ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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ヴィ「皆さん、ごきげんよう!!高町ヴィヴィオと…」

ア「アインハルト・ストラトスです」

ヴィ「今章の間は、私達なのはVivid組が前書きを担当しま~す♪」

ア「不馴れなところもあるかと思いますが、よろしくお願いします……ところでヴィヴィオさん?」

ヴィ「なんですか?」

ア「あちらで【MORE DEBAN】と書かれた立て札を持って、こちらを睨んでいる方達は誰ですか?」

ヴィ「ああ、あの人達はこの小説の主要メンバーの皆さんですね。ただ、この章ではイッセーお兄さんにパラドお兄さん、曜お姉さんに月お姉さん以外、全く出番が無いそうで…」

ア「なるほど、それに対しての抗議活動だったんですか」

ヴィ「まぁ、私達にはどうにもできませんから…」

ア「でしたらそろそろ、タイトルコールをしましょうか」

ヴィ「そうですね!!それでは…」

ヴィ・ア「「ゲームの力でこの世界を生きていく・リリカルなのはVivid編、始まります」」


Magical girlとの手合わせ

ヴィヴィオ達の案内で、イッセー達は町の真ん中にそびえる巨大な施設…【時空管理局】の前まで来ていた。

 

「おぉ~!!近くで見るとやっぱりデッカイなぁ!!」

 

「上を見上げたら、首が痛くなりそう!!」

 

その光景に観光気分が抜けないパラドと月は、テンションが爆上がりする。そしてそんな2人を見て、イッセーはため息を吐く。

 

「アイツら……自分達の状況、分かってんのか?」

 

「アハハ…まぁ、落ち込んでるよりは良いんじゃない?」

 

「そりゃそうだが…」

 

「みなさ~ん!!こっちですよ~!!」

 

その管理局の入り口で手を振るヴィヴィオ達についていき、中に入ると大きな吹き抜けに、そこら中に空間投影モニターが浮かび、たくさんの人が行き交っていた。

 

「はぁ~…こいつァすげぇな」

 

「此処は時空管理局の地上本部で、主にミッドチルダの警備・防衛を担っています」

 

「「へぇ~…」」

 

「それで、ヴィヴィオのお母さんはここの戦技教導隊に所属していて、たくさんの隊員さんに戦い方を教えてるんですよ!!」

 

「他にも執務官や特殊救助隊、自然保護隊や特別捜査官の人達とも知り合いなんです」

 

建物内を歩きつつ、リオやコロナが説明していくのを聞く曜。

 

「ヴィヴィオちゃんって、意外と顔が広いんだね…」

 

若干の驚き混じりでヴィヴィオを見る曜。そんな事を知らない彼女は……

 

「うわぁ~!!高~い!!」

 

「おい、見つけたら教えろよ?」

 

「はぁ~い♪」

 

イッセーによって肩車されていた。

 

どうしてこうなっているのかというと、彼女の母親は色々な隊に派遣される為、部隊の部屋にいる可能性が低い事に気がついたヴィヴィオが周囲を見渡そうとしたが、周りにいるのは彼女より背の高い大人ばかりで全く視界が確保できなかったからだ。そこである魔法を使おうとしたが、その前に彼女の意図に気づいたイッセーが彼女を担ぎ上げたのだ。

 

「あッ!?ヴィヴィオだけズル~い!!」

 

「なら、お前は俺がやってやるよ」

 

「いいんですか!?ヤッター!!」

 

それを羨ましがるリオだが、パラドが肩車してくれると知ると、ダッシュで彼の元まで移動して担ぎ上げしてもらった。

 

「おお~!!ホントに高いや~♪」

 

「もう、リオったら…」

 

「ヴィヴィオさんもリオさんも、あまりお2人に迷惑を掛けてはいけませんよ?」

 

「「はぁ~い♪」」

 

そんな2人を注意するアインハルトだったが、肩車を楽しんでるヴィヴィオ達に効果は薄かった。

 

「すみません、ヴィヴィオさん達が…」

 

「気にしなくていい。軽い筋トレにゃ丁度いいさ」

 

申し訳なさそうにするアインハルトに、イッセーはヴィヴィオを肩車したままスクワットを始める。もちろん、ヴィヴィオが乗ってるのを意識して、バランスを崩さずにだ。

 

「おおッ!?スゴいスゴい!!全然グラつかない!!」

 

「ヴィヴィオさんを担いだままで……一体どれだけのトレーニングを…?」

 

「それ以前に目立つから止めてッ!?」

 

しかし、職員が大勢いる場所でそんな事をしてれば当然目立ち、人だかりが出来始めたので曜が止めようとしたら……

 

