白猫プロジェクト~賢者と黒竜を従えし者と冒険者達の学び舎~ 作:九戸政景
リオス「どうも、主人公のリオスです」
政実「本編同様、この2人で前書きと後書きを担当していきます」
リオス「まあ、それはそれとして。1つ良いか?」
政実「うん、何?」
リオス「たしか本編の方で、茶熊学園は番外章の方でやるとか言ってた気がするんだけど?」
政実「えっとね……最初はそうしようと思ってたんだけど、番外章でやると本編の目次があまりにも多くなる事に気付いたからと、茶熊学園イベントの話は本編と分けて書いた方が面白いかもしれないって思ったからだね」
リオス「なるほどな。
……さて、他の事は後書きで話すことにして、そろそろ始めていくか」
政実「うん」
政実・リオス「それでは、プロローグをどうぞ」
ある日の事、俺達はいつものようにギルドから受けた依頼をこなした後、アジトなどがある飛行島へと戻ってきた。
(ふぅ……しかし今回の依頼は中々骨が折れる内容だったなぁ……)
額の汗を拭いながらこなしてきた依頼の事を思い出していると、キャトラがアイリスの腕の中でため息をついた。
「はぁ……それにしても今日は疲れたわねぇ……」
「(だなぁ……ったく、あんなに魔物が多いなんて話、聞いてねぇっての……)」
キャトラの言葉を聞くと、黒竜のネロが頷きながら少し不機嫌そうに答えた。すると、ナギアが小さく笑いながらキャトラ達に話し掛けた。
「まあ……キャトラ達の言う通り、魔物達の相手でかなり疲れたけどさ。今日俺達が魔物達を倒したことで、あの島の人達が助かったわけだし、頑張った甲斐はあったと思うぜ?」
ナギアの言葉を聞いた後、キャトラとネロは顔を見合わせながら、静かな声で話し始めた。
「うーん……まあ、そう言われればたしかに……」
「(そうかも……しれねぇな)」
「うん。それにそう考えた方が、何か楽しい気がしてきたしね♪」
「(ははっ、だな!)」
そしてキャトラとネロがさっきまでの様子とは打って変わって楽しそうに笑い始めると、ナギアも一緒になって笑い始めた。
その様子を見て、俺とアイリスも顔を見合わせた後、静かに微笑んだ。
(やっぱりナギアは凄いな……どんな相手でもいつの間にか自分のペースに巻き込んで、そして最後には笑顔にしてしまう。例え、他のことでナギアに勝てたとしても、これだけはいつまでも勝てる気がしないな……)
ナギア達を見ながら、心の中で静かにそう思っていると、突然ぐ~っ、という音が辺りに鳴り響いた。
(……今、ナギアの方から聞こえた気がするけど、この音はもしかして……)
俺達が一斉にナギアの方へ顔を向けると、ナギアは笑いながら頭をポリポリと掻きだした。
「あはは、ゴメンゴメン。何か突然腹が減っちゃってな」
「はぁ……だと思ったよ」
ナギアの言葉に俺は静かに返事をした。
(……まあでも、確かに俺達も腹は減ってるし、仕方がないと言えば仕方が無いかな?)
俺はそう思いながらフッと笑った後、皆のことを見回しながら話し掛けた。
「さてと……それじゃあさっさとアジトに戻ろうぜ、皆」
「おう!」
「うん!」
「ええ!」
「(おうよ!)」
皆の返事を聞いた後、俺達はアジトに向けて歩き始めた。
アジトの横にある竜舎にネロを連れて行った後、俺達はアジトのドアを開けながら中へと入った。
「ただいま」
「ただいま-!」
「ただいま戻りました」
「たっだいまー!」
アジトの奥に向けて声を掛けると、奥の方からヘレナさんが微笑みながら歩いてきた。
「お帰りなさい、みんな。みんながギルドの依頼で出掛ける間に、みんな宛の手紙が来てたわよ?」
「俺達宛の手紙ですか?」
「ええ」
ヘレナさんはエプロンのポケットから手紙を取り出すと、俺に手渡してくれた。
(手紙か……今回は誰からかな……)
俺はゆっくりと封を切り、中の便箋を取り出した後、手紙を読み始めた。
「『飛行島の皆さんへ
どうもどうも、お久しぶりです。
実はこの度、私が冒険家を養成するための学園を運営する事になりました。
ですが、現在まったく入学者がいないという、由々しき事態に直面しております。
このままではいけない、どうにかしなければとシャケを食べながら思ったその時、飛行島の皆さんや今までお会いした皆さんのお顔が思い浮かび、こうして筆を執った次第です。
