「僕らは霊夢さんから君の事を頼まれたんだよ。これから一ヶ月間よろしくね。僕は新之助」
と、はきはきとした声調で、先ほど起きたばかりのフランに話しかける男。
まだ二十歳くらいだろうか。黒髪で眼鏡を掛けている。体には青を基調としたはっぴを纏わせており、そのはっぴには『大島酒蔵』と書かれている。
「はぁ……」
しかしフランはそんな笑顔で話しかけてくる男、新之助と名乗る青年の方は見もせずにため息をつくだけ。
「どうかした?」
新之助は心配になってフランに尋ねてみる。が、フランは相変わらず無反応。そのかわりになにやらぶつぶつと呟きだした。
「ねぇさま……咲夜・・パチェ……ほんみ・・み・・皆……」
新之助は紅魔館の住民のことはあまり知らなかったがフランの知り合いだということは何となくわかった。
(……寂しいのかな)
と少しばつの悪い顔をする。
「皆……」
未だに無視され続けている新之助。しかしそんなはかなげなフランを見るに見かねて声を掛けようとした時、フランの口から背筋も凍るような言葉が発せられた。
「八つ裂きにしてやるっ……」
「……」(こええええ……)
フランは寂しがってはいない、明らかに怒っている。その迫力に新之助は何も言えず、思わず固まってしまう。
丁度その時、奥から声が聞こえた。
「新之助!いつまでも眺めてないで学校いきな!」
かなり年配の女性であろうしわがれた怒鳴り声が響き渡る。
「ば、ばあちゃん! 変なこといわないでよ! じゃ、じゃあいってくるね。フランちゃん」
声の主は新之助の祖母だったようだ。
新之助は学生で大学に通っているらしくこれから出かける様子。そんな祖母の言葉にそそくさと恥ずかしそうにフランが寝ていた部屋を出て行った。
「……はぁ……なんで」
自分の寝顔を眺められていたにも関わらず、新之助を横目に追ってそんな事どうでもいいといったようにフランはまたため息をつく。
自分が何故こんな目にあわなければいけないのか。幻想郷で暴れていただけで。それに暴れるならば同じように暴れる相手がいるもの。なのに何故自分だけが、と。
フランは理不尽だと思いつつもその気持ちの吐き口も見つからない。だからその場で膝に顔をうずめてしまう。
(ここの住人を全部殺して出て行ってやろうか……)
なんて物騒な事を思いつつも霊夢の言ったことを思い出す。それはフランを思いとどまらせるに十分値する。
人に危害を加えたら閻魔様のところでずっとくらすことになる、ということ。今ここで住人を殺したところで未来は自分にとって地獄であるだろう場所で一生暮らさなければならないということ。
「一ヶ月くらい、我慢できるもんっ……」
だからフランはいもしない誰かに八つ当たりするようにそう吐き捨てた。そして少しの沈黙。
「……ひま」
人里で、しかも能力を封じられているため弾幕ごっこは出来やしない。
退屈とは死よりも耐え難い苦痛である、言うように今のフランの状況がまさにそれだ。
何かないか好奇心旺盛なフランは辺りを見渡してみる。布団の下には畳がしかれ、い草のいい匂いがする。
立ち上がる事が億劫なのか、四つん這いになって歩き、障子を開けるとそこは庭になっており真昼の太陽の光がありとあらゆる物を焼き尽くさんとばかりに降り注いでいる。庭には石で囲まれた池がありその中には錦鯉がゆらゆらと泳いでいる。皆真夏の光で焼き魚にならないようにと影のある場所に避難中だ。
かなり広い庭の広場には所狭しと洗濯物が干されている。
障子から部屋の外に出てその様子を未だ眠り眼でボケーっと眺めるフラン。真上から降り注ぐ太陽の光からは日陰となっている安全な廊下をフラフラと歩いていく。板張りで日陰の廊下は靴下を履いているフランの足でも冷たさが伝わってくる。寝転べば夏の火照った体をひんやり冷やしてくれるだろう。
その廊下をずっと歩いていくと階段に突き当たる。左手には違う部屋があった。部屋には机とテレビが置かれているだけの簡素な部屋。
「テレビ……?」
フランは机の上にあったリモコンでテレビをつけてみる。するとM1グランプリの再放送をやっていた。今は射命丸と椛が漫才をやっている。
興味津々にその番組を見ているとなにやら聞き覚えのある響きが流れてくる。
『吸血鬼姉妹!幻想卿の吸血鬼姉妹、フランドールスカーレットとレミ』
プツッ、という音と共にテレビの画面が消える。もちろん消したのはフランだ。
「つまんない……」
もう紅魔館の住人など見たくもないのだろう。そう吐き捨てて不貞腐れたようにまた膝に顔をうずめる。
やはり寂しいのだろうか。うずくまってしばらく黙考していたがやはり退屈のようだ。すぐに首を振って辺りを見回し退屈をしのぐ何かを探し始めた。
(だれもいないの?)
