フランは成長するのか?   作:天澤星三

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あけましておめでとうございます。

年末ばたばたして更新できず申し訳ないです。

ではどうぞ。


第三十二話 ~贖罪~

 

「さ、これからどうする? 紅魔館へ行ってから博麗神社へ向かうか? それともこのまま神社へ行くか?」

 

 写真撮影が終わると魔理沙が未だレミリアの胸に張り付いているフランを覗き込みながらふとそんな事を言い出した。何故か博麗神社へ行く事が決まっているかのような口ぶりだ。博麗神社で何かあるのだろうか。

 

「何で博麗神社?」

「ああ、言ってなかったっけ? やっぱめでたい事の後は宴会だろ?」

 

 レミリアの胸に張り付いているフランが不思議そうな顔を魔理沙の方へ上げる。

 宴会と言えば飲んで騒いでのドンちゃん騒ぎ。

 パーティは嫌だと言っていたフランだが宴会はいいのだろう。それを聞いたフランは不機嫌そうだった顔をぱっと明るくさせ、更に目を丸くした。

 さっき鳴いたカラスがもう笑った。そんな言葉が相応しいが、先程まで危惧していた問題があっけなく解決してしまったのだ。当然と言えば当然なのだろう。

 

「宴会!? 行く行く! 神社行く!」

 

 そして宴会と言う言葉にフランだけでなく、周りにいた各々帰宅しようとした者達も足を止め、その内容に聞き耳を立てている。あわよくばその宴会に参加し、出される料理をつまみ、一緒に騒ぎ立てようと企んでいるのだろう。

 

「でも帰ったばかりなのにいきなり神社でいいのか?」

「私は紅魔館じゃなく皆のところへ帰ってきたんだもん。それが何処でも関係ないよ」

 

 人里から一ヶ月ぶりに帰ってきたのだ。一番初めに紅魔館に行かずに博麗神社に行くなんて、と。それが魔理沙の主張であり優しさだろうが、そんな一般的な常識など持ち合わせてはいないのが幻想郷の住人だ。

 花より団子、色気より食い気の連中の集まりと言っても過言ではない。(たぶん)

 だからそんなフランの発する花を魔理沙の冷めた視線でばら切りに、更に言葉を重ねてみじん切りにする。

 

「はいはい、全くお前は青臭いガキだな。臭いお喋りはこれくらいにしておこうぜ。なんだかむずがゆくなってくるぜ」

「私臭くなんかないもん!」

「いやいや、褒めたんだぜ? 乳臭いから青臭いに格上げだ」

 

 臭いと言われたと勘違いしたフランを片手で制止しながらひっひっひと意地悪な笑みを見せる魔理沙。

 

「はいは~い。しつも~ん」

 

 突然、学生のように手を上げて「質問」と間延びした声をあげる霊夢。

 

「な、何だよ霊夢、脇なんか見せて」

 

 魔理沙は片手でフランを抑えながら気不味そう霊夢のほうを見る。

 

「いい脇でしょ?」

「ああ、そうだな。じゃあ皆神社へ行こうぜ!」

「「おー!!」」

 

 ふざける霊夢を尻目に魔理沙は残っている者たちに出発信号の合図を送る。それに呼応するように皆も大手を振って了承の合図。

 

「はいは~い、ストップストーップ」

 

 しかし、霊夢だけは違っていた。

 

「何だよ霊夢、皆行く気満々だってのに、ノリ悪いぜ?」

「宴会って何?」

「フランお帰り~って言う宴会」

「いや、そうじゃなくて」

「ん?」

「ん? じゃねーわよ! 私初耳なんですけど!?」

「ああ、だって今決めたから」

「はぁ!?」

「あ、いや、その……ノリ? だぜ?」

「あんたねぇ! 何の権限があって神聖な博麗神社を妖怪の宴の場にしようってのよ!」

「ま、まあまあ、固い事言うなよぉ。フランが帰ってきたんだぜ? めでたいんだぜ? これを今日祝わなくていつ祝うんだ?」

「私としては問題のタネが芽を出して戻ってきただけなんですけど!?」

「その芽はきっといい方向へ成長してるさ。ほら、あの太陽に向かってな」

 