飛行島の皆さんも日頃お忙しいとは思いますが、皆さんや他の方々限定の説明会を同封した要項に記載した日取りで行おうと思っておりますので、ご都合がよろしければ、是非とも参加して頂きたいです。
それでは……
シペ・コロ・カムイ』」
俺が手紙を読み終えると、キャトラが物珍しそうな様子で手紙を見ながら俺に話し掛けてきた。
「要するに、アタシ達にもその学園に入学して欲しいって事よね?」
「まあ、そういう事になるな」
俺は返事を返しながら、封筒からもう1枚の紙を取りだし、書かれている入学説明会の日程などを確認した。
「えーと……説明会は明日の午後、その学園の教室でやるみたいだな」
「ふむふむ……明日の午後からね。冒険家を養成するための学園って何だか面白そうだし。もし明日ギルドからの依頼があったら、ちゃちゃっと片付けてその説明会に参加してみよっか」
「だな。せっかくこうして手紙ももらったことだしな」
「ふふっ、そうね」
キャトラ達が楽しそうに話しているのを眺めながら、俺は便箋と要項を封筒へと戻し、それをポケットへとしまった後、キャトラ達に話し掛けた。
「よし……皆、明日はその説明会に参加出来るように、ギルドからの依頼をいつもよりも張り切っていくぞ!」
「おう!」
「うん!」
「ええ!」
アジトの入り口に皆の元気の良い返事の声が響き渡った。
翌日、俺達はギルドからの依頼を午前の内にこなし、そして依頼達成の報告をした後、手紙に書いてある学園がある島を目指して、学園の事などについて話をしながら飛行島で移動していた。
「冒険家を養成するための学園かぁ……一体どんなところで、何があるのかしらね?」
「うーん……それは流石に、行ってみないと分からないんじゃないかな?」
「そうだけど……着くまでに色々と予想してみるのも面白そうじゃない?」
「(予想か……確かに面白そうだな!)」
「でしょ? それじゃあアタシからいくわね?
アタシはね……それなりに大きな食堂があると思うわ」
「食堂か……色々な人が通う事を考えれば、確かに必要かもしれないな」
「でしょ? それじゃあ次は……リオスの番よ」
「俺か……俺は予想と言うよりはあって欲しいものだけど……やっぱり竜舎だな」
「竜舎か……一応ネロの事は知ってるわけだし、たぶん建ててくれてると思うぜ?」
「だと良いけど……もし無かった時はそれなりの手段を考えないとな」
「そうね。それじゃあ次は……」
そう言いながらキャトラがナギア達の方を向こうとしたその時、飛行島の進行方向に大きな島が見えてきた。
「……皆、もしかしたらあの島かもしれないぞ?」
俺がその島を指差しながら皆に声を掛けると、皆が一斉にその島へと視線を向けた。
「へぇー! 結構おっきい島ね! それに真ん中あたりにあるあのおっきい建物、あれがその学園なのかしらね?」
「ふふっ、そうね」
キャトラとアイリスが微笑みながら話していると、その横でナギアとネロが島を見ながら顔をパアッと輝かせていた。
「スッゴく冒険のしがいがありそうな島だなぁ……!
なぁ、ネロ! 後で皆で探索してみようぜ!」
「(おう! もちろんだぜ!)」
ナギアとネロが楽しそうに話している様子を見ながら、俺は苦笑いを浮かべ、再び島の方へと視線を向けた。
(……まあでも、その気持ちは分からなくは無いかもしれないな)
徐々に近づく島を見ながら、静かにそう思っていたその時。
「おい、リオス。そろそろ着陸をするから、準備を始めるよう皆に伝えてくれるか?」
後ろの方から静かな声が聞こえたため、俺はゆっくりと振り返った。するとそこにはバロンさんの姿があった。
「分かりました、バロンさん」
「うむ、頼んだぞ」
バロンさんは満足そうに頷くと、クルッと振り返り、アジトの方へと歩いて行った。そしてそれを見送った後、俺は皆の方へと向き直ってから声を掛けた。
「皆。バロンさんがそろそろ着陸をするから、準備を始めてくれってさ」
「ああ、分かったぜ!」
「うん!」
「オッケーよ!」
「(了解!)」
そして俺達は飛行島が着陸するための準備を始めた。
「……よっし、無事上陸完了だな!」
「だな」
件の島の港に上陸した後、俺達は周りを見回した。港には積荷を積んだ船ななどが多く留まっており、その積荷も机や椅子などから、果物や魚などの食料、そして一見何に使うのか分からない物などもあった。
(へぇ……何か色々な物があるな。これが全部例の学園に運ばれるのかな……?)