「あれ?何してるの、ヴィヴィオ?」

 

人垣を掻き分けて、1人の女性が出てくる。長い茶髪をヘアゴムで左のサイドテールに纏め、白と青の制服に胸元に赤い球状の宝石の着いたネックレスをした、かなり若い女性だ。

 

「あ、ママ!!」

 

「「「「………………………………え?」」」」

 

その女性に向かってヴィヴィオがママと呼んだ事に、イッセー達4人の思考が一瞬驚きで止まる。見た目は20代前半ほどの女性がヴィヴィオのママという事実を受け止められなかったようだ。

 

「あの人が、ヴィヴィオさんのお母様の【高町なのは】さんです」

 

「「「「……え、マジ?」」」」

 

「はい、マジです」

 

しかしダメ押しのアインハルトの説明に4人は……

 

((((やっぱり此処、異世界だ…))))

 

そんな事でこの世界が異世界だと、改めて理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず知り合いに連絡して、貴方達が現れた場所に局員を派遣したから、何か分かったら教えるね」

 

「「「「ありがとうございます」」」」

 

あれから数分後、なのはの所属する戦技教導隊の彼女のデスクでイッセー達は事の経緯を説明し、調査隊を派遣してもらえる事になった。

 

「ただ、空間が閉じちゃってるなら…かなり時間が掛かっちゃうかも…」

 

「まぁその内、向こうから迎えが来ますよ」

 

「…………それって、平行世界を移動できる手段がそっちの世界にあるって事?」

 

「はい、月ちゃんを除いた私達3人は何度か異世界に行ってます」

 

「ええ…なにそのロストロギア……」

 

一応、望みが薄い事を伝えるなのはだったが、それは彼らの世界には当てはまらない。何せ、そんな事を簡単にやり遂げる神(自称)がいるのだから…

 

「ふぅ~…とりあえず、一応の目処が着いたし…思いっきり体動かしてぇ…」

 

「俺は観光だな!!見たことが無い物が多くて、心が踊る!!」

 

「あッ!!ボクも!!」

 

その事で気が緩んだ3人が、やりたい事を口にする。しかし、曜の言葉で現実に戻される。

 

「それよりも!!…私達、何処で寝泊まりするの?」

 

「「「……あ」」」

 

そう、自分達は寝泊まりする場所も、ホテル等に泊まるお金も無い事を…

 

「そうだった、マジでどうするか…」

 

「それじゃ、しばらくウチに泊まると良いよ」

 

そこに、なのはから自宅に泊まっていいと助け船が出された。

 

「……良いんすか?」

 

「私は普段、帰りが遅くてヴィヴィオ1人の時間が多いの。だから、こっちにいる間だけでもヴィヴィオの相手してくれるなら大丈夫だよ。あ、もちろん変な事しちゃダメだからね?」

 

「恩を仇で返しはしないっすよ」

 

駒王町では不良で通っているイッセーだが、恩人に対して不貞をするほど腐ってはいない。だからこそ、彼女の信頼を裏切りはしないと心に誓った。曜達も彼の言葉に頷く。

 

「…………うん、君達なら信じられるかな?聴取はこれで終わりだけど私はまだお仕事が残ってるから、家はヴィヴィオに案内してもらってね」

 

「「「「ありがとうございました」」」」

 

最後に彼女に礼を言って部屋を出ると、外で待ってたヴィヴィオ達が寄ってきた。

 

「どうだったんですか?」

 

「とりあえず調べてくれるが、時間が掛かるらしい。それまで、お前の家に厄介になる事になった」

 

「そうなんですか?」

 

「うん、ヴィヴィオちゃんは大丈夫?私達が泊まっても…」

 

「ヴィヴィオは大丈夫です!!」

 

「そうか…あんがとな」

 

いきなり家に厄介になるイッセー達に、ヴィヴィオは笑顔で大丈夫と言い、そんな彼女の頭をイッセーは撫でた。

 

「えへへ~♪」

 

「んで、ここでやる事は終わったから…どこか体を動かせる場所知らねぇか?」

 

その問いにヴィヴィオ達は顔を見合わせ、笑みを浮かべた。

 

「それでしたら、いい場所がありますよ。ね、ヴィヴィオさん?」

 

「はい!!案内しますね♪」

 

アインハルト達に言われ、観光しつつ彼女達の後をついていく事数十分……一行は1つのスポーツジムの前に来ていた。

 

「ここは?」

 

「【ナカジマジム】です。普段から私達がお世話になっている場所なんです」

 