 魔理沙は朝日を指差しながらその眩しい太陽に熱い視線をおくる。霊夢はそんな魔理沙に目を細めて冷たい視線を送る。フランに至っては朝日を見ようとしたところをレミリアに取り押さえられた。

 

「さぞや立派な灰(胚)になるでしょうね」

 

 目を細めた霊夢はそう言い捨てて両の掌を天に向け首を振った。

 

「はは、上手いこと言うなぁ霊夢、よっ日本一!」

「その安いよいしょやめて……」

 

 魔理沙の下心見え見えのその安いよいしょに逆に恥ずかしくなった霊夢はため息を一つ。そして顔を背けた視線の丁度先。レミリアに取り押さえられたフランが心配そうに霊夢を見上げている。

 

「……まあいいわ。今のフランなら」

 

 以前のフランならかんしゃくを起こして神社を壊しかねないが今のフランならば暴れる可能性もそれ程高くないだろう。そして霊夢が思っていたよりもずっと成長していた。それは霊夢も分かっている。

 それに最後の日に羽目を外して祭りに行った挙句、あんな事になってしまった。神社を宴会場にするくらいですむならば安いもの。 だから霊夢は渋々了承したのだった。

 

「さっすが霊夢だぜ。なら神社に向かおうぜ」

「勝手にすれば……」

 

 そう投げ捨て、ため息をついた霊夢は腰に手を当てる。

 ここで魔理沙は不思議な光景を見る。いや、魔理沙だけではない。そこにいる全員が何か違和感のようなものを感じた。

 霊夢の視線が一瞬だけパチュリーに注がれていたため。そしてそのパチュリーもまた霊夢に視線を向けていたのだ。

 これは偶然目が合っただけと言われればそれまでだが。普段この二人が世間話をするところなどあまり見る機会が無い。話しているとしても何を話しているか全く予想が付かない。それほどこの視線の違和感は大きかった。

 それもあってだが更に皆の不信感を掻き立てたのはパチュリーが霊夢の視線に反応すると同時に小さく頷いたのだ。

 

「ん?」

「何でもないわ」

 

 魔理沙は他の者達と顔を見合わせるが皆一様に頭上にはてなを浮かべたような表情をしている。ただし四季と紫だけはそっぽを向いて沈黙。当の霊夢とパチュリーはもう目線を外し何事も無かったかのように目を瞑っている。更に霊夢は頭痛でも起きたかのように額に手を当てて何か考え込んでいる。

 霊夢とパチュリー。この組み合わせで思いつくものと言えばこの計画を企てた中心人物であるということだけ。

 

「宴会……ね、まあいいわ。それで? 準備はどうするのよ?」

 

 宴会と言えば煌びやかな飾りつけ、など花より団子の連中には不要なものだろう。大量の食料とその場を盛り上げる宴会芸、それさえあれば十分と言っていい。

 だが魔理沙は今決めたと言った。とても宴ができるような料理を用意しているとは考えにくい。

 しかしその背景とは逆に魔理沙の顔は余裕そのものだ。その自信はどこから来るのか。

 

「出来てるよな? 咲夜」

 

 魔理沙はその自信の根源であろう方向を見てそういった。

 

「何でこっちを見るのよ」

 

 どうやら魔理沙はフランの為に用意されたご馳走を当てにしているらしい。宴会芸はどうか分からないがレミリアならさぞ豪華なご馳走を用意していることだろう。一ヶ月ぶりに帰ってきた愛する妹のためだ、用意してないわけがない。と言うのが魔理沙の予想だろう。

 

「さくやぁ~宴会やりたい」

「え……しかし……」

 