そう思いながら、港の様子を静かに眺めていたその時。
「おっ! お前達も来てたのか!」
「ボンジュールでござる! みんな!」
突然、近くからそんな声が聞こえたため、俺達が声のした方へ向いてみると、革命軍所属の少年―ザック・レヴィンと花の都の島出身のくのいち―フラン・ポワリエの二人が笑顔で俺達に向けて走ってきていた。
「ザック、それにフランも。久しぶりだな」
「おう! 皆、元気だったか?」
「ええ! アンタ達も見た感じ元気そうね」
「ウィ! セッシャ達も変わらず元気でござる!」
俺達は微笑みながら握手を交わした。
(この様子だと、ザック達もあの手紙を貰ってここに来たみたいだな)
握手を交わしながらそう思っていたその時。
「あ、みなさん! お久しぶりです!」
また近くからそんな声が聞こえたため、そちらの方へ向いてみると、氷の島の王女―ソフィ・R・ファルクさんと帝国海軍に所属している少女―カモメ・ナルミ、そして修道女の姿で日々入信者を募っている悪魔―ミラ・フェンリエッタの3人が歩いてきた。
「あら、ソフィにカモメ、それにミラも。アンタ達もカムイに呼ばれてたのね?」
「その通りであります! キャトラ航海士!」
キャトラの言葉にカモメがビシッと敬礼をしながら元気良く答える横で、ミラが静かな声で話し始めた。
「さっきここに着いた時に、偶然この2人に会ってね。それで話を聞いてみたら、アタシと同じ理由でここに来たって言うから、一緒に行くことにしたのよ」
「へぇ……珍しい3人組だと思ったら、そういう事だったのね」
「はい♪」
キャトラの言葉にソフィさんが穏やかに微笑みながら答えた。
(それにしても……ザックにフラン、そしてソフィさんにカモメ、それにミラか。後は一体誰が呼ばれてるんだろう……?)
そんな事を考えていたその時。
「おぉ! 皆も来ていたのか!」
「ふむ……中々珍しい顔触れだな」
三度、そんな声が聞こえたため、ゆっくりとそちらの方へ向いてみると、そこにはバルラ島出身の騎士―クライヴ・ローウェルさんと不死者の帝王である傍ら日々笑いを追求している吸血鬼―ヴィルフリート・オルクスの2人が歩いてきていた。
(今度はクライヴさんにヴィルフリートさんか。
……にしても、珍しいコンビだな)
そう思いながら、俺は近付いてきた2人に挨拶をした。
「お久しぶりです、クライヴさん、ヴィルフリートさん」
「ああ、久しぶり」
「うむ、久方ぶりだな」
俺がクライヴさん達と挨拶をしながら握手を交わしていると、ネロが首を傾げながらクライヴさん達に話し掛けた。
「(にしても……クライヴとヴィルフリートって、何か珍しいコンビだよな?)」
「ああ。実は……ここに来る途中の船の中で、偶然ヴィルフリート殿に会ってな」
「うむ。そして話してみたところ、我と同じ理由でここを目指しているとの事だったため、共にここまで来たというわけだ」
「(ふーん、なるほどねぇ……)」
ネロが静かな声で言った後、キャトラが俺達の事を見回しながらこう言った。
「それにしても……カムイから呼ばれたのってこれで全員なのかしらね?」
「うーん……どうなんだろうね?」
キャトラとアイリスが不思議そうに話をしていたその時。
「あ、みなさん。もうお着きになっていたんですね?」
突然、俺達の後ろの方からそんな声が聞こえた。そして振り返ってみると、そこには今回の説明会の主催者であるカムイさんの姿があった。
「あら、カムイじゃない。てっきり例の学園で待ってるのかと思ってたら、こんなとこにいたのね?」
キャトラがそう訊くと、カムイさんは頭を掻きながら穏やかな声で答えた。
「いやー……最初はそうしようかなとも思ったんですが、やっぱりお呼びしたからには自分で学園まで案内をするのがスジだと思いましてね」
「ふーん。ところで、今回手紙で呼んだのって、これで全員なの?」
「はい。本当はもう少しお呼びしたかったのですが……
まあ、その話はおいといて……そろそろ学園へと移動しましょうか」
カムイさんの言葉に静かに頷いた後、俺達はカムイさんの後に続いて学園へと続く道を歩いて行った。
港を出発してから十数分後、俺達は件の学園の校門へと辿り着いた。
「さて……それじゃあ今から、校門を開けますね?」
カムイさんはそう言うと、どこからか鍵を1つ取り出し、それを校門に掛けていた錠前へと差し込んだ。そしてそれから程なくして、錠前からカチッという音が聞こえたかと思うと、カムイさんが両手を使ってゆっくりと校門を開け始めた。そして校門を開き終わると、カムイさんは俺達の方へと向き直った。