「最近出来たばかりで、中の機材も最新の物が多いんですよ!!」

 

そして中に入ると、それなりに広い室内にはたくさんのトレーニング器具が並んでいて、窓際には格闘技なんかで見るリングまで置かれていた。

 

「ようこそ、ナカジマジムへ!!……あれ?アインハルトさん達、どうしたの?今日は休養日じゃ…」

 

「ごきげんよう、ユミナさん。実は…」

 

ジムに入ったアインハルトが、受付にいた少女と話している間…

 

「ほぉ~…結構本格的じゃんか」

 

「アッハッハッハ!!これ面白ぇ~!!」

 

「ふんぎぎぎぎ…!!」

 

「月ちゃん、重りの総重量見なよ…」

 

ジム内を見渡しながら感心するイッセーに、パラドは笑いながらルームランナーで走り、月がバーベルを上げようとしていたが総重量100㎏の重りが付いていたので全く動かず、それを見ていた曜が呆れていた。そんな中でイッセーは……

 

「おい、このサンドバッグは使っていいのか?」

 

「あ、はい!!大丈夫です!!」

 

近くに置かれていたサンドバッグの前に立ち、ヴィヴィオに許可を得てからその前で構える。

 

(((ワクワク、ワクワク)))

 

イッセーの力量が解るかもと、ヴィヴィオ達もワクワクしながら見ていると…

 

「オラァッ!!」

 

―――ドゴォン!!!!―――

 

「「「ひゃあッ!?」」」

 

イッセーがサンドバッグを全力で殴り、周囲に物凄い音が響いて、見ていたヴィヴィオとリオとコロナもその音の凄さに驚く。イッセーはそこからラッシュを始め、サンドバッグの角度がどんどん床との水平に近づいていく。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!!!」

 

「ねぇヴィヴィオ、あの大型サンドバッグって結構重量なかった?」

 

「中は砂だから、確か200㎏ぐらいだったはずだけど…」

 

「それをパンチだけで…」

 

リオとヴィヴィオとコロナの心配を余所に、遂に水平になったサンドバッグをイッセーは全力で蹴り上げ、その威力に頂点を越えて一周してきた高速のサンドバッグを左足一本でアッサリと受け止める。勿論、受け止めた場所から1㎜も動かずにだ。

 

「「「スゴ…」」」

 

「素の身体能力であれほどの力…これで強化魔法を覚えたら、通常の一撃がミウラさんの抜剣に迫るかもしれませんね…」

 

「ええ!?あの人、身体強化してないの!?」

 

その光景にヴィヴィオ達は唖然とし、近くに来ていたアインハルトは冷静に分析して、ユミナと呼ばれた少女はあれが素の身体能力として驚愕していた。

 

「フゥ…やっぱ、動かない的だと味気ねぇな…」

 

しかし、当の本人はつまらなそうにため息を吐いた。

 

「なあ、誰か対戦相手になってくれねぇか?こんなんじゃ退屈でしょうがねぇ…」

 

「あ、じゃあわた「なら、私がお相手します」ああッ!?」

 

そこで対戦相手を募る事にしたイッセー。リオとコロナは高速で首を横に振って遠慮するがヴィヴィオは笑顔で自推しようとしたら、アインハルトに先を越されてしまった。

 

「ん?………………なら着替えてこいよ。その学生服をボロボロにする訳にゃいかねぇだろ」

 

「はい、少しお待ちください」

 

荷物をヴィヴィオに預け、更衣室に入ってトレーニングウェアに着替えたアインハルトが目にしたのは…

 

「とりあえず、これは没収です!!」

 

「何でだよ!?」

 

「子供相手に使ったら大惨事だからだよ!!」

 

「そもそも使うか!!」

 

「いーや!!イッセー君は調子に乗ると使おうとするから、やっぱり没収です!!」

 

「……………………?」

 

曜と揉めてるイッセーの姿だった。

 

「彼らはどうしたんですか?」

 

「えっと……イッセーお兄さんの持ってるアイテムが危険だから預かるうんぬんで…」

 

「アイテム?」

 

アインハルトが2人の手元を見ると、そこにはゲーマドライバーとコラボドライバー、2つのガシャットがあった。確かに、まだ中学生くらいの女の子にライダーの力はやり過ぎだ。

 

(あれは一体…?)

