたいや」

 

「もうですか…もっとお話したかったですが…」

 

「まあ、縁があったらまた会えるわよ」

 

「はい、ではまたいつか」

 

「次は絶対勝つからな~!!」

 

「その前に最強フォームになれるようになwww」

 

「言ってろ、この喧嘩バカッ!!」

 

「「「「「「「まったね~!!」」」」」」」

 

異世界組が次々とオーロラに入っていくのを見届けていく中、曜(D)はこちらの曜のそばに来て…

 

「彼の事、しっかり見ててあげてね」

 

「彼って……イッセー君の事?」

 

「うん、今の彼…何か危険な予感がするからさ?」

 

「うん、分かってる」

 

「そっか……なら、後は告白も頑張ってね♥️」

 

「ええッ!?こ、こここここここここ告白なんて…!?」

 

「アハハ!!それじゃあね♪」

 

最後にそう言って、彼女もオーロラに消えていった。

 

「うう…!!そんな簡単にできたら…」

 

「何が出来たらなんだ?」

 

「うひゃうううううううううッ!?」

 

「うおッ!?」

 

そんな事を考えて顔を真っ赤にしていた曜に、一誠が声を掛けた瞬間飛び上がる程に驚き、これにはさすがの一誠をも驚いた。

 

「なんかボーッとしてたみたいだけど…顔赤いぞ?」

 

「な、ななななななななななにゃんでもないよッ!?」

 

「ふ~ん……ま、いいか。俺は帰るけどお前はどうする?」

 

「あ、私も帰るよ」

 

「んじゃ、一緒に行くか」

 

「うん♪」

 

そして2人は並んで家路に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先に起きる悲劇など、知るよしもなく……




いかがでしたか?

今回でコラボ編は終了になります。海神アグル様、色々ありがとうございました!!

次回は次章に関わる番外編で、ヴァーリ眷属(歩夢達含む)の新装備お披露目回になります。


次回【番外編 TEAMの名はイリュジオン・レーヴ】

「貴様等のような愚鈍な輩が、神の才能を上回れると思うなァッ!!」


それでは次回で、お会いしましょう。

一般枠で選考から外れた虹ヶ丘メンバーの残りを出すかどうか

  • 良いぞ、やっちまえ!!
  • 選考から外れた奴等に用はねぇ!!

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