不思議な事に常識を学んでこいといいながら誰もフランに教えようとするものはいない。ただ人里で暮らすだけで常識を学べというのだろうか。俗に言う見て盗めというのだろうか。
振り向くとそこには木造の柱が。そしてそこに刻まれた『シンノスケ 10』の文字があった。その横に地面と平行に横の線が。
これはよくある成長の記録だった。恐らくは先程の青年、新之助が10歳の頃の身長だろう。
それはフランの背と同じくらいか。フランは何気なく背伸びしてみたり自分の身長がどれくらいか柱に手をやって計ってみたりしている。するとフランのほうが少し低い。それに不満なのか頬を膨らませるフラン。必死に背伸びしてみたりするその姿は傍から見れば微笑ましいものだ。
そんな微笑ましい暇つぶしをしているとこの部屋に来る際、突き当たった階段から音がした。誰かが降りてくる足音。それは前が見えないくらいに積み上げた洗濯物を運んでいる新之助の祖母だった。
(……こけないかな?)
などと不謹慎なことを思うフラン。フランは前が見えず足取りのおぼつかない祖母の動向をじっと観察する暇つぶしに切り替えたようだ。
(踏み外せ~こけろ~)
と不謹慎な事を思うだけでなく両掌を祖母に向けて念まで送っている。馬鹿が付くほど可愛らしいその仕草だがやっている事は最低だ。
しかしそんな思いが通じたのか祖母が階段から足を滑らせた。フランは今までにない満面の笑顔でわくわくしながら助けようともせずその行く末を見守っている。
祖母は前のめりになる。バランスをとろうと手をばたばたさせ洗濯物をふんだんに撒き散らしてはいるがもう遅い。
祖母にとっては最悪、フランにとっては最高の暇つぶしとなる。
筈だった。と言うのも足を踏み外した祖母はもう片方の足で思いっきり階段を蹴ったのだ。
フランまで3メートルはあっただろう。祖母は階段を蹴り上げた反動で中を舞う洗濯物を弾き飛ばしながら、うきうきわくわくしているフランめがけて跳んでいく。
「へ?」
と口を突いて言葉を放った時にはもう祖母の頭はフランの眼前。そして
「うぎゃ」
ゴツン!というハンマーに叩かれたような音と共にフランの視界はまた閉ざされていった。
「ん……?」
「あ、きがついた? 大丈夫?」
なにやら前にもあったようなこのやり取り。フランはさっきの布団に寝かされていた。
「……うん」
「よかった。もうおきないかと思ったよ」
新之助は大学から帰ってきたらしい。ということはその間ずっと気を失っていたのだろう。頭には痛みがまだ残っている。そして蘇る記憶。
そこから導かれることは新之助の祖母への怒りだけだった。
「あ、あのくそば――」
ばあ、とは言わなかった。というよりも新之助の思いもよらない言葉によって遮られたといった方がいい。
「ありがとう」
「……え?」
わけがわからないそのやり取り。頭に何度も衝撃を受けたせいでおかしくなったのだろうかと自分を疑ってしまうほどかみ合わないやり取り。
自分の頭に頭突きをかました祖母の代わりに謝るならともかくありがとうとはどういうことなのか。
「ありがとう。ばあちゃんを助けてくれて」
「な、な、なんのこと?!」
「ばあちゃんが階段から足を滑らせて落ちてきたのを助けてくれたんでしょ? 本当にありがとう。」
新之助は恭しく頭をたれる。
フランは混乱していた。新之助は勘違いしている。それを問いただすべきかそのままにしておくべきか。更にフランはそのジレンマの中で全く別の感情がこみ上げていた。それは『ありがとう』という言葉だった。
今までフランのその性格と能力から気味悪がられたり鬱陶しがられ、恐れられることはあっても新之助のように感謝の言葉を投げかけてくれるものはいなかった。