「さて……それでは早速、学園の中へと入りましょう」
俺達は再び静かに頷いた後、カムイさんと一緒に校門をくぐり、学園の中へと入っていった。そして俺達の目に飛び込んできたのは、
「さぁ、着きましたよ。ここが私が学長を務める学園、その名も【茶熊学園】です」
とても広い運動場や赤い屋根の校舎などがある【茶熊学園】の姿だった。
「ここが【茶熊学園】か……」
俺達はカムイさんと一緒に歩きながら周りを見回した。
(当然と言えば当然だけど、やっぱり飛行島では見ないような物ばかりがあるな……)
目に飛び込んでくる様々な物を見ながら思っていると、キャトラがカムイさんに静かな声で訊いた。
「飛行島から見た時も思ったけど、ここってとっても広いわよね?」
「ええ。この島全体が【茶熊学園】の敷地となっていますから。そしてその分、様々な施設や設備を取りそろえています」
「様々な施設や設備……ですか?」
「はい。
……まあ、それらに関しては後ほどご紹介致しますので、先に校舎の中へと入りましょうか」
俺達はカムイさんの後に続いて、【茶熊学園】の校舎の中へと入っていった。
そして数分後、カムイさんは教室の前で足を止めると、静かに部屋の戸を開けた。
「それでは皆さん、教室の中へと入って下さい」
カムイさんの言葉に頷いた後、俺達は教室の中へと入った。教室の中には十数組ほどの机と椅子など綺麗に並べられており、俺達は前の方から順々に座っていった。そして俺達が全員座ったことを確認すると、カムイさんは教壇と黒板の間に立ち、そして俺達の方へと顔を向けた。
「さて……それではこれから【茶熊学園】の入学説明会を始めたいと思います」
カムイさんはそう言った後、一本の白いチョークを手に取り、それを使って黒板に次々と文字を書き始めた。そして書き終わった後、カムイさんは再び俺達の方へと顔を向けた。
「さて……まずはこの【茶熊学園】の役割について説明致しますね。
【茶熊学園】は手紙にも書きましたが、皆さんのような冒険家を養成するための学園ではあるのですが、それと同時に【闇】に対応できる冒険家を育成するための学園でもあります」
「【闇】……」
カムイさんの言葉にアイリスが不安げな表情を浮かべながら呟いた。
「はい。皆さんもご存じのように【闇】は各地で目撃されており、その被害の程度もまちまちですが、時にはとても大きな被害を及ぼしています」
『そうですね……私達も様々な場所で彼らと遭遇していますが、必ずと言っても良いほど、どなたかが大きな被害を被っています……』
カバンの中から賢者のルーン―ワイズが暗い声で言うと、カムイさんは静かに頷いてから言葉を続けた。
「そこでその対策として建設されたのが、この【茶熊学園】です」
そう言ってカムイさんは黒板の方へ体を向けると、ここまでの事を黒板に書き始めた。そして書き終わった後、再び俺達の方へと向き直った。
「この【茶熊学園】では皆さんのように現在冒険家として活躍されている方を含めた様々な方に入学をして頂き、学園生活を送る中で交友を深めながら冒険家としての腕を磨いて頂く事を目的としています」
「学園生活か……カムイ殿、先程ここに来る途中で様々な施設や設備を取りそろえていると仰っていましたが、具体的にはどのような物があるのですか?」
クライヴさんが手を上げながら質問をすると、カムイさんは静かに頷いてから黒板の方へ体を向けた。
「そうですね……例えば、遠方から通う方々のための学生寮、そして体育館やプールなどといった運動のための施設、後はリオスさんのようにドラゴンライダーとして活躍されている方々のために竜舎なども準備してあります」
「ふーん……ねぇ、カムイ。この学園に食堂とかはあるの?」
「はい、それはもちろん。通って頂く皆さんに不自由などが無いように、キッチリ色々と取りはからっていますから」
「さっすがカムイ! 分かってる-!」
「冒険家は体が資本ですからね。衣食住についてはしっかりと抑えています。
さて……それではそろそろ本題の方へ行きましょうか」
そう言った後、カムイさんは真剣な表情で言葉を続けた。
「ここまで【茶熊学園】について話してきましたが、皆さんはこの学園についてどのような印象を受けました?」
「そうね……衣食住がしっかりとしてる上に、【闇】に対しての対策とかも考えてて、すごく良いと思うわ」