 加えてフランも咲夜に擦り寄って甘えてくる。

 当然こんな大人数など予想はしていないので今のままでは食料的に無理がある。そして紅魔館のメイド長と言えど従える身。従者にその決定権は無い。

 フランはいつも食事等を用意しているのは咲夜だから、という安直な考えで咲夜にすがっただけだろうが、それで咲夜がどんな顔をし、誰の意見を仰ぐかは言うまでもない。

 

「ふふ、いいわ、足りない分は用意する。買出しお願いね、咲夜」

「本気ですか? お嬢様?」

 

 とは咲夜の常識で考えれば当然と言えば当然と言える。小さな宴会とはいえ開くのにも多少の費用は掛かる。

 しかしそんな事はレミリアの経済力なら痛くないだろう。ならば咲夜が危惧していることは何か。

 それは自分の主が金を払うに値するものかどうかを分かっているかだ。今目の前にいる者たちにその価値があるかどうか。

 咲夜の目に皆はどう映っているのか。咲夜はそこにいる皆の顔を舐めるように見回した。

 

(その日の食費さえに困ってそうな脇巫女……)

「何よ」

(そしてたかる気満々の快速ゴキブリ魔女)

「お前今なんか失礼な事考えただろ?」

(それに加えてブラックホールの胃袋を持ってそうな西行寺幽々子)

「あらぁ? なんだか見つめられてるわ」

「幽々子様をカービィかなにかだと勘違いしてるのではないでしょうか?」

(更にはこれ見よがしの巨乳共、絶対偽パイに違いないわ)

「ジェラシーの気を感じるわ」

「結構重いんだよ? 肩こるし」

「あ、あの……何で私まで睨まれてるんでしょうか?」

「極めつけはあの三馬鹿妖精共……」

「はうぅ……」

「こ、声に出てますが……」

「スイカバーが食べたい!」

 

 身内であるはずの美鈴を睨み付けた後に三馬鹿妖精と称する大妖精、リグル、チルノを見回すと咲夜は深いため息をつかざるを得なかった。

 

「はぁ……何だかやる気が……」(私はお嬢様達だけにお食事を御つくりして差し上げたいのに……)

「大勢の方が楽しいでしょ? それに神社なら霊夢もいるし一石二鳥じゃない」

「頭大丈夫ですか? お嬢様」

「咲夜~」

「妹様?」

 

 咲夜が声の方を見下ろすといつの間にか咲夜の腰にフランが抱きついて見上げている。

 

「お願い」

 

 そして上目遣いでそんな事を言われた日には鼻血を出さずにはいられないだろう。咲夜に限り。

 

「喜んで!」

「咲夜ありがとうー!」

「ちゃんとお礼言えるように」

 

 と、いつも弾幕ごっこの相手をしてやった魔理沙はお礼を言われた事がなかったのでそのフランが新鮮に思えたのだろう。いつも悔しがるか気絶しているかのどちらかだからだが。

 しかし咲夜の死角、そこにあるフランの表情は二つ名の通り、悪意に満ち溢れていたのだった。

 

「……まあ色々成長したってことだ……よな……」

「ぼけっとしないで、皆行くわよ」

 

 その霊夢の一言で皆一歩を踏み出し始める。夏の終わりの早朝、一行は神社に向かった。

 

 

 

「やっぱ宴会といえば盛り上がる出し物しなくちゃな」

「出し物って……あなたは何をやるのよ?」

「やっぱ盛り上げるには歌だろ?」

「あなたの自己満足じゃない」

「人聞きの悪い事言うなよ~私はフランの為を思ってだなぁ」

「じゃあ私も一緒に歌うわ。見張りのために」

「別にいいけど私の歌は激しいぜ? 病弱なお前がついてこれるかどうか」

「大歓迎だわ」

「じゃあ私は太極拳でも」

「それ盛り上がるのか?」

「もりあがりますとも!」

「剣舞なら私に任せて下さい」

「お、何だよ妖夢、いつに無くやる気だな! やったれやったれ!」

「ちょっと! 神社を壊すような事だけはやめてよね!」

「そうだ! 物騒な事すんじゃないぜ! 自重しろ! この大馬鹿野郎!」

「どっちですか……」

 