だからフランはこの感情をどうしたらいいかわからないのだ。
「あ、あ、あれは……」
フランは動揺し、勘違いしている新之助の間違いを正してやろうと思って止めた。
「……そっ……そうよ……私が助けてやったのよ! 危なっかしいばばぁだったからね!」
フンッとそっぽを向くフラン。しかしそっぽを向いたのは自分の顔が混乱で新之助には見せられない顔になっていたからだ。
フラン自身、何故そんなことを口走ったのか、何故そんな見せられない顔になってしまったのかわかってないだろう。
「あははは、でもばあちゃんをかばって頭をうったって聞いたんだけど、大丈夫?」
そんな偉そうなフランに新之助は笑いながらそして心配そうに問いかけてくる。フランは頭を打ったがその痛さなどもうどうでもよかった。
「う、うん……」
頭と頭がぶつかったのだから祖母の方も無事ではないはずなのだが。
しかし人の心配をするようなフランではない。そんなこと露ほども考えてないだろう。
「よかった。じゃあ僕は店の手伝いがあるから」
そっぽを向いたまま頷くフランに満足したように立ち上がり新之助は部屋から出て行った。新之助が出て行った方をしばらくじっと見つめるとフランは視線の先へゆっくり音を立てないように四つんばいで這って行く。新之助が出て行った戸を少しあけて顔半分を扉から覗かせる。どうやらそこはこの大島酒蔵の店で接客する場所らしい。
そして新之助が店前で客引きをしている姿があった。何故かフランはその姿をボーっと見つめていた。
と、顔を半分出しているフランに気付いた従業員がビクついて気付く。フランがどんなに可愛くとも顔半分を出して見られるというのは何とも気味の悪いものだったのだろう。
従業員はそれを新之助に伝える。それで新之助が振り向くと顔半分を出しているフランと目が合った。新之助はニコリと微笑むとフランは驚いて顔を隠してしまう。
まるで小さな子供が恥ずかしがっているような光景だ。実際フランは小さな子供なのだが。
(なんかどきどきする……なんで……)
フランは布団の上にダイブするように倒れこむ。
「ありがとう……か……」
今まで言われたことのない『ありがとう』にフランはどうしていいかわからない。どう接すればいいかわからない。
そんな自分に嫌気がさしたのか、フランは自分の両頬を音がするほど強く叩く。
「あー!もうっ!何でこんなどきどきするのよっ!」
「ニャー」
フランの頭の中でいろいろな思いが渦巻いている。そんな時、猫の鳴き声がした。その方向を見てみると小さな猫がいる。まだ子猫だ。
「猫?」
フランは忌々しそうにその猫を睨む。その子猫はそんなフランによろよろと近づいてくる。
「……なによっどっかいきなさいよっ、今忙しいんだから!」
「ニャー」
「なに? 遊びたいの?」
威嚇しても逃げ出さず逆に近寄ってくる子猫。先程フランが言ったように今フランの頭の中は先程のありがとうの変換で忙しい。そこへ子猫が怖がらずに近づいてくるのだ。
フランは苛立ちを隠せない様子。
「にゃ~」
「そう……あそびたいんだぁ」
フランは一定の怒りを超えるとその表情はその思いとは裏腹に笑顔に変わる。それは皆が気味悪がる怪しいもの。その笑みを浮かべてそっと猫の顔に手を伸ばす。
フランはその力故、全てのことを破壊することで身を守ってきた。何かあれば壊す。そうすれば何も起きないし自分に害を加える者もいなくなる。フランはそうやって今まで生きてきた。その延長が過度の弾幕ゴッコだったりするのだろう。そしてそれを快楽と勘違いして。
(人じゃないし……いいよね?)