「私もキャトラと同じで、この【茶熊学園】はとても良いところだと思いました」
キャトラとアイリスが感想を言った後、俺を含めて全員が感想を言ったが、一人として悪い印象を持った人はいなかった。
(まあ、実際話を聞く限り、凄く生活しやすそうだもんな)
そう思っていると、カムイさんがホッとしたような様子で話し始めた。
「それなら良かったです。皆さんにそう言って頂けるまで、不備などがないか少々不安に思ったりもしましたから。
……それでは伺います。皆さん、この【茶熊学園】に入学して頂けますか?」
カムイさんの問いかけに、俺達は一度顔を見合わせたが、一斉にコクンと頷いた後、カムイさんの方へ顔を向けてから声を揃えて返事をした。
『はい!』
俺達の返事を聞くと、カムイさんは一度ぼうっとしたが、すぐにハッとなると、大きく息を吐きながら教壇へと倒れ込んだ。
「良かったぁ……皆さんにそう言って頂いて、私は一安心です……」
「ふふっ、せっかくのカムイの頼みだしね」
「ああ。それに冒険家としての活動の合間の学園生活ってのも、中々楽しそうだしな」
「キャトラさん……ナギアさん……」
キャトラとナギアの言葉にカムイさんは目をウルウルさせたが、すぐにどこからか取り出したハンカチで涙を拭うと、キリッとした顔で話し始めた。
「それでは、皆さんのための制服や教科書などいった物は、準備が出来次第お送りしますので、入学式や学園にいらっしゃる時は制服を着用してきて下さいね?」
「それはもちろんよろしいのですが……その入学式はいつ頃行う予定なのですか?」
「そうですね……皆さんや他の入学者さん達の準備が出来次第なので、それについてはまたお手紙でご連絡しますね」
「分かりました」
アイリスの言葉に一度頷いた後、カムイさんは俺達の事をジッと見ながら静かな声で言った。
「それでは……少々早いとは思いますが、この言葉を言わせて頂きますね」
そこで一度言葉を切った後、カムイさんはニコッと笑ってから言葉を続けた。
「ようこそ、【茶熊学園】へ!」
後日、俺達の元に【茶熊学園】の制服と教科書などが届いた。
「へぇ……制服はこんな感じのデザインなのね」
「ふふっ、そうだね」
自分達の制服を見ながら楽しそうに話すキャトラ達の横で、教科書をを読んでいたナギアとネロが静かな声で話し始めた。
「ふーん……こういう事を授業でやるんだな……」
「(みてぇだな。
……まあ、俺はお前らの授業中は竜舎で寝てるか、その辺の空でも飛んでることにしてるけどな)」
「そっか。まあ、授業が終わり次第、早めにネロのところに行けるように頑張るからさ。な、リオス?」
「ああ。だからそれまで少し暇な時もあるかもしれないけど、辛抱しててくれよ?」
「(へっ、そのくれぇ余裕だよ。だからお前らはしっかりと授業を受けろよ?)」
「ああ、もちろんだ」
「へへっ、だな!」
ナギアと笑い合った後、俺は自分の制服を太陽に翳した。
(いよいよ俺達の学園生活が始まる……何が起きるか分からないけど、色々な事を楽しみながら学園生活を送っていこう)
これからの事への期待に胸を膨らませていると、カバンの中からワイズが静かな声で話し掛けてきた。
『リオス様。学園生活においては、私も精いっぱいサポートをしますね』
「ああ。よろしくな、ワイズ」
『はい』
ワイズの返事を聞いた後、俺は澄み渡る青空へと顔を向けた。
(さぁ……俺達の学園生活の始まりだ!)
政実「プロローグ、いかがでしたでしょうか」
リオス「今回はいつもよりはわりと短めだったな」
政実「まあ、あくまでもプロローグだからね。こっちの方では出来る限り、1話の長さを今回と同じくらいにしていけるようにする予定だよ」
リオス「そっか。因みにタグにある微粒子レベル程度のギャグ要素って何なんだ?」
政実「えっと……本編の方ってわりとギャグ要素無しで進めてるから、こっちの方くらいはギャグ要素ありで進めていければ良いなと思って付けたんだよ」
リオス「なるほどな。
……さて、こっちの更新頻度はどのくらいの予定なんだ?」
政実「白猫プロジェクトで茶熊学園イベントを開催している間は、出来る限り1週間に1話程度、開催してない時は2週間に1話程度の予定だよ」
リオス「ん、了解。
そしてこの作品や本編への感想や意見もお待ちしていますので、よろしくお願い致します」
政実「よし……それじゃあそろそろ締めようか」
リオス「おう」
政実・リオス「それでは、また次回」