 などと楽しそうに何をやるかフランがいる前で決めている。隠し芸ではないので良いのだろうがそんな事をすればサプライズ的な楽しさの要素は皆無だろう。

 そんな楽しそうな輪に主役であるフランは入る余地は無い。だからその輪と日傘をさしてくれている咲夜を挟みその日傘の影にいるレミリアの少し後ろをフランは歩いていた。

 周りは朝とはいえ夏。診療所から出た直後の気持ちのいい空気は何処かへ行き、周りはもうすでに暑くなってきている。

 博麗神社へ続く道。脇には木々が生い茂り、反対側には小川が流れている。さんさんと降り注ぐ太陽光受け、川面や草、生い茂る木々はきらきらと輝いている。

 しかしそれを輝かせる太陽は吸血鬼にとって敵でしかない。咲夜の日傘によって作り出される日陰はあまりにも小さい。

 その小さな陰から出れば日光の餌食。言わば足を踏み外せば死の崖の上だ。だがその影はフランがいるにも関わらず、レミリアに合わせてか、それともレミリアが影に合わせてか、一寸たりともその身を太陽の下に晒させるような事はしない。

 レミリアはそんな動く崖っぷちを臆せずすたすたと歩いているのだ。咲夜への信頼か、それともレミリアの絶妙な歩みか。慣れたものである。

 その後ろ、レミリアをボーっと眺めながらフランは一番安全な影の中央を歩いている。

 そして何を思ったのか急にフランはレミリアの背中に跳び乗った。

 

「きゃっ!?」

 

 動く崖っぷちを何の恐怖も持たず、すたすたと歩くレミリアもさすがにそのフランの行動には恐怖を隠しきれなかっただろう。

 

「フラン!?」

「ずっと前、こうしてくれたよね」

 

 それは昔、気を失ったフランを背負い、追っ手から逃げていた時のこと。

 軽くよろめいた体制を建て直してからレミリアは言葉をつむぎだした。

 

「思い……出したの?」

「うん」

「そう……」

 

 そう言えばレミリアはフランが記憶を取り戻した事をまだ知らなかった。話したのは新之助だけ。

 レミリアはあの時の記憶が蘇ってくる。全く同じこの体勢のため、より鮮明になって。

 あの時と同様、レミリアは恐る恐る声のするほうへ顔を向けようとした。

 

ぺたっ

 

 レミリアの顔は少し動いて止まった。それはフランの暖かく柔らかいほっぺたによって妨げられたから。

 

「こうやって……してくれたよね」

「そう……ね」

 

 レミリアはぽつりぽつりと言葉をはくと目を瞑り、あの時と同じように、猫のようにフランの頬を自分の頬で撫でてやる。フランは気持ちよさそうに目を細め、より一層レミリアを抱きしめる。

 そして次にレミリアの口から出た言葉。それは謝罪の言葉だった。

 

「ごめんなさい」

「なんで謝るの?」

 

 レミリアはフランを先程愛していると言った。しかしそれはフランを笑わせるために付いた何か。

 フランへの愛。レミリアは以前それをフランに対する謝罪だと言った。それを聞いた咲夜も不可解な面持ちでその会話の成り行きを見つめている。

 

「あれは私のミスよ。あの時、私がダリスを殺していれば……」

「え?」

「……あの時の事をあなたはまだ覚えてるかしら?」

 

 あの時とは孤児院である城の一室で悲劇が起こった時。

 

「私はハンターを殺せると確信したわ。でもあの時見てしまった。ダリスの歪んだ……悲痛な表情を」

「……」

「私はダリスを殺す事ができなかった……体が動かなかった……どうしたらいいか……」

 

 レミリアの声は段々小さくなっていく。

 「言い訳」、そんな言葉がレミリアの頭の中でちらついて。

 それが自己嫌悪を煽り、フランへの罪悪感に火をつける。その火は煽られて大きくなって、レミリアの精神を焼き尽くしていった。 そして最後に「分からなかった」と、消えそうな声で呟いた。