怪しい笑みを浮かべるフランの掌が猫の横顔に触れる寸前、逆に猫がほほをフランの掌にこすりつけた。その瞬間、フランの胸にざわめくものがあった。
「ふぁ……」
「ニャォン」
「か、かわいい……」
ありがとう、という言葉、そして殺そうと思ったのに殺せなかった感情、もうフランはわけも分からず子猫をこねくり回して遊びまくったのだった。
「フランちゃん、やっと店終わったよ」
新之助が意気揚々とフランのいる部屋に入ってくる。しかし返事も何も無い。無視されているのだろうと新之助は考えていたのだがそれにしても静かだ。
「って、寝てる? あはは、猫も一緒か」
新之助がフランの部屋に行くと掛け布団の上にダイブしたように眠っていた。子猫と遊び疲れて寝てしまったのだ。
その背中に先ほどの子猫が丸まって眠りこけていた。先刻八つ裂きにしてやるなどと物騒な事を言っていたフランが今はうつぶせに倒れるように眠りその上には猫が乗っているのだ。その妙な光景に新之助は思わず笑ってしまう。
そしてその天使のような寝顔に顔をだらしなく緩ませる新之助。
(全く……かわいいなぁ)
と、新之助は顔をだらしなく緩ませつつ毛布を掛けてやった。
夜、昼間ほとんど、不本意にだが寝ていたからかフランは起きていた。
いつの間にか二階の、景色がよく見える部屋に移動している。タンクトップを着てひらひらの薄い生地のホットパンツを履いて帽子をとっている。フランの寝る時の格好なのだろう。
窓枠に両手を乗せその上に顎を置きながらボーっと夜空を眺めている。人里ではもう皆寝る時間なのか、辺りはもう真っ暗で空の星がよく見える。
そして夜空には丸い月がひとつ。その青白い光がフランの紅の瞳を照らしている。
窓から差し込む月の光だけで部屋の中がよく見えるほどに明るい。
フランは窓の外を眺めながら考えていたのだ。昼間にあったあの事を。
(ありがとう……か……私どうしちゃったんだろ……猫も殺せなかったし)
窓枠に乗せている腕に自分の頬を置く。考えれば考えるほど押し付けられて歪んだ顔のように思考が歪んでいく。とそこに誰かの気配が。
「フランちゃんアイス食べる?」
フランは考え事をしていて全く気付かなかった。はっと気付いて声の方を見るとすぐそこに新之助が手にアイスを持って微笑みながら立っていた。フランはごくりと生唾を飲み込み無言で頷く。どうやら甘い物に目がないらしい。
アイスを食べている間もフランは夜空を眺め続けていた。
新之助もフランの隣に座ってアイスを食べ夜空を眺めていた。フランは隣に座った新之助を特に気にもせずにただ夜空を眺めている。
二人の視線の先には丸く光る月が一つ。それは何も考えず、ただ見ているだけでも飽きないくらいに綺麗な月だった。綺麗な月はある話によると不思議な魔力で人間を狼に変えるらしい。そしてそんな不思議な魔力にフランが舐めていたアイスはただの棒に変えられていた。
不意に、フランがその棒をポイッと放り投げた。まだよだれの乾いていない棒は当然の如く床に敷き詰められた畳にペトリという効果音と共にくっついたのだった。
新之助はそのフランの常識はずれな行動に驚き、急いでフランの投げたそれを拾い上げる。
「だ、ダメだよフランちゃん。ゴミはゴミ箱に捨てないと」
と、フランを軽く叱ってやる。新之助は一般常識を教える身だ。そこはきちんと教えなければならない。
「そうなの? いつもそこらへんに捨てたら咲夜が……」