 

だが、アインハルト達はそれが何か知らない。少し気になりはしたが、あそこまでするという事はよほどの物なのだと思って詮索をやめた。

 

「チッ!!わかったよ……ん?着替え終わったのか」

 

「はい、お待たせしました」

 

ようやく諦めたイッセーがアインハルトを見つけ、彼女はリングに上がる。

 

「そんじゃ……さっさと最後の準備をしろよ」

 

「え?着替え終わってるんだから始めれば…」

 

「いや、アイツはまだ準備が終わってねぇ」

 

「…?」

 

曜がイッセーの言葉に首を傾げていると…

 

「おいで、【ティオ】」

 

「にゃーん」

 

アインハルトの左肩に一匹の子猫が乗ってきた。

 

「か、可愛い猫ちゃん…!!」

 

「ソイツは?」

 

「私のデバイス【アスティオン】のティオです。ちなみにモデルは豹です」

 

「「え、豹?」」

 

「にゃー♪」

 

彼女のデバイスであるアスティオンが声をあげる。しかし、見た目の愛くるしさと鳴き声でどうしても猫にしか見えない。

 

「アスティオン、セットアップ」

 

「にゃー!!」

 

アインハルトが呟くと彼女を緑色の光が包む。その眩しさに目を閉じたイッセーが目を開けたらそこには……

 

「お待たせしました」

 

背が伸びて、18~9歳ぐらいになっているアインハルトがいた。

 

「成長したッ!?」

 

「何でもアリだな…」

 

「これで身体的リーチの差はあまりありません。全力でお願いします」

 

「ハッ!!良いぜ…俺を楽しませろよ?」

 

2人は構え、暫しの睨み合いの後に飛び出したのはイッセーだ。先手を取るために全力で前に跳びながら拳を突き出す。

 

「ラアッ!!」

 

「フッ!!」

 

アインハルトはそれを冷静に後ろへと受け流す。そのまま背後に回り、一撃を繰り出す。

 

「セイッ!!」

 

「ハアッ!!」

 

イッセーはそれを目視する事なく、右足の回し蹴りで迎撃した。それから2人は1度距離を取って体勢を立て直す。

 

(なるほど…トーシローじゃなかったか。中々やりやがる)

 

(身体強化無しでこの力…!!それに、動きが全く読めない…まるで本能に任せて戦っている獣みたい…)

 

このたった1・2回の攻防で、2人は相手のおおよその力量を察した。だからこそ、アインハルトは短期決戦で決める為にイッセーと距離を離したままで構える。

 

(あん?何をやる気だ…)

 

「ハッ!!」

 

「ッ!?ガアッ!?」

 

それを警戒するイッセー。そしてアインハルトがその場で右腕を突き出すと距離が離れているにも関わらず、彼の顔に何かが激突し体が仰け反った。

 

(何だ今のは…!?空気の砲弾がぶつかったみてぇに…!!)

 

唐突な攻撃に戸惑いながらも、素早く体勢を整えようとした彼の前には、すでに拳を振りかぶっているアインハルトがいた。

 

「な…!?」

 

「覇王…」

 

そして全身の稼働を使って、勢いの全てを拳に乗せた一撃……覇王流の技がイッセーの腹に打ち込まれる。

 

「断空拳ッ!!」

 

「ぐあ…!?」

 

その一撃に数歩下がるイッセー。だが、アインハルトは険しい目で彼を見続ける。

 

(感触が浅い…咄嗟に体を引いてダメージを抑えた?)

 

そう…イッセーもただ喰らうのではなく、本能のままに体を引いた事で威力をある程度軽減させていたのだ。

 

「これはアインハルトさんの勝ちじゃない?」

 

「うん、綺麗に断空拳も決まったし」

 

「ううん、たぶん…思ったよりダメージは無いかも」

 

「「え?」」

 

リオとコロナはアインハルトの勝ちを確信していたが、ヴィヴィオはアインハルトと同じく険しい目をしていた。

 

「ハハ…いいねぇ…!!中々強ぇじゃねぇか」

 

「ありがとうございます。貴方もかなり強いですね?」

 

「こちとら命のやり取りを何度もやってるからな。んじゃ、少し本気を出すか…!!」

 

体勢を立て直したイッセーが構えると、一気にアインハルトへと駆け出す。

 

「ッ!?空破断!!」

 

それを迎撃する為にアインハルトは先程使った空気の砲撃を放つが…

 

「もう見えてんだよ!!」

 

それをイッセーは首を傾けるだけで回避した。

 

「なッ!?」

 

それに驚くアインハルト。そしてイッセーは、その間に距離を更に詰める。

 

「ならば…!!」

 

これ以上近づかせないと放つアインハルト必殺の拳。だが、イッセーはそれを左手で()()()()()事で完全に受け止めた。

 

「そんな…!?」

 

必殺の拳を止められて硬直するアインハルトの腹に、イッセーは右手の抜き手を押しつける。

 