 

「これは私が犯した罪」

 

 レミリアが言う謝罪とはそういう経緯があったらしい。フランの為に土下座したり幻想郷を捨ててどこか遠くへ逃げると言ったレミリア。

 だからフランが深い悲しみに落ち、狂気に駆られ人々を気の済むまで殺し、それを快楽と感じてしまう殺人鬼にしてしまった自分が許せなかったのだ。

 それを罪と称して自分を攻め立てる程に。

 

「それをあなたは……」

 

 許してくれるか、など聞けるはずが無い。自分が取った行動を罪と称するレミリアにそんな事、言えるはずが無かった。

 だがそれはレミリアの考えすぎでフランは全くそんな事思っていないだろう。逆に至れり尽くせりと言ってもいい。

 しかしレミリアはその罪と言う呪縛を自らに押し付ける事でそれをフランへの謝罪としていた。フランをいつくしむ、愛さえも。

 フランにとってその謝罪は心地よいもの。しかしそれはレミリアが背負った罪を償うための罰に過ぎない。

 実の妹にそんな謝罪や罰といった関係など無用の長物。ならばそれをレミリアから解き放つにはどうしたらよいか。

 それはフランにとって簡単な事だった。なぜならフランは「ありとあらゆる物を破壊する能力」を持っているからだ。

 そしてどうやらフランは自称魔法少女らしい。

 

「ありがと」

 

 それは罪だと思っていた行為に発するだけでそれを天の恵みへ変える呪文。

 

「……そ、そこは怒るところじゃないかしら? あの時ダリスを殺して窓から捨てていれば……いえ、あなたを無理やりにでも連れ出していればあんな事には――」

「でも今の皆に会えなかったかもしれないよ?」

 

 失ったものは大きい。

 

「それは……そうだけど……」

 

 しかし得たものもまた大きいのだ。

 

「幻想郷は面白いし」

 

 それが正しいか間違いか。それは全知全能の神でも知る由は無いだろう。だが大事なことはそれを乗り越え今をどう生きるか、ということだ。

 

「フラン……」

「だからぁ、ありがとっおねぇさまっ」

 

ちゅっ

 

 とフランはレミリアの頬に軽くキスをする。

 

「ふ、ふらん!?」

「ふふ、皆いろんな反応してて楽しいな」

 

 約500年を経て、今その呪縛からレミリアは解き放たれた。

 レミリアは驚いてフランを見るがフランはカラカラと笑っている。レミリアも楽しそうなフランを頬で感じながら鼻で笑い、そして軽く微笑んだ。微笑んで膨らんだ頬でフランの頬を荒く撫で、更にばたばたさせているフランの両足をがっしり掴んでやる。

 あの時と同じように。

 その光景をだらしなく顔を緩ませているものがいた。

 

「おい咲夜、鼻血拭けよ」

 

 なにやら大事な話をしているレミリアとフランの為に魔理沙たちは気を利かせて静かにしていたらしい。咲夜に至っては言うまでもない。

 

「皆って、他の誰かにしてあげたの?」

「うん。新之助」

「ふふっ、そう」

「おい咲夜、涙拭けよ」

「新之助の唇やわらかかったよ」

「なっ」

「あら、やるじゃないフラン」

「おいまて咲夜! どこへいく!」

「あの女垂らしを殺してきます」

「ばっ……皆咲夜を止めろ!」

「私を止めても時は止まりませんよ!」

「わけが分からないわよ咲夜」

「うっとうしいメイドね!」

「咲夜さん落ち着いて!」

「ああ! レミリアとフランが燃えてるぜ!」

「美鈴が刺されたわ!」

「誰か医者を! はっ、私か」

「全く、騒がしい連中だな」

「ですね」

 

 こうして幻想郷の住人は住人らしく博麗神社に向かったのだった。

 

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