とそこで言葉を切りうつむいてしまう。紅魔館の住人だろうという事は新之助にはわかる。寂しいのだろうか。それともただ思い出したくないだけのだろうか。
新之助は少し探りを入れてみる。
「……そういえばボーっとしてたけど、どうしたの?」
「……」
笑顔で尋ねる新之助だがフランは無言。新之助の探りにフランは響かない。
「寂しくなった?みんながいなくて」
「あ、あいつらなんか死ねばいいっ……」
この言葉にはフランは響いたらしい。そして当たりだったのだろう。フランは慌ててそう言ってまたうつむく。フランのそんな反応に今までほぼ無視され続けてきた新之助は少し嬉しそうだ。その勢いで新之助は笑いながら更に続けた。
「そっか。僕もあるよ、死ねばいいのにって思うこと」
フランは目で新之助を捉える位に首を動かす。しかしその何気ない行動とは裏腹にフランはとても驚いていた。いつも笑顔で優しそうなこの青年がそんなことを思うこともあるのかと。
(仲間?)
だからそんなことを思ったりしていた。
「ばあちゃんや父さん、母さん、友達、皆思ったことあるよ」
無駄な仲間意識を持ったフランは興味本位で聞いてみる。
「……親がいないみたいだけど……ころしたの?」
物騒な物言いだがフランの可愛らしい見た目から出るそんな言葉は恐怖など感じない。新之助から見れば子供が強がって言葉を吐く、世間知らずの子供にみえているだろう。
慣れたこともあるだろうが、あまり驚かず、新之助はその会話を続けることができた。
「まさか。ころさないよ。両親は事故でね……」
「ふ~ん……私なら殺そうと思ったらかまわずやる」
何故か唇を尖らせて顔を正面に戻す。おそらく仲間だと思っていたがあてが外れたというところだろう。
「あはは、僕にはとてもそんなことできないよ」
「根性無しね」
笑ってそんなことを言う新之助に苛立ちを覚えながらそんなことを吐き捨てるフラン。
「そうだね。僕は根性無しだね」
「そうよっ」
フランの興味はもう完全にそがれたというようにまた綺麗な月の魔力に引きつけられるように夜空を眺め直す。だがフランは次の新之助の言葉にまたしても首を振ってしまうのだった。
「でもね。殺したらそこでその人はこの世からいなくなってしまうんだよ」
「え?」
フランが今度は顔の正面に新之助が来るくらいに首を振る。
フランは今寂しがっている。だからいなくなるという言葉に敏感に、過剰なほど反応してしまったのだ。
それを気取られないように慌てふためくフランだがそんなフランを新之助は見ていなかった。今度は逆に新之助は夜空を眺めフランが新之助を眺める形になる。
「もうその人とお喋りもできない、触れることもできなくなる。そう考えると悲しくて」
フランは皆のことを思い出す。フランの頭の中に紅魔館の住人やそこに集まる人々の事が映し出された。しかしそれは一瞬で、頭を振ってブンブンと払拭する。
「べ、べつにいいもんっ……」
そんなフランを横目で見る新之助。
「私をこんなところにおいやって……皆私が嫌いなんだよっ」
「それは違うよ!」
「へ!?」
「あ、ごめん、驚かせちゃって」
普段の喋りがゆったりとしていたのでいきなり大声を出した新之助に体をびくつかせてしまうフラン。
新之助は一先ずそれを謝るがその声調の勢いは消えない。
「でもこれだけは聞いて欲しいんだ。町の会議で君の事で色々大事になっちゃったんだ」
更に続けてフランが何故こんな目にあうはめになったのかを人里の町であった会議の事をかねて説明し始める。それはフランにとって衝撃の事実となった。