「確かにお前の一撃の威力はスゲェ……けどな、拳を正面から受け止めなきゃそうでもねぇんだよ!!」

 

そしてその場で強く踏み込み、抜き手を拳にしながら衝撃をアインハルトに叩き込んだ。

 

「ガハッ!?」

 

腹部を貫くような衝撃。その一撃で踞るアインハルトに、イッセーは手を差し出す。

 

「俺の勝ちだな?」

 

「はい…私の負けです」

 

「お前との喧嘩(しあい)は楽しかったぜ」

 

「……こちらも、良い勉強になりました」

 

アインハルトはその手を取って引き起こしてもらい、共にリングを降りるとヴィヴィオ達に囲まれた。

 

「アインハルトさん、大丈夫ですか?」

 

「ええ、兵藤さんが加減してくれましたから」

 

「でもアインハルトさんが、あんな簡単に負けちゃうなんて…」

 

「兵藤さん、スッゴいです!!」

 

ヴィヴィオとコロナがアインハルトを心配する中、リオはイッセーの技に興奮冷めやらぬといった感じではしゃいでいる。

 

「踏み込みの時のドスンッ!!て音が身体中に響いて…1歩も動かないであんなパンチ放って…とにかく凄かったです!!兵藤さんって一体何類なんですか?」

 

「人類だバカヤロー」

 

最後に余計な一言を足したリオに、イッセーは彼女の鼻に軽くデコピンを当てた。

 

「うぴゅッ!?」

 

「たくっ……さて、ある程度暴れたから満足したし……後は観光でもするか…?」

 

「だったらヴィヴィオ達が案内しま…「その前に、お前達にはアタシから説教があるぞ?」…あ、ノーヴェ!?」

 

スッキリしたイッセーが観光しようと立ち上がり、ヴィヴィオが案内すると言う言葉を遮るようにして、別の女性の声がする。それはヴィヴィオの背後にいつの間にか立っていた赤いショートヘアーの女性の発したもので、ヴィヴィオ達は彼女の顔を見て、顔を青くする。

 

「はい整列ッ!!」

 

「「「「サー・イエッサー!!」」」」

 

「今日は完全休養日って言ったよな?なのに、お前達は何をやってるのかな?」

 

ノーヴェと呼ばれた女性の顔は笑顔なのに額には青筋を浮かべ、スゴみのある声で喋るその背後には般若の姿が浮かんでいて、ヴィヴィオ達は彼女の前に横一列で並んで背筋をピンっと伸ばして震えている。

 

「え~と……これには訳が…」

 

「ほぉ~?それはアタシの指示を無視できる程の事なのか……どんな訳か聞かせてくれるんだろうなァ?」

 

「あの~…」

 

怯える彼女達が不憫に思えた曜は、助け船を出すために彼女に声をかけた。

 

「ん?あんたは?」

 

「渡辺 曜といいます。実は……」

 

曜の説明に納得した女性は、ため息を1つ吐いてから4人を解放した。

 

「なるほど、事情は解ったが…今日はこれ以上の訓練は禁止だからな?」

 

「「「「了解です!!」」」」

 

「ならいい…ところで、あそこではしゃいでるのはアンタ達の連れか?」

 

「え?」

 

彼女が指差すその先には…

 

「「負けるかァァァァァァァァァァァァァッ!!」」

 

「こひゅー…こひゅー…こひゅー…こひゅー…もう…無理……ご……めんな…………さい……」

 

ルームランナーの最大速度を全力で走るパラドとイッセー、その隣で息も絶え絶えで床に倒れてる月がいた。

 

「ごめんなさい…?さい…さい……あれ?なんかこういう場所でこういう時にやる事があったような…………イッセー、知ってるか?」

 

「知るか。覚えてねぇなら、その程度のネタなんだろ」

 

「それもそうだな。そんじゃ続けるぞ!!」

 

「ああ!!心が高ぶってきたぜ!!」

 

そんな月を無視して、2人は走り続ける。

 

「つ、月ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」

 

そんな彼女の惨状に、曜は慌てて駆け寄るのだった。




いかがでしたか?

スンマセン、スランプとシンフォギアxdのアプリ三周年企画をやりまくっていたので遅くなりました…

おかげで文章の書き方を忘れてる…後半も雑になってきてるし…しばらくリハビリしないとな…

では次回で、お会いしましょう。

一般枠で選考から外れた虹ヶ丘メンバーの残りを出すかどうか

  • 良いぞ、やっちまえ!!
  • 選考から外れた奴等に用はねぇ